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【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 孤独な天使たち 《ネタバレ》 イヤホンから流れるCUREの曲、クラスメイトの流れに逆らい肩がぶつかる・・・冒頭の数分間で、言葉少なに少年の内面や状況を説明しながらもすんなり入り込めていけるのが凄い。ボウイの曲など音楽の趣味が好みに合ううえ使い方がじつにうまいのです。じつは自分は閉所恐怖症というか密室恐怖症なので、地下室が舞台ということに多少の不安をおぼえながらの鑑賞でしたが、秀逸なカメラワークのせいなのか全く息苦しさを感じませんでした。姉が作家としての成功と挫折を話すシーンもなかなか良く、姉弟としてだけでなく人間どおしとして2人がふれ合えたような・・そこでなぜか、すがすがしい気持ちになった。[DVD(字幕)] 8点(2014-06-13 11:54:12) 2. やがて来たる者へ イタリアとドイツは同盟国ではなかったっけ?という疑問がわくくらいの知識しかなかった私。イタリアは早々に連合国に降伏したけれど、北部にドイツファシストに支配された政権があったことも知りませんでした。それに抵抗するパルチザンを一掃しようと行われた“マルザボットの虐殺”と呼ばれる史実にもとづいた話なのだそうです。日本も同盟国だったくらいの知識しか無いのはまずい気がして、アジアでいろいろ対外問題を抱えている今でもあり、もっと勉強してみようという気になりました。 村の暮らしの細部がイタリア映画らしいリアリティで、子供のフラットな目線から綴られています。銃の音で耳がキーンとなるような効果や、ドイツ兵の言葉が訳されない不安感など、その場の緊張感が身近に伝わって、苦しくなりました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-30 18:10:43) 3. エーゲ海の天使 《ネタバレ》 ささいな任務のためエーゲ海の孤島に赴き、通信機が壊れてしまったため戻れなくなったちょっとダメな兵士たち。戦争がどうなっているのか知る術もない、長い長い夏休みのような日々が始まる。親も恋人も無いさびしげな男は、娼婦との出会いによって人生が大きく変わる。もし自分なら、残してきた家族や友人に会いたくて、帰りたくなるだろうか?ラストのテロップは、私には「逃げるのはけして悪い事ばかりじゃないよ」と言っているように感じました。自分の人生だから、自分で選びなさいってね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-11-28 22:09:25) 4. 見わたすかぎり人生 イタリアもいろいろ問題が山積みなのですね。非正規雇用とか日本と同じなんだけど、実際に生活レベルでどんなことが起こっているのかがよくわかる。いかがわしい商品を電話で売りつける「マルチプル社」の設定は最高!最後までぐいぐい一気に見せられてしまいました。したたかなのか繊細なのかよくわかんないリアルなイタリア人らしさ(私が知る限りですが)がよく出ている気がします。泣かせどころである電話のおばあちゃんのエピソードも、とってつけた感なく良し。日本の若い人にもおすすめしたい映画です。[DVD(字幕)] 8点(2010-05-11 15:29:33) 5. コッポラの胡蝶の夢 《ネタバレ》 一瞬リンチかっ?と思うような、時間や意識が混沌とした世界・・・「老い」とは?・・を中心に、時間、言語、哲学などさまざまな根本的テーマが絡んで、かなり大風呂敷にひろげられています。SFとかファンタジーとかくくれない感じで、今までにないものを追求し、創りだそうというアーティストとしての姿勢が、さすがコッポラと感じました。わかりにくいところもありますが、不思議が不思議のまま進んでいく感じは、幻想文学のようで嫌いじゃないです。浦島太朗的なラスト・・・しかし偽造パスポートはそこにありました。3つめの薔薇にはどんな意味がこめられているのでしょうか?[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-07 19:59:09)(良:1票) 6. 題名のない子守唄 《ネタバレ》 「明日を夢みて」「マレーナ」など、トルナトーレの作品の中には、女性がどん底まで不幸になっていく傾向の話があるけれど、不幸ランキングとしてはこれはダントツ。どうしようもない不幸の中で、でも生きている。ほんとにほんとに最後に見えた一条の光。あー映画って人生だ、としみじみしていまいました。涙。 映画と関係ない自分のことですけれど、最近、家族もすごく大事だけれど血のつながらない人でも無償の深い愛情はあるかも(男女の愛情関係とはべつに)・・・それって素敵な奇跡だよね・・・なんて思うことがあったりして、ラストが胸にしみました。 トルナトーレのちょっと鼻につくノスタルジーな感じが苦手な人にもおすすめしたいです。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-30 19:17:28)《改行有》 7. ヘヴン 《ネタバレ》 こんなこと絶対ない!と思いながらも、なぜか腹が立たない。もしかしてこれは聖書の一節のような、寓話めいた世界なのではないかしら、と思ったからだ。お父さんに「彼女を愛してしまった」と告白するシーンから、おや、これはサスペンスではないのだな…と思いはじめる。翻訳によるのかもしれないけれど、ふつう「彼女に恋をしてしまった」でしょうが! そして教会で父と再会するシーン。要職にありながら、その顔に泥をぬるような行為をした息子と彼女に「でも息子はあなたを愛しているんです」って、こんな父親いますかね。寛容すぎる!まるで聖人じゃないですか。そして無言ののち「愛してる」と答える彼女。場所が教会だけに、父親は2人のひっそりとした結婚式を司る神父様のようだ。そして「ヘブン」への新婚旅行に旅立つ2人…はたして神様は十字架を背負ったふたりに「許し」をあたえたのでしょうか?それがわかりません。7点(2004-09-06 16:41:39) 8. ドリーマーズ マシュー役のひとが、ディカプリオのNGに見えてしかたなかった。それはさておき、なんで今こういう青春映画?をベルトルッチは撮りたかったんだろう…??? 熱にうかされたようなカウンターカルチャーと個人的な性愛のシンクロを表現しようとしている気がするのですが、革命の描写がさみしいせいか、そもそもそんな時代背景が必要なのか疑問が残った。とはいえロマンチックに閉じられた部屋の濃密な空気を描くセンスはさすが。7点(2004-09-02 12:43:29)(笑:1票) (良:1票) 9. ふたりのトスカーナ 信念をしっかりと貫く伯父さんがいいですね。たとえば両親をなくした子供たちに「私たちは本当のお父さん、お母さんにはなれない。けれど植物に水が必要なように、子供は愛情を受けて育たないとけない。私たちは君たちを愛していく」というような(うろ覚えですが)セリフ。子供にこびるのではなく、姿勢をしっかり見せ、悪いことはきちんと叱る。そんな伯父さんの子供への接し方、距離感がいい。そして子供たちの子供っぷりもいちいち可愛い。思い込みから失敗したり泥んこになったり…。大人がちゃんと大人だと子供も子供らしくいられるのかなあと思ったりしました。きっと子供たちは伯父さん伯母さんからとても大切なものを受け取って、たくましく生きてゆくんじゃないでしょうか。7点(2004-06-24 13:40:24) 10. 不滅の名優マルチェロ・マストロヤンニ インタビュー映画ということで、あまり期待はしていなかったけれど、マルチェロの話がとにかく面白い!ほとんどがインタビューなのに飽きませんでした。昔に比べれば見た目は老けてるけど、精神的な「老い」をまったく感じさせないのがすごい。本物のスターのオーラをいやというほど感じました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2004-06-22 17:53:02) 11. 息子の部屋 ふつう泣ける映画って、いろいろドラマがあって→愛する人が最後に死んじゃって→号泣!…てな感じですよね。この映画はその「後」を描いてます。残されたひとの気持ちを淡々とリアルに。(私はそこまで身近な死に出会ったことがないのでリアルかどうか疑問はありますが。)よく、こういう悲しみを解決するのは「時間」しかないといいますが、そんなつらい「時間」はどうやって過ぎていき、どうやって再生できるのでしょうか。そんな、誰にも訪れる可能性のある人生の中の大きな変化に対して、ここまで真正面から向き合った映画はありそうで無かったような気がします。昨日までいた人がそこにいないだけで、生活は普通に続いていく。淡々としているからこそ、悲しさがひしひしと伝わってきました。8点(2004-03-12 19:20:30) 12. BARに灯ともる頃 マッシモ・トロイージとマルチェロ。地味~な映画なのに、なにげにしぶい幻の共演です。親子には見えないけど。これは私事ですが、子供のころから家族と食事したりする団欒の時間にふっと感じたなにかせつない気持ち、これは何だろうとずーっと思っていたのだけど、いつか自分が別の世界を持ち、別の家庭を持っていく寂しさと期待の入り交じった感情だったのかな、と思いました。そんな言葉に言い表わしにくい微妙な気持ちを異国の人が描いているようで、静かに感動したのでした。7点(2004-03-10 17:13:57) 13. 海の上のピアニスト いい大人になっても「自分さがし」とかいってる日本人には理解しずらいテーマかも。悪くはないけどこんなに大金つかってこんなに宣伝するほど大衆ウケの見込める映画ではなかったのではないのでしょうか。ってことで「お金の使い道まちがえましたで賞」かなあ。6点(2004-01-21 16:05:35) 14. 昨日・今日・明日 ソフィア・ローレンはいまだにイタリアの男性に理想の女性としてあげられる、らしい。そんな理由がこの作品を見るとよーくわかった気がします。母であり、恋人であり、娼婦でもあるような彼女の魅力が3部作によく表れているんじゃないでしょうか。もちろんマルチェロのちょっと情けないけどセクシーなところもいいです。7点(2004-01-20 16:28:30) 15. 復活 長いわりにはすんなり見れた気もするが、ロシアか。冬に見ると寒さ倍増の映画だったなあ。所詮、昼メロも、トルストイも、はたまたオペラだって、大昔から男女のうんぬんって筋立てはあんまり変わらないもの。そこにタヴィアーニたる世界、芸術があるかどうか。うーん、ちょっと私には伝わりにくかったかなあ。でも「偽善」とは、ということについて考えさせられた。まだあんまり答えは出ていませんが。5点(2004-01-20 13:11:11) 16. イングリッシュ・ペイシェント 飛行機のシーン、美しい。全体の構成がうまいのでこのシーンの美しさが際立っていると思います。ただしオトナのお話です。9点(2004-01-09 21:05:16) 17. ベニスで恋して 気分がずーんと後ろ向き、って時にオススメです。初めは主演の女優さんが「なんでこんなじみなおばさん?」とか思いましたがだんだんかわいく見えてくる。派手な映画ではないのですが、なかなか秀作。見たあとちょっと元気になれます。8点(2004-01-09 19:49:27) 18. イル・ポスティーノ 《ネタバレ》 TVでイタリアやフランスの紀行モノ番組なんかを見ていると、ものすご~く田舎でチーズ作ったりしてるおじさんが「ウチの村が世界一。」みたいなことを誇らし気に言っていたりすることがある。きっと一生この人は海外旅行なんか行ったりしないんだろうなあと思うけれど、なんだかうらやましくなる。この映画の主人公は貧しい島に生れたことを悲観していたけれど、詩人との出合いによって、詩とともに美しい故郷を愛する気持ちというかけがえのないものを受け取ったような気がする。ラスト近く、詩人に向けて吹き込んだテープに、故郷の美しい自然がかなでる音を録音しているくだりで涙、涙。マッシモ・トロイージが、俳優じゃなくて本当に現地に住んでるしょぼいにいちゃんに見えるのもすごい。9点(2003-12-27 18:19:24)(良:1票) 19. 記憶の扉 えっ、これがトルナトーレ?ってびっくりした。こんな映画撮ってたんですねえ。 静かだけれどテーマがきちんとしていて、潔い映画だと思います。監督作品の中で私はこれが一番好き。ノスタルジックなトルナトーレ作品がちょっと苦手っという方も、いちど見てみてください。9点(2003-12-25 19:39:56)《改行有》 20. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 劇場版はちょっとおセンチすぎ?と思ってましたが「完全版」を見て、評価が上がりました。ラストの試写室のシーンの意味が深くなった気がします。[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-12-24 18:34:29)(良:1票)
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