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コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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161.   政治色の強い題材ながら、緊迫感あふれるサスペンスに仕上がっており、フラッシュバックを交えた演出と、後半の追及劇のスリル、まさに第一級のミステリ映画とも言えます。多彩な登場人物のそれぞれが、個性豊かに描かれているのも見逃せません。議員「Z」と、彼を囲む面々、真実を追い求めつつもどこかチャラチャラした記者、告発オヤジ、敵か味方かつかみどころがなくハラハラさせられる予審判事。一方のいわゆる“悪役”側の面々もまた各々が個性的で、これほど多くの登場人物を印象的に、巧みに描き分けた、人物造形のうまさが、娯楽映画としても成功しているポイントですね。前半の政治劇から後半の追及劇、そして最後にその輪が閉じたときに感じるのは、ファシズムへの怒り……ではなくて、“政治”というものの不気味さ、異様さ。Zは確かに生きている、いや亡霊となり姿かたちを変えながら、未来永劫我々を苦しめ続ける。[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-11-24 08:10:49)

162.  ボルサリーノ 明るいチンピラ映画から、後半はやや血生臭いギャング映画へ。とは言え、基調は割りと軽いノリのしゃれた映画で、言ってみればおっさん二人組の成長を描く青春映画、でもあります(ちょっと『明日に向かって撃て!』を連想する)。二人の背景やら何やらを細かく描かず、いきなり殴り合い、いきなりコンビを組む、というのが、いかにも“映画”らしい楽しさ。まあ、この手の映画は、アメリカの方が一日の長あり、という気がしないでもないですが。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-10-05 16:07:16)

163.  殯の森 奈良県は「天国にいちばん近い都道府県」なのか? ちなみに私も奈良県在住ですけどね。あくまでフィクションとは言え、前半における老人たちの表情はまさに実生活のナチュラルさ。後半、森の中を彷徨う二人の姿、それはフィクションとしての物語なのだけれども、森はそれを圧倒的に包みこみ、もはやそこは、フィクションとドキュメンタリのはざま。生きることとは「人とのつながり」、であるならば、その二人の姿は、生と死のはざまでもある。我々はカメラを通じ、そこに同席し、森を共に彷徨い、森の底に沈みゆく二人の姿を見守る。いやあ、気色悪いんだ、これが(笑)。「映画とこうあるべき」という観点からは、少し外れた映画、いわば「はざま」の映画、かもしれませんけどね。観終わったときに感じる“居心地悪さ”を、不愉快に感じるか、観てよかったと感じるか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-17 11:47:57)

164.  ダニー・ザ・ドッグ 凶暴なる戦闘マシーンとして育てられたダニ-・・・という設定がさっぱりピンと来ない。はっきり言って、映画冒頭からすでに、登場人物の中でリンチェイがいちばん理性的に見えちゃうんだな。何かもう少し演出に工夫があってもバチは当たらんと思うが。それに、モーガン・フリーまんとの出会いが、これまた「出来すぎた話」。そもそも、調律師がそんなにペラペラ喋りながら仕事できるんかい(ってか、調律お手軽過ぎ)、と思ってしまう時点で、ほぼ映画全体がミエミエになってしまうんですけれども、まあ、そのミエミエ感の範囲の中で、リンチェイのカワイラシサみたいなものが、よく出ていたかなあ、と。一方で、ボブ・ホスキンスの怪人ぶりが、これはなかなかのオリジナリティを感じさせますが、途中、深いキャラのように思わせて、実は浅かったというのが、「結局、日和ってるよなあ」という印象をこの映画にもってしまう点でもあります。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-04-13 08:20:25)(良:1票)

165.  コックと泥棒、その妻と愛人 《ネタバレ》 不条理な世界ではありながら、サスペンスとして一応楽しめるだけの、物語性のある映画にはなっています。まあ、全く一般性の無い物語ですが。ナゼかすべてを支配するヒゲ親父と、彼の目を盗んで愛人との浮気に励む妻。映画に出てくるのは、マズそうな食べ物と、ワケのわからないヒゲ親父の演説と、楽しくもなさそうな中年のエッチばかり。さらに、しつこく流れるマイケル・ナイマンの音楽も、本作に関する限り、はっきり言って凡庸だと思うぞ。というわけで、当然ゲンナリしてくるが、観ている側としても簡単に負けるわけにはいかない、ここがふんばりどころ。で、観ていると、何だか不思議とクセになってくるのが、この映画の舞台であるレストラン(?)の、いささかエキセントリックな調度。というよりは、その反復性、ですかね。食堂~厨房~裏口を、人が、カメラが、何度も行き来するうち、この映画の世界に変に馴染んできてしまう、麻薬性。そして、妻と愛人がドロドロのハダカで脱出するシーンのトホホぶり、こいつはまさにとんだ失楽園だわい、と脱力しつつも「おお、こうでなくては!」と変に感心してしまう。何に感心しとるねん。そうそう、あと、ですね、この映画の露悪ぶり、ついつい『ピンク・フラミンゴ』を連想しちゃうんですけどね。特に、ラストの拳銃を構えるヘレン・ミレンが、完全にディヴァインと重なって見えちゃいました![地上波(字幕)] 7点(2008-03-09 23:04:13)(良:1票)

166.  恐怖の報酬(1953) スピードとかクラッシュとかを売りにするカーアクション映画はよくありますが、本作のスリルは、どちらかというと、「坂道発進」「縦列駐車」等といった、あの、教習所でのスリルに近いものがありますね、ああ、ドキドキ(←ペーパードライバーのつぶやき)。ニトログリセリンを積んだトラックが、そろりそろりと進む、ただそれだけなんだけど・・・観ればわかる、やっぱり「ただそれだけ」なんてもんじゃない、このサスペンス。圧迫感のある映像、見せ方のうまさ、ってのもありますが、やはり、出発に到るまでの1時間で描かれるドラマと、出発後の人間模様との対比が、実によく効いております。たった4人の行程が、重厚な人間ドラマにもなっちまうのです(映画後半の物語だけを見れば、結構ベタな話かもしれんなあ、と、後で思い返せばそんな気もするけど、観てる間は決してそう感じさせない、この上手さ。実に絶妙)。[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-03-01 07:41:15)

167.  大人は判ってくれない 観る立場によっては、「子供は判ってくれない」と言いたくなるかもしれませんが(笑)。しかし子供ってのは大変なのです、何しろ、オトナの前では「良い子」を演じ、“オトナを手なずけ”なければならないのだから。これが出来ない不器用な子供はさらに大変(世間一般でいうところのマトモな職業には向いていないので、いっそ映画作家でも目指すのがよいのでしょう)。欺瞞に裏打ちされた日常の果てに、ついに警察のご厄介になったところで、初めてオトナの扱いをされるという皮肉。しかし勿論、こんなものが本当の意味での社会との接点であるワケがない。少年にとってはもしかしたら、感化院こそが、生きるための戦いの始まりであり、本当に社会と向き合うスタートなのかもしれない・・・。ラスト近く、走る少年の姿を「これでもか」とばかり、長々と追いつづけるカメラに、何だか胸がつまりジーンときてしまう。あの苦しくて苦しくてたまらないヒタムキさ、誰しも心のどこかで、自分の過去に重ね合わせてしまうものがあるのではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-12-16 18:36:09)

168.  酔っぱらった馬の時間 絶望的な環境の中でたくましく生きる子供たちの姿、などと言ってしまっては、かえってアリガチで安っぽくなるかもしれないが、本当にそうなんだからしょうがない(笑)。それがこれほど強い力を持っているのは、もちろんリアリティとかいうコトもあるんだろうけど(これまたアリガチな・・・)、しかし何と言っても、作品の背景に、人間の生命力と言うものに対する、無限の信頼、とでもいうべきものがあるからじゃなかろうか。周りの大人たちも、確かにいいヒトたち、親切なヒトたちばかりとは、到底言えないけれども、この環境では致し方なしか、と思えるウラにはやはり彼らの生命力というものがある。そして何と言っても、ラストシーン。有刺鉄線の柵(国境)と踏み越えていくモチーフは、『わが故郷の歌』とも共通のもの。痛々しくも無上の人間賛歌。[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-12-03 00:25:32)(良:1票)

169.  ルムンバの叫び “実話である”と言われると、どうも弱いのよね~。というのは、ワタシのいつも通りの感想ですが。ある歴史上の事件を世間に知らしめる、というのに、映画というメディアは、実に強い力を持っております、何しろ、その事件を“2時間前後の長さ”にまとめて、それで作品として成立させることができる。本の場合、“2時間程度で読める本”ってことになると、こりゃ明らかにボリューム不足ですよね~。さてしかし、その映画の長さ(というか短さ)ってのが、クセモノだったりするわけで。その時間の中で、事件そのものを世間に伝えることにコダワルのか、事件をベースにして映画作者の新しい世界をそこに展開するのか。やや前者の傾向が強いように感じられる本作、やはり難しい一面を感じざるを得ない部分も。正直、「当時のコンゴの情勢」ってのが、伝わりにくい。映画は“抑圧された民衆”をそっちのけに、主人公の軌跡を追いつづける。主人公がベルギーに渡る直前に、当局にとっつかまってリンチされるのが、いかにもステレオタイプの描き方。主人公の演説が流れるラジオに人々が群がるシーンの、いかにもとってつけた感じ。「とりあえず一通り入れておきました」感の強い演出が、事件を伝えることにむしろ機能していない。国の将来を首脳陣が語り合う様子(今後のコンゴ。なんちゃって)も、何だか町内会の模様みたいで、その一方で主人公がしきりに「これはベルギーの陰謀だ」と疑心暗鬼になり苦悩する、その落差。しかもその主人公の苦悩、根拠があるのか妄想なのか、観ている我々はその苦悩を共有しきれない。結局のところ、社会的事件を扱うのに「当事者を主人公にした」ということの限界をやや感じてしまう、映画でした。とは言え、この衝撃的な事件を題材にしたこと自体で、すでに映画は熱を帯びパワーを有しております。そしてここではむしろ、政治的なドロドロと、雄大な自然との対比の構図、これを本作の魅力としておきましょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-10-14 07:19:14)(良:1票)

170.  ベニスに死す 《ネタバレ》 昔読んだトーマス・マンの原作をパラパラとめくり、ふと思う、「そうそう、アッシェンバッハ氏って、音楽家じゃなくて作家なんだよな」。それでも強い、この“アッシェンバッハ=音楽家”というイメージ、まさにこの映画において、あまりにもマーラー交響曲5番4楽章アダ-ジェットが、ピタリとはまり過ぎているから。もっともこの映画の主人公アッシェンバッハ、「調和がどうのこうの」とかいう言動を見る限り、どーもワタシの持つマーラーのイメージに合わない、ってか、ほとんど対極かも知れない(笑。原作でもマーラーから借りたイメージは、風貌だけでしょ)。ま、そもそも、このアダ-ジェット自体、一番マーラーらしからぬ響きの楽章、とも言えるかもしれんし。主題は多分、第1楽章のテーマの変形だと思うけど(一種の循環形式ですな)似ても似つかぬ柔らかな響き。また第4楽章の一部は第5楽章でも再現されるが、驚く程の響きの違い。弦楽合奏+ハープなら、マーラーでも「美しい曲」が書けるという実例か。とマーラーの話をしていてもしょうがないので、映画に戻る。またこの映画、クローズアップが実にいやらしいんだなあ。例えばある場面では、主人公の視線を模するカメラ。美少年一家に目が止まり、クローズアップ! う、いかんいかんとオドオドする主人公の表情を、これまたイジワルにもクローズアップ! うひょうひょ、もう恥ずかしいのなんの。これって例えば「電車に乗ったアナタの前に、色気ムンムンのオネーチャンが⇒つい見惚れそうになり、イカンイカンと自制するアナタ⇒ふと周りの乗客を見回すと、何だあのオッサン堂々とオネーチャンに見惚れてやがるぜ、と、今度はそのオッサン客の観察にいそしむイジワルなアナタ」という、そういう下世話な楽しみに相通ずるものがありますね(何のこっちゃ)。それをきっかけに主人公につい主人公に感情移入するアナタ(←しつこい)。正直、映画前半はホテル内部のシーンが多く、ヴェニスらしい雰囲気が感じられないのが残念なのですが(窓から外の景色が垣間見えるシーンがあれば・・・)、第3交響曲の流れる海岸のシーンのあたりから、のめりこんでしまう、圧倒的な映画世界。ラストの虚脱感は無類のものがあり、忘れられません。どうでもいいけど、コレラって極度の下痢で脱水症状になり死に至ると思っていたが、本当にこのラストシーンみたいな症状なのか?(←気にしないこと)[ビデオ(字幕)] 9点(2007-09-23 00:09:23)(笑:1票)

171.  息子の部屋 《ネタバレ》 息子の死という重いテーマを、煽り立てることなく、やや控えめの、抑えた表現で描いていることに、好感が持てる。この事件をきっかけに、家族全体が、閉ざされた雰囲気につつまれていくのが、息子の元ガールフレンドの訪問により、社会へのつながりが新たに芽生え、開放感へ向かうラストの素晴らしさも忘れがたいもの。ではあるのだけれども・・・・・・なんだろう、この釈然としない感覚は。いくら抑えたタッチとは言え、「息子の死」というものの重さに対し、何か醒めた感じがしてしまうのは、文化の違い、価値感の違いなのか?拭えない違和感が残ってしまう。「もしあの時、こうしていれば」という空想にふけるシーンがある。そりゃそうだろう。誰だって後悔に苛まれるだろう。当り前だ。しかしその“当り前”をわざわざ、殊更に映像として描くのはどうか?本当の苦しみは、映像で示された後悔そのものではなく、“このような後悔が繰り返し繰り返し押し寄せ、自分を責め苛む苦しみ”ではないか? 後悔を具体的に描くことで、かえってその後悔の持つ重みが薄れてはいないか? 確かに映画として「表向きは」抑えた表現をとることは、それはそれでよいだろう、けれども主人公の内面に当然あるはずの、無限の哀しみ、慟哭までも、映画から姿を消してしまってはいないか・・・・・・? さらに言えば、この違和感はもしかしたら、「ホカホカと不自然に明るい屋内シーン」にも関係があるのかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-09-15 00:15:53)

172.  SAMURAI (↓さすが皆さん、ちゃんと「先生」と呼んでますね)無責任極まりないご先祖サマにご無体な事を言いつかってしまった倉田先生、しかし慌てず騒がず、とにかく渋い! さすがは元Gメン。男の哀愁、孤独、なんだかそういうイイもの一切合財が先生のお姿から立ち上っております。さてさて物語は例によって訳のワカラナイ方向に進み、舞台はフランス、謎の組織の魔の手が、先生の娘(?)の元に忍び寄る。いや全然忍び寄ってませんね、いきなり大立ち回り、ジムでの死闘! 雑魚キャラどものマーシャルアーツ全開のアクションに、ついつい期待は膨らむ、倉田先生はこの後、もっとスゴイ技を見せてくれるのではないか。いやいや先生ももうお歳を召していらっしゃるから、アクションは控えめではないか・・・・。先生は言わば神様のようなヒトなのだから、神様を試すようなコトは本来は考えてはいけないのです。でも心配・・・と思いきや、飛行場での刺客の襲撃! 先生の蹴りがトイレのドアをブチ破った瞬間、心の中で、涙が出た(笑)。素晴らしい体のキレ! まだまだ、あと50年くらいはイケそうでっせ。とか言いつつも、物語はさらに訳のワカラナイ方向に吸い込まれ、最後はほとんどギャグに走って、ハイ、オシマイ。ちょっと残念。教訓としては、「ただでも強い敵が、さらにパワーアップしたら(例、武器を手にする。二人に分裂する)、そろそろ映画はオシマイという合図」ですね。[地上波(吹替)] 6点(2007-08-17 16:44:14)

173.  過去のない男 記憶を無くす、名前を無くす、過去を無くす。それは、自身の存在証明を無くすこと。なーんて言ってたりすると、つい、安部公房の『壁-S・カルマ氏の犯罪』とか『燃えつきた地図』を思い出しちゃうんですけども。しかしこちらは映画作品。過去を失い帰属を失い、ただ「現在」のみを生きる主人公の姿が、映画ならではの語法で描かれております。それは、彼を取り巻く冷徹な「視線」。いささか戯画化された登場人物たちの立ち居振舞いにおいて、表情というものが徹底的に抑えられ、その中で強い印象と緊張をもたらすのが、主人公へと注がれる、他者たちの冷たい視線の数々。その視線は主人公を通じて我々にもブスブス突き刺さってきて、ナントモ居心地のわるーい映画体験になっております。しかし、結末はいかにも「ものがたり」らしく、ユメのあるまとめ方、実に心憎い。拍手!![CS・衛星(字幕)] 9点(2007-04-12 23:15:20)

174.  花咲ける騎士道(2003) 騎士道のキの字も感じられない、軽~いノリのアクション映画。思わぬ展開が次々に繰り広げられるストーリーも、あんましコダワリっちゅうもんが無いので、サラサラとお茶漬けのように進行していきます。この手ごたえの無さ。映像にもまるでコダワリ無し、実におおらか。連続したシーンなのに、背景にうつる青空が、雲ひとつなかったり、雲だらけだったりと、別々に撮影してツギハギしたのがモロバレ。いや、こんなことは、別に私が迷惑被るような話じゃないんですけどね、ただ、監督さんは、こういうデタラメさが気にならないのかねえ(ブツブツ)。さらには演出にもコダワリ無し、まったくおおらかですなあ。ヒロインが敵にさらわれる(さらわれ過ぎ)→追跡する主人公→ヒロインは目印となるものをこっそり置いておく。なんていうシーン。「ヒロインが目印を置いたことを我々が目撃した段階」から「主人公がそれに気づく段階」までが、いわゆる“伏線”として機能する時間帯であって、サスペンスもここから産まれたりするわけだから、当然ここにはある程度のタイムラグがあってしかるべきなのだが・・・・・・気の利かない主人公は、すぐに目印に気が付いちゃう。サスペンスもへったくれもない、ワカリヤスサ第一主義。ヒロインが目印を落とす場面を見せないとか、主人公が気づく場面を見せないとか、他にも選択肢がありそうなもんだが・・・・・・というわけで、「細かい話は抜きにしてとりあえずドタバタを楽しみたい」という時(のみ)に、お勧めの映画と言えましょう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-03-24 14:04:23)(笑:1票)

175.  コーラス 公開時に、会社の後輩がガラにもなく「感動の作品っす!!」とか言って勧めてたんだけど、観てみりゃなんのことはない、ほとんど現実味の無い物語、コメディ一歩手前の映画。どうしようもなくガラの悪い生徒達を、合唱でラクラクと纏め上げ、一方、生徒達の方も不気味なほど歌が上手かったりする。音楽というものをナメとんか~。という気も(ホンの少し)しないではないけど、ま、面白いから、いいか。楽しい映画です、ハイ。映画の最初は画面が暗くて登場人物の表情が見えにくいのが、映画の進行とともに画面が明るくなり、表情が活き活きと伝わってくる(ような気がしたが、気のせいかもしれない。うひょひょ)。ラストも、あの、窓から子供たちの手が出ているのが、なんか素朴で、しかもちょっと意外性のある素朴さでもあって、いいなあ、と思った。[DVD(字幕)] 7点(2007-01-24 22:54:08)

176.  アサルト13 要塞警察 『リオ・ブラボー』→『要塞警察』→『アサルト13』という伝言ゲーム的リメイク(?)で、原型がドンドン失われていく。ドンドン面白くなればそれはそれでいいけど、なかなかそうはいかない。そうはいかなくても、やっぱり「立てこもり」というシチュエーションは大好きなのでついつい甘くなる。完全武装した敵が屋外でうごめく姿は、意外にもカーペンター風味を醸し出しちゃったりしてる気もして、なかなかスリリング。しかし攻撃の手際が悪すぎて、ナントモカントモ。次回またリメイクされたら、お目にかかりましょう。[DVD(字幕)] 7点(2007-01-08 13:36:32)

177.  最後の戦い セリフ無しの近未来SF。いやSFと言っても小汚いおっさんばっかし出てくるんだけど。セリフ無しでもちゃんとストーリーが判る・・・ようには必ずしも作られてないこの映画。このファジーさが、ヤサグレた映像にピッタリだったりもする。まあ、正直言って、いっそセリフが無くて字幕が無いと、おかげでかえって映像に集中できちゃったりするのよね。だもんで結構面白かった・・・のはいいけど、一番印象に残ったのがジャン・レノのブリーフ姿だったりする。これはキツイ。あと、エリック・セラの音楽も、本作「は」、なかなかに魅力的だったんじゃないでしょうか、ね。[地上波(字幕)] 7点(2006-05-29 19:36:08)

178.  皇帝ペンギン 子育てが大変なのは人間だけじゃない、ってことが、よおぉっくわかる作品。よおし、ペンギンに負けないようにがんばるぞ~。それにしても求愛のシーン、こりゃほとんどポルノだ、赤面しちゃったよ。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-06 22:41:37)

179.  キングダム・オブ・ヘブン モーレツな合戦シーン、いやはやご苦労さまでした。でも、「この合戦シーンを盛り上げるには映画の長さはこのくらい必要だナ」「じゃあ脚本をもっと水増ししないとナ」「でもネタがないナ」みたいな感じがして。スペクタクルシーンを見せたいというのが目的なんだったらもうちょっとドラマをまとめてよ、とか、ドラマを見せたいんだったらこのハデな合戦シーン本当に必要だったの?とか、でもこのイビツさもまたそれなりにオモシロかったりするんだよなあ、とか色々無責任なことを考えてしまうわけですが。映画はもっともっと、「理不尽」でよいと思うぞ。冬木を見倣え(←誰だよ)。[DVD(字幕)] 7点(2006-05-02 22:34:56)

180.  息子のまなざし 映画的な“大局”からの視点ではなく、生身の人間の視点を思わせる生々しい映像が、ハンディカメラによってどこまでも綴られる。このため、極端なまでに断片的な印象を受けるが、次第に映画の背景が浮かび上がってくる。それでも、映画はあくまで彼ら登場人物たちの人生の、ある「一断片」を描いているに過ぎないのだが、考えてみれば我々の人生もまた、一見連続的であるようでいて、実は非連続な断片の集合体に過ぎない。この映画でも、「ある事」をたまたま「してしまった」人と、たまたま「してしまわなかった」人がいて、そこに何か明確な差があったわけではない。「ある事件」から5年たったその日、あるきっかけがあり、ある顛末となった・・・では「1年後」だったら?「4年後」だったら?あるいはそれこそ、例えば雨が降ってなかったら?それは誰にもわからない。我々もまた、たまたま何かをしちゃったり、(より多くは)何かをせずに終わったりして、無難に終わったり、後悔を残したりする(後者の方が記憶に残るために、我々は過去を思い出すたびに頭をかかえてしゃがみこんでしまうのだけど)。そこに何とか因果を見出そうとするはかない試み。人生がときに複雑怪奇に思えるのは、実は人生の断片が脈絡無く連続しているそのシンプルさが、それが実に残酷だからではないのか(ある日突然、事件・転機は訪れる。主人公の男と少年の間にも、大きな変化が発生した、にもかかわらずなお、ラストシーンは「外面的には」日常と連続している「かのような」この人生の不可解さ。これが時には救いにもなり得るのだが・・・)。この映画の演出方法は、もしかしたら映画的ではないのかもしれない、けども、人生の真実をしかるべき方法で描いた、ひとつの映画の可能性と言えるだろう。[DVD(字幕)] 9点(2006-05-02 22:17:16)

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