|
プロフィール |
コメント数 |
196 |
性別 |
男性 |
年齢 |
63歳 |
自己紹介 |
映画でしか表現できない何かが表現されているかどうか。それが全てです。 |
|
1. ヴィーガンズ・ハム
《ネタバレ》 カリバニズムを上手く料理してそれなりのブラックコメディーに仕上げていると思う。これでもかというくらいパンチラインを連発して飽きさせることが無い。ただ、後半から主人公のキャラが迷走して笑いが空回りしてしまった。美食の為なら殺人もいとわないのか、やはり人間として良心の呵責はあるのか、そこがどっちつかずのままだった。むしろ、まんまマクベス夫人と化した奥さんのほうがキャラは定まっていたように思う。かつて大岡昌平がカニバリズムを題材にして不朽の名作を書き上げたが、そこでは人間の原存在に迫るものとして扱われていた重いテーマが、ここまで軽い喜劇として料理されていることに国の違いや時代の違いを超えて驚きを禁じ得なかった。[インターネット(吹替)] 7点(2024-01-17 21:32:59)
2. 寝ても覚めても
《ネタバレ》 脚本がしっかりしているから、最後まで飽きさせない。そこに、映画的な構図のカットと東出、唐田のしっかりした演技が加わって、突拍子もない設定にちゃんとリアリティーを与えたことで、実感の伴った普遍的な恋愛物語となっている。
また、最後の追走シーンをロングショットで長回ししたり、登場人物の心理をセリフではなく構図や映像で表現したり、濱口監督が過去の名作映画をリスペクトしているのが画面から伝わってくる。北野武のDollsを想起させる携帯電話の投棄シーンが印象的だったのもその一例だ。猫の使い方も上手いし、岡崎の母親のエピソードも、しっかりと朝子の二股の答え合わせになっている。
良平の「水かさが増している」「きったない河やで」のセリフに対して、エゴイスティックな自分の本心を骨の髄まで舐め尽くした朝子がつぶやく「でも、きれい」の一言はみごとなラストシーンだと思う。唐田えりかは体の演技ができるし背中の演技も上手い、ぜひ復活して大成して欲しいと思う。
[インターネット(邦画)] 9点(2023-07-14 21:42:13)《改行有》
3. バベル
《ネタバレ》 手持ちカメラの多用による臨場感と、超ロングショットの効果が素晴らしい。心の声が相手に届くのかというテーマが全編をつらにいていて素晴らしい。期待せずに見たら思っていた以上に良かった。映画館で観たらまた違う印象になったかもしれない。[インターネット(字幕)] 7点(2020-12-29 18:40:13)
|