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1. アーティスト
《ネタバレ》 この映画は白黒サイレント映画ということもあって敬遠する人も多いかもしれない。でも、実際に見てみると今の時代に作られた映画だと感じるし、ちゃんと面白い。物語の時代設定は、映画がサイレントからトーキーへと移行しつつある頃で今と同じように世界的不況があった時代。1つの時代が終わり新しい時代が始まる、そんな時にサイレント映画のスターである主人公ジョージは新人女優のペピーと出会う。ジョージはペピーを激励し導き、ペピーはジョージを尊敬し大切に想い続けるようになり、2人は親しい関係を築く。次第にペピーはトーキー映画のスターとしての階段を上っていき、過去の人となったジョージはスターの階段を下りることになる。過去と未来の象徴のような2人のこの関係が、過去をただ切り捨てるのではなく過去の良さも認め敬い過去があったからこそ現在そして未来があるのだというメッセージのように感じた。あと犬が良かった。[映画館(字幕)] 8点(2012-05-03 11:15:56)
2. 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
《ネタバレ》 ジョニー•トー入門として見るには本作はけっこう良いんじゃないかと思う。ジョニー•トー的な男の友情や映像の格好良さとかツッコミ所がけっこう詰まっていて常連の役者も出ているし見やすくて面白い。まあ、最後の記憶喪失のコステロが仇討ちをするところは物語を重視するあまりなんだか多少無理があるように思ったけれど、物語に没頭しさえすれば大した問題じゃない。[映画館(字幕)] 8点(2011-12-20 10:24:46)
3. 髪結いの亭主
《ネタバレ》 "髪結いの亭主"が「妻の収入で暮らす夫」のことを指す言葉だというのは映画を見た後に調べて知った。 それは世間的には情けない話だけれど、この夫婦にとってはいつも一緒にいれて最高に幸せなんだろう。 子はなく、旅行もしない。ただ同じ毎日が過ぎていく。 官能的で美しい髪結いとお茶目な亭主。この映画は本当に大きな事件らしい事件は起きずに話が進んでいくのだけれど、アラブ音楽と美しい照明に撮影、夫婦のキャラクター、それらが独特の温かく妖艶で、どこか切ない魅力的な空気を作り出していることで見てて飽きない。また、その空気感がラストの青天の霹靂のような出来事をよりいっそう衝撃的なものにしている。少なくともあのラストに僕は呆然としてしまったし何が起きたのか一瞬理解が出来なかった。賛否は別れるものと思うけれど大人の寓話として見ればなかなか良くできた作品だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2011-12-20 10:03:09)(良:1票)
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