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プロフィール |
コメント数 |
223 |
性別 |
男性 |
ホームページ |
http://tsumujikaze2.blog.so-net.ne.jp/ |
自己紹介 |
ゴールディ・ホーンと70年代ロックをこよなく愛し、映画館内で飲食を勧めるシネコンの暴挙に憤りを感じる万年青年です。 旧作DVDも観ますが、原則、レビューは新作中心にしています。 作品の個人評価の拘りは、8点と9点の差は、広くて深い谷があること。
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1. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 スペイン内乱で犠牲になった、悲しい母娘の物語です。一人の少女の妄想を柱にして、戦争時での女の戦い方と男の戦い方が、情緒豊かに描かれています。主人公以外も緻密に人物描写されており、単なるブラック・ファンタジーとしての範疇からは超越しています。残された遺児の運命は如何に・・・[映画館(字幕)] 8点(2007-11-15 02:30:22)
2. バベル
《ネタバレ》 言語の壁、民族の壁、宗教の壁。「ことば」の伝わらぬ虚しさと「ことば」がなくても繋がる人間の絆。
一発の銃弾から始まる4つのストーリー展開は非常に強引ではあるが、それを微妙な時間軸のズレによって描写し、随所に「壁と絆」を織り込んでいます。イデオロギーの戦いから宗教戦争へと変遷した21世紀の世界紛争の火種とかすかな解決への希望を暗示しているような気がします。それは家族愛であり、民族を超えた人を慈しむ心なのでしょうか。パニック状態のスーザンにモロッコ人通訳の母親が、鎮静剤がわりに煙草(大麻)を吸わせるシーンは強烈な希望の光です。
我々が観賞後に感じる一種の不快感は、いわゆる無宗教の頽廃した平和日本人の尺度では、現代の世界標準の現実を直視できないもどかしさからか?これも一種の「壁」(だからあえて東京が舞台に選ばれた?)なのでしょうね。
エンドロールのギターの咽びが、なぜか無性に心に染み渡りました。[映画館(字幕)] 8点(2007-05-09 03:10:46)(良:2票) 《改行有》
3. マイ・ボディガード(2004)
ピタの誘拐事件までが「NHKドキュメンタリー90分」後半のクリーシーの復讐劇は「日曜劇場五週完結~毎週一人づつ死にます」みたいな感じで、前後半でストーリーの現実感・スピード感が大きく違う。映画全体を見終わって、何かしっくりこない最大の原因はそれだ。しかし、話の不安定さを補って余りある程、俳優陣の演技が素晴らしい。クリーシーとピタの「目」の演技は圧巻、ピタの母親の悲しき色気(ネバーランドでも素敵)には惑わされっぱなし、「ロシアン・ルーレット」のお兄さんは初老になってさらに渋さを増している。脚本・演出の切り口が変われば、名作になっていた可能性大、惜しい!7点(2005-01-31 01:22:00)
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