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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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2. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 《ネタバレ》 情報の多い構図と臨場感たっぷりのその場に立つような場面、感覚に訴えかける映像盛り沢山、映画に期待するものが詰まっている「ハリー・ポッター」に出会えるなんて嬉しかったです。恐怖感(と、好奇心からくるワクワク感)はハリー・ポッター世界を壊さないさじ加減とユーモアを含み秀逸。ダーズリー家の食卓を横から撮った場面では、彼らの太りすぎがコワ~と感じ、ドアップのハト時計が遊び心いっぱい、怒るハリーの狂気(?)がおばさんを風船化、顛末が妙に怖かったり。また夜、街灯の点滅から不吉な空気感が漂い、公園のブランコが揺れ「風のせい?・・・ありえるかも」後、シーソーが動きだし「ん?ありえない・・・」とゾッとくる具合に展開するなど、日常で身に覚えのある凍りつくような感覚までも喚起されました。怖がってるのを撮すのが目的じゃなくて、怖い事象を撮してるぞっという表現が、ハリーの等身大の少年としての心細さや戸惑い、「怖さ」との葛藤と克服の物語としてこちらに伝わってくるようでした。ハリーを見守る大人たち、ルービン先生やシリウスとの会話による場面はあたたかく、大人たちはさりげなくハリーの目線の高さに。ハリーの心の中に両親はいる・・・と映画は声高に主張はしてないけど、シリウスにみせた彼の表情は少しだけ、大人びて逞しくなり、ハーマイオニーやロンのハリーへ心遣いの繊細さなどもみられ、子供たち(演じる子供の内面の「彼ららしさ」も含まれているのかも。)の「成長」を観ることが、本作の楽しみでもありました。■思わぬ見所が・・・おおっ、ロンの兄さんたちハンサムなのでは!(今ごろ気付く) ヒッポグリフのご褒美飛翔が愉快爽快!飛んで去っていった、シリウス&ヒッポがその後どうなったのか、番外編があれば観たいもんです(うーん、後日談、羽とほうきとは・・・微笑ましい) 8点(2004-07-22 22:38:34) 3. トロイ(2004) 《ネタバレ》 人間どうしの血なまぐさい戦いが古代から脈々と続いていることを眼の前につきつけられる。「後世に名を残したい」願いのある女神の子、無敵のアキレス。「勇者なのか愚か者なのか」戦い死ぬことはどちら側にもなりうるということもわかっている。最大の見せ場はアキレスとへクトルの一対一の勝負だった。肩を矢で突かれ運命を受け入れ死を覚悟したヘクトルの無念、胸をひとつきにされ息絶える終焉・・・しかし眼をとじたヘクトルの死に顔に監督は深い哀悼と美しき花をたむけた。1篇の詩のように、精神の気高さを余韻の残る一瞬の表情。勇敢なヘクトル、見事な死に様だった。無常観・残酷さ・無意味さ。その後アキレスの心境も変化する。勇者でも愚か者でもなくそこには悲劇あるのみ。見届ける女と王は慟哭し涙するしかない。その痛々しさと残酷さに私は愕然とするしかなかった。これが神話となり伝説となり吟遊詩人たちに語られ、現在に蘇る英雄伝の姿なのかもしれない…と映画は突きつける。哀しすぎる、たとえ「勇者」でも。幾千年の時を経て、語られる神話にはどんな現実が秘められていたのか思いめぐらすのもロマンなのだろうか。ところで小道具たち(文字とか神々や妖獣たちを具象化した壁画とか、儀式とか)があまり登場しなかったのが残念。でもラスト、小道具・・・じゃなくて大道具『木馬』が想像以上のディティールだったのが嬉しい。(あの首の曲がりぐあいが好き!)あれはオデュッセウスの策略だったとは・・・。6点(2004-06-05 01:49:19)(良:1票) 4. SWEET SIXTEEN 主人公の少年のやさしいもろい心が切なく哀しすぎた。大人しい語り口だがぐんぐん引き込まれる脚本だ。母親は子供に悲しい思いをさせてはいけない…と心底思う。しかし自分の性分に抗えない愚かしいその姿もまた真の姿なんだと思う。どんな状況であろうと強く生きるしかないのがとても切ない。普段着の街並みと抑揚を抑えた話し方は演技とは思えないほどのリアルさだった。このリアルさもまた凄い作品だと思う。8点(2003-11-20 23:09:12)
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