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プロフィール |
コメント数 |
3878 |
性別 |
男性 |
年齢 |
53歳 |
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1. ノスタルジア
この映画に感じる、映画音楽「として」の強い印象。ここでいう映画音楽とは、作品内で引用されるヴェルディ(レクイエム)やベートーヴェン(第九)だけを意味するのではありません。映画の背景に流れるすべての物音、あるいは静寂までもが、音楽なのですね。と、これだけ言うと何だかジョン・ケージの受け売りみたいでアホ丸出しだけど、どっちかというと、私はこの映画「音楽」から、ルイジ・ノーノの作品などを思い出してしまうのです。断続する微かな音と静寂。この作品を表現するのに、「映像的な音楽」と言っても当たらないし、「音楽的な映像」と言っても違和感がある。水、炎、霧といった原宗教的な映像と、さまざまな音、微かな音が織り成す独特の流れの世界。この映画がイタリアを舞台にしているのは、「音」としてイタリア語の響きが必要であったから、とすら思えてしまうのですが、これはさすがに穿ち過ぎでしょうか。そして、その流れの先にあるのは、静かなる高揚と、あまりにも美しい徒労。・・・・・・そういえば、この映画「音楽」より思いが馳せるルイジ・ノーノ作品のひとつ、彼の晩年の作品に、以下のようなものがありました。『進むべき道はない、だが進まねばならない・・・アンドレイ・タルコフスキー』[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-04-20 16:26:44)
2. 呪いの迷宮/ラビリンス・イン・ザ・ダーク
この世に無数に存在する、いわゆるB級あるいはC級ホラーの一本です。実際、制作費もかかってなさそうなのですが・・・主人公が訪れる先はブダペスト。金も無い(らしい)のにどうやらホントにロケやってるみたい?これが何となく異国情緒みたいなものを感じさせて、ちょっとイイ感じなのです。肝心の怖さの方は、展開のヌルさもあり、イマイチ。敵の邪教集団、一体何がしたいのか?せっかく主人公に襲いかかったのに簡単に逃がしてしまったり、とてもまわりくどい。そうそう、途中変なクモが出てくるんですけど、これが意外にもストップモーションで描かれて、ちょいとうれしくなります。で、クライマックスに至っては、変な赤ん坊(?)が登場、ぐちょぐちょ~と妙な生物への変身を見せ、観てる側としても「低予算ながらよくガンバッてるよなあ(ちょっと気恥ずかしいが)」と力が入ること請け合い。ウン、ガンバッてる事はよくわかるので、ストーリーだけ、何とかしてください。5点(2003-12-29 00:40:51)
3. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 この映画は結局観客に媚びなかった。観てる途中、「ああ、こうやってだんだん打ち解けて行って、最後は人類愛を謳い上げるハッピーエンドが待ってるんだろうな」という油断が、自分の中に確かにありました。しかしこの映画、そんな事は計算済み、完璧に打ちのめしてくれました。別に誰か極端に悪意に満ちた人間がいる訳じゃ無い。むしろ後半、様々な国の人が協力しあって事態を良くしようという気運が高まってくる。しかしあっさりと最悪の結末を迎え、国連軍兵士は何もできずに去っていく。あまりにも虚しい。現実の世界だって、平和が嫌いな人はいないし、現にそのための活動や努力がいつも行われて「きた」。なのに多くの事が実際「解決できなかった」。努力の末の失敗や敗北は注目されず、成功のみ美談としてクローズアップされがちだけど、それで終わっちゃ単なる気休め、その先に根本的解決はあり得ない。それでも何でも、とりあえずは安心感を求めてしまう我々を、告発しているような映画です。8点(2003-11-03 17:37:13)
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