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1. YUMMY ヤミー
《ネタバレ》 コメディ系ゾンビ映画としてすこぶる良い出来だと思いました。設定はよく練られていますし、ゾンビものお約束の展開や演出も芸が細かく気が利いています。スプラッターやゴア描写も容赦なく、キャラクター造形もいい感じ。ゾンビパロディの最高峰『ショーン・オブ・ザ・デッド』とはまた違うアプローチで大変満足しました。ただ、最後だけが戴けません。ホラーですからバッドエンド上等ですが、納得感が欲しいところ。それまでの脚本が丁寧だっただけに雑な印象を受けました。コメディならば奇をてらわず後味良く終っても良いのでは。やはりハッピーエンドは正義だと思います。そういう意味で前述した『ショーン〜』のオチはひねりのあるハッピーエンドで、絶妙でした。「終わり良ければ全て良し」とはよく言ったものです。[インターネット(吹替)] 7点(2023-04-23 22:26:16)
2. やさしい嘘
《ネタバレ》 3世代にわたる母と娘の心情を繊細なタッチで描いています。生きてきた時代が違うから価値観も違う。旧ソビエト時代、社会主義のウソの中に浸かってきたおばあちゃん。その幻想を打ち砕かれた母。そして今、新たな民主主義のウソの中を生きる娘。それぞれの時代背景が心に及ぼす影響は大きいようです。“息子の死はおばあちゃんには辛すぎる”そう母は判断しました。「真実を知って悲しむくらいなら、ずっと嘘に包まれていたほうが幸せだ」それは、現在の生活に対する母の想いとも見て取れます。その嘘に嘘で答えるおばあちゃん。自分の事を気遣ってくれた娘と孫に対するせめてもの思いやりです。誰も傷つけたくない。知らないほうが幸せな事もある。その気持ちの奥にも、おばあちゃんの生きてきた時代が垣間見えます。ラスト娘はウソをついて旅立ちます。それはおばあちゃんや母親の祖国、そして今まで生きてきた時代との別れでもある。笑顔ひとつ無い娘の旅立ちは、今のグルジアが置かれている状況を表しているのでしょうか。やさしい嘘。それは相手を思いやる暖かい心。一概に否定する気はありません。でも結局はみんなが傷ついてしまった。嘘で逃げきるのは至難の業。やはり傷つくことを怖れてはいけないのだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2006-06-01 17:44:14)(良:1票)
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