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【製作国 : ルクセンブルグ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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2. やわらかい手 《ネタバレ》 イギリスは労働者の映画を得意としているが、これもそう。主婦が社会に目覚めていくって話はけっこうあったけど、う~ん、こう来たか。労働の楽しさと厳しさを描いて、実に鮮やか。自分の隠れた能力の発見、職業技術を熟達させていくこと・成果が上がっていくことの喜び、殺風景な職場を少しでも飾ろうとする気持ち、がある一方、職業病もあり、同僚との軋轢も経験する。社会で働くということのすべてを体験し、彼女は誇りを持つ。手段だったものが目的になっている。そのとき職種なんて関係ない。近所の主婦との茶会のシーンは、その誇りが輝き、楽しいシーンだが感動的でもある。何一つ後悔してなく後ろめたくもなく、堂々としている。実際マリアンヌ・フェイスフルがとても美しく見える。日本では作れない映画だなあ、と思った。もし作っても、息子と和解するところまでだろう。あのラスト、孫の看病より自分の人生を優先する結末は、日本ではたぶんシナリオ段階で注文がつき、もっと湿っぽく屈折させられるのではないか。[DVD(字幕)] 7点(2009-02-11 12:15:01) 3. ルネッサンス 白と黒のコントラストの強い、まるで切り絵のアニメーション。いいんじゃないかと思ってたら、これ、実写をもとにした手法らしく、人物の表情や仕種がけっきょく俳優のそれで、アニメならではの表現ではなくなっていた。古くなった白黒実写映画を見てるような気になってくる。『白雪姫』も最初実写で撮って絵にしたってことだけど、欧米人は、アニメは現実に近づけることをヨシとしてるとこがあるみたい。発想が逆なのではないか。絵を動かすことでしか描けない世界を発見するのがアニメーターの仕事ではないのか。チェコのカレル・ゼーマンに、銅版画ふうの世界と実写との合成による『悪魔の発明』という傑作があって、白黒のトーンが似てるのでこれ見ながらしばしば思い出してたんだけど、技術はそのころより格段に進歩したがアニメの精神は退化したような。ガラス張りの歩道と下の車道の関係なんか面白かったんだけど。[DVD(吹替)] 6点(2008-04-11 12:21:50) 4. マッチポイント 《ネタバレ》 アイルランド男は、最初のうちはおごられることに敏感に抵抗していたけど、しだいに裕福な生活に取り込まれてしまう。もひとつ踏ん張りがきかなくてテニスプレイヤーを諦めた経歴。いっぽうアメリカ娘は、とことん踏ん張ってしまう方。イギリス人になれなかった二人の異邦人の、英国の豪奢に対する二通りの反応が悲劇を呼ぶわけだ。いったいこいつ何を企んでるのか、と見てるほうがハテナのままで展開していく犯行シーンにワクワクした。人生は運に左右されているが、運がよかったからといって幸福になれるとは限らない、いう結末。[DVD(字幕)] 7点(2007-08-21 11:22:05)(良:1票) 5. 変態村 《ネタバレ》 う~む、撮影は美しい。屋外はブリューゲルの如く、屋内はフェルメールの如く、格調高く迫っている。でもやってることは、ほれ、なにしろ変態村だから、なんて言うか…、とてもヘン。自分のことを、宿の亭主がしだいに妻と思い込み出していると気づく主人公(男)の不安、殺されるかもしれない、いうホラーではなく、愛されるかもしれない、いうホラーなの。亭主が「さあ人生をやり直そう」なんてしみじみ語りかけてくるんだもん。この登場しないグロリアという妻は、女だったのかなあ男だったのかなあ。どうも男色村らしいんだけど、だとすると、ちょうど映画開始後1時間めのところで意味ありげにチラッと出てきた赤かっぱの子どもたちを産んだのは誰なんだ? あれは幻想?[DVD(字幕)] 6点(2007-08-19 12:15:43)
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