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1. ロブスター
《ネタバレ》 大まかなプロットは「籠の中の乙女」と同じだと思う。長女がまた出てる、オリヴィア・コールマンはこの頃から出てるんですね。
なんといますか、前作が認められたってことでパワーアップしてるなと。ヘンタイ自慢してるようにも思えるんですが、
この当時って監督の母国、ギリシャが危機に陥ってたんじゃないか?破産だとかなんとか。で、国民が怒ってた、今も?
そういうものが反映しているようにも思えます。が、何回も途中で観るのをやめようかと迷いながら鑑賞しました。
はっきり言いまして、悪趣味過ぎ、悪ノリし過ぎでしょ。これというメッセージ性も感じませんし、気の利いたユーモアも感じません。
どっちにいこうが自由は無いわけで、動物になれば鬱憤晴らしの標的になるという救いのないループ状態。
提示されるルールはどれも極端に偏っていて、秩序の無い混沌とした世界です。
無抵抗な動物を殺すということになんの意味があるのか、「籠の中の乙女」では猫だった。
本作ではオープニングにいきなりですし、おとなしい犬(兄)を長時間いたぶり、なぶり殺しにする。これだけはどーもこーもない、絶対に許せません。弱いものいじめの他に何かあるわけでもなく、今さら映画で見せて何がしたいのかさっぱりわかりません。
「女王陛下のお気に入り」ではかなり大人しくなった印象ですが、なにしろイングランド王室ですから好き勝手ができなかっただけなんじゃないかと思えてきた次第です。この後、この監督はどの道へ行くのか興味はあります。[CS・衛星(字幕)] 2点(2020-03-14 15:06:28)《改行有》
2. 籠の中の乙女
《ネタバレ》 なんかすごい映画観ちゃいました。
あの一家の成り立ちはこれといって説明はなく、父親のための理想郷、カルト教団みたいです。
父親のそれはモラハラ、DVの典型と言ってよく支配者、暴君、そして変態です。奥さんも子供たちも洗脳され、
暴力性もきちんと受け継がれている。子供たちは全て養子なのか?正式じゃないかもね、
名前が無いし証明書、いわゆる戸籍も無いかもしれない。
3人の子どもたちに対してはまるで犬を飼育しているような感じなんですが、肝心の本物の犬は思うようにならず
しつけをする学校に預けていて、子供達には名前が無いのに犬には名前があるという不思議。
しかしどんなに名前を呼んでも犬は知らん顔で近づきもしない。犬の方が見抜く力があるってことだと思います。
思春期になり息子にだけは性処理の相手として外部の人間をあてがう、男は知らなくてもそれが必要で女には必要ないというのがこの暴君の価値観なんですな、しかしこの性処理女がきっかけで一家のバランスが崩れる
長女が一気に目覚めるきっかけになったのが「ジョーズ」「ロッキー」「フラッシュダンス」という年代的には古いけど
もろハリウッド製娯楽映画というのがなんか可笑しい。へんな替え歌にしてへんなダンスをする音楽が
シナトラが歌う「Fly Me to the Moon」これもアメリカが誇るシンガーと楽曲、アメリカものって良くも悪くも刺激が強いってことでしょうかね。
「犬歯が生えかわれば外へ出られる」絶対にないことなんですけどね、それがわからない。車のトランクに潜り込んだのはいいけど恐怖からなのかひとりでは降りられないという洗脳からなのか、トランクは開かないままでした。
とにかくエピソードのどれもこれもが、普段は意識してないけど「なるほどそうなるのか、そういうことだろうか?」とこちらに考えさせる、想像させる、気づかせるが満載でして、カンヌの「ある視点」で受賞したのも頷けます。
変な映画、奇抜な映画としたら庭の風景、室内の清潔感と穏やかさに対して内容はかなりシュールで
怖さもあってなかなか良いと思います[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-11-20 14:40:05)(良:1票) 《改行有》
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