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1. 神様メール
《ネタバレ》 カトリック教会での炊き出しシーンをはじめとする風刺の数々に笑い、突飛な発想にただ唖然とし、左手のダンスに魅入る。
鳥と会話を交わす、水面を歩む、人々の内なる音楽を聴くなどの、少女がみせる奇跡のささやかさがいい。
母親のつくり出したカラフルな空模様自体にはさして感動するものではないが、
劇中ほとんど笑みを見せなかった少女がその空を見上げて笑う、その笑顔のショットが何より素晴らしいと思う。[映画館(字幕)] 7点(2016-06-04 23:54:58)《改行有》
2. ハンナ・アーレント
《ネタバレ》 ハンナ・アーレント(バルバラ・スコヴァ)は、モニターの中の
アドルフ・アイヒマンをひたすら凝視する。
ソファに身体を横たえながら煙草をふかしつつ、思索にふける。
学生への講義の際も、煙草は手放せない。
そうした身振りと対話のうちに、人物が象を成していく。
夜の書斎の美術や照明も、思考と執筆について映画表現する
難題に対して、よく補助している。
ラストが独演会での長広舌で、さらに賞賛の拍手というのでは少々
安直だが、中盤とラストで彼女の講義に聞き入る学生たちの
真剣な表情と眼差しがいい。
前半でアイヒマンの裁判を傍聴する彼女の批評的な眼差しからの継承の
シーンとなっている。
冒頭とラストの夜景も印象的だ。
[DVD(字幕)] 6点(2014-09-16 15:42:30)《改行有》
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