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1. ストレイト・ストーリー
いわゆるいい映画。大きな感動や驚きなどはないが、ひとの良さそうな老人の旅を少し感傷的な気持ちで観る事ができる。ただしリンチ作品として見た場合、今回のリンチは映像作家というより、単に監督という仕事をこなしただけという気がしてしまう。6点(2004-01-17 04:40:25)
2. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 接点の希薄な人物たちが奇妙なエピソードで織り成す物語が、最後にはひとりの女性の挫折が生む妄想として、全ての符号が合うという映像のパズルではあるが、最後に描かれる現実が残酷で感傷的に締めくくられる為にある意味で効果的な物語として成立している。女優として成功しなかった主人公が妄想の中でも、才能はあり監督にも認められているがハリウッドの内幕が原因でオーディションに受からなかったという、遠まわしな現実逃避ぶりが面白い。7点(2004-01-17 04:23:30)
3. ロスト・ハイウェイ
《ネタバレ》 不本意な現実。妄想で作り上げた新たな記憶。再び破滅に向かう妄想。物語を時間軸通り、明瞭な見せ方で表現すれば、溺愛していた妻の裏切りに合う男の現実逃避という大筋になるのだろう。しかし、現実と妄想の境界線を微妙にぼかし、時間軸を巧妙に置き換える事で映画という媒体を使ったパズルという類稀なジャンルが確立されている。無論、過激な人物や恐怖感をあおるエピソードなどで物語の趣も十分に用意されている。だが、この映画の楽しみ方はやはり、巧妙に配された断片を組み立て、霧が晴れるような感覚を味わうものだろう。8点(2004-01-17 04:05:15)(良:1票)
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