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2. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 美しい動物たちを背景にして、オープニングクレジットのフォントが軽やかに、踊る。 その秀麗で愛らしいオープニングを目の当たりにした時点で、「ああ、これは良い映画だな」と確信めいたものを感じるとともに、この映画は長い年月に渡って多くの世代に愛されるべき映画となるだろうとまで思えた。 やはりまず特筆しなければならないのは、圧倒的に美しい映像世界。 今回初めて「IMAX 3D」で映画を観たが、この環境で初めて鑑賞した映画が今作で本当に幸福だったと思う。 映画として素晴らしいのは、その“美し過ぎる”映像世界そのものに、ある明確な意図が存在するということ。 嘘みたいにリアルに息づくトラの造形、嘘みたいに美しく壮大な自然の姿、そして嘘みたいに奇跡的な冒険譚……。そのすべてに、この物語が語るべき本当の意味が含まれているのだと思う。 鏡面化する水面では空と海との境界が無くなり、映画世界に放り込まれた自分自身が一体何処にいるのか分からなくなる。 海面に映る自分を見つめる主人公は、次第に実像と虚像の境界を見失い、溶け込み、あらゆる生命と入り交じり、共に漂流するトラと一体化する。 旅の中で突如嵐に遭い、家族を失い、一頭のトラと共に果てしない漂流生活に突入した主人公。 その壮絶なサバイバルというエンターテイメントの果てに描かれていたことは、「信仰」というものの本質だった。 それは、宗教的な概念に留まるものではなく、数多の神々の存在を等しく信仰して成長した少年が、己の生命をかけて辿り着いた真理だったのだと思う。 「生きることは、失うこと」と、自分の人生を顧みた主人公は言う。 そこには特別な悲観も楽観もなく、達観した彼の瞳には何の迷いも戸惑いもないように見えた。 この映画は、「何を信じればいいのか?」という人間が持つ根本的な“惑い”に対して、「あなたが信じたいものは何なのか?」ということを真っ向から問いかけてくる。 きっとそれに対する答えは人それぞれで、きっと何度観てもべつの答えが導き出されるだろう。 重要なのは、何が正しいのかということではなく、“何を信じるのか”ということなのだろうと思う。 冒頭にも記した通り、この映画は老若男女問わず様々な年代の人間が様々な価値観において楽しめる作品だと思う。 我が娘はまだ1歳半だが、彼女にもいつか観てほしいと思った。[映画館(字幕)] 10点(2013-02-09 21:02:52)(良:4票) 《改行有》 3. トロン 映画の善し悪し以前に、この時代にこの題材をチョイスし世界観を構築したマニアックさが凄い。 ビデオゲームがようやく市民権を得始めた時代に、その電脳世界に入り込んで、そこに存在する擬人化されたプロムラミングと攻防戦を繰り広げるという設定を当時一体どれだけの大衆が完全に理解できたのだろうか。 黎明期のコンピューターグラフィックスはつたなく、アニメーションの表現にも達してしない。 それでも不思議と画面に惹きつけられるのは、そういった表現に対する革新的な挑戦があったからだと思う。 決して現代の“ユーザー”が満足できる映画世界が堪能できるとは言えないが、こういう挑戦的な映画娯楽の可能性を広げる礎になったことは間違いないと思う。 そういう意味も含めて、このオリジナル作品の後に、2010年の最新続編を観ると、いろいろな部分で感慨深さが残る。それはそれで、良い映画体験だ。[DVD(字幕)] 6点(2011-12-26 00:00:48)《改行有》 4. レッドクリフ Part I 《ネタバレ》 ジョン・ウーによる「三国志」の完全映画化。 トニー・レオン、金城武というアジアきっての世界的映画スターのそろい踏みは、エンターテイメント作品としてやはり魅力的である。 ただ、ここ数年のジョン・ウー作品にはあまり“当たり”がない。 実のところ、「フェイス/オフ」を越える作品は生まれていないのではないかという感はある。 もはやハリウッドでも幅を利かせる大アクション映画監督というポジションに与えられる潤沢の資金が、総じて作品の「大味感」につながっているように思う。 そこにきて何十億という制作費を投じての大エンターテイメント作品として誕生したらしい今作。 しかも、半年後に公開されるPART2との二部作。 「大味感」に対する不安は捨てきれない。 で、どういう映画だったかというと、 ものすごく贅沢に作られた「歴史ドキュメンタリードラマ」という感じ。 冒頭のドキュメンタリー番組の1コーナーのような歴史的背景の説明モノローグから始まり、主要キャラクターが登場する度に表示される役名の字幕。 「三国志」自体に明るくない者にとっては、「~の将軍」などという説明は分かりやすくはあるが、当然ながら映画としての質を落とすモノだったことは間違いない。 詰まるところ、全編通じて、三国志の中の「赤壁の戦い」の始終をただなぞっていくような印象が抜けず、各人物についてのドラマ性が薄く、のめり込むような感情が生まれない。 俳優たちの表情や一つ一つのシーンには雰囲気があり、それぞれを切り取ったなら質の高さを感じる。 しかし、一つの映画作品としては決して面白味のある映画とは言い難い。 そもそも「三国志」という物語そのものにある程度の造詣があったなら、もう少し印象が違うのかもしれないが。 [映画館(字幕)] 4点(2008-12-01 00:02:55)(良:1票) 《改行有》 5. グリーン・デスティニー 仰々しいワイヤーアクションが話題になった今作であるが、映像的にはそれよりも美しい自然の舞台に目を見張るものがあった。広大で秀麗な自然の美の中で文字通り舞い、闘う映画世界は娯楽の醍醐味満載で非常に楽しめる。物語的には若干軽薄なところはあるが、満足はできる。[ビデオ(字幕)] 5点(2004-01-30 21:40:25) 6. 幽幻道士 お察しの通り「霊幻道士」とごっちゃになってますね。個人的にはテンテンが出ていた今作の方が印象強い感がある。彼女のカワイイキャラクターも手伝って「霊幻~」よりはこちらの方がコメディ要素が強く恐怖感はあまりなかったような…。[ビデオ(字幕)] 4点(2003-12-17 22:12:49) 7. 炎の大捜査線 ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、レオン・カーフェイ、アンディ・ラウ、と香港の豪華キャストを揃え、そのほとんどを殺してしまうという破天荒なバイオレンス(?)には、唖然とするしかなかった。どこまで本気で作っているのか、その真意は分からないけど、今思えば、愛すべき駄作と言うにふさわしい映画だったのかもしれない。1点(2003-10-26 14:37:40)
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