|
1. モン族の少女 パオの物語
《ネタバレ》 雄大な山岳地帯の風景、青味がかった映像と情感に訴えかける音楽が非常に印象的。主役も『コウノトリの歌』で鮮烈な印象を残したドー・ティ・ハーイ・イエンの演技が光る。質的に完成度がかなり高い人間ドラマ。ただ一点、パオが生みの母シムを何故あのように邪険にするのか、についての理由付けが若干弱い気がする。正室は子を産まなくても側室より優遇されるという封建制独特の意識なのか?それとも思春期特有の照れ?その辺で少し戸惑った。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-11-28 23:05:48)
2. コウノトリの歌
文学青年の若奥さん、えらい別嬪さんだなあと思ったら、「愛の落日」の女優さんですかー!綺麗だしアオザイが良く似合ってるし。ただ途中から姿を消してしまうのが残念。作品の方はというと、映像と音楽が綺麗な、ソフトタッチの戦争映画。ありがちな残酷描写とかもほとんどなく、どちらかというと文学的で静かな雰囲気が漂う。アメリカ帝国主義に対する弾劾とかいう雰囲気などは微塵もなく、あえて言うならば、米軍に協力した南ベトナム政府批判といった感じでしょうか。今では、両国とも友好ムードだから、こういった内容になるのも分かる気がする。ただ、「史上初、ベトナム人スタッフによるベトナム戦争映画」(日本版予告編)という宣伝を事前に見ていただけに、本当に悪いのは「戦争」ではなく「侵略」である、という視点がもう少し欲しかったという気はする。[DVD(字幕)] 7点(2007-08-29 23:03:56)
3. 無人の野
登場人物の顔アップのカメラわりがやたらと多い、同じ映像を繰り返し使っている(ヘリの銃撃シーンなど)、一つのシーンが完結しないまま次のシーンに移っているところがある、米兵役の俳優が全然アメリカ人に見えない、等、映画としては稚拙な部分が多少見受けられましたが、これまで米軍側、いわゆる「侵略した側」から描かれたベトナム戦争映画しか見たことがなかったので、「侵略された側」の視点が非常に新鮮に感じられました。イーストウッド監督が太平洋戦争を異なる立場から描いたように、ベトナム戦争についてももっと「ベトナム側の視点」が出てきて欲しいと思います。なかなか一般の映画配給ルートにはのりにくいでしょうけど。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-11 20:24:16)
|