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プロフィール |
コメント数 |
1274 |
性別 |
男性 |
年齢 |
44歳 |
自己紹介 |
嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。 ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。 程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。 |
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1. アイアン・スカイ
監督を務めたティモ・ヴオレンソラとは初めて聞く名前なのですが、母国フィンランドでは有名なクリエイターのようであり、本作は決してパッと出の新人監督が勢いで作り上げた映画ではありません。確かに、兵器やコスチュームデザインのかっこよさや、戦闘シーンの迫力や面白さには圧倒的なものがありました。スペースナチスがマンハッタンを攻撃する場面では大作映画並の手慣れた演出が楽しめるし、ナチスが誇る最強兵器「神々の黄昏号」の起動シーンにはSF映画に必要な仰々しさが宿っていました。10億円に満たない製作費でここまでのものを作り上げたことは驚異的であり、戦闘シーンについては満点に近い評価を与えられると思います。。。
ただし問題は、人間が映っている場面が驚くほど面白くないということです。感情移入可能な魅力的なキャラクターが一人も見当たらないし、かといって強烈な毒を放つ個性的な悪も登場しません。さらには、風刺映画を標榜しながらも、その切り口に新鮮さがなかった点も大きなマイナスでした。ナチスやアメリカを悪とするなんて、あまりにありきたりで面白くありませんよ。道化を装って社会のタブーを突っつくことこそがこの手の作品の使命だと思うのですが、その点、本作は危険なネタを扱っていないためにまったく見応えがありません。『チーム・アメリカ:ワールド・ポリス』くらい突き抜けないと、この手の映画は面白くないのです。[DVD(吹替)] 5点(2013-03-03 00:45:45)(良:3票) 《改行有》
2. マインドハンター
前半、サクサクと人が殺されていく過程は面白かったです。さすがは「エルム街の悪夢」出身のレニー・ハーリンだけあって、ショックシーンを見せるタイミングや、無残な死体の描写などにはセンスを感じさせられます。しかし、舞台に残っている人数が少なくなり「次は誰が殺されるのか?」から「誰が犯人なのか?」に焦点が移ると、物語は一気に失速します。仕掛けのための仕掛け、観客を騙すためのドンデン返しが続くため、見ている側は冷めてしまうのです。脚本は観客の先読みを利用する形となっており、物語の中心人物となりそうなキャラクターを早々に退場させたり、観客から疑われるであろうキャラクターを意図的に作ったりとなかなか手が込んでいるのですが、そのためにストーリーテリング上のテクニックばかりが目立つ格好となっています。そうやって観客を騙すためのテクニックばかりを見せられると、真犯人は誰なのかを考えることがバカバカしくなってきます。設定上の必然性よりも、観客にとっての意外性で犯人が決められているわけですから。実際、クライマックスで判明する真犯人については、動機も手段も腑に落ちないものとなっています。また、ハーリンにはミステリーが向いていないことも作品の弱点を際立出せる形となっています。ショックシーンやアクションシーンは嬉々として演出しているものの、謎解き部分については脚本に書いてあることをそのまま撮っているだけで何の工夫もないのです。さらに、訓練島に独特の雰囲気を作れていないこともマイナスであり、もしサスペンスに慣れた監督が撮っていれば、そこそこの作品になったと思います。[DVD(吹替)] 4点(2010-09-15 22:31:24)
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