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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. グレート・ビューティー/追憶のローマ 《ネタバレ》 こんな映画を撮ってしまった以上、パオロ・ソレンティーノは次回作で何を撮ろうというのだろう。そんな凄まじい映画でした。 目指そうとした作品はハッキリしていて、多分巨匠フェリーニの『8 1/2』でしょう。同作はどんな映画を撮っていいのか分からない主人公(明らかにフェリーニの分身)が悩み続け幻想の世界に足を踏み入れていくという内容ですが、本作の場合は主人公が作家に変更されているだけで、大筋は殆ど一緒です。 次作が書けない主人公は執筆の題材の為に、只管に美を探し求める。それは古代ローマの彫像から、現代アート、大自然の美、宗教的な美、女性像の美にまで及んでいく。尚、個人的には普段から現代アートの良さが全く分からず、主人公が「こんなん美じゃないよね」って感じで現代アートを鑑賞するのには少し胸のすくような気持ちでした。 いくら美を追い求めても主人公には究極の美は見つからない。徹底的に画面構成の美しさ、映像美を凝らした本作を撮っているソレンティーノも恐らく同じことを考えているのだろう。最終的に主人公は究極の美など自分の手に余ると、諦観して映画はプッツリと終わってしまう。今までもどこか気の抜けたような飄々とした作品を作り続けて来たソレンティーノらしい幕切れです。 とどのつまりプラトン的に言えば、究極の美、即ち美のイデアなど、矮小な人間が見つけだすことが出来る訳が無いということでしょう。それでも表現者は自己の中に思い描く究極の美を求めて作品を作り続ける。そんなあらゆる表現者の業を感じる作品でした。[映画館(字幕)] 9点(2014-12-01 00:25:15)《改行有》 2. クリフハンガー 《ネタバレ》 久々のテレビ放映を機に、10年ぶりに観直してみましたが、予想以上に面白い!山岳のプロフェッショナルが山の地形を駆使して、犯人グループと互角以上にやりあうという設定にまずお約束ながらヤラれました。主人公が一時の絶望状態から、犯人グループと闘う事でアイデンティティーを回復させるという流れも実にスムーズ。ジョン・リスゴー演じる悪役も十分に魅力的です(恋人である仲間でもアッサリ殺しちゃうってのは、ベタだけど矢張り良い)。そのお陰で、最後のヘリコプター側面での肉弾戦にもハラハラさせられてしまいました。何より、スタローンが思ったよりも格好良かったです。最近は筋肉俳優が流行りませんが、やっぱり男は筋肉がある方が格好良いと思うなあ。 山が舞台ということで、各キャラクターの位置関係が把握し辛かったのが、やや難点でしょうか。[地上波(吹替)] 8点(2010-11-23 11:48:46)(良:1票) 3. グリーン・ゾーン 主人公だけが何故か独断専行を繰り返しても除隊されないとか、突っ込み所は多くありましたね。しかし「ハート・ロッカー」や「リダクテッド」など非常に重い気分で観なければいけないイラク戦争映画が多い中で、エンターテイメントを前面に出した本作のノリは嫌いではありませんでした。 問題は余りにも手振れカメラの場面が多いことでしょうか。ポール・グリーングラス監督の作風と言えばそうなんですが、普通の日常のシーンくらいは普通に撮って欲しいです。映画が終わった後、目が相当疲れていました。[映画館(字幕)] 6点(2010-05-28 07:35:30)《改行有》 4. クリムゾン・リバー 《ネタバレ》 まあどこにでも転がってそうなミステリ・ホラー。ジャン・レノが出ている以外はあんまり魅力がありませんでした。ラストのどんでん返しも割と平凡です。 舞台設定は個人的に好みに合っていたので○[DVD(字幕)] 4点(2008-08-05 01:07:57)《改行有》
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