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【製作国 : ポルトガル 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  アンジェリカの微笑み 《ネタバレ》 表記はないけれど、映し出される河川は例によってドウロ河なのだろう。 テレビは見当たらず、不鮮明なラジオ音声が流れる劇中の時代は如何様にも受け取れる。 夜、夜明け、そして雨上がりの日中と移り変わる川岸の街並みの風情はどこか神秘的な様相も呈し、 対岸にある丘陵斜面のキアロスタミ風ショットは彼地の風土を強く印象づける。 人物がフレームアウトした後も黒猫がじっと鳥かごを見つめている。 撮る側も猫のリアクションを息を殺して期待していたに違いない。 中央にドア、あるいは窓を配した屋内ショットは凝った照明設計によって濃密な空気を感じさせている。[映画館(字幕)] 7点(2016-04-05 17:16:26)《改行有》

2.  トラス・オス・モンテス 夕暮れどき、真直ぐに伸びる一本道を父親が去っていくのを見送る少女。 夕陽を背にした彼女の影が長く伸びている。 父親が小さな点となり、その姿が見えなくなるまで、 彼女は延々と立ちつくしながら何度も手を振る。 その何度か繰り返される小さな身振りと光の推移が、寡黙な時の流れを意識させる。 ラストの宵闇の中を走る列車の望遠ショット。 薄暗い画面の中に列車の吐く白煙が拡がり、滲んでいく。 ショットの長さがそうさせるのか、それとも静寂ゆえか、 寡黙な本作の中でもこの二つのイメージは特に鮮烈で忘れ難い。 ポルトガル北部の山岳地帯。 機織りのリズムや、川遊び、寺院での祈祷など、 映される風土、風物、衣装はそれぞれ極めてローカルでありながら、 同時にその情景は時代と場所を超えた普遍のノスタルジーをもって迫ってくる。 [映画館(字幕)] 7点(2012-12-11 22:14:05)《改行有》

3.  神曲 1931年のサイレント作品『ドウロ河』から、今なお現役バリバリの監督。トーキー、カラー化のターニングポイントで多くの作家が淘汰されていく中、積極的にその技術推移に適応しつつ、作品を問い続ける強かさがここにある。 文学・哲学テクストをめぐる、際限のない対話と独白劇。マリア・ジョアン・ピアスのピアノ演奏。 言語、音楽、観念を肯定し貪欲に採り入れながらもなお映画を逸脱しないのは、それらを乗せる映像即ち視覚に対する意識の強度とセンス故に他ならない。 ピアノ曲は指という身体運動と共にあり、「神」と「罪」という主題は光と闇と色彩と共に、画面に定着される。巻末において登場人物たちが交し合う接吻という行為自体の感動的なさま。 ショットはただ1つの例外を除き、ほぼフィクス。舞台は2ショットを除いて精神病棟を出ることがないが、画面の奥行きと陰影の深みは圧倒的吸引力を持つ。 音、色、光に対する卓越したバランス感覚と、それらを映画へと総合していく意思が漲る。 そして、最後のショットと音がまさに映画を締めくくる。 [DVD(字幕)] 9点(2010-12-20 22:10:39)《改行有》

4.  コロッサル・ユース スラムの住宅街。階上の窓から家具が押し出され、地面に落下するファーストショットから強度と重量感に満ち、重力を強く意識させる。 前作と比べてより低位置に置かれたカメラは、終始人物を地面に留まらせるかのごとく画面下半分の空間に捉え、背景の壁面を主体として浮かび上がらせる。 特徴的な深い陰影の中、経年を印すスラム地区の建物や壁面の混濁した色彩が醸しだす存在感は非常に濃密。テーブル上に置かれたグリーンの透明ボトル1本も豊かな色彩と光沢を画面に放つ。 一方で、移住先となる新しい集合住宅の鋭角的で無味無臭な白い壁は異質なコントラストを生む。 格別凝った照明設計を行ってはいない風でありながら、いずれのショットも豊かな明暗の領域をもって視覚を刺激する。 ラスト近くの屋外シーン。木々に反射する波光の揺れとカメラの緩やかな動きが美しい。 [映画館(字幕)] 9点(2010-11-10 21:08:30)《改行有》

5.  ブロンド少女は過激に美しく 上映時間64分の濃密さ。 列車の座席で隣り合ったマカリオ(リカルド・トレパ)と婦人(レオノール・シルヴェイラ)が語り合うシーンの一定した構図によって、語りが進むにつれ婦人が送る視線の動きが微妙に変化していく様がうかがえるなど、芸が細かい。同じく定点から捉えられたリスボンの丘の美しい遠景ショットの反復が、鐘の音が、不可逆的な時間の推移を印象づける。 そして、通りを挟んで向き合う窓と窓の縦構図の中にルイザ(カタリナ・ヴァレンシュタイン)を妖しく浮かびあがらせていくフレーム造形の妙。 顔の右半分を隠すブロンド、正面を遮る扇、紗のカーテン。そしてカメラは彼女を主に右横からのショットあるいはロングショットで捉えるため、彼女の相貌はなかなか全体像を表さない。 玄関階段での振り返り、右足を浮かせた抱擁のショット、足を開いてソファに座り込む彼女のラストのショットまで、少ない出番でありながら醸しだされる謎めいた雰囲気は絶品である。 公証人の豪邸内の重厚な美術と照明設計。対する、洋服ダンスとベッドのみが置かれた安アパートの深い陰影など、スタッフワークも当然のごとく充実している。 [映画館(字幕)] 8点(2010-10-11 21:11:12)《改行有》

6.  ノン、あるいは支配の空しい栄光 開巻のショットから目を引く熱帯性の大樹を仰ぎながらの緩やかな移動の感覚と、打楽器の音響がもたらす静かな緊張感。 中盤のヴァスコ・ダ・ガマからするとモザンビークあたりになるのか。その密林沿いを走行する輸送トラック上で会話する兵士たちの顔をカメラは正面から捉える。ルイス・ミゲル・シントラを始めとする、その無表情の異様な強度。 サラザール独裁体制時代の植民地戦争を主舞台として、小隊の議論の中から主要ポルトガル戦史が回顧されていく。 暗殺されたルシタニア族族長ヴィリアトゥスを荼毘に付す炎と灰木の質感の生々しさ。アルカサル・キビルの騎馬戦における、横の広がりを意識した巧妙な空間設計。残照の中、死骸の散乱する戦場の荒涼感などがそれぞれ強烈な印象を残す。 そしてラストの野戦病院のベッドで、顔に巻かれた包帯の中からカメラを正視する、物言わぬ見開かれた眼がまた強烈無比。[映画館(字幕)] 8点(2010-10-10 20:07:43)《改行有》

7.  アニキ・ボボ 重い主題も含みながら、後には気持ちよい清涼感を残す一篇。 第一作の『ドウロ河』を舞台としており、その陽光に映える川岸の情景がとびきり美しい。石畳、階段通り、向い岸の街並みののどかな叙情。画面の中を渡る車、船、列車も充実している。 序盤で、主人公の少年が車の往来を間一髪ですり抜けていくシーンのどことない危うさは、密航未遂、崖から線路への転落事件へと繋がっていく。 罪悪感に囚われた少年が自分の影に追われる夜の遊戯シーン、夜中に少年が屋根伝いに少女の部屋の窓辺へと向かう一連のシーンと、夜のシーンの照明も素晴らしい。 そして、素直さから強かさまで、まるで芝居臭さを感じさせない子供たちの個性的な表情と動きが断然良い。照れ、気取り、愛嬌等々の極めて自然な表現。少年少女三人がショーウィンドー内の人形を一心に覗き込むショットなど、とても微笑ましい。 粋な雑貨屋店主もいい味を出している。[映画館(字幕)] 8点(2010-10-03 21:50:01)《改行有》

8.  何も変えてはならない スタンダード・モノクロームの画面を包む深い黒、その中に天井からのライトで浮かび上がる女性歌手と伴奏者が遠目に捉えられる。何とも端麗で繊細なファーストショット。カメラはそれ以降も、ストローブ=ユイレ以上とも思える厳格なフィックスの長廻しで歌手ジャンヌ・バリバールのリハーサル、ライブ演奏を収録していく。あるシーンでは距離を置いた客席後方から。またあるシーンでは、フレーズごとに何度もやり直しを繰り返す彼女の表情のみを側面からの光によって部分的に浮かび上がらせ、その様を正面近い位置からのカメラがじっと見守る。その距離感が醸す緊張感と、表情変化に滲み出る豊かな人間性。彼女らと協働しながらも、撮影はあくまで慎ましい。ペドロ・コスタ特有の黒の領域が、限定的な容貌と所作、歌声と器楽をよりシンプルに際立たせる。極めて純粋な音楽映画といえば良いか。[映画館(字幕)] 8点(2010-08-07 22:14:49)

9.  ストリート・オブ・ノー・リターン 開巻の人種暴動の混沌から一気に作品世界に引き込む豪腕。その群衆とゴミ屑の派手な散乱状況の強烈なインパクトは、『裸のキッス』冒頭のバイオレンス以上の過激さでS・フラーの軒昂ぶりを表すと共に、後のロサンゼルス暴動をも的確に予見してみせる。陽光なのか、ヘッドライトなのか、雨に濡れた街路を浮かび上がらせる強い逆光の幻想的な美しさ。港、そして屋敷内の攻防のなかに充満する、むせるようなスモーク。放水のしぶき。いずれの造型もその過剰さ・大胆さが際立つ。ラストのロマンチシズムといい、活力が全編に漲っている。[DVD(字幕)] 8点(2010-03-30 21:45:36)

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