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プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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81.  ドラキュラ(1992) 本作と、94年の『フランケンシュタイン』は、二度と観ることないだろうと思ってたんですが、すみません、つい出来心で。 結局のところ、ゲイリー・オールドマンとロバート・デ・ニーロ、どちらが映画で「使いづらい」か、という問題なのかも知れませんが。デ・ニーロが一種の反則負けを狙ったのに対し、こちらのゲイリー・オールドマンは、正々堂々のハズしっぷり。浮きに浮きまくって、もはや貫録すら感じさせます。 そもそも本作、『Bram Stoker's Dracula』だなんてブチ上げて、そりゃま過去のドラキュラ映画に比べりゃ原作を意識してますよ、ってコトなのかも知れませんが、良くも悪くも、原作に忠実なワケでもない、っていうか、雰囲気的にはイイ感じに迷走してます。 ゴッドファーザーPART IIIを降板したウィノナ・ライダーを、ついに今回起用できました、よかったよかった、とその時点で燃え尽きちゃったんですかね。 しかしその迷走ぶりこそが本作の魅力。一周回って結局は古き良き時代の三流ホラーに戻ってきました、といった感じのコケオドシ(例えばあの、見ててイライラする「影が別の動きしますよ」ってヤツ。いい度胸してます)があって、いやこれ、何だか楽しそうに撮ってるじゃないの、と。思えばゴッドファーザーの頃なんて、ずいぶん苦しそうに撮ってたよね。 ま、そもそも「ちっともコワくない」というのが致命傷になってるのですが・・・[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-02-17 04:37:40)《改行有》

82.  キングスマン: ゴールデン・サークル とりあえずお腹いっぱい楽しませてもらって、どうもありがとう・・・ と、まあ、それなりに満足もしたのですが、ううむ、やっぱり続編って、難しいねえ。 エピソードを巧みに組み合わせつつ「あーほんとバカだねえ」という世界を作り上げた前作。ほんとバカでした。 どうもこの続編と言うヤツ、「続編を作る必然性とは?」という部分にこだわってしまい、どんなバカバカしいことをやろうとしてても、理屈っぽくなってしまう。コリン・ファースを再登場させる図々しい強引さは結構なのですが(前作の後、遺体の回収もしてなかったのか!?)、はたまた治療シーンを物語のパーツとしてうまく取り込んでたりもするのですが、それでもやっぱり、理屈っぽいクドさが感じられてしまう。 そう思うと、あのインデペンデンス・デイの続編なんて、よくここまでデタラメができたもんだ、と。いや、スゴかったね。ヒドかったけど。 もちろん本作も適当っちゃあ、適当。ドラッグの問題があったり、それを利用しようとする動きがあったり、という皮肉には、文明批判っぽいものがあって、ステイツマンのアナクロぶりとの対照が際立ってる。キングスマンの面々が生身の犬に愛着を持ってる一方で、悪役は凶暴なロボット犬を買っている、なんてのも、そういう「反文明」の一環かしらん。なんて思って観てると、最後は「それにしてもドローンって便利よね」という正反対のオチが待っていて、ズッコケてしまいました。ははは。 ラストはやっぱり、鏡の自分に向かい合うシーンでシメるんだね。こういうのも本来ならもう少し感動的な場面なんだろうけれど、ちょっと理屈っぽいんだなあ。 ま、でも、楽しかったです。[映画館(字幕)] 7点(2018-02-08 20:22:33)《改行有》

83.  プラトーン その昔、英語の授業で先生が「映画のタイトルで『プラトーン』ってのがありますが、正しくは『プラトゥーン』です」と仰ってました。それはともかく。 低予算ながら大ヒット、一種の社会現象ともなり、「弦楽のためのアダージョ」のレコードもだいぶ売れたんじゃなかったっけ。 初めて観た学生時分、ちょうど「イワン・デニーソヴィチの一日」を読んで感銘を受けていた時でもあり(その感銘とやらも、今思えば相当アヤシイのですが)、する必要もない比較をしてしまって、本作に対し物足りない思いを持ったりも。 「イワン~」が、収容所における何の変哲もない一日をあらゆる角度から切り取ってみせることで重層的に描いていたのに比べると、この『プラトーン』は同じように、過酷な世界に様々な人物を登場させ様々な事を語らせているけれど、それが時間の流れの中でバラバラに羅列されており、何だか弛緩した感じがしてしまう・・・。でもまあ、これはこれで一つの描き方ではないか、と思うようになってきました。要するに「縦切り」か「横切り」か、の違い。 『ストリート・オブ・ファイヤー』からは想像できないような「イイ人」になってるウィレム・デフォー、だけどただの「イイ人」ってんじゃなくって、少し同性愛的なものも匂わせてみせたりもする。匂わせるだけで、だからどうだとは示していないんですが、ちょっと変則的で面白い。 戦闘シーンは何となく物足りない。金かかってないから、なんていうと身も蓋も無いけれど、はたまた森の中の閉塞感を表現しようってことなのかも知れないけれど、さすがに見通しが悪すぎて、こぢんまりとした印象。 でもそこにはやはり、日常からはかけ離れつつもかつて確かに存在した、異様な世界が展開されている。 そして、様々な人物が登場する中で、描かれる「別れ」の場面が、非常に印象的。 そういう多様性が、作品の魅力を保っています。[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-03 03:47:48)《改行有》

84.  下宿人(1926) 《ネタバレ》 連続殺人鬼を扱った一種のサイコ・スリラー。ロンドンに現れた、「アヴェンジャー」を名乗る謎の殺人鬼。被害者は決まって、金髪の女性。と来りゃ、その後のヒッチコックを知る我々にしてみればコレ、犯人はきっと、監督さん自身じゃないの~と思っちゃうのですが。いや実際、きっとそうだと思う。 ともかく本作、サスペンス映画という、物語性の強い作品でありながら、多くの場面で字幕セリフの使用が抑制されていて、しっかりと「見せる」映画になってます。冒頭、女性が悲鳴を上げる顔に始まり、次にはもう死体となっている、という断片的な怪しさ(この描写は中盤でも繰り返される)。そこに現れる、謎の下宿人。その挙動を事細かに描く怪しさ。殺人鬼の正体は果たして彼なのか? 二階を歩き回る姿を、床を透かして階下から眺める、なんていう有名なシーンを始めとした、二重露出のもたらす怪しさ。 まあでも、一番アヤシイのは、クライマックスで主人公が群衆に追い詰められる場面ですかね。この場面、正直、なーんか変です(笑)。しかしここも、セリフを挟むことなく、主人公をいたぶるように、いくつものショットを執拗に連ねていく。 で、唐突に大団円。え~うそ~、まさか、そのまま終わっちゃうの~と思っちゃう我々は、昨今のヘンな映画に毒されてしまってるのかどうなのか。当然のように期待してしまうのは、「事件を通じて、殺人への衝動に目覚めてしまった主人公」というラストなんですが、ねえ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-11-03 03:13:26)《改行有》

85.  ウルヴァリン:X-MEN ZERO ウルヴァリンの幼少時代から1作目X-メンの直前くらいまでを、無理やりデッチ上げて無理やり辻褄合わせしようとしたようなオハナシで、(今一つ、これでホントに辻褄あってるんだろうか、という気持ち悪さを感じつつも)その律義さには感心しない訳でもないけれど、一方でこういう企画がシリーズの神秘性を損ないかねない、という面もあって、なーんだ、全身にアダマンチウムとやらを埋め込む手術って、こんなお手軽なものだったのか、とか思っちゃったり。 とは言え、そういう「実はこうだったんです」的なシリーズもの特有のネタは、あくまで一種の賑やかしであって、そういうネタを押さえつつも、そこからどれだけ脱線できるかが、見どころでもあるのですが。 とりあえずこのリーヴ・シュレイバーの丸っこい顔が、こう見えて実は凶暴凶悪なるライバル役、ってのが、まあ大いなる脱線の第一歩としてなかなか意表をついてます。ただしそこには「最後まで憎き敵役で通せるか、この顔で(笑)」という限界もあったりして。 それよりも、中盤をもう少しロードムービー風に膨らませてくれたらなあ、などとも思ったり。ウルヴァリンの前半生を映画の中心に据え、しかも彼自身が無口で不愛想である以上、彼をとりまく人々をこそしっかり描くしかないでしょうに。 そういうマッタリ感は抜きにして、スピーディな展開、強すぎる敵との戦い、スリーマイル原発を舞台にした若干不謹慎かも知れないスペクタクル、そういったあたりが見どころ。ただせめて、囚われのミュータントたちがワラワラと脱出する場面は、もう少し感動につながるような見栄えがあってもよいでしょうに。[CS・衛星(吹替)] 6点(2017-08-14 06:59:25)《改行有》

86.  アウトバーン 2つの組織のはざまで命がけの戦いを繰り広げる主人公。と言いたいところ、なんだかグダグダになっちゃってますが。 それでも、ワイルドスピードがすっかり、物語も何もあったもんではなく、カーアクションを順番に見せていくだけの展覧会状態になっているのに比べ、一応は作品を通しての「戦い」を描いているだけ、まとまりがあるとは言えるかと。 まあ、ワイルドスピードに比べりゃアクションがもうひとつ、という声があるかも知れませんが、何もアソコまでする必要はなくって、クラッシュシーンを楽しむにはこれくらいで充分でしょう。 それにしても、ラストのあまりにもクドい説明の蛇足ぶり、メガマックスの方がなんぼマシなことか。もう一つノリが良いとは言い難い作品を、さらに失速させてしまって残念。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-08-12 14:56:58)《改行有》

87.  ラストエンペラー 昔と今、時間軸を行き来する映画、ってのはしばしばあるけれど、そしてまたしばしば、「ああ昔はよかったなあ」ってなことになるんでしょうけれど、それにしたってこの映画の主人公・愛新覚羅溥儀の、あまりと言えばあんまりな、この立場。 幼少期から大勢に囲まれ皇帝として育った男が、劣悪な環境の収容所に入れられ「思想教育」を受けている。自分の靴紐すら結べない、この男。 しかも、そもそも「昔はよかった」わけでも何でもない。周りを他人に囲まれ、さらにその外側には、自分の知らない、自分とは無関係の世界が広がっている。生まれながらの皇帝であると同時に、生まれながらの「過去の遺物」とでもいうべき存在。 無論、そんな彼にも、心を通わせる人物というものは居て、またそこには別れもある。この映画には、乳母との別れ、そして2人の妃との別れ、都合3つの別れがあるのだけど、最初の乳母との別れが印象的であったのに比べ、2人の妃との別れはどちらも、ドラマチックにすらなれない虚しさが漂っていて。 史実とことなる部分もそりゃあるだろうけれど、特異な人生を送った男の孤独を、実に見事に浮き彫りにしてみせてくれます。で、それを否定も肯定もせず、「確かにそんな人がいたんだよ」という風に終わるラストが、たまらないんだなあ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-07 21:26:21)《改行有》

88.  マラヴィータ フランスはノルマンジーに越して来たアメリカ人一家、実は、自分達を狙うマフィアから逃れて身を潜めるためにここにやってきたのだけれど、一家全員、やることなすことハチャメチャで、目立つまいという気がまったく無い。勿論、後半、マフィアが彼らの居場所を突き止めてやってくる展開となるのだけれど、居場所がバレる原因が、彼らの目立つ所業ゆえではなく、実に実にクダラナイ経路を通じて、というのが人を喰ってます。 この一家のどうしようもない親父が、ロバート・デ・ニーロ。例によって悪乗り演技に走るのだろう、と例によってこちらも身構えるのだけど、そしてまあ実際そういう面はあるのだけど、一家の美人長女のクールな無表情ぶりが、ちょっとした好対照で、面白いんですね。この娘が一番、ヘンです。ヘンタイです。 見どころはいよいよマフィアが襲ってくる場面だろう、という期待を持たせたまま、延々と悪乗りで引っ張り続ける、この厚かましさは大したもの。いささかエピソードを散らかし過ぎた感はあるのですが、それなりに伏線らしきものも散りばめて物語を引っ張っていこうとしていて、こういうオモシロさってのもあるんだな、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-20 15:51:05)(良:1票) 《改行有》

89.  ダウンタウン物語 映画にはリアリティが必須、とか言ってるヒトを完全に門前払いする本作。ギャング映画でミュージカル、ってのがすでに十分すぎるくらいなのに、それを演じているのが全員、子ども。キッザニアじゃあるまいし。ぶっ飛び具合も、ここに極まれり。 血まみれの銃撃戦の代わりに、パイぶつけ。ははは。なめとんのか。 しかしもちろん、こういう映画だからこそ、というか、雰囲気は実にしっかりしてます。で、そのしっかりした雰囲気なのに、登場するクラシックカーは、足漕ぎ式、ってのにまたまた脱力。脱力しつつも、やっぱりミュージカルとして楽しめる。 大人の演技のねちっこさが無いおかげで、サクサクと90分少々の作品にまとめているのも、この破天荒な映画作りの、功績といえば功績。 いや、まあ、全体的に言うと、やっぱりこれじゃ表面的過ぎて物足りないなーとは思うんですけれども、ラストで子供らしさを全開させるメタな構成、結構、微笑ましかったりして。 それにしても子役をこれだけ集めて、さぞかしこの中からスターが生まれていったことだろう、と思いたくなるものですが、ジョディ・フォスターはさておきまして、クレジットの筆頭が「スコット・バイオ」ってのが、もう最大のオチといってよいかも。[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-30 09:36:28)《改行有》

90.  SOSタイタニック 忘れえぬ夜 おそらくはタイタニック号からの生還者の証言をなるべく忠実に取り入れたのであろう、ドキュメンタリータッチの構成。氷山との衝突から沈没までの描写に映画の多くの時間を費やし、主人公の二等航海士を始めとした乗組員たちの救命作業が、克明に描かれてゆきます。さらには救助に向かうカルパチア号や、比較的近くにいながら事故に気づかなかった船(=カリフォルニアン号)の様子なども描かれて。 もちろん、完全にすべてが事実という訳にはいかないでしょうが、40年後にわざわざタイタニック映画を作る必要ない程度には、よく盛り込まれているかと。 またもちろん、ミニチュア感あふれるミニチュア撮影もありますけれども、傾く船、迫る水、転落する人、といったスペクタクル色も十分で、ドキュメンタリー調の語り口と合わせて、クライマックスに向けた盛り上がりは、なかなかのものがあります。 突然思い出したように挿入される仰々しいBGMは、ちょっとどうかと思う面もありますが・・・。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-22 17:17:30)《改行有》

91.  アポロ13 ロケット打ち上げシーンの特撮の見事さ、無重力シーンの驚き。さらにはエピソードなり脇役なりも的確に配置されていて、実際の事件を取り上げつつも解説調にならないようにうまく組み立てられていると思います。 でも。 こういう題材は実際のところ、解説調のドキュメンタリーの方が、さらに緊迫感があって盛り上がっちゃったりも、するんですね。 そういう意味で、この映画、節度をもってうまく組み立てられてはいても、肝心の、地球から離れた宇宙空間における孤独感、「もう地球には生きて戻れないのか」という絶望感というものを、果たしてどこまで表現できたか。 映画をコケオドシにはするまい、ということなのかも知れませんが、そのためにかえって、事件そのものの描き方がいささか表面的になっていて。本来ならこんなオソロシイ体験というものはそうそう無いはずなのに、その「恐怖感」を十分に伝えきれていないようにも思えます。もう少し我々を怖がらせてくれてもよいのでは。[DVD(吹替)] 7点(2017-03-28 23:45:46)《改行有》

92.  わが命つきるとも 信念を貫いた挙句にとうとう処刑されちゃう人よりも、あとでこっそり「それでも地球は回ってるのだ」とつぶやく人の方が、何となく親近感が湧くのですが、それはともかく。 本作、重厚と言えば重厚、配置される登場人物たちになんとも動きが乏しくって・・・何だかまるで絵画でも見ているかのような。ただそこには、ある時は風が吹き荒れていたり、ある時は窓の外に雪が降り続けていたり、という移ろいがあって。 いついかなる時でも信念の人。うむ。信念が揺らいでこそドラマも生じようというもんですが、最後まで信念を貫いてしまい、その信念は処刑すらも様式化させる。いささかストイックに過ぎる、信念の映画でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-22 20:03:09)《改行有》

93.  外人部隊フォスター少佐の栄光 今やすっかり売れっ子プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー。その彼の初期のキャリアにおいて、このディック・リチャーズという監督さんとの仕事が続いていたのが目を引きます。本作もその一本、ってか、その最後。結構、シブい仕事やってたんですね。 ジーン・ハックマン演じるフォスター少佐の率いる外人部隊。今回の任務は、発掘隊に同行し、彼らを護ること。外人部隊ってのはやはり、「消耗品」のイメージですね。フォスターが今の地位にあるのも、たまたま生き残ってしまったから、という側面がある。そして今回また新たに集められたのも、生え抜きの軍人ではない、「寄せ集め」の兵士たち。発掘隊の警護という任務は、現地の部族から襲撃される恐れもあれば、砂漠の過酷な行軍もあり、確かにそれは命がけの大変なものではあるけれど、でもやはり、「戦場に向かわない軍隊」ってのは、どこか矛盾をはらんだような、奇妙な存在でもあるんですね。もともと、外人部隊という、「祖国のために戦う」という形式的な名目すらも持たない彼ら。今回の任務は、フランスの立場から見れば考古学の発展のためかも知れないけれど、現地の部族から見れば、単なる侵略と略奪に他ならない。という矛盾に満ちた任務のために、過酷な訓練と行軍を続ける彼らのその傍らには、発掘隊という民間人が、日常を引きずりながら存在してる、というその光景は、何だかシュールでもあります。まるでその彼ら一行が、ひとつの閉じた世界、小宇宙でもあるような。そういう矛盾と緊張感をはらみながら、壮絶なクライマックスへ。 正直、せっかくなんだからもうあと一人か二人、外人部隊の中に特徴的なキャラクターを入れて、物語を膨らませてもよかったのかな、とも思うし、奇をてらった演出は今となってはむしろ時代を感じさせたりもするけれど、それでも描かれるこの独特の世界が、強い印象を残す作品であることは、間違いないでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-26 08:52:25)《改行有》

94.  バロン 《ネタバレ》 ホラ男爵のお話を上演している舞台に、ホラ男爵ご本人がやってくる、というお話。つまりこの映画自体がまたホラ話になっている、というメタ構成。しかもそのホラ男爵のホラ話は、現実世界に飛び出してきて、この映画の視点ともいうべき少女を引き連れ、あり得ない冒険の世界へと旅立っていく。 だけどその冒険の物語もまた、気がついたら男爵のホラ話にすり替わっていて、ついには現実とホラ話の境界も曖昧になっちゃう。だいたい、いくら大真面目に自分の体験談を語ってみせたところで、「私はその時、死んだんです」だなんていう自己言及には、それはそれはもう危険なパラドックスのニオイがプンプン漂ってます。 ま、こんなデタラメな映画がこんな大規模なセットで大金かけて作られ、存在している、ってコト自体が、一種のパラドックスなんでしょう、なあ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-05 09:00:51)《改行有》

95.  ホビット/竜に奪われた王国 三部作の真ん中の第二作なんてどうせ、中途半端なところで終わるんだろう、と思っていると、やっぱりその通り。 一応、正味2時間半もあるんだから、少しは物語が進むかと思ったら、これはさにあらず、ちいとも物語が進んだ気がしない。「竜が出た」って事実さえ分かれば、別にこの第二作は無くっても構わないんじゃないの、という気もしてくる。 だけど、表面的な見栄えという事に関しては、よくぞここまでやるなあ、と。CG使えばここまでできます、っての(だけ)を連発し、2時間半持たせてしまう、これはこれで一つの芸なのかな、とも思います。 とりあえず、急流すべり好きの方には、ご満足いただけるでしょう。[CS・衛星(吹替)] 6点(2017-01-12 22:45:18)《改行有》

96.  バンデットQ 邦題の最後に意味もなくつけられた「Q」の文字、ウルトラQあたりにあやかったのかも知れませんけど、いずれにしてもヤケクソなんですね、きっと。まー何ともムチャクチャな映画。主人公の少年の退屈な日常から始まったと思いきや、寝ている少年の元に突然、タンスの中から変な連中が現れ、歴史上あるいは空想上の様々な(しかもデタラメ極まりない)場面を渡り歩く、実に実に脈絡も何もないハチャメチャ冒険譚。どんなムチャクチャな状況に対しても主人公の少年はまったくツッコミをいれることなくアタリマエのようにすべてを受け入れており、5W1Hのうち「Why」が完全に欠落しております。だからこの先何が起こるかわからない、この先どんなことでも起こり得る、という自由さがトコトン満喫できます。ただし、「この先」に待ち受けるのは、予想を上回る世界、ではなく、予想のしようもないデタラメな世界、なので、何か面白いモノを期待しちゃうと、その期待もしっかり裏切ってくれますが・・・。 ナポレオンのくだり等で流れる行進曲風の音楽、これはおそらくマーラーの第6交響曲を意識したものなんでしょうが、これもまあ何だかヘンテコな音楽で、さしずめ「喜劇的」とでも呼べそうな。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-07 21:07:00)《改行有》

97.  わらの犬(1971) すみません、コレ、好きなんです。ヘンな映画ですけどね。バイオレンスを片田舎のフツーの家庭の日常に持ち込んだ、画期的(?)な作品。 何しろ、ヤな奴ばっかり登場する、この不安感。主人公ですら、そんなに好感もてるヤツじゃない。妻が村の男に暴行されるも、彼女の自業自得みたいな面がある上、その事実を主人公がまるで知らないってのがスゴイ。普通なら、クライマックスで展開される暴力は、この事件に対する復讐として描きそうなものですが、本作ではそうは描かない。暴行事件自体はこれでもかと我々の前で描きながら、一方、知らぬは亭主ばかりなり、あくまで哀れでマヌケな小心者として描かれる。そして、クライマックスの一軒家での攻防戦は、まったく別の事件をきっかけに巻き起こり、ここに至って主人公はブチ切れる。「ここは自分の家だ」という、ただその理由で迫りくる敵と戦い、言う事を聞かない妻に対しても暴力を辞さない(この点からしても、本作は「復讐譚」の真逆を行ってます)。もうここからは、ホラーかオカルトの世界。暗闇の中で周囲から隔絶された一軒家、ここではBGMも用いられず、霧笛だか何だか知らんけど不気味な低音が断続的に聞こえてくるだけ。無軌道な破壊が繰り返され、そして鮮烈な銃声が響き渡る。 外から迫りくる敵の狂気に対し、ダスティン・ホフマン演じる主人公も、完全にイッちゃってます。いったん暴力に踏み出せば、もう引き返すことはできない。ラストのセリフにもそれが表れていて、虚無感に満ちた余韻が残ります。[CS・衛星(字幕)] 10点(2016-12-30 09:17:29)《改行有》

98.  エンド・オブ・キングダム 余計なものも必要なものもすべて削ぎ落したコンパクト設計、大規模テロでロンドンが壊滅状態(って程でもないけど)という一大スペクタクルを、正味90分ほどの小品に仕上げたという、その奥ゆかしさ。そんなに遠慮しなくても、ねえ。 そもそも、主人公が大量の敵と必死で戦う理由がどこにあるのか、職業に対する矜持なのか、大統領への友情なのか、あるいはテロリストへの憎悪なのか。そういうメンドくさいことはもう描かない。「主人公はもうすぐ父親になるらしい」っていう設定も楽チンで、うん、これなら、主人公と家族の関係をわざわざ描くこともなく、何となく主人公の人物像に肉付けできたようなフリができる(ただ、年齢的に言ってもジェラルド・バトラーにもうひとつ似合わない設定だけど)。テロに襲われるロンドン、これも点数で70点前後かという微妙な完成度のCGを乱発し、サラリと仕上げる。もちろん、パニックに襲われた人々、などというのもメンドくさいから描かない(街が破壊され、さらにカーチェイスまで展開されてるのに、皆さんフツーに歩いてます)。 そこまでメンドくさがって一切合財削ぎとして、じゃあ何を描いてるんだよ、と言えば、ひたすら敵が襲ってきて、ひたすら主人公が戦い続ける、それだけ、ですね。そういう意味では『コマンドー』魂が注入されてます。ただ『コマンドー』の方がよほど、アクションごとに趣向を凝らしていて芸達者。本作は、主人公が無数の敵を撃ち殺しまくるだけ、やってることは派手でも、印象としては地味になっちゃう。特に敵のキャラが立ってる訳でもなし。「誰が敵かわからない」という設定のハズも、基本的にほぼ全員敵だと主人公が承知してるので(笑)、サスペンスにならない。主人公は敵を淡々と撃ち殺し、敵は淡々と撃ち殺される。敵が迫りくる危機感とか、敵との駆け引きの緊迫感とか、なーんか無いとやっぱり、寂しいですね。 長回し(疑似か?)の使用も、それ自体の驚きは薄れてきている訳だし、ああ「恒例の」長回しね、と見られているようでは盛り上がりに繋がりません。頑張ったその気持ちはワカリマスけれど。 さて。次作では(次作があるとして)そろそろ、テロリストが地球自体を破壊するのでしょうか。[ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-12-11 08:56:32)(笑:1票) 《改行有》

99.  インセプション 映画の最初の方は、いろんな映像を散らかして見せただけ、という感じで、ちょっと辟易してしまいます。「夢だから、支離滅裂なんです」という事を言わんがために支離滅裂な映像をわざわざこんなに時間を使って見せてくれなくても、なあ、と(ただしそれでは申し訳ないということか、ラストへの伏線にちょっとだけなっているんだけど・・・こういうのを伏線って言うんだろうか。冒頭とラストをただ機械的に繋いだだけ)。 という訳で、それなりに派手だからそれなりに目を楽しませてはくれるけど、結局回りくどい説明を聞かされただけなんかい、という出だしに対して、物語の主部に入ってくると、夢の夢、そのまた夢、さらにその夢、という階層構造を提示して、いやコレ、支離滅裂なハズの夢の世界の割には、なかなかよく整理されてます。ちゃんとその階層構造を意識できるように各段階を並行して描く親切設計。この映画でやってることは「火災を消火する夢を観たらオネショしてた」とかいうレベルの何ともアホらしい事で、でもそれをホントに映像にしてみせてくれると、何だかワクワクしてきちゃう。 ただ、それはいいけど、この物語において、何がゴールなのか、がピンとこないので盛り上がり切れません。主人公のコブはコブで勝手に妄想みたいなのに苦しんでるし、ロバートも勝手に何やら父に対する微妙な感情を抱えているし、サイトーさんに至ってはゴメン、もうどういうヒトなのかサッパリわからない。登場人物それぞれに、てんでバラバラの悩みや重荷を抱えさせ、ドラマに形だけの「重み」を持たせてみせてくれても、物語がどこにも向かっていないのではどうしようもない。そりゃ、夢なんだから、いずれ、醒めるでしょうよ。 とは言え、劇中では別途、ある種のタイムリミットらしきものがちゃんと提示されていて、それが、「超スローモーションで落ちていくクルマが着水するまで」っていう訳ですから、ああこんなおバカなタイムリミットの可視化の方法があったのね、と、これには笑わされ、感心した次第。[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-11-23 11:42:36)(笑:1票) 《改行有》

100.  エイリアン2 最初に観た時の感想、「ああ、キャメロン、長編2作目にして(3作目だけど)、早くもヤッちまったなあ」。あの『エイリアン』の続編だしね。それに『ターミネーター』で喜んでくれた皆さんを失望させる訳にもいかないし。きっと、考えに考えて、考え過ぎたんでしょう。ちょっと理屈っぽくなってしまいました。 しかし今になってみると、色々と面白かったりします。前作の生き残りの女性主人公がたくましくなっている。ロボットへの不信感を持っているが、今回のロボットは献身的。なーんて辺りはいかにも『ターミネーター2』の先駆けだし、本作に登場するエイリアン討伐隊(?)の様子なんか、結構『アバター』を思い起こさせます。ただのサービス精神だけで作った作品じゃなくって、初めてそれなりのお金をかけてキャメロンの好きなモノを詰め込んだ作品なのかも知れません。 何にせよ、アイデアたっぷり、ドタバタと事件が次々起こり、飽きさせない作品になってます。前作の設定をある程度順守しつつも、「体液が酸だから普通の武器では戦えない」という設定には半分くらい引っ込んでいただいて、派手なドンパチを展開。エイリアン探知機みたいなヤツはちゃっかり流用して、襲撃をわかりやすく示すとともに、音による緊迫感を出してみせたり。前作が何ともイヤらしい音に満ちた映画だったのに対し、今回は普通に盛り上げるための音と音楽。健全ですね。 個人的には、飛行艇みたいなヤツが墜落したときに、鉄パイプみたいなものが転がってきてカランコロンと安っぽい音を立てるのが、気に入ってるんですけれども。 ラストは、これぞ考え過ぎ、といった感じですが、いやいや、これぞエンターテインメント。結構ではないですか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-31 15:23:56)《改行有》

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