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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
31歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. かもめ食堂
《ネタバレ》 この映画の大らかさが好きな人は、きっとカウリスマキの大らかさも好きになってくれると思う。
ただ、カウリスマキがフィンランドの町並みから社会の底辺や人々の闇も捉えるのに対し、この映画は太陽の光を注ぐように明るい、何処か陽気な雰囲気を終始貫く。
水のイメージとカモメたちのイメージから始まり、一人一人客が増えていくように、徐々にハマッていく作品だ。
地を歩くカモメ、かもめ、かもめ、かもめ。
ガラガラのレストラン、窓を隔て、女の耳に御夫人たちの噂は入ってこない。
客も来ないので居眠り、一人で泳ぐ、日課の合気道・・・よく一ヵ月も持ってたのが不思議なほど暇そうな顔で登場してくる。
「ガッチャマン」の歌を通じて出会う様々な人々、ニャロメを着た青年。頭から歌詞がスッと出てこず、止まる指。それが奇妙な巡り合わせで再びペンが入っていく歌詞。
歌が繋げる。
渋いオッサンのコーヒー講座、ちょっと怖いかもめの絵(「ムーミン」風?)、久々に食べる故郷の味に泣く、
アラスカ、タヒチ、ハモる女二人の談笑、森で花摘み、おにぎりを食べ、それを珍しそうにじっと見つめる人々。
ターヤ(Tarja Markus)のエピソードが一番面白かった。
無言でいつも店を睨み、入ったかと思うと無言で盃をグイッ、無言で見つめ合う。お?イメージ通り酒も強いのか?と思った瞬間にバッターンと倒れる。
胸にためこんでいた思いを打ち明け、帰らぬ夫の事を想いながら藁人形に釘を打ち込む。夫のTVも視界も砂嵐状態。
人魂のように揺れる電灯、サングラスで休日を満喫。ターヤもスッキリしたのか、大分女性らしい格好に。
泥棒を合気道で打ちのめす場面。この映画で唯一と言ってもいい対人へのアクション。しかしそれでもっと大きな事件が起きそうで起きない、この緩さ。
赤ん坊のようにコーヒーメイカーを大事抱きかかえる、黄金のように輝く花。
食堂もプールも孤独ではなくなった彼女の姿を映して物語りは締めくくられる。[DVD(邦画)] 8点(2015-06-08 19:22:52)《改行有》
2. ル・アーヴルの靴みがき
《ネタバレ》 今もヨーロッパに根強く残る移民問題をユーモアを交えて描いた作品。
フランスはのどかな町ル・アーヴルで元気に暮らす人々。
ビンボーで金も無い、でも心は誰よりも豊かという良い人ばかりだ。
住民がアレコレして少年を守ろうとする姿はとても楽しく、とても健気で泣けてくる。
病気を夫に隠す奥さんのセリフはさらに泣ける。
今の世の中、悪い事ばかりだ。でも、たまにはこういう良い人しか出て来ないような映画があっても良いじゃないか。
靴屋の店主が必要悪だと思うとまた泣ける。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-16 22:49:26)《改行有》
3. キンスキー、我が最愛の敵
《ネタバレ》 ヴェルナー・ヘルツォーク入門&ヘルツォークをもっと好きになる傑作。
「殺したいほど愛している」なんて話はざらに聞くが、まさかそんな話を映画にしてしまう人がいるのだから困ったものだ。
監督と役者は主従である前に対等な存在だ。
「俺が監督してやっいてんだ!!」ま
「俺様が演じてやっているんだ!!!」という対立は苛烈になればなるほど現場を凍りつかせ、引き締める。そのピリピリしたものが、そのまま映画の緊張感に+されるのだ。
ヘルツォークの出世作ともなった「アギーレ/神の怒り」では、狂信的な英雄像をキンスキーが演じた。
二人の憎悪と愛情の表裏一体の関係の中は、数々の傑作を立て続けに生んでいく。
あの野郎を殺してやりたい、あの野郎を俺のものにしたい・・・!役者の狂気に、監督の狂気が応えていく。
ドイツが産んだ二人の野獣をもっと好きになる映画だ。[DVD(字幕)] 9点(2014-05-18 15:16:03)《改行有》
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