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性別 男性
年齢 53歳

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181.  クリスタル殺人事件 いや~この邦題、イイですねえ、何だか『13日の金曜日』と関係ありそうなタイトルじゃないですか。もっとも、大量殺戮どころか、原作よりも殺人事件の数が減っているんですが・・・。まだ決して多くはない既読のクリスティ作品の中で、まあ正直、かなり印象に乏しい、この『鏡は横にひび割れて』。だってさあ、アンフェアだとかパクリだとかいうミステリなら、それはそれで印象に残るんだけど、ここまで普通に「予想通りの犯人」だと、犯人を当てた爽快感も無く、作品をわざわざクサす気力も起らず、よって何も語られることなく、記憶の谷間に埋没していくばかり(犯行動機に若干の新味あり、かな)。では何でそんな作品をわざわざ映画化するのか。と言えばおそらく「この作品なら好き勝手に映画化してもファンに怒られることはないでしょ」っちゅうことじゃないのでしょうか。いや実際、愉快なアレンジです。原作では特にどうということもない存在の、女優仲間のローラを、映画では“一触即発のライバル”に持ち上げて、イヤ~なドロドロ感を展開。こうでなくては。これでさらに、原作とは別の犯人にしてもらえるとナイスだったのですが、そこまで来るともうオリジナル作品にしちゃった方がいいんですが、やっぱり「面白いオリジナル」より、「ツマラなくてもクリスティ原作」の方が興行的に有利なんですかね。結末は大筋原作通りですが、ちょっとドラマチックに演出していて(空のベッド!)、このあたりもなかなか。この映画、注文つけるとすると、「せっかく映画黄金期を舞台にするんだったら、もっとそれを意識したパロディ的演出がたくさんあってもよかったんじゃないの」ってことですかね。いやそれより、撮影風景のシーンにまるでゴージャス感が無いのが気になったかな。それと、あと、ヘザーがダイキリをこぼすシーンで、あれだけ派手にぶちまけたのに、それに対して皆あまりにも無頓着で、そりゃありえへんでしょ、と思いましたが、それは些細な話。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-03 21:42:36)

182.  地中海殺人事件 今までに読んだクリスティ作品(決して多くはないですが)の中では、この『白昼の悪魔』は結構、気持ちよく読めた部類に入る作品です。トリックがなかなか気が効いており、それなりに妥当な解決であり、そして何より、万人にお馴染みの作品ではないという点で「事前の期待が特に高くはなかった」という点が挙げられるのですが(最後の点が皮肉にも実は、ミステリを味わうのに重要だったりするので、もし上記を読んで本作に期待してしまった人がいたら、誠に申し訳ないです。ははは)。で、映画版の本作ですが、これもまた気が効いてると思います。この軽いノリ。これこそクリスティのノリじゃないですか。いやまあ、あの読みやすさってのは「会話の多さ」であって、これをそのまま「会話の多い映画」として作っても面白くない訳で。要するに、原作の軽さを、映画らしいユーモア感覚に置き換えているところが、本作の魅力ですね。気負いの無さがかえって成功している、さすがガイ・ハミルトン。・・・それにしても映画開始早々に死体が登場、これはなかなかにショッキングでした、だって、死体が呼吸してるんだもん(ワタシにはそう見えたのだが・・・)[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-18 03:50:38)

183.  ナイル殺人事件(1978) 監督はジョン・ギラーミン、スペクタクルならオイラにお任せ。クリスティ『ナイルに死す』の映画化とくりゃあ、これはもうゼヒとも、あの雄大な遺跡群を豪快に撮り上げてやるぜ。いや実際、ピラミッドを登るシーンなんて、どうやって撮ったんでしょうねえ。しかし・・・ごめん。実はあんまし楽しめなかったのよ。大味過ぎて。原作は確かに長いけど、それでもこの映画はチト長過ぎないかしらん。エジプトの光景を映画に織り込んで盛り上げてくれているのでしょうが、あまりメリハリが無く、意外に気分が乗りませんでしたスミマセン。ポアロが誰かを疑い問い詰めるたびにいちいち“犯行再現ダミー映像”が流れるのも食傷気味(これ、やり過ぎると、ラストの真相解明シーンまでもが並列的になり、どうでもよくなってくる)。ま、原作はクリスティ自身がお気に入りの一本だったものでもあり、プロット自体は楽しめるものに違いないんですけど・・・。ところで、前半の「落石事件」って、映画の中で“きちんと正式に”解明されてたっけか?(こういうのも、“犯行再現ダミー映像”の副作用ですよねえ)。もしかして、○○○の役を、あまりイメージに合わない△△△なんていう役者にやらせるから、この辺りの収拾がつけられなくなっちゃったの?[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-05-28 16:56:39)

184.  暴走特急 シベリアン・エクスプレス 観始めてナンボもしないうちに「あ~この映画、列車の暴走なんて最後まで起こらないんだろうな」と気づくワケですが。列車を舞台にしたサスペンス映画です。しかし、こんな掟破りの邦題をヒネリ出したヒトの、一人でも多くにこの映画を見せたかった気持ち、わかります。こりゃなかなかの力作です。面白かったです。異国人に囲まれた、異国の列車行において、目の当たりにする光景の目新しさと、勝手の分からない不安感。それをうまくサスペンスにとりこみ、また登場人物たちの配置のうまさも加わって、実にハラハラさせられる展開になっています。巻き込まれ型で追いつめられ型の、じっくり楽しみたい作品。まー結果的に、この邦題でむしろ損してますね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-26 17:13:15)(良:1票)

185.  シテール島への船出 映画の中心に置かれている物語は、まー言ってみりゃ「頑固ジイサンが帰って来て、ひと騒動」ってヤツですが。しかしこれが、まるで神話のごとくゆったりとした時間の中で描かれ、しかもその「神話」が「神話」のままでいることができず、現代社会の中で居場所を失っていく。それがもうタマランのです。かつての闘士であり今は亡命者である「父」。歴史そのものでもあり、神話でもある。また現代に生きる主人公にとっても、自らの存在のルーツとして、心の一部に巣食って離れることのない存在。その「父」、亡命先から帰ってきた「父」は、周囲から追い立てられ、この国にも居られず、亡命先にも受け入れられず、居場所を失っていく。ただ「母」だけは、その「父」にかつて捨てられながらも結局は彼を無条件に受け入れていく。美しいシーンのオンパレードなのですが、ラストシーンは涙無しでは観られない、その美しさと切なさは特筆モノ。こりゃ『シテール島への船出』というより、ほとんど“補陀洛渡海”の世界ですな。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-22 23:22:35)

186.  ニューヨーク1997 《ネタバレ》 カート・ラッセル演じる主人公スネークの反骨精神もさることながら、映画自体がまさに反骨精神の塊、「状況を説明してやるものか」とばかり、一人合点に映画は進み、「盛り上げてやるものか」とばかり、サクサクと映画は進む。このワケのわからなさ、とりとめの無さ、音楽の安っぽさ、それでいて網膜に焼き付いて忘れられなくなる光景の数々。これぞまさに“深夜放送映画”の王様ですな。ラストで(予想通り)カセットから音楽が流れた瞬間、ボーグナインのいかつい顔が脳裏をよぎり、ちょいと泣けてくる。[DVD(字幕)] 8点(2011-01-29 00:11:36)

187.  戦争のはらわた かなーりノイローゼな映画。第2次大戦下のドイツ軍のオハナシ、とは言え、誰と誰が、どこで、どういうシチュエーションで戦っているのやら、はっきり言ってどうでもよくて、爆撃、爆音がひたすら続き、硝煙がひたすら流れ続ける。戦争の狂気と残酷さを描いた作品、などと言ってしまうと何だか陳腐な感じがしますが、本作の徹底ぶりはハンパじゃない。行きつくトコロまでイッちゃって、得体のしれないレベルにまで到達しており、とうとう邦題までこんな意味不明なものになっちゃいました。あははは。この映画、コワイです。[DVD(字幕)] 9点(2010-11-17 23:42:13)

188.  タイタンの戦い(2010) 映像は『ロード・オブ・ザ・リング』と見事におんなじ。まるでコピーのよう。これは要するに「この映画はスペクタクルでございます」と言いたい訳ですね。いや、そのくらい見当つきますから、もっとオリジナリティ出してもらって構わないんですけどね。『ロード~』との違いと言えば、“映画の長さ”だけ。でもこれが実は重要だったりする訳で、おかげで、実にお気楽に楽しめる映画になってます。アメコミ風ギリシャ神話。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-11-15 23:16:36)

189.  シャーロック・ホームズ(2009) 《ネタバレ》 確か、モーリス・ルブランの小説にシャーロック・ホームズとかいうとてもマヌケな探偵が出てきていたが、その映画化なのか?と言いたくなるくらい、マヌケなホームズです。大体、容姿もコナン・ドイルの小説でイメージしてたのと何だかかけ離れていて(ワトソン役のジュード・ロウの方がまだしもナンボか近いんじゃないの?などと思って観てると、ちょっと混乱してしまいます)、でも、容姿だけじゃなく中身も全然違うから、ま、いいか~。って、じゃあ何でわざわざシャーロック・ホームズなんていう実在の人物(註、ファンにとっては実在の人物なのです、ハイ。だからワタシはファンではありません、笑)の名前を映画で使うんだよ~。・・・とか言うのはどうでもよくて、一種のパロディ作品と思えばいいんでしょうけど・・・とりあえず残念ながらこの映画、イマイチ面白くない。そもそも映像が、一生懸命にCGで背景を描き足すことにのみ神経を注ぎ、もひとつ面白くない。何かとカッコつける割には大味な印象を受けます。物語も何だか要領を得ず、トリックの解明はすべて「そういう薬品があるんです」と言い切ってしまうだけ、というのが、これまた厚かましいではないですか。ま、これはこれでいいんですかね、演繹的推理の怪物あるいはマシーンとしての名探偵、ではない、ポンコツ・ホームズを撮りたいらしいので。これはアクション映画ですね。頭脳ではなく肉体で戦うホームズ。特に、大男と戦うシーンというのは、いつ見ても楽しい、いわば定番ですね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-10-31 00:04:35)

190.  プレステージ(2006) 《ネタバレ》 結局のところ、まともなトリックなんぞ無かった、というか、最大のトリックが『0086笑いの番号』かよ、と言いたくなるのですが、でも、面白かったです。クリスチャン・ベールの回想、ヒュー・ジャックマンの主観、クリスチャン・ベールの手記、ヒュー・ジャックマンの手記。互い同士がイレコになる複雑な階層構造、どちらが「器」でどちらが「中身」なのか。相手を躍らせているのはどちらなのか、踊らされているのはどちらなのか。そして、最後に笑うのはどちらなのか。そういった点、なかなかにスリリング。しかし映画とは言え、ヒトの手品を台無しにするのを見るのはヤなもんです(笑)、それもこんなに何度も見せられては。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-28 22:30:42)

191.  オスロ国際空港/ダブル・ハイジャック 片やテロリストに大使館が占拠され、片や飛行機がハイジャックされ、という、一粒で2度おいしい映画、と行きたいところですが、うーんコレ、どうなんでしょうね。いや、ハイジャックされた飛行機が、タイヤから煙を上げながら走るシーンなんか、すごくカッチョよいし、対テロの様々な作戦行動の描かれ方も、派手さは無いけどなかなか鋭い、とは思うのですが・・・全体的に若干、ヌルくないですかね。しかもそのヌルさが、こんなヌルいオチの布石だったのでは、ちょっと・・・。とは言え、なかなか楽しめましたです、はい。[DVD(字幕)] 7点(2010-09-02 22:25:24)

192.  ジャガーノート 某レンタル屋を覗いてみると「面白くなかったら返金します」キャンペーンをやっていて、その対象作品が、よりによってこの『ジャガーノート』とは。ちょっと心配、でもニコニコ。逢坂剛『百舌鳥の叫ぶ夜』なり、藤原伊織『テロリストのパラソル』なり、野沢尚『魔笛』なり、爆弾モノにハズレ無し、と個人的に思い込んでいるのですが、その原点ともいうべき作品ですね。豪華客船に仕込まれた爆弾と、それに立ち向かう爆弾処理専門家との、静かで息詰まる死闘。「ナンボなんでもこんな手の込んだ大量のドラム缶爆弾を誰にも気づかれずに船に積み込むのは無理やろ」とか「犯人は、船が嵐に巻き込まれて乗客が逃げられなくなることまで予想していたのか?」など、しょーもないツッコミをしてはいけません(そういうケチをつけてレンタル屋に返金を要求してはいけません)。ただただ、緊迫感に満ちた爆弾処理が微に入り細に入り描かれる過程の、そのサスペンスを堪能すべし。配線を切断する瞬間の恐怖。爆弾に仕込まれた数々のトラップの不気味さに対して、それに立ち向かうのは、無機質な工具の数々。それらを操り冷静に作業を進めるリチャード・ハリスが、めちゃカッコいい。最後に行きつくのは、『魔笛』でも語られていた通り、赤か、青か。まさに永遠の課題、永遠のスリル。ところでどうでもいいことだけど、犯人の“ジャガーノート”の電話の声を聞くと、正体は“まんが日本昔ばなし”の常田富士男としか思えないのですが。[DVD(字幕)] 8点(2010-08-15 22:37:39)

193.  アバター(2009) え~、劇場で3Dで観なかった以上、本作を観るつもりはなかったのですが、レンタル屋店頭に大量に残ってたもんで、はい、出来心です、すみません。とりあえず、2Dでもなかなか楽しめました。内容的には『ミッション』のようで『もののけ姫』のようで『ポカホンタス』のようで、要するに結構、ベタなのかも知れませんが。ナヴィ族が変な顔だと言う声もありますが、どうしてどうして、観てると違和感なくなってきます。髪型的には、今は亡き軍事評論家のエバター氏を思い出したり。それはともかく、本作の、この入魂のCG映像には、頭が下がります。ただ、2Dで観てしまったからなんでしょうけど、これは「これまでの集大成」的なCGであって、何か「今までできなかった」ような新しい世界が開けたような気はあまりしないですね。作り物、っぽい感じ、実写に似せようとして似せ切れないアニメ。内容的にも、気になる面はあります。主人公は実生活においては下半身不随で孤独の身、一方アバターを操っている間は飛んだり跳ねたり自由の身。ってコレ、要するに、主人公がナヴィ族にシンパシーを感じるとか何とか言う以前に、そもそも自分自身の利害、打算がありますやんか。そう言って悪いなら、ナヴィ族側につくにあたって、得るものこそあれ失うものはなく、何ら「苦悩」や「決断」の必要がないじゃないですか。またこの映画、やたら長尺のくせに、この映画が終盤に近付いてくると、明らかに物語を「端折って」慌ただしくなります(違和感ありあり)。いや長尺だからこそ、この辺りでグンとスピード感を出したいところなんでしょうけど、観る側がそろそろ退屈しやしないか、という、一種の媚のようにも思えます。そんなコトが心配なんだったら、そもそももっと映画を短くすれば(可能ならその分CGのクオリティを上げれば)いいやんか、と思ってしまいます。で、クライマックスの戦闘ですが、近代兵器を操る人間たち相手に、圧倒的不利で絶望的な戦いが続くかと思いきや、実はやたら強かったりするのがナヴィ族の可愛くないところ。でもまあ、このハチャメチャな戦闘シーンが、何だか『トゥルー・ライズ』を思い出させて、ちょっとうれしくなったりもするのですが。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-08-13 23:14:56)

194.  オリエント急行殺人事件(1974) 原作については、誰でも(?)読んでる有名な推理小説だし、作品の背景となっている実際の誘拐事件についても、どこにでも書いているので、改めてここに書く必要もないでしょうけど。原作小説における、この誘拐事件の位置づけは、事件に対する憤りなのか、単にトリックにケチをつけられないためのエクスキューズなのか、それはともかく、作品にいくぶんサワヤカな印象を与えているのは事実だと思いますが・・・いやあ、こうして映像化してみると、サワヤカどころか、変態的・猟奇的ですね(笑)。それにしても、「雪で立ち往生した列車内」という限られた舞台に、有名俳優をぎっしり押し込んで(外は寒そうだけど中は暑苦しい?)、ゴージャスな映画になってます。カメラも腕の見せ所、尋問のために次々に現れるスターどもをバッサバッサと料理する。当然、「そのうちの一人は、尋問すべてをワンショットで撮ってやろう」なんぞという発想にもなる訳ですが、一体どの俳優がその餌食となるのか。うーむ、イングリッド・バーグマンと来ましたか。そして、その一人ひとりの尋問の後、恒例の、“容疑者集めて犯人指摘”となる訳ですが、これがまた、スターそろい踏み、映像にするとなかなかに見栄えがするものでして、結構盛り上がるのでした。あとこの映画、リチャード・ロドニー・ベネットの音楽が良くって、変に構えたようなメインテーマのワルツとは対照的に、緊張感のある音楽で映画をビシッとシメています。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-08-10 06:44:24)(良:1票)

195.  ガンジー ガンジーと彼を支援する牧師が列車に乗っていると、走行中の列車の屋根の上から「上がっておいで」と声がする。牧師は自分も屋根に上がってみようとするけど、車内のオバチャンが「危ないからヤメナサイ」と牧師の足を引っ張り、牧師は宙ぶらりんになってしまう。そこでガンジーがオバチャンに「止めようとするのはかえって危ないのだよ」と諭す。このシーンにも見られるように、本作は、単なる歴史再現ドラマではなく、象徴的なシーンがさまざまに織り込まれています。確かに列車の屋根の上は危険には違いないのだけど(トンネルに入る時にぶつかりそうになったり)、命がけでそこに向かおうとしている人を無理に止めようとすることこそ、もっとも危険を孕んでいるのだ・・・。また本作は、ガンジーという人、個人を描く映画でもなくて、彼をその象徴として歴史のうねりを描いた映画でもあります。だからこの映画のガンジーは、くよくよと個人的に思い悩んだりはしない。あくまで象徴的な存在、「信念の人」であり、その彼ですら苦悩する時のその苦悩とは、もはや人類の歴史の苦悩そのもの。「信念の人」ですらどうにもならない、民族間の対立による悲劇。やがて苦悩から徐々に希望の光が差してくるのだけど、いずれカタストロフが訪れることは、映画冒頭ですでに予告されている・・・。[CS・衛星(字幕)] 10点(2010-08-05 23:30:18)

196.  サブウェイ123 激突 何で今さら『サブウェイ・パニック』を再映画化するんだろう(その一方でたくさんの新規な企画がボツになって消えていってるのだろうに)、しかも何でこんな鉄板(?)の企画でトニー・スコットが監督するんだろう(誰か新しいヒトに任せてみては?)、しかもしかも、何でジョン・トラボルタとかデンゼル・ワシントンとか、ギャラの高そうなヒトが、「これ誰やねん」と言いたくなる凝った役作りをしてまで主演するのか(こういうオッサンの俳優、他にナンボでもいそうだけど)。などなど、この映画の存在自体に対するギモンがイロイロと沸いてくるのですが。まあ、でも、結構、面白かったです。原作や前の映画に比べると、多少、荒っぽくて派手なので。ただし荒っぽくしてしまった分、トラボルタが変質者にしか見えず、常識人であるデンゼル・ワシントンとの間が一向に埋まらないまま、日常に埋没するように映画が終わってしまうのが、手ごたえ歯ごたえのやや乏しいところ。また、彼が身代金を運ぶ役に指名され、奥さんと最後になるかもしれない会話を携帯電話でするヘリポートのシーン、いい感じなんですが・・・日が照ってたはずなのに、明らかに曇りの状態で撮影されたカットが混じり、印象的なシーンに水を差す。日が出るの待ってから撮影できないもんですかね。あと、物語においてネット動画が重要な役を果たしたり、Googleマップみたいな街の俯瞰の映像が出てきたりする、これらの“ネット”ネタが、何やら、先日発表されたグーグルとソニーの提携の布石のようで(本作はソニー・ピクチャーズ)。グーグルをヨイショするための映画なんだったら、ヤだなあ、何だか政治的だなあ、と。さてところで。なんで、地下鉄の窓って、いつも濡れてるんですかね(それともこの映画だけですか?)。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-07-08 22:22:14)(良:1票)

197.  サバイバル・アイランド その昔、「『タイタニック』に続編が出来るらしい」なんぞという、マコトシヤカとは程遠いガセネタが流れたことがありましたが、実は本作こそ、タイタニックの続編と呼んで呼べなくもない(かなり苦しいが)作品、なのであります。って、単に、「ビリー・ゼイン」が出演してるというコトからのこじつけやんけ、と言われれば、まあその通りですが。とりあえず、どのように続編っぽいかと言いますと・・・巨大豪華客船ならぬ小型船がボヤのために沈没、男前の船員と、客のグラマー若妻が無人島に流れ着く。そこにさらに、若妻の夫であるビリー・ゼイン(ただしハゲ)も流れつき、南の島を舞台に△関係が演じられて観る者をヤな気分にさせる、という趣向。まさにタイタニックそのまんまですね(どこが?)。しかも、後半には沈没したタイタニック号(じゃなくてただのボートですが)が引き上げられるスペクタクル(?)付き。その後に展開される修羅場は、『蠅の王』なども彷彿とさせ、なかなか盛りだくさん。そして、若造とハゲオヤジの死闘は、笑撃の結末へ(すみません、あっけな過ぎて爆笑してしまいました)。ちょっとエッチなシーンもあったりするのが、サービスというべきか、出し惜しみというべきか、あるいは「いつの間にパンツはいとるねん」「いつの間に服を羽織っとるねん」という、脱ぐ・着るに関する編集チョンボが多いぞ、と突っ込むべきか。ま、そういう訳で、なかなか見どころの多い、しかしあまり見ごたえのない作品でありました。[DVD(字幕)] 6点(2010-06-21 22:51:28)

198.  王になろうとした男 《ネタバレ》 なかなかにブッ飛んだお話でして、二人の野心家(あるいは夢想家、あるいは誇大妄想狂)が、艱難辛苦の末にインドの山奥に行って、王様になっちゃおうとする物語。冒頭の列車のくだりなどからすると、詐欺師同然の連中には違いないのですが、あっけらかんとしていて憎めない存在。その二人が、持ち前の大胆さ、無謀さ、そして運命の歯車によって、あれよあれよという間に支配者の地位に登りつめちゃう。マイケル・ケインの方はまだ小悪党の顔を残しているけれど、ショーン・コネリーの方は、自分の妄想に自分が飲みこまれてしまい、王どころか神を目指してしまう。しかし物事そううまくは行かない、正体がばれ、追われる身に。そして、あっという間に登りつめた地位から、吊り橋から谷底へ、まさにあっという間に転落していく。運命の怖さ、ですね。登りつめた後に転落した者のなれの果て、という物語ではあり、悲惨な物語でもあるのですけれど、それでいてどこかカラッとした陽気さがあり、楽しい映画になっているところが、本作の奇妙な魅力と言えるでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-14 17:17:37)

199.  ブラックブック シリアスな作品と思いきや、終盤、あえて支離滅裂路線を進み始める、意外さと面白さ。物語の先がどうなるかわからないサスペンス作品が、やがて、映画自体がどうなってしまうかわからない、という緊張感へ。まるで主人公は、現代(映画冒頭の時代)へと「逃げ」帰ったかのよう。不思議な作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-09 17:38:17)(良:1票)

200.  スイミング・プール アングロサクソン熟女 vs ラテン娘、という恐るべき女優対決。ちぇっ何よこの小娘、調子こいてビーチクばっかし出してるんじゃないわよ、私だっていつもビーチク隠してる訳じゃないのよ、やる時はやるわよ。ってな感じ。ああ恐ろし。まあ、実はコレが、ミステリとしての本作に対して、一種のミスディレクションになっている訳ですが(なってないですかね?)。本作 一見したところ、オバチャン作家が奔放な小娘に振り回される、という物語、なもんで、あくまでC.ランプリングがL.サニエに対し、一方通行の視線を送っていたはず、それが時に、L・サニエ側からの視線となる時の、ゾクリとする感じ。まさに映画ならではのミステリ感覚で、最後までひきつけられました。もっとも、小説にしてしまったらあまり面白くなさそうなオハナシではありますが。[地上波(字幕)] 8点(2010-05-09 08:49:48)

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