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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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2. カプリコン・1 《ネタバレ》 ジェリー・ゴールドスミスの躍動感ある主題曲が印象的。朝焼けに浮かび上がる発射台の冒頭シーンの臨場感は正統派のSFスペクタクルの幕開けを予感させる。 観覧席における政治家同士の皮肉の応酬も現実にありそうで、開始15分ですっかり引き込まれてしまった。 その後の展開は、迫力あるチェイスシーンや渋いゲスト陣の好演によりメリハリのあるものだったが、国家陰謀を描いた部分の完成度は、随分と隙や手落ちがあった感も否めない。 異変に気がついたNASA職員の消され方に比較して、FBIまで動員しながらエリオットグールドを抹殺しきれない展開や、フェイクの撮影をしたセットをそのまま残しておくなど、もう少し丁寧な描き方(ネタの回収)がされていればサスペンス物としての完成度も更に上がるはずなのに。多少残念。 だだ、多くのレビューの中で比較的評判の良くないラストシーンの描き方に関しては、自分としてはすごく好印象。 新聞記者と、生き残った宇宙飛行士のがスローモーションで走り寄って来るシーンを、テレビ局のカメラが一斉に捉える。火星着陸のトリックを信じ込まされた国民が、今度は有り得ない現実をまた生中継で目にする事に。その後起こった騒動を想像するだけでもカタルシスを味わえる。 何故今さらこの作品を鑑賞したかと言うと、最近カレン・ブラックさんの訃報を知り、彼女の迫力ある風貌を見たくなった為。出番は僅かだが、発するセリフがとても粋で、テリーサバラス同様、とても輝いていた。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 09:05:41)(良:1票) 《改行有》 3. 炎のランナー 《ネタバレ》 初見は公開時の日比谷の映画館。予備校生時代の鬱屈した精神を、この映画に出てくる同世代の若者たちの信念の強さや、高貴な意識に打ちのめされた想い出がある。 ある一時期、五輪に向かう日本の選手達が流行語の様に「楽しんできます」「遊んできます」との発言を連呼していた。マスコミに対しても必要以上に不機嫌な表情を露骨に見せていた。。。彼らのアスリートとしての実力は尊敬に値するが、五輪に挑む覚悟や、強靭な信念はそこに感じられなかった。 国民の期待やプレッシャーや、煽り立てるマスコミが、彼らの思考をネガティブにさせていた事実は否めないが、この映画に描かれた若者達には、もっと崇高でもっと歓喜に満ちた五輪への思いがあったように感じられた。 その時のパリ五輪での事実をありのままに伝えようとした映像は、結果として時代を超越して見事な光線美と溢れる格調の高さをスクリーンにもたらしている。心にしみる傑作。[DVD(字幕)] 9点(2012-08-02 07:59:47)(良:1票) 《改行有》 4. 遠すぎた橋 《ネタバレ》 空一面を覆い尽くす落下傘部隊の映像と壮大なテーマ曲だけで、ミリタリー好きの中坊は簡単にノックアウトされた。 しかし、友人からは映画に使用された戦車等の使い回しが、現実に使用されていたものとかけ離れすぎているなどと、激しく批判された事もよく覚えている。どうでもいい中学生の知ったかぶりの会話だ。 ただ、G・ハックマン演じるポーランドの旅団の悲劇や、J・カーンの軍曹のエピソードなど、ストーリ上のいかにも映画的なシーンが、実はノンフィクションであったりした訳で、あくまで真実の歴史と、戦争の空虚感を描く事に重点を置いて、時代を継承させる重要な映画であったことを、再見した10代後半の頃にようやく気づく事ができた。 それとR・レッドフォードの登場シーン。何か、画面が輝いていたような気がする。 結構、後半に、しかも数少ない出演場面。敵の弾を自分が華麗によけて、結果後方の部下に当たらせて死なせてしまうような間抜けなシーンもあるのだが、やっぱり当時はダントツに恰好良かった。聖母マリアへの祈りを呟きながら河をボートで渡るシーンなど、鳥肌もの。 世間からは過小評価されすぎの様な気がする。傑作。[DVD(字幕)] 9点(2009-04-22 21:31:22)《改行有》
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