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プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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61.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 《ネタバレ》 2部構成らしい、出し惜しみ感満載ですけれども、ハリーたち3人が脈絡なくあちこちに旅するオハナシ(ってか、ストーリーがあるのかどうかもよくわからんが)で、3人が脈絡なくあちこちの場所に現れるもんで、一本の映画でさまざまなシーンが楽しめるってのは、これはこれで悪くないもんです。 で、いよいよシリーズ終盤、主人公たちも成長し、「それにしてもハーマイオニーがこんな美人になるとは」とか「それにしてもロンがこんなブサイクになるとは」とか、皆さんいろんな意見があると思いますが、私も正直、どちらがロンでどちらがドビーなのか区別がつきませんでした。なんてね。 と、ロンのことをケチョンケチョンに書きたくなるくらい、このPART1では、ロンを徹底的におとしめて欲しい、ドン底に叩き込んでほしい、と思っちゃうんですが、ハリーはロンに甘すぎる。ケンカしてもすぐになあなあになってしまい、せっかくの緊張感も雲散霧消してしまう。ロンが長い長いトンネルをくぐってこそ、PART2でのハーマイオニーとのキスシーンに深い感慨が起ころうというものを、アレはまーったく意味のないキスシーンでしたね、プンプン。 すみません先走りしてしまいました。 さあ、この先どうなるんだろう。PART2が楽しみだなあ(汗)。[DVD(吹替)] 5点(2019-05-11 12:11:17)《改行有》

62.  ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 「トランク」の存在が、お話の要になっていて、面白いんですね。トランクのすれ違いが、物語の発端でもあり、オチにもなっている。 そんでもって、トランクに入るワケもないものが、トランクを出入りしてみせる、それが楽しいところ。 デブのおっちゃんがトランクに入る。いや、入りきれない。一見、トランクの底に穴を開けて人間が入っただけのローテクなシーンと思わせて、トランクごと飛び跳ねながらおっちゃんが何とかトランクに入ろうする、CG演出の驚きと、ナンセンスな可笑しさ。 ハリーポッターよりもはじけてて、いいんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-04 22:14:26)《改行有》

63.  ハンターキラー 潜航せよ ロシア領海内で、ロシア潜水艦と米潜水艦が沈没。何が起きたのか、あるいは今、何が進行しているのかを探るため、4人の特殊部隊と原子力潜水艦アーカンソーが現地に派遣される。という訳で、陸上部隊の活躍と原潜内が並行して描かれて次々に事件が発生し、とにかく飽きさせません。片や海中での魚雷戦があり、片やパラシュート降下や陸上での銃撃戦があり、盛り沢山のエンターテインメントになってます。 潜水艦が潜航する際に艦内が傾く描写なども楽しいし、スクリューの重たい機械音、不安を誘うソナー音が続く一方で、艦内で息をひそめる定番の静寂シーンもあって、音の演出も効果的。だけど。 スピード感があって、サラサラと楽しめる分、もうひとつ心にひっかからない、ってのはありますね。 海中で魚雷が走り回る不気味さ、ってのは大いに結構ですが、図体のデカい潜水艦までこうも自由に動き回ると、何だかテレビゲーム的になっちゃう。水の重さ、水中での動きの不自由さ、みたいなものがもう少しあってもよかったかと。 チビ潜航艇が母艦とドッキングする場面なんかも、いとも簡単に繋がっちゃうんですけど、たぶん本当は結構、手数がかかるんじゃないんですかね。作業が手間取る一方でせまってくるミサイル、みたいなシーンを、例えばスピルバーグみたいなイジワルな人なら、「これはもう絶対間に合わない」というショットでもって演出するところだと思うんですが。本作はスピード重視なんでしょうか、何だかアッサリしてて。ハラハラさせるシーンは確かにあるんですけどね、でももっとハラハラさせてくれたらいいのに。 本作は、ロシア艦長役のミカエル・ニクヴィストの死後に公開、つまり彼の遺作にあたり、実際、彼の思い出に捧げるとのクレジットが出るのですが、それにしちゃあ(って、遺作のつもりで作った訳でもないでしょうが)、彼とジェラルド・バトラー艦長との関係も描き方が物足りない。ジェラルド・バトラーの『300』を彷彿とさせるコワイ顔ばかりが印象に残って。ふたりの関係をどう描くか、物語の上でも重要な部分のハズなんですけれども。それに比べると特殊部隊のトビー・スティーブンスの方が、ナンボかいい味出してます。 うーむ。何だかこれじゃ、不満タラタラみたいですね。そんなことないですよ、面白いですよ!(何じゃそりゃ)[映画館(字幕)] 7点(2019-04-21 09:44:44)《改行有》

64.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 男の子ってのはいつも、カワユイ女の子の方をチラチラ見ているものであって、その視線の先にいるカワユイ女の子ってのは得てして、その男の子以外の「何か」、とてもツマラナイ「何か」を見ているもの、なんです。これは絶対の真実。 なのでこの映画、主人公とメロディちゃんが仲良くなる後半、メロディちゃんが妙に可愛くなくなっちゃうように、見えちゃうんですけどね(※あくまで個人の感想です)。 とは言え、もう私も親の世代ですから、ちょっとハラハラしつつも微笑ましく見守るような、そんな気分にもなりますが。 実際、そんな気分にさせてくれるのに大きく貢献しているのが、周りの少年少女たちのナチュラルさ。その姿をスナップショット的に捉えたカメラの魅力。 大人をギャフンと言わせて自由に羽ばたいて見せるラスト、どうせトロッコをギコギコしながら終わるんだったら、後ろから貨物列車に追われて必死に漕ぎながら終われば、ちょっとは社会の厳しさも思い知って良かったんじゃないの、と(※あくまで個人の妄想です)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-31 21:08:35)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

65.  マッキントッシュの男 《ネタバレ》 高校生くらいの時に初めて観た際には、ドミニク・サンダって美人だな、という印象しかない作品でしたが(今観てもやっぱり美人だと思う)、いやいや、これ、こんな面白い作品だったのか、と。ストーリーを完璧に忘れてたもんで、とても楽しめました。 ポール・ニューマンがダイヤの強奪を依頼され、とりあえず成功するも、逮捕されて刑務所へ。という、どこに行きつくのかよくわからんオハナシで、はてさてどうなるのだろう(もちろん、絶対何か裏があるよね、と思いつつ観てるのだけど、なるべくそのことは気にしないようにする)、とワクワクしてきます。 もっとも、最後まで観ても、イマイチ要領を得ないオハナシのような気もするんですけどね・・・もしポール・ニューマンが脱獄に誘われなかったらどうするんだろう? 結局彼は消耗品に過ぎない、にしたって、成功の確率低すぎないかい? まあ、最終的にどの程度ツジツマがあうかよりも、中盤の、物語がどこに行きつくかわからないサスペンスが面白いワケで、充分に楽しめますし、どこか、ポール・ニューマンというヒトの、いかにも軽薄そうな感じの存在自体が、「裏の世界」に対する表の皮相的な世界を象徴しているようで、役にピッタリはまっているような気がしてきます。 モーリス・ジャールのやや滑稽な音楽も、作品にシニカルなテイストを加えています。[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-02-12 21:38:52)《改行有》

66.  サバイバー(2015) 《ネタバレ》 『コンドル(シドニー・ポラックの方)』におけるレッドフォードみたいに、仲間を殲滅させられる中でミラ・ジョヴォヴィッチがひとり、たまたま生き残ってしまうのですが、そこはそれ、レッドフォードとは体のキレが違うので、こちらは追跡劇を全面に出したアクション映画になってます。 が、ヒロインのタフさと作品のスピード感を重要視しすぎたんですかね。ひとり追われる「不安感」みたいなものが、これほどまでに何も感じられない、ってのも、何だか張り合いがない。街中だろうが、暗い地下道にネズミがうごめいていようが、まるでお構いなし。どんな場所でも、ただ逃げるだけ。ちと単調。もう少し、それぞれの舞台、それぞれのシチュエーションを活かせないものでしょうか。 時々挿入される監視カメラの映像が、見張られている感じ、どこにも逃げ場がない感じを出そうとしてるんでしょうけれど、それが物語にほとんど活きておらず、さっぱり効果的じゃない。無事に空港を突破できるか、というくだりなどでは、他者の視線を強調するサスペンスで盛り上げようとしてますが、そもそもこんな簡単に国外に脱出できるってのが、リアリティ云々以前の話として、あまりに緊張感に欠けるのでは。 そこまでしてラストの舞台をニューヨークに持ってこなければいけなかったのか、という、9.11の呪縛。 そこまでしたにも拘わらず、意外性も乏しければ、「もはや引き返せない」という焦燥感も乏しい、終盤のテロの描写。『ブラック・サンデー』のクライマックスの盛り上がりを思い出すにつけ(確かにスピード感は無かったけどね)、本作が物足りなく思えてしまうのです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-02-10 09:05:41)《改行有》

67.  三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 邦題にヘンな副題がついているので、きっとデュマの小説とは関係ないんだろう、とか思ってるとさにあらず、ダルタニアンと三銃士との出会いから律儀に描いてたりして、意外にちゃんと「三銃士してる」なあ、と。ただ、もちろん、あの迷走気味の原作よりは、だいぶスッキリしてますが。 それにしてもコレ、面白い。活劇ってのはこうやって撮るんだよ、と自信満々に撮ってて、実際これだけワクワクさせてくれるんだから、もはやなんだか腹が立ってくる(笑)。実写アクションとCGとの使い分けが、実にお見事で、ありとあらゆる場所を舞台に、奇想天外なオハナシを奇想天外に楽しませてくれます。 続編を匂わせるラストは、勇み足でしたかね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-25 21:20:59)《改行有》

68.  ハリー・ポッターと謎のプリンス 《ネタバレ》 登場人物たちもずいぶん成長してきて、もはや中年の貫録とでもいうようなものを感じさせ、加齢臭すらも漂ってくるかのような。まあヒトのことは言えませんが。 それにしても、何なんでしょうね、このスカスカでグダグダの学園ドラマは。「ファンなら、この程度の内容でも充分ヤキモキしてくれるでしょ」って、タカをくくってませんかね。まあ実際、心の広いファンなら多少はヤキモキできちゃうかも知れないけど。でもこの作品単体ではさすがにキツい。過去の資産の食いつぶし。 とりあえず驚いたのが、ハリー・ポッターが、いやがるダンブルドアにいかにもマズそうな液体を無理やり飲ませる虐待のくだり。そりゃま、ダンブルドア自身の指示に従ってはいるんですけどね、しかしそもそも、映画の中で行われる「約束」ってものは、「その後実行されないために」こそ、その約束がなされる訳じゃないですか。だからこそスクリームがいみじくもおっしゃるように、「すぐ戻ると言って出ていったヤツが帰ってきたためしが無い」のだし、ルーク・スカイウォーカーだって修行の途中でヨーダのもとを去るワケでしょう。 それを、この丸眼鏡は、「先生いけません約束ですから」とばかり、淡々と約束を実行する。単に実行しただけで、だからどうということもない。何じゃこりゃ。ところで、嫌いなモノを無理に飲み食いさせたら、暴行罪か何かにあたるんですかね~教えて弁護士さん。 というワケで、結局この作品、長々と引っ張った挙句、言いたかったのは「いやそれでもやっぱりスネイプって怪しいよね」ということ、だけだったんですかね。いやはや。[DVD(吹替)] 4点(2018-11-10 04:28:43)《改行有》

69.  ブラジルから来た少年 《ネタバレ》 クローン・ネタってのも今となってはすっかり手垢がついてしまった感もありますが、それでもなお本作が魅力を保っているのは、謎の提示のうまさですね。最初の方で、犯人一味の正体も明かされるし、彼らの計画も明かされる。だけど、何のための計画なのか、ってのが謎になってて、それが徐々に明らかさにされていく。で、その明かされる謎というのが、正直、「んなアホな」と言いたくなるような、荒唐無稽なものなんですが、「荒唐無稽な事件の裏を、実は一本の荒唐無稽な理屈が貫いていた」というところに狂気、残酷さ、恐怖、といったものを感じさせるワケで。 ま、バカミスの嚆矢とでも言いますかね。 ほとんどセリフの無い冒頭シーンの緊迫感。何やらよくワカランうちに唐突に発生する殺人事件。厚化粧ですっかり誰だかわからなくなってるグレゴリー・ペックの不気味さ。一方の探偵役、ローレンス・オリヴィエの、いかにも頼りない感じと好対照です。まあ、クライマックスがジジイの取っ組み合い、ってのがいささか盛り上がりに欠けるところではありますが。 ジェリー・ゴールドスミスの音楽、ここでも器用なところを見せて、しばしばドイツ音楽を想起させるようなスコアを披露しています。メインのテーマはワルツ風ですが、リヒャルト・シュトラウスばりの濃厚なオーケストレーション。また中盤ではワーグナーのパロディ?みたいな音楽も聴かせてくれます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-03 21:16:46)《改行有》

70.  オデッセイ(2015) 何だかあまり、試行錯誤みたいなものがなくって、多少のトラブルはあれど、主人公の取り組みはたいてうまくいっちゃう。どっちかというと、失敗に次ぐ失敗の末に何とか危機を打開する、というのを期待しちゃう(というか、そうでないとおかしい)のですけれども。 しかし本作はむしろ、あえてそういう方向の描き方を避けているようにも思えます(実際、題材の割に劇中における主人公の描写のウェイトは必ずしも高くない)。まあ確かに、この状況、危機また危機では絶対に主人公助からんもんね。というのを別にしても、基本、主人公の頑張りで生き抜くというより、知恵でもって生き残るオハナシ。サラリとした描写でもそこには科学への信頼がはっきりと貫かれている。そしてだからこそ、ふとした時に現れる、アナログ的なものが、印象的なんですね。 主人公は、大変だ~大変だ~とは言わない(普段からそういうコトばかり言ってるヤツはたいてい、さほど大変じゃない、ってのもある)。わざわざ言わなくっても、服を脱いだ主人公の肉体の衰えが、その大変さを雄弁に語っています。 火星で鼻栓が必要になるとは、誰も予想せんわなあ。あって良かった、これぞ文明の利器。[地上波(吹替)] 7点(2018-08-20 20:55:46)《改行有》

71.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 『スピーシーズ種の起源』っていう邦題もたいがい意味ワカランけど、『種の捕食』って一体、何なのよ。まーとりあえず「観ててよくわかんなかったら、あの映画同様、女性エイリアンが男を捕まえる映画(そして食う映画)だと思ってください」ってコトなんですかね。 スカーレット・ヨハンソンが宇宙から来た生物なのかどうか、なんだかUFOみたいなのが(この言い方もヘンですが)映ってたので、多分そうなんだろう、と。しかしそれはともかくとして、この映画、何だかえらく寂しいんです。最後に明かされる彼女の正体は、というと、真っ黒。暗黒。ようするに実体が何も無いんですね。前半は、ただただ、車を運転しながら、行きずりの男をかどわかす。そんでもって、取って食っちゃったのか何なのか、映画の描写としては、男たちが暗黒に引きずり込まれていく、という形をとってます。暗黒に引きずり込まれるとどうなるのか、よくわからんが、食っちゃったにしては、マズそうな男ばかり捕まえるなあ・・・というのはさておき、男たちは皮一枚になり、中身が無くなってしまう、らしい。 前半はそんな感じですが、後半、彼女は、ケーキ食ってみたり、男と寝てみたり、何やら見よう見まねで人間になろうとしているらしい(でもどれもうまくいかない)。で、正体が露わになるや、いきなり焼き殺されてオシマイ。 早く人間になりたい、と言いながら、最後は焼け死んでいった妖怪人間ベムを、いやでも思い出すではないですか! え、思い出しませんか。失礼しました。でもやっぱり、寂しいですよねえ。 この映画、ハッと息を呑むようなロングショットがいくつも登場し、ケッ、そうやって、「アートっぽいきれいな画」と言うとすぐロングショット頼みかよ、と陰口も叩きたくなるけど、確かに効果的で、なーんか孤独感が強められるのです。 音楽が、何とも気持ち悪くって、心地よい(どっちやねん)。耳鳴りのような、弦楽の特殊奏法。何かを叩くような音もしてますが、これも弦楽器を使った音なのかな?[DVD(字幕)] 7点(2018-08-08 20:08:44)《改行有》

72.  ゼロの未来 ケバケバしい戯画化された未来の管理社会を描いていながら、批判精神みたいなのはあんまり感じられず、そこに不満を感じる人もいるかも知れないけれど、むしろそれが本作の持ち味。なんか、観ててすごく寂しいんです。この世界を、主人公が受け入れてしまっていて、かつ我々も受け入れざるを得ないのが、ね。 主人公は監視されている。だけど正直、何のために監視されているのか、いやそもそも主人公が何をしているのか、よくわからない(というか、どうでもいいのかもしれない)。ただ、一方的に監視されていて、本来我々が「見る」立場であるはずの街角の広告ですら、広告の方が人を追いかけまわして、まるでこちらが「見られている」感じ。で、主人公はと言うと、ただ、VRの世界に沈み込んでいくだけ。絶望と隣り合わせの、それがささやかな幸せ。 この主人公、別にひとりぼっちという訳じゃないんですけど、それがまた妙に孤独を感じさせたりもする。 どうしようもない歯がゆさ。徒労感。[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-07-14 04:54:48)《改行有》

73.  ロンドンゾンビ紀行 今世紀に入ってロメロ式のゾンビ映画は飽和状態、ド派手な火器でゾンビを蹴散らすなんてのも目新しくはなく、もはや作中でもロメロ式ゾンビが公知のものになっちゃってる、というお手軽モード、なんですが。 しかし本作、ゾンビに立ち向かう老人たちに、諦念のようなものがそこはかとなく感じられて、なんとなく良いではないですか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-01 14:00:59)《改行有》

74.  007/消されたライセンス 今回は、邦題にもある通り、ボンドが殺しのライセンスをはく奪される、というのがポイント。かと思いきや。コレ、単に、「今回の敵は国際なんちゃら組織みたいな大層なものではなくって、チンピラみたいなオッサンなんですけど、勘弁してください」という言い訳にしかなってないのが、何ともかんとも。 とは言え、相手は名うての麻薬王ですから、油断はならないのですが、そうは言っても、実際にはあのグーニーズのワルモノ一家の兄貴ですから、ねえ。あまり貫録はありません。麻薬王も所詮は一市民、多少豪華な船は持ってても、「謎の巨大海上基地」みたいなのは決して登場しない。その点では、荒唐無稽さはナリを潜めてますが、その分、地味。私怨から戦っているボンド、という設定も、ほとんど活きてません。もっとも、基本的にはこうやってスマしているからこそのボンド、であって、そこは期待を裏切りませんが。 クライマックスのトレーラーを使ったアクションは秀逸。オリジナリティあります。でもそこに至るまで、あまり見どころがないんだなあ。このトレーラーの爆発シーン、テレビの怪奇番組でよく「一瞬、炎が手の形に!?」とか紹介されてましたけど(ザ・カーじゃあるまいし)、そういう部分でしか言及されてこなかった、やや地味な映画。 でもやっぱり、最初の方に登場する(ある種、恒例の)スカイアクションは、ホント、いいですねえ。ムーンレイカーで軌道を外れ切った後の5作を担当したジョン・グレン監督の、それでもあの荒唐無稽さを決して否定しないこだわり、なんでしょうねえ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-06-16 02:29:46)《改行有》

75.  007/リビング・デイライツ ティモシー・ダルトンって、ボンド役として一番、存在感がない。1本で降板すりゃネタにもなるんですけど(実際なってるんですけど)、2本ってのが半端。それに、ボンド役が似合って無けりゃ、それはそれで一つの存在感にもなり得るんですが、しっかりハマっちゃってるんですね。クールで、でも愛嬌もあって、若くてちゃんと動ける。見事にワンポイントをこなした中継ぎピッチャー。残念ながらヒーローインタビューには呼んでもらえません。 作り手の方も、新生ボンドに慎重になってたんですかね。監督も続投だし、ある程度のイメチェンを図っているとは言え、ロジャー・ムーアのボンドが言いそうなこと・やりそうなことをさせている感じも残っているし(スパイ仲間が殺されて逆上するあたりは、ちょっと新鮮ですね、ロジャー・ムーアならもうちょっと落ち着いていそう)。 口笛に反応するキーホルダー、ってのが実にアホらしくって、このあたりは路線踏襲、といったところ。 ソ連ネタってのが賞味期限ギリギリな上、終盤でお話がアヘン取引にスケールダウンしてしまうのは、スパイ映画としてどうなのよ、とも思うのですが、ま、そもそも、このシリーズ自体がスパイ映画と言えるかどうか。派手なアクションこそがお楽しみ、とくれば、冒頭のスカイダイビングから、クライマックスの飛行機にぶら下がる空中戦まで、手を変え品を変え楽しませてくれます。ただ、終盤のクライマックス前は、ややもたついた感じも。 このシリーズの魅力に、荒唐無稽な残酷さ、ってのがあって、本作でもアホは武器がいろいろと使用され、殺す場面があればわざわざ念を押すように殺される場面がある。そういうのは健在だな、と。[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-06-02 17:37:21)《改行有》

76.  ヘル・レイザー 《ネタバレ》 入手したルービックキューブもどきのパズルがうまく解けずに憤死(?)したオジサンが、死んで朽ち果ててるんだけど生きている。そういう、何かよくわからんヤツが何かよくわからん形で生きてます、ってのが、クライヴ・バーカーの好みなんですかね。ミッドナイトミートトレインに出てくるやみくろ(じゃないけど)なんかもその一種でしょう。自分の家のどこかに、そういうミョーなヤツが住んでいる、というイヤラシさ。狭い我が家ではとても考えられません。家が広いっていいよなあ。よくないけど。 で、肉体はボロボロになっているけど生きてるそのオジサン、人間の生血を吸収しては徐々に体を蘇生させていく、というハムナプトラ方式。だけどこちらはCGではないホンモノのヌメヌメ感があって、イイんですね。いや、イヤラシイんですね。 で、復活して何をしようかっていうと、生前のごとく、弟の嫁さんとの浮気を続けようってんだから、どうしようもない。なんか魔道士とか何とかいう変な妖怪みたいな連中に狙われてるのにねえ。 それにしても例のピンヘッド氏。黙ってるとイイ感じなんですが、しゃべるとまるで迫力がない。なんとも素朴。ま、こんな感じで、異界の連中がフツーに存在してフツーにしゃべってる、ってのがクライヴ・バーカーの好みなんでしょう。 むしろ、オジサンの弟氏が「知らぬは亭主ばかりなり」にもほどがあるマヌケぶりで、見てる我々もイライラするくらいなんですが、最後にオジサンに皮膚を奪われ、オジサンの顔がマヌケ弟の顔となり、マヌケ顔のまま、恍惚としながらギタギタにされる、ってのが、本作の最大のインパクト。 監督・脚本クライヴ・バーカー。(いくら非現実世界の物語とは言え)登場人物のセリフや挙動に違和感ありまくりだったり(特に娘。でも可愛いから許す)、せっかく作ったクリーチャーとばかりに画面に登場させ過ぎてかえってインパクトを薄れさせたり、音楽が重厚過ぎてマッチしてなかったり、と、いろいろヘンなところはあるのですが、彼のイマジネーションが自由に炸裂したユニークな作品となっております。 ところで弟の嫁さん、ちょっと老けすぎだろー、と思うのですが、うん、これもきっと、クライヴ・バーカーの好みなんでしょう。ほんまかいな。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-02 16:18:24)《改行有》

77.  ラビリンス/魔王の迷宮 初めてゴールデン洋画劇場で放送されたときに吹替えを喜多嶋舞がやってて、周りでは「あれはヒドかった」と悪評の嵐だったんですが、私はそんなに違和感なかったので、え、そんなヒドかったっけ、と。そんな私でも金曜ロードショーの北尾光司吹替え『サンダー/怒りの復讐』とか徳光さん吹替え『激突!』とかには完全にのけ反りましたけど。 それよりも、デヴィッド・ボウイの魔王コスチュームが、何だか『魔界転生』のジュリーみたいだなー、なんてことを思ってしまうと、ついつい笑いがこみ上げてきちゃいます。しかも下半身はモモヒキだしなあ。違うってか。 内容はというと、ジェニファー・コネリー演じる主人公の少女(映画で見ると、グラビアで見るより太い眉毛が気にならず美少女っぽくなっている、まさに映像マジック)が、魔王に誘拐された弟を取り戻しに、ファンタジー世界を冒険するオハナシ。主人公が次々に不思議なものに出喰わしていく双六形式で、一貫したストーリーらしいものがない反面、空想力が縦横無尽に広がっていく楽しさがあります。まあ、時に安っぽく見えてしまうシーンもあったりするのですが。 白いフクロウが共通して登場するのはたまたまかも知れないけれど、結構、ハリー・ポッターなんかにも影響してたりするんじゃないのーと思わせるものもあります。 ところでホグルの顔って、ロボット操作なんですよね。表情がよく出てて、お見事です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-27 11:09:49)《改行有》

78.  太陽にかける橋/ペーパー・タイガー 《ネタバレ》 これもまあ、珍品の一種でしょう。 冒頭が、ジャンボ機がカッチョよく飛んでいるシーンで、それは胸が躍ろうってもんですが、残念ながらカッチョいいシーンはここだけなのよ。 この飛行機に乗っていたイギリス人のおっちゃんが主人公で、日本の大使に、息子の家庭教師として雇われるのですが、この大使を演じているのが世界のミフネこと三船敏郎ですから、それはそれは胸が躍ろうってもんですが、残念ながら、この役だったら別に他の役者さんでもよさそう。というよりむしろ、映画の妙な部分が妙な形で重厚になってしまって、何だかアンバランス。しかしこれもサービスの一環ですから、ありがたく受け取っておきましょう。 で、物語はというと、どうやらこういうことらしい。主人公のおっちゃんはデマカセばかり言ってるテキトーな人で、元軍人だという彼のウソを真に受けた大使の息子は、彼に尊敬のまなざしを注いでいる。で、ある日、おっちゃんと大使の息子とが、反政府組織の一味に拉致されてしまう。二人は脱出を図るが・・・、ってなコトのようです。少年はおっちゃんの事を尊敬し頼りにしつつ、ソコはソレ、なにせサムライの国の大使の息子ですから、超優秀で(英語を一生懸命習っている場面がある割に、最初っからペラペラだったりする)、勇気もあり、結果的には、少年がおっちゃんを守るような形になっていく。健気なんですね。ほんといい子です。まあ、一種の「間違ったニッポン」ですね。それはともかく、そんな感じで物語は「テキトーだったおっちゃんが、身につまされるオハナシ」、らしい。さっきから「らしい」とか「ようです」とか、奥歯に物が挟まったような言い方をしているのは何故かというと、どうも、デヴィッド・ニーヴン演じる主人公のおっちゃんの「イイ加減さ」描写が中途半端で、この人のテキトーさ具合が、まるで伝わってこないんですね。いくら彼がウソをついたって、我々にだってそれがウソなのかホントなのかわからないし、どうだっていい訳で、それよりは彼のテキトーなところをちゃんと描きこんで欲しい。それがないと、我々も彼の言動にツッコミようがなく、コミカルな筈のシーンさえ、笑うべきシーンなのやら、そうではないのやら。 そもそも、誘拐なんていうのが本来、深刻な犯罪だし、誘拐を企む一味だって必死。それなりに笑えるように作ってくれないと、深刻になる一方で、しかしそこに「実はコメディなのか?」と思わせる部分が同居して、チグハグなことこの上なし。 父の内に秘めたる怒りとか(ここはさすがミフネ)、革命家の無念とか、そういう部分もちゃんと描くのかと思いきや、最後は全部投げ出すように終わってしまう。あー実に中途半端。 この中途半端さ、ハンパじゃないです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-01 16:21:21)《改行有》

79.  ヒューゴの不思議な発明 《ネタバレ》 昨今ではメリエス作品も動画サイトでお手軽に観られるようになって、ありがたい世の中というか、ありがたみの乏しい世の中というか。まあ、感謝すべきではあるのでしょう。 さて本作、タイトル前が一番の見どころというか(笑)、縦横無尽のカメラ、いきなりのハイテンションで、これがこのまま続いたら大変だ、とか思うのですが、本編に入るとひとまず落ち着きます。 いやむしろ、黎明期の映画への愛を語るファンタジーにしては、ちょっと遠慮しすぎでは?という気もしてきます。もうちょっとマニアックなところに踏み込んでもいいのにねー。もっとも、スコセッシがマニア道を全開にしたら、大変なことになるのかも知れないけれど。 「映画への愛」の部分が、ファンタジーを描くための仮の意匠とでもいうか、何だか「テーマは何でもいいんだけど、たまたま映画を選んでみただけなのよ」みたいなよそよそしさがあって、何だろう、この遠慮は。結果的に物語が向かって行く先が、弱くなっていないか。映画が空回りしていないか。 だけど、やっぱり、この児童文学っぽい雰囲気、子供の視線、ってのは、いいですね。お巡りさんは無条件にコワイとか。 汽車が迫ってくるシーン(夢の方)、後のシーンと関連するとは言え、わざわざここまで派手なシーンにしなくてもいいんだろうけど(どうせ夢オチだし)、「Le Voyage à travers l'impossible」あたりのイメージなんですかね。本当はもっと、色々やりたかったんじゃないのかなー。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-21 03:20:14)(良:1票) 《改行有》

80.  トレイン・ミッション ジャウマ・コレット=セラ&リーアム・ニーソンのコンビが、今回もやってくれました、ますます理不尽なシチュエーション、辻褄という観点ではもう崩壊寸前なんですが、その際どさに踏み込んでこそ、サスペンス・ミステリの真骨頂。彼らの挑戦は続きます。 という訳で、今回も辻褄より謎を優先することで、不安感をあおり、先を予想させないウマさが確かにあるのですが・・・やや不満も。謎は謎で結構なんですが、その謎解きの過程がいまひとつの印象で、各座席にクリップされたチケットが手がかりの一つなんですが、コレをチェックして回るってのは、ミステリ映画としては正直、あまり見栄えがせず、さほど面白くないんですね。 途中、意外な事件もあるし、アクションもあるし、誰を信用していいのかわからないサスペンスもあるんですが、主人公を追い詰める決め手が、妻子が誘拐された「かもしれない」ってのがちょいと弱い。主人公が追い詰められ切れてない感があって、緊張感を持続させ切れない。 殴り合いのシーンなど、アクションに関してはなるべく迫力を出すような演出がなされているのですが、少し荒いかな、とも。もう少し丁寧に見せる部分があってもよろしいかと。 すみません、事前に期待しすぎた分、辛口になってるかも知れません(バルカン超特急やら大陸横断超特急やらを思い出させてしまうのも、不利な点かも)。でも、ぜひ今後も、こういう理不尽気味の作品を作り続けてください。 それにしても、通勤列車の路線らしからぬ、なかなか素敵な景色でありました。[映画館(字幕)] 6点(2018-04-19 03:50:51)《改行有》

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