|
プロフィール |
コメント数 |
791 |
性別 |
|
自己紹介 |
猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。 猫のヤツらは冷酷です。 |
|
1. 僕らのミライへ逆回転
《ネタバレ》 面白い。お勧め。
序盤の訳のわからないノリは結構好きだ。ジャック・ブラック的なお約束なんだろうね、ああいう壊れ方は。
中盤の映画リメイクから始まる騒動は、弱小チームモノ系のセオリー通りで安心して観ていられる。結構絶望的な状況のはずだけど、ふしぎな優しさがあって、トゲがない。映画撮影をしていく彼らを見ていて、著作権とか大丈夫なのか?って思っていたらまんまと訴えられるわけだけど、そんな彼らにもやっぱりちょっとした温情を何とか届けたいような気持ちに駆られる。とは言え、重大な犯罪行為だったりもするわけでやっぱりそのやりきれなさは堪える。
そう言う風にして何とか懸命に街を生かそうとする人々になんかスゴい感動してしまった。確かに序盤とそれ以降ではなんか風味が違うようにも思うけど、それが上手く雰囲気を作ってる。やりきれなさを少し和らげてくれる間抜けな主人公たちが居るからこそこの映画はすごく光っているんだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2011-09-19 02:51:25)《改行有》
2. ホテル・ルワンダ
日本は今も、紛争や戦争の遙か後方にいる。だから紛争や戦争のさなかではない。でもそれだけ。さなかではない、それだけだ。
この作品は日本が今後も戦時下でないという仮定しかしないひどく利己的な反戦映画に、納得してしまう自分を戒めるきっかけとなるのではないだろうか。何か起これば雪崩のように同種の事件が連発する社会で、平和を保とう、戦争は悲惨“だった”。などと上からの視線で主張するのは一体どういう事だろうかと。
紛争状態になればモラルなんて一発で消えるだろう。この社会を構成する僕たちは、僕たちが思っているよりずっと残忍で冷酷だ。そう言う国で、悲惨に死んでいく昔の人の映像だけを反戦の根拠とするのはいかがなものか。言葉に出来ない、人情ドラマにすることすら出来ないこの映画以上の惨劇が各地で今起こっているのに、判で押したかのような様式の国産の反戦映画で感動して、アメリカを軽蔑したらたちどころに馬鹿みたいに気が大きくなってしまう自分を戒めたい。
戦争や紛争が悪であるなんて当たり前だが、一方で殺人という行為が禁忌である理由を巧く説明できないことが一時話題になったことがある。その理由と要素はちょっとだけ複雑だけれど明白であるにもかかわらず、一言で説明することは困難だ。詳述されるその答えを用意するのも理解するのも私たちには、重荷だ。
殺人の罪は主観であるなどと言うのは、それを利用した文化人の言葉遊びだ。
そのテレビ的主張をまんべんなく否定できているわけではないこの社会では、反戦映画を観たくらいで今起きている悲惨な暴力は止められない。
世界平和といいつつ、世界の紛争やテロリストのやり口の悲惨さを、主張があるから一方的な悪ではないなどと拙く片付けてしまう。この社会で僕たちは、幼稚な主観主義で目をそらしすぎたおかげで争いと虐殺を、全く戦争として認識ができない。
自分好みの戦争と、そうではない戦争。思う様虐殺を楽しむ人たちを無関係なドラマだと楽しむ僕たちと、歴史の中のレアケースを選択的に憎む僕たち。身勝手さと頭の悪さに足元が揺れはしないか?[DVD(字幕)] 10点(2008-08-15 02:44:40)《改行有》
|