|
プロフィール |
コメント数 |
48 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
小津と是枝はブラックリストに入っている |
|
1. ストーカー(1979)
《ネタバレ》 欲望についての小さなテーマと神聖な土地の描出。
だがそれ以上に、「映像そのもの」の映画であった。
トロッコのあたりのシーンなど、いつの日か見た夢を想起した。
タルコフスキー作品としてみればテーマも舞台も小粒。
とはいえビクトル・エリセなどもそうだが、映像自体の素晴らしさや切り詰め方、
長回しの生む効果への意識など、根源的に他の監督の作品とは作っているものの質が違うことを感じる。
個人的に面白かったのは、「連想を持たない音の羅列がなぜか感動を生む」という音楽への意見。
なまの抽象性のまま感情に迫るバッハ好きのタルコフスキーらしいセリフだ。
ロマン派以降の音楽は大抵連想に頼っているように思う。[DVD(字幕)] 8点(2019-03-26 20:21:21)《改行有》
2. 惑星ソラリス
《ネタバレ》 間違いなく素晴らしい映画だが、このテーマをこの題材で扱う必然性はかなり薄い。
無重力のシーンや夢のシーンは美しかったが、無意味に世俗的なラストシーンなど、この映画を台無しにする部分が幾つかあった。
音楽の使い方がうまく、ぐっとするシーンもあったが、それらのシーンは「ソラリス」とは関係のないシーンばかりであった。
題材をより直接的なものにした後期の作品での方法で、このテーマが扱われていれば、おそらくより良かった。[DVD(字幕)] 8点(2019-03-26 15:58:50)(良:1票) 《改行有》
3. ノスタルジア
《ネタバレ》 映画の中で自殺するくらいなら、現実で自殺するほうが良いと思っていたが、
この映画を観終えて現実で自殺するくらいなら、映画の中で自殺するほうが良いと意見を変える気になった。
一度目はこの映画の「悪趣味」に辟易とし、最初の三十分程で切り上げたが、二度目で見通した。
とはいえ、さすがにやり過ぎた表現が多かった。
ラストシーンで突然滲出してくる「甘さ」も、欠点に近いだろう。[DVD(字幕)] 9点(2019-03-12 02:56:12)《改行有》
|