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1. キャロル(2015)
《ネタバレ》 初め、ピントがあってないのかと思うほど、解像度が悪くて、若干ひいたミディアムショットにもなると、主演女優らの目鼻たちがぼやけてしまって、表情から機微がよく汲み取れませんでした。HDデジタルで撮っておいて、あとからわざと端末操作でローキーのフィルムライクな処理をほどかしているのかと思いました。しかし、本作がなんと16mm(スーパー)で撮影して、35mmにプローアップしたことを知り、その自然光を多用した高感度ノイズもそのままに、ざらついた質感をフィーチャーした意味合いがわかったしだいです。描かれた内容については、もう一つ乗りきれませんでした。同じ50年代を舞台にした「楽園から遠く離れて」のような類型的な作劇(意匠は異端)ではなく、時間軸の変則性や、キャラクターたちが相互に交換する長い凝視に集約させた、より内省的なショットの積み重ねが、当時の女性のヘア・メイクや衣装など、一見、華やかにも見える皮相とギャップを感じさせ、素直に劇中に入り込めなかったのかもしれません。[映画館(字幕)] 7点(2016-02-22 17:07:29)
2. エスター
《ネタバレ》 ※未見の方は絶対読まないでくださいね
はじめオドレイ・トトゥ
そして最後は中島みゆきだった。
うーん、面白いです。おすすめします。粋を極めたカメラーワークと脚本そして演出。出演者の素晴らしいパフォーマンス。イザベルさんの超絶演技には舌を巻きました。末恐ろしい。
精神に疾患を持ったホルモン障害による成長不全の成人女性だったというオチなんですが、その容姿から大人の女性として異性に見られることが無く、それ故屈折した人格形成を成し、異常なまでのファザーコンプレックスとトラウマが彼女を狂気に駆り立てたということですね。殺人鬼とはいえ、なんかフリークスの悲しみのようなものを感じて、彼女に同情する自分がいました。ジョンを誘惑できず、またダメかと悲嘆し、マスカラが溶けていく姿は可愛そうでした。絵とピアノで別の人生を歩んでほしかった。それと厳しいでしょうが恋愛もしてほしかった。
正体がわかってからあとも、ずっと中島みゆきを見ていたかった。彼女のことをもっと知りたかったです。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2010-12-11 11:45:32)《改行有》
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