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プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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161.  エラゴン/遺志を継ぐ者 火を吐くドラゴンにまたがって戦って…という、お約束系ファンタジー映画。ドラゴンのCGの質感が素晴らしく、さらに人間がドラゴンに触ったり乗ったりと、本当に特撮がよく出来ています。だけど、特に後半、異常にサクサクと物語が進むあまりにもセッカチな展開(皆さんおっしゃられているように、このまるでダイジェスト版を観ているかのような、展開の早さ、タメの無さ、尋常じゃないです)、こちらの気分は到底このペースについていけません。ラストはまるで続編を作る気満々のような終わり方、そう思うと何だか、主人公のお兄ちゃんの笑顔の裏にも「続編作ってくれるかな。続編でも僕を出演させてくれるかな」みたいな期待感が透けて見えた気がしてきて(そりゃもちろん気のせいでしょうけど)、なんだかセツない気分になってくるなあ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-28 22:28:03)(良:1票)

162.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 子供の頃の3大オカルト映画と言えば、エクソシスト、サスぺリア、そしてこのオーメン。ビビリだった私でもさすがに中学高校ともなってくると、何とかこれらの作品も観られるようになって、一種の達成感のようなものを感じたりもした訳ですが。しかしエクソシストの執拗さ、サスぺリアのワケ判らなさと比べると、この『オーメン』、ずいぶんとっつきやすい。そりゃま、ショック描写はピカイチですけどね(後のリーサル・ウェポン2なんかにも繋がっていきますが)。タイトルが「オーメン」すなわち“前兆”であるまさにその通り、なーんか最初から怪しさ満点で、順を追って惨劇が要領良く提示されていく感じ、その段取り良さが、恐怖映画としてはもうひとつ、なんですね。「おや何だろう?」と思わせて「うわ、そう来たか」みたいな意外性が乏しくって、あまりゾッとさせる部分が少ないのです。ホラ、ダミアンが三輪車でクルクル回っているシーンのワケの判らなさ、そしていきなり惨劇に繋がる意外性と納得感、あれは良いですよね、好きなんです。ああいうヤな感じがもっと本作にあれば良いんですけどね。全体的にはストレートな描き方で、怪しい人と怪しくない人がはっきりしていて、残酷な割に陰湿な感じがせず、まあ、かつての私のような怖がりの方にもとっつきやすい作品ではあると思います、ハイ。そう、例えば、母親をあくまでダミアンの味方として描く方法もあったはず、そして“母親と息子の密着した関係”から阻害される父親の孤独、ってな描き方があったはず。だけど、そういうヒネリも無いしね。「悪との対峙」の構図が、要するに単純なんですね。ただ、ラストは秀逸です。何ゆえ、ダミアンの味方をし続ける父親の目の前でカメラマンはドハデに殺害されたのか? わざわざ父親にダミアンの殺害を決心させるようなことを? ラストで大統領に手をつながれるダミアンの姿、ここで、ありとあらゆることが計画的であったことが分かる仕掛け、この辺りに関しては本作の名声、ダテじゃないと思います。あと、音楽。ゴールドスミス御大がオスカー受賞した作品ですが……確かに悪くないですが……でも、御大のベストワークとは思わないけどなあ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-19 22:23:16)

163.  エクスカリバー(1981) アーサー王伝説を題材にした作品ですが、面喰ってしまうのは、このアッサリぶり。奇跡とか神秘とか魔法とかいった素材が、「ホレここが見どころだよ」みたいな作為的仰々しさをもって描かれるのではなく、むしろまるで日常と隣り合わせのごとくアタリマエのように描かれるようなところがあって。要するに、「この時代の感覚は、現代とは違うんだよ」と、ある意味、現代人にはワカラン世界であることが前提になっとります。例えばベートーベンの交響曲を当時の編成と古楽器で演奏したら、現代人の耳には意外に変な曲だったりするようなもんですかね(あ、ちなみに本作、イギリスのお話なんでしょうけど、音楽はバリバリのドイツ音楽でございます)。そんなこんなで、重厚と言うよりはファンタジー、でもやっぱり何だか地味。そもそも、よくわからん冴えない兄ちゃんがいきなりエクスカリバーを引っこ抜いた時点で、他の登場人物たちならずとも、「お前、誰やねん!」と叫びたくなる(そりゃま、アーサーなんですけれども)、そういう地味さがある訳ですね。映画をじっくり楽しみたい方にオススメ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-28 22:22:09)

164.  勝利への脱出 脱走映画とスポーツ映画を組み合わせた、あまりにもナイスな企画に、サッカー試合のシーンも迫真モノで、見事な娯楽作品になってます。本作には実際の有名選手がゾロゾロ出演しているんだそうですけれども、ペレしか知りません、すみません私サッカーよく知らないので、ハイ。その昔日曜洋画劇場で初めて観た時にはちょっとヌルい試合に見えたけど(笑)、久しぶりに観た今回、それがマチガイであったことを痛感。さらにはその真の実力者たちに混じり、マイケル・ケインみたいなツラの皮の厚いヒトは涼しい顔で演技してるけれど、明らかにどうにも野暮ったいオーラを放ってしまってるスタローンには、ついつい「ガンバレ!!」と応援したくなっちゃう。結末も、ストーリーの都合だけじゃない、映像的に映えのあるものとなって、やっぱりお見事。ところでビル・コンティの音楽。交響曲7番と5番をアレンジされて混ぜあわされてしまったショスタコーヴィチは(もし生きてたら)これを聴いてどう思ったか。「オレの原曲よりカッチョいいぜ」と思っていただけたら幸いです(すみません私、ショスタコ先生の7番と12番がニガテなんです。2番や3番の方がまだナンボかマシかも)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-04 08:51:47)(良:1票)

165.  戦争プロフェッショナル 内戦下のコンゴを舞台に、僻地に取り残された民間人の救出(+ダイヤモンドの回収)に向う傭兵の活躍!ってな映画なんですけれども。全く洗練されていないカオス感たっぷりの作品になってます。救出に向かう手段は機関車、武装した味方の兵士どもを乗せてエンヤコラ、マトモな作戦なんぞまるで無く、戦闘が始まればいきなり消耗戦状態。危機また危機なのは、一種の冒険活劇のテイストを狙ってるんでしょうけれども、それが何だかグチャグチャで、収拾不可能、もはや終末思想的なテイストと言ってもよいのではないかと(笑)。そのカオス状態から一転、すばらしくサワヤカなラストが皆さんをお待ちしておりますので、どうぞご期待ください。まあ何にせよ、男臭くも実にエネルギッシュな作品なのです。[DVD(字幕)] 8点(2012-09-16 07:42:58)

166.  コレクター(1965) いい雰囲気なんですけどね~、「監禁される家」の周りののどかさはかえって不気味であるし、背景に流れる音楽(3拍子系)のユーモラスさも印象的。今の映画であれば「犯人は変質者なんだから家の中も荒んでいて…」と家の中の光景はオドロオドロしく描くところかもしれないけど(そして実際、「ゴミ屋敷に平気で住んでいる神経」ほどオソロしいものは無いんだけど)、そこまで描かなかったのは“まだそんなエゲツナイ映画が作られうる時代ではなかった”という限界であるのかも知れないし、また一方では「そういうアプローチもあるよなあ」と思わせる部分でもあります。犯人は「幼稚」で「変」ではあるけれど「異常者」では無い。うん、そこまでは良いんだけど……あとはそこにどういうメリハリを持ち込むか。その路線だけで引っ張り続けるのは、やっぱり、弱いのでは。誘拐した者とされた者との関係が、確かにその場その場において緊張感は孕んでいても、物語の推進力にはなりきれず、停滞してしまう。犯人がドアを開けっ放しで出ていくシーン、ドアから入ったままの光によって、開けっ放しであることが我々にも示されるのだけど、あえてワンカットで表現するのが効果的とも限らないでしょう(開いたドアを「発見する」という驚きが、そこにあるか?)。実際、この「ドア開けっ放しワンカット描写」は映画の中で2度出てきて、どうも誘導的、手続き的に感じられちゃう。はたまた、囚われの女性が犯人に追いつめられると背景に蝶の標本が並んでいる、というシーン。犯人に捕まり殺された蝶たちの運命と、女性の運命とが重なり、「ついに殺されるのか!」という場面なんだけど…これも物語に必ずしも貢献せず、「ちょっと面白いメタファーでしょ」的に単発で終わっちゃう。と言う訳で本作、節度をもって描かれたスリラー映画で、それなりにコワくもあるんだけど、いささか上品に落ち着き過ぎではないか、もっと強引でもいいやんか、という気がしちゃうんですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-22 07:32:18)(良:1票)

167.  悪魔の植物人間 マッドサイエンティストもの。実験台として誘拐してきた人間を実験で“植物人間”にしちゃう。冒頭から、高速再生フィルムによって植物がニョキニョキ成長する様を見せてくれたり、食虫植物の捕食シーンを見せてくれたり、いやいや、この映画、マッドサイエンスどころか普通にサイエンスしてますよ、なかなかに興味深い。でも、食虫植物って、植物なのに「捕食する」というその動物っぽさが、得体が知れなくて不気味な点なんだけど、ソレを人間と合成してもなあ。むしろ親近感が沸いたりして。やっぱり実在の食虫植物の方が、何とも知れず不気味なんです。で、しかも、この“植物人間”を巡るストーリー、サスペンスが、あまり面白くない。むしろこの映画で目を惹く点、そしてこの映画をカルト化しているのは、実際の障がい者が出演している見世物小屋のシーンの方、ですね。ビックリ人間大集合。見世物小屋のおどろおどろしさ、眉をひそめる見物客。実に正直な描写だと思います。足に畸形のある障がい者が、「僕は特に芸はできません。でも、この足は、動きます」と動かして見せる場面など、こんなセリフは脚本家の想像だけじゃ書けないですよね。で、そんな彼らにも当然、日常がある(日常があるどころか、彼らにはその人生しか、無い)。公演後、客のいない舞台で、ささやかなパーティをやってるシーンなど、実に印象的です(そしてそれがぶち壊しにされてしまうくだり!)。と言う訳で、この作品、イイ映画だ思いますよ。何と言っても多面性がある。ただ、肝心のメインの軸(要するにサスペンスの部分ですな)が、さすがにもうちょっと、何とかならんかったのか…。[DVD(字幕)] 6点(2012-06-24 09:35:29)

168.  怪獣ゴルゴ 《ネタバレ》 イギリス製のキグルミ怪獣映画。怪獣の微妙なサイズといい、“怪獣をとっつかまえて都会で見世物にする”というストーリーと言い、『キングコング』のパクリかと思えば、さにあらず。怪獣が微妙なサイズなのは、実はそれが“ミニラ”であったからでして、後半は、“ミニラ”救出のために巨大親“ゴジラ”がロンドンに上陸、破壊の限りをつくす、ってなオハナシ。キグルミ怪獣ってのは、前屈姿勢の最近のCG恐竜とは違って、背筋がまっすぐ立っており、ダサいと言わればそりゃダサいですけど、建造物を次々に破壊していくのはやっぱり、こういう怪獣の方がサマになります。破壊されるミニチュア建造物の作りも精巧で、見事なもの。群衆パニックシーンや軍隊出動シーンと折り合わせてダイナミックな仕上がりに。怪獣の方も、キグルミとは言え、怪獣の耳を動かしてみせたりする芸の細かさ(あれって多分、耳だよなあ)。さらには実物大の赤ちゃん怪獣を登場させるなど、何かと気合いの入った作品になっているのですが。……では、そんな気合いの入った本作の、一体何が気に食わぬかというと、まあ、「上記した点以外、すべて」とでも言いますか。ワクワクさせるような冒険モノの要素も何もなく(そこが『キングコング』と全く違う点)、ひたすら単調な語り口。肝心のロンドン襲撃のシーンだって、「名所を破壊しておけばとりあえずスペクタクルシーンになるでしょ」みたいな安直なノリで、でも破壊とパニックが淡々と並べられているもんだから、無味乾燥な印象が拭えません。その挙句、「怪獣親子仲良く帰っていきましたとさ」っんだから、そりゃま、日活の某怪獣映画とか、それこそ某CG恐竜映画の第2作とかに影響は与えんたんでしょうが、「おいおい、駆け足の描写で辿り着いた結論が、これかよ」、と、まあ正直、何の余韻も残らない訳ですが。そんな作品でもいいから、怪獣映画の歴史のひとコマを見てみたい、という方は、どうぞ。[DVD(字幕)] 5点(2012-06-17 08:21:56)

169.  ウディ・アレンの夢と犯罪 《ネタバレ》 実にウマく、映画を作ってますよね。ウマく作られてて、感心させられて、でもちょっとイヤミに感じたりもする訳で。叔父に頼んだ金策の代償として、殺人の依頼をされた兄弟。通常ならひとりの人間が内部に抱えるであろう葛藤を、いかにも映画らしく、兄弟二人の間の葛藤として描いて見せる。ウマいよね。2時間弱の映画、どのあたりで殺人を行わせるか、バランスを考えてタイミングも計算通り、ってな感じ。あとは殺人にいたる過程、人間模様、追いつめられていく姿を、着々と脚本に盛り込んでいく。そうそう、一度は未遂に終わるシチュエーションも入れて、ハラハラさせないとね、と。結末は、虚しさを漂わせたりなんかしちゃったり、そういうところがオトナなんだよね、と。いや実に見事なストーリー・テリングなのですな。そんでもって、やっぱりこれは映画なのだから、キメるシーンはしっかりキメて撮ってみせよう、と。ではこれは文句なしに楽しめる作品なのか、と言うと、どうもモヤモヤする。きれいにまとまり過ぎたものの持つ、物足りなさ。なーんか、計算し過ぎなんじゃ、ないのかなーー。もう少し、イビツでいいんじゃないのかなーー。痛烈さが弱い、皮肉が皮肉になり切れていない、そんな感じがするんですけれども、そういうケチをつけるのは、贅沢なんですかねえ。ところで、映画の最後、兄弟に何が起こったかを知らずにいる姿を描かれるのは……パートナーの女性たちなんですね、なんかコレもピンと来ない。やっぱりここで登場すべきは、“親”じゃないのかな~と思っちゃうのは日本人の発想ですかねえ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-20 17:58:10)(良:1票) 《改行有》

170.  アンノウン(2011) いやー実に実に面白かった、興奮しました。謎に満ちた発端がイイですね。テンポよく挿入されるアクションがイイですね。待ち受けているのは思わぬ展開(そりゃま、似たアイデアの作品は過去にあったけど、この程度の類似を見咎めて楽しまないのでは、日頃からミステリ小説なんて読んでいられない(笑))。そして何より、このサスペンスの雰囲気がイイですね。ミステリってのは、単なる「こんなトリック思いつきました」という報告書じゃなくて、本分は、そのトリックをいかに「語る」か、にある訳で。本作は、まずはその「語り」に徹している、その丁寧さに非常に好感が持てます。一体何が起こっているのか。誰が敵で誰が味方なのか。単純にプロットやトリックという意味での物語ではなく、それらを含めた、サスペンスの流れとしての「物語」、それをいかに「語る」か、どのようなカットを積み上げていくか。例えば“主人公が電話帳のページを破る前に辺りを確かめる視線”、などというレベルから、省略せずに描写をひたすら紡いでいく。この映画には「適当に色々撮って、後で編集で何としよう」みたいな発想は無く(そんないい加減な映画があるのかどうか知らんけど)、どのようなシーンにも強い意思が感じられて、しかもそれが、意思のための意思じゃあない、あくまでサスペンスを盛り上げ、映画を面白く「語ろう」とする意思であるのが、実に嬉しいじゃないですか。強いて文句をつけるなら……このタイトルはもうちょっと考えてつけてもよいのでは(こんなタイトル、どんな映画にもついちゃうよね)。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-05-20 08:34:54)(良:2票)

171.  Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! Mr.ビーンって、たまたまNHKつけたらやっててラッキー!というような状況で見るのがイイんですな。そういやずいぶん以前、某国内線でTV版を上映してるのにバッタリ出くわし、もう笑いこらえるのに必死。どうして他の乗客たちは皆、平然としてられるんだろうか・・・。という訳で、“偶然の出会いが一番笑える”ってのがそもそも映画化に向いてないんでしょうかねえ。ってか、映画みたいに作り込んだりせず、Mr.ビーンの暴走ぶりを作為なくテレビで垂れ流す方が、笑えるんでしょうなあ。ってか、『ビーン』を作った時点で「やっぱ映画にしちゃダメだな」って気付かなかったんですかねえ。でもでもでも、セリフに頼らず表情と仕草で表現する、古き良きサイレントパフォーマーのMr.ビーンが、カンヌに行って“映画”に殴り込み、ナレーション過多のエセ芸術映画を茶化しまくる。これって、悪くないと思う。[地上波(字幕)] 4点(2012-04-24 00:36:52)(良:2票)

172.  戦場にかける橋 早川雪洲が、まさにそのまんま、いわゆるセッシュー台に乗って演説をぶっております。ってのはどうでもいいですが、私もその昔、初めて本作を観た時には雪洲演じる斎藤大佐の不甲斐なさばかりが印象に残って。というより日本軍は二流、英国軍は一流みたいな描き方が鼻について。しかしそう感じたのも遠い昔、その後何度か観ていると、作品の印象も変わってくるもの。この映画でやり玉に挙がっているのはむしろニコルスン大佐。彼は徹底した勝者として描かれている。完璧な軍人、ほとんど非人間的とも言えるほど。それに比べりゃ斎藤さんなんて、意地を張って見せても、弱さの面を充分に持っていて、非常に人間的な存在ですよね。ニコルスンはひたすら信条を貫く。部下からの信頼も厚いが、あくまで信条第一であり、部下への思いやりが如何ほどのものなのかはわからない。彼がいなければ英国軍捕虜は規律が乱れ、彼がいれば見事な働きを見せる。しかしその背景にあるのは「軍人には規律が必要」という彼個人の信条であり、「英国軍の力を見せつけたい」という彼個人の欲求であり、そのためには、一般兵はおろか、将校も傷病兵も過酷な労役に動員する。ニコルスンの言動には紳士的な面もあるけど、ことあるごとに斎藤大佐なイヤミな発言をぶつけるあたりは、到底褒められたものではありません。彼は紳士である以前に、ひたすら「勝者」なんですよね。この映画、前半の「意地の張り合い」がじっくり描かれる割に、後半、本格化する橋の建設の苦労が充分描かれないのが、不満ではあるのですが、またこの苦労をあまりこの段階で描きにくかったのかも。何しろ、橋が完成するまではニコルスンは完璧なヒーローでなければならないのだから。労役の過酷さは、連なる捕虜たちの墓でのみ暗示されている。そしていよいよ橋の完成。気が緩んだニコルスンは棒を川に落とす。彼が「敗者」へと転落する予告。彼が英国の名誉のために完成させるべきと判断した橋を、英国軍は破壊すべきと判断した、それは彼の軍人としてのアイデンティティの崩壊を意味する訳で。結局、壮大なカタストロフィとともに、表舞台の人間たちはすべてが敗者となり、傍らでそれを目撃した者は。それをただ、狂気としか表現できない。それは戦争の狂気なのか、個人の狂気なのか。観るたびに、作品の印象が前者から後者へとウェイトが移っていき、ため息も大きくなっていく次第。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-04 17:08:33)

173.  バットマン リターンズ はいこの作品、以前から苦手です。これはさすがに「やり過ぎ」ですね。だいたいこの“ペンギン”というヤツ。口からキタナイ色のヨダレ垂らして、ヒーロー娯楽映画にあるまじき趣味の悪さ。いや、それは良いとしても、そういう露悪趣味の塊りのようなキャラのくせに、我々に媚を売りすぎじゃないか。この映画ではもはやバットマンは成金趣味の中年オヤジ、“かわいそうなペンギン”をいじめる悪いやつ(今作のバットマン、どっちかというとドン臭くて、あまりカッコ良くは描かれてないよね)。いやもう結構。「異形だから哀しいんです」なんて白々しいこと、こんな陳腐な手法で言ってくれるな。“ペンギン”が最後に起こそうとする破壊活動、まさにティル・オイレシュピーゲルの誓う全人類への復讐だけど、これを何の伏線もなくいきなり「はい、妨害電波~」と打ち破ってしまうバットマンとアルフレッド。これはイジメ以外の何物でもないワケで。何もそこまでバットマンを悪人して“ペンギン”を持ち上げんでもいいやんか。[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-01-29 09:03:42)

174.  ジャッカル うわめっちゃオモロイやん。以前観た時はなぜつまらんと思ったのだろうか。ってそりゃ、映画『ジャッカルの日』のオモシロさ、さらには小説『ジャッカルの日』の面白さ(ホントに興奮したなあ)があったからに決まってるんですけどね。大体この『ジャッカル』、原作が「ケネス・ロスの脚本」(フォーサイスの小説ではなくて)とせざるを得なかったところがすでにトホホなんですけれども。しかしその逆境にもめげず、よくぞ製作してくれました。もうこれ、オリジナル作品です、『ジャッカルの日』との関連なんて、事前に試射してみるシーンくらいのもんでしょ。優秀な殺し屋が、よりにもよって暗殺にあんな大砲みたいなヤツを使うなんていう発想が素敵です。前半は、ケガとカツラが似合う男、ブルース・ウィリスが、カツラまたカツラのファッションショー、神出鬼没とばかりに様々な場所に現れる。髪型と背景がひたすら変化し続ける、というのが面白く、自動車のペインティングなどを着々とこなしていく描写も面白い。要するにこの怪人ぶり。ギア様はちょっと存在感が薄く、だもんで、ギア様関連の背景も薄くなってしまった感があるのが惜しい(ってか致命的かも)点ですけど、地下鉄での追跡劇などは、今回観てて本当にシビれました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-04 09:44:38)(笑:1票)

175.  ジャーロ 冒頭、字幕が英語で出てきて「おいおいこのDVD不良品か?」と思いつつ、よく聞くと会話がニホンゴで(意外に上手い。変だけど)、ちょっとビックリ。しかし中盤で、我々日本人でも聴き取れないニホンゴをスラスラと聴き取るヤツが出てきて(「オーショク」って言われても、なあ・・・)、もっとビックリ。すしのための魚おいしいです、ハイ。それにしてもこの作品、なんなんでしょ。最初は「さすがアルジェント、雰囲気あるね」と、それなりに作品に対して協力的に(笑)観てる訳ですが、そんな甘っちょろい期待感は見事に粉砕してくれます。変です。ヘンテコです。コレ、ワザとやってるんですかねえ。ワザとやってるんでしょうねえ。ワザとやらないでいいのにねえ。誘拐された女性の姉が警察に捜査を求めに行くが、相手にされず、ただ地下へ行けと言われる。地下にいたのが変人のエイドリアン・ブロディ警部。ここまでは良かった。後はひたすらヘン。暗い過去を抱えたとかいう一匹オオカミの警部もショボければ、猟奇的犯人(Byron Deidraと言うヒト。ヘタなアナグラムもあったもんです)もこれまたショボくて。中途半端にシメっぽく、中途半端にアホらしい、というのがどうにも困ったところ。種々のデタラメさ(あり得ない設定の連続)もさることながら、警部がヒーローでも何でもなく、何も解決しないところ、いわばこの中途半端さが“オチ”でもあるのだけど、だからなんやねん。こんな作品でアルジェントの新境地だの、集大成だのと、JAROに電話しちゃうよ、もう。と言う訳で、なんやかんやと結構楽しめましたです。[DVD(字幕)] 6点(2012-01-04 09:19:22)

176.  アフリカの女王 オッサン船長とオバチャンがオンボロ船“アフリカの女王”号で川を下る、その道中に待ち受けるは、敵国ドイツ軍、急流、滝(まあ、お約束ですな)、蚊の大群にヒル、ってな訳で、冒険また冒険。これが美男美女の組み合わせなら、「ええい、勝手にエッチしてろ」となるところだけれど、まあ、これなら安心感があります(何の安心感やら)。ハンフリー・ボガートが、ムサいオヤジの役柄の割にやっぱり何ともダンディなのが(自分の船なのに屋根の無いところで寝て、雨が降ってきてもレディに気を使うあたり)、そんな訳ないやろ~と言いたくなる、と言うか、冒険に主眼が置かれ過ぎて2人の関係の描写がテキトーに感じる部分でもあるのですが。あと、共に苦労し彼らの命を救う“アフリカの女王”号という船、最初から破壊される運命にあると言うより、もう「破壊する気(破壊される気)マンマン」みたいなところがあって、ちょっと描き方に思い入れが少な過ぎるんじゃないの、と、扱いの悪さが気になるところ。しかし本作を見ていると、「スピルバーグは“オルカ”号を創造するにあたって、きっとこの“アフリカの女王”号を念頭においてたんじゃなかろうか」という気がしてしょうがないのです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-31 08:52:59)(良:1票)

177.  クラッシュ(1996) 主人公の夫婦は冒頭からいきなり、他の相手とエッチをしている。互いにそのことは了承済みであり、「浮気」ではない。性の自由化? いや、それどころか“不自由”にしか見えない。性というものに支配された存在、それが人間。つくづくカワイソーな存在であるように思えてくる。「性」を通して解放されようって思想があるけど、そんなもん思想と呼べるのか? むしろ「性」から解放されない限り、自由ってのも無い、のが本当のところで、人間、「性」を含めたあらゆる不自由を抱えつつ、いや不自由に支配されつつ、生きるしか無いのよ。「性」とは結局のところ、自己否定、自己破壊。そりゃま、他人がヤッてるコトに関しては何ともウラヤマしかったりするけど、いざ自分の行為として捉えるならば、空虚感しか残さぬ不毛な行為、ということになる(これってヒガミ過ぎですかね~)。これはまるで、この映画で描かれている、「有名人の起こした交通事故に憧れていながら、実際に自分が交通事故に遭遇すると、そこには気まずさしかない」というのにも繋がる。さらに不条理に感じるのは、窓から眺めるとそこには無数のクルマが、衝突事故も起こさず淡々と走り続けていることなのだ。他人が「性」とどう折り合いをつけているのかは本当にワカランもの。自分はあくまで自分として、その気まずさと向き合うしかない。というラストであるように思えました、ハイ。[DVD(字幕)] 7点(2011-11-23 08:29:50)

178.  トランスポーター3 アンリミテッド 《ネタバレ》 トラポン第3作。マンネリ街道をひた走りバイオレンス版寅さんと化した本シリーズの、今回のマドンナ役は、皆さんお待ちかねの激安オンナ(って誰も知らんけど)。ブツに手を出すなんぞ運び屋にあるまじき行為、しかもそのブツがこんな有毒生物みたいなオネーチャンだなんて。これはある意味、巨人セーム・シュルトと戦うくらいスゴイことなのであって、ああ、さすがはフランク、と感心してしまうのでした。もっとも、大巨人の方は今回はやや不完全燃焼であったけど(「だからサミーの試合はツマラナイんだよっ!!」by 石井館長)。さらに今回、フランクが凄いのは、実は意外にも頭が良いことが発覚するのです。ダムに沈む自動車、その危機からの奇跡の脱出!! いったいどうしたらこんなスバラシイ方法での脱出を思いつくのか。というより、いったいナンボほどタイヤの空気圧を高くしていたのか。アホ過ぎ。じゃなかった、賢すぎ。そして「線路を走る列車の上を走る自動車」というガキンチョセンスあふれるクライマックス。マンネリと言われようが何だろうが、魅せるところは魅せる。これぞトラポンの真骨頂。ところで、今回の目玉ギミックは「クルマから15m離れると爆発しちゃう」ってコトですが・・・この主人公にとってはむしろ「クルマの15m以内に近付いたら爆発する」の方がツラそうですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-24 21:58:00)(良:1票)

179.  マチェーテ 刃物見本市、というか、凶器見本市、というか。いかにもアブナそうな物がたくさん出てきます。『用心棒』が「刀が勝つかピストルが勝つか」という興味であったならば、コチラは「刃物は銃の何倍スゴイか(いや銃もスゴイのだけど)」というノリで、残酷描写大安売り。もっとも、アノ“予告編”は“予告編”だけだから面白かったのであって、実際に映画にしてしまうと、“予告編”が持っていたカルト色は薄まってしまったのだけど(まあそもそも、本編より予告編の方が面白いってのはよくある話だよね)、逆に、意外に(予想に違わぬ“意外さ”をもって)、しっかりと構成されていて、ずいぶん練り込まれたバカであるわい、と感心しちゃう。ただ、デニーロがタクシー運転しちゃうサービスは、ちょっとストレート過ぎて、これは感心できなかったのだけど・・・[ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-08-30 21:12:28)

180.  その土曜日、7時58分 《ネタバレ》 それにしてもフィリップ・シーモア・ホフマン。顔デカイよなあ。デカ過ぎ。まあそれは置いといて。ある陰惨な事件の顛末を、独特の構成(自在な時間軸、複数の視点)で描いたサスペンス映画ですね。視点と時間をズラせつつ進行していく映画の流れは、ちょっと、音楽における「フーガ」の様式を思い起こさせますが、それよりも私はこの映画を「あみだくじ映画」と呼びたいですね。しかも当たり無し、すべてハズレのあみだくじ。物語の進行に伴って、いくらポキポキと折れ曲がり、いくら進むラインを変えようとも、最後はハズレ、すなわち、やりきれない結末にたどりつくことが避けられない。悲観的運命論。この「どうにもならなさ」加減。力作です。[DVD(字幕)] 9点(2011-08-06 10:36:12)

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