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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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2. その男ヴァン・ダム 《ネタバレ》 かつて金曜ロードショーや日曜洋画劇場でよく目にしたヴァンダム。老いさらばえた元肉体派ハリウッドスターに与えられたのは、オッサンになってしまった自らを省みるという役回り。冒頭の皮肉感満載のアクションシーンになぜか胸が高鳴り、スポーツ選手であれば後進の育成を担えるものの、肉体の替えが利かないアクションスターがすがれるのは、それでも自らの肉体のみ。現役であったことの証明として満を持して披露される回し蹴りと独白が本作のハイライトです。本作を観終えて、『ユニバーサルソルジャー』『ストリートファイター』を観返そうかと思いながら、また今度でいっか、となってしまうところもまた、ヴァンダムな気がします。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-07-17 21:31:07) 3. 戦場のピアニスト 銃弾と爆弾が降り注ぐ最前線で演奏を続けた音楽家の話、というストーリーを勝手に想像していたのですが、全然違いました。演奏シーンも少なく音楽への熱情も職業以上のものを読み取ることも困難で、主人公がピアニストである必然が全く読み取れません。「一般市民が戦火の犠牲になる」という観点ではチベット動乱であれ、ナヴィの虐殺であれエイリアンの襲撃であれ、あまたの映画が題材にしてきたものと変わりなく、この作品でしか表現されていないなにかを感じ取ることができませんでした。地が困ったさん顔のエイドリアン・ブロディは腹が減っても怪我をしてもピアノを弾いていても同じ表情なので、いまひとつ演技の上手さが伝わって来ません。[地上波(字幕)] 5点(2011-03-26 13:59:45) 4. パラダイス・ナウ 《ネタバレ》 意気揚々と自爆テロに向かう兄と寡黙な弟の対比が印象的です。最終的には兄はテロが根本的な解決にならないことに気づき弟を呼び戻そうとするのですが、弟は無意味とわかりながらもテロに向かうことをやめることができません。当番として回ってきた自爆テロ参加の命令に逆らわずただ運命に従順な弟の姿は、彼らを指導する立場の人間=権力を行使する側の不気味さを際立たせます。鑑賞後、実にやるせない気持ちにさせられる作品でした。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-03-14 21:12:50) 5. シリアの花嫁 《ネタバレ》 舞台設定をのみこむのに多少時間が掛かりますが、一旦理解してしまえばこれが現実であることに強い違和感を覚えると同時に、映画が作られたことにひとつの希望を見たような気持ちにさせられます。また、花嫁一家のキャラクターがよく立っています。反イスラエル闘争の指導者の父、封建的な夫との関係の変化を望む長女、故郷を離れロシア人女医と子供を設けて8年ぶりに帰郷した長男、貿易商として世界を飛び回っている女たらしの次男、そしてテレビで見たことしかないコメディアンと結婚する25歳の次女。それぞれが家族の問題を抱えていますが、花嫁の踏み出す一歩のように足を前へ出すことで解決への糸口が開けてゆきます。人との間に一歩踏み出すことができるなら国との間も同じ、という時代をすぐそこに。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-05 22:58:10) 6. ロード・オブ・ウォー 貿易商ニコラス・ケイジの生活と意見。弾丸の一生から始まるオープニングは、工業製品のひとつである武器もまた生産者がおり消費者の手に渡り使用されることを明確に語っています。武器はその存在自体が違法である麻薬や薬物と異なり、合法的に輸出されるものとそうでないものがあり、裏舞台にこそ商人が暗躍する余地があるというものです。武器を輸出するなんてトンデモナイ! 死の商人! そうかなぁ。合法的に輸出した農業用トラックの荷台に銃座を付けたら? ラジコンヘリに毒ガスを載せたら? 水食料を「敵」に輸出したら? 手が血で汚れていないと断言できる人はどれだけいるでしょう。ニコラス・ケイジに24時間の足止めを食らわせたイーサン・ホーク? 命と引き換えに武器満載のトラック破壊した弟? 我々は世界を良くするためにどこから始めればいいのでしょうか。この正義漢2人に共感した人は今日から玄関の鍵を開けて生活すべきです。できない? 安心しなさい。あなたにぴったりの護身用スタンガンをお持ちしましたよ。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-26 22:25:01) 7. フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 例えるなら激しく音漏れしている人のヘッドホンを引っこ抜き耳元で「やかましい!」と叫ぶ、携帯電話での情報交換に余念のない人に「車内での通話はご遠慮下さい」と睨みつける、日々感じるストレスに正面から立ち向かい自力(脅し含む)でストレスを解消するイカレクレマーの映画です。電話のための両替を拒む店主にキれ、マクドのモーニングセットを食べるために銃を持ち出し、自分が正当なクレームをつけていることを強調して暴れまわりこちらも応援目線で観てしまいますが、興味深いのが彼もまたキれる他人に出くわすところ。視点を変えれば彼は権利を主張する他人から迷惑を受ける可能性のある一人であり、少し他人よりもクレームの声が高いだけでしていることは同じなのです。皆が感じる些細なストレスがこの映画に充満していて、その熱量がハンパありません。ロバート・デュバルでさえ鬱憤を爆発させるその一人になっています。ただ難点は、衝動的な殺人を犯し一線を踏み越えてしまった際、その背景がうかがえ知れる心理的な描写がなかったところです。この描きこみが明確であれば『タクシードライバー』クラスの映画になりえたかもしれません。[DVD(字幕)] 7点(2010-12-26 00:12:20)(良:2票) 8. 戦場でワルツを 《ネタバレ》 レバノン侵攻に従軍した元兵士が、心の奥底に封印された虐殺の記憶を探し求めて知人を訪ね歩くという筋です。本作は終盤の3分を除き全編特徴的なアニメーションになっていて、妄想を帯びたあいまいな記憶の残像と鮮明な現実感の両立に成功しています。砂塵を上げ砲撃する戦車や、砲弾により破壊しつくされた廃墟でのた打ち回る馬など、超現実的と言えるほどの不気味なリアルさがあります。ただアニメーションはFlashを使ったパソコンゲームのような質感であり、人を選ぶ映像だと思います(単純に好みの問題だと思いますが、私は苦手でした)。特筆すべきば冒頭、野良犬が街をさまよい、やがて黒い一群となってビルの隙間を疾駆するシーンで、『犬狼伝説』のエンディングの続きを見ているかのような錯覚を覚えました。+1点で5点献上。[DVD(字幕)] 5点(2010-11-28 22:26:34)
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