みんなのシネマレビュー |
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【製作国 : オーストラリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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2. マトリックス レボリューションズ 20世紀の哲学者ボードリヤールは、世紀後半の世界をオリジナルとコピーの区別が付かない、また、付き得ない世界になるだろうと予言した。<それをオリジナルとコピーの中間形態であるシミュラークルの世界と呼んだ> インターネットの普及はまさにその予言の具現化に大きな役割を果たしたといえる。コンピューターの俗語で「コピペ」という言葉があり、これはオリジナルをコピーしてペーストするという意味であるが、インターネット環境で何度も「コピペ」を繰り返す内に、そのオリジナルと思っていたものが、実は元のオリジナルの巧みなコピーであり、それがその又元のオリジナルのコピーのコピーであったかもしれないという事態が容易に起こるのである。つまり、インターネットの世界に関していえば、既に厳密な意味でのオリジナルは存在しないといってよく、引用に対する制限はもはや制御不可能な状態にある。インターネット世界が現代社会を写すイメージそのものというのであれば、現代は「コピペ」の時代といってかまわないが、それはまさにシミュラークルの世界そのものでもある。シミュラークルの世界には、絶対的価値観など有り得ない。すべてが相対化され、データベース化され、その中で差異を表出することに価値を見出すのみである。映画の世界ですら、この世界観から逃れられない。それが「マトリックス」である。 7点(2003-11-09 11:41:13) 3. マッドマックス2 このレビューを書くにあたり、僕らが改めて「北斗の拳」世代であるとともに、「マッドマックス」に痺れた世代であることに思い至る。僕らにとって、ここで描かれる世界観というのは、信じられないほど自然に受け入れられたのです。「北斗の拳」と同じでいいじゃない。「北斗の拳」と「マッドマックス」は全く相反しないし、どっちが先かなんてどうでもいい。平和なんて概念を吹っ飛ばした無情の世界をサバイヴする強靭な男たち。圧倒的な哀しみの中で強烈な怒りを発する孤高の主人公。当時のガキんちょは、みんなこの世界観に熱狂したものだった。シリーズの1と2、どっちも最高! 9点(2003-10-18 11:12:35) 4. マッドマックス 家族が呆気なく殺されるシーンも非情なら、バイカー達が次々と薙ぎ倒されていくシーンも非情だ。もう20年以上前、中学生だか小学生だかの頃に観た時は、その荒んだストーリーと迫力ある映像<危険なスタント>に唖然としながらも、これまでに感じたことのない奮えを覚えたものだった。この映画がテレビの洋画劇場で流れた翌日には、教室内の悪ガキ連中みんなで昨日の奮えを語り合った。「あれ、絶対ぇー、死んでるよー!」当時のガキんちょはみんな「マッドマックス」に興奮したのだ。(僕の周りでは) 9点(2003-10-18 11:08:26)(良:1票) 5. マトリックス 確かにストーリーは陳腐。これをサイバーパンクというにはあまりにもちょっと。SF的な魅力<哲学>としてはやはり奥行きに欠ける。意外性もないし。おそらくここで扱われているテーマをもっと掘り下げることも可能だったかもしれないが、この映画にとってそれが良かったとも実は思えない。幅広く支持される為にはこの程度のストーリーで自慢の映像技術を炸裂させた今のスタイルの方が良かったんだろうな。それが成功の秘訣でしょう。まぁ基本的に僕は楽しめましたよ。結構つっこみを入れたくなるところがたくさんあったし。あと、この手の映画って、今後は映像技術とキャラ立ちに尽きてくるんだろうね。ストーリー的な奥行きを追求しすぎたら多分コケて、金を回収できなくなるから。8点(2003-06-07 21:20:29) 6. ピアノ・レッスン これは、あやうく刹那的な恋の感情が心的呪縛の開放とともに愛へと転化した幸福な物語なのだろうか。僕のようなプチニヒリズム的心情の持ち主には、素直にそのようには受け入れがたいところもあったのだけれど、う~んと考えてみるにつれ、こんな始まりを感じさせるハッピーエンディングな志向は、古今東西の恋物語を見回してみても、多少なりとも画期的なことだし、ある意味では確信的なことかもしれない。そこには、「The piano」の作者の水脈に対する信頼度の問題があるけれど、この物語がとても誠実であり、実際に僕の心をぐぐっと惹きつけてやまないという事実があるのは確かなのです。主人公にとってのピアノは内面世界の象徴であったと思うんだけど、最後に彼女がピアノを断ち切ることによって何を失い、何を得たのだろうか。ピアノ=内面の象徴化=自己の観念化という図式で考えれば、当初彼女の凝り固まった内面には、地平としての他者が不在であり、だからこそ、突如現れた他者としての恋感情が強烈にして彼女のピアノの旋律を狂わせたのだと思う。この恋感情が彼女を突き破り、現実をも転覆してしまうところはやっぱり確信的です。このハッピーエンディングには、彼女が欠損者であることがひとつの大きな要素となっていると言えるのではないかな。欠損からの快復の物語がエンディング以降に語られるのだろうけど、恋感情からストレートに移行するように思える、そこに恋と同列の可能性をもつある種の「癒し」の感情を強く感じることができる。こんなことを考えるのは初めてなので、うまく言えないのだけど、この作品は、終わりが始まりとなるような新しい可能性をもった画期的なラブストーリーなのだということがいえないだろうか。<最後に、、、この作品の邦題はやっぱり単純に「ピアノ」とすべきだったのではないかなぁ>10点(2002-12-31 01:30:04)(良:1票) 7. ムーラン・ルージュ(2001) よかったですね。KISSのラヴィンユーベイビーに、T-REXにPOLICEときたもんだ。拡大版ミュージックビデオみたいで、それでいて、台詞や映像、もちろん音楽も過去のミュージカルやラブストーリーをごたまぜにしたような新しいタイプのミュージカルであり、かつ20世紀後半のショービズへ捧げたオマージュ<パクリじゃないよ>のような作品だなぁってね。。。というのはいいすぎかな。屋上シーンのくどいほどのラブソングストリームも僕には結構楽しめましたよ。MTV世代、FMステーション世代の僕としては、とても楽しいひとときでした。9点(2002-11-10 20:33:24)
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