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1. アリス(1988)
《ネタバレ》 この映画のような妄想系やシュールレアリズム的な作品を観るたびにいつも思うのですが、感性を試されているとか、フィーリングがマッチするかどうかというよりも、観る側の心の広さ(キャパシティー)を推し量られているような気がして、映画そのものをバッサリ斬るような事が出来ず、面白く感じられずにいる自分に失望してしまったりします。
うんと子供の頃、この人形がこっちを見て自分に話しかけて来たらどうしようとか、この剥製がいきなり動き出したらどうしようとかっていう想像を膨らましていた頃も確かにあったような気がするので、この映画の本質的な部分は何となく理解することは出来たと思います。
面白いなと感じたのが、蛙の長い舌や生肉の質感などの異質な感じを出した描き方なのですが、蛙の舌で蝿を的確に捕らえるところに妙に爽快感を感じてしまったり、普段はまな板の上だとかお店で白いトレイに乗っかっていたりというところしか見たことがない生肉も、撮る人が撮れば全く違ったモノになるんだなぁと、捉え方に凄く個性が出ていて良かったと思います。
また、兎の胸元からおがくずが出てきていたと思ったら、お鍋の中のおがくずをスプーンですくって“補給”していたりして、ストレートというか単純というか、とても素直な発想だな~と思いました。[映画館(字幕)] 6点(2011-09-03 23:31:33)《改行有》
2. ほら男爵の冒険(1961)
《ネタバレ》 ふぅ~、やっと自分で登録した映画に投稿できる。
自分にとって初めて観たカレル・ゼマンの映画「悪魔の発明」には、その世界観に入り込むことが出来ませんでしたが、この本作には意外にも(?)ちゃんと入っていけたと思います。
この映画で繰り広げられる冒険もののストーリーと映像の技巧さを追求する作風は、まさに相思相愛の関係。
カラー映画とはいえ、実写とは違って色の使い方が非常に大胆で、赤なら赤、青なら青と、思い切った色の使い方を見ていると、小さい頃に見た砂絵を思い出してしまいました。
また、アニメーションの中の人の動きがどことなく機械的な感じがするところがとても魅惑的で、まるで夢の中へと誘い込んでくれるようです。
ストーリーで面白いのは、終盤で月に飛び立つ御伽噺を実際にやってみようと試みるところが凄くロマンティックでカッコイイくて、また、砲弾に乗って偵察に出たりといった非現実的な空想も実写では到底表現できないアイディアで、こういったブッ飛んでる発想って、普段実写の映画しか観ない自分にとっては新たな発見ができたという気分になって何だか妙に嬉しくなったりしてしまいまうのです。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-20 01:49:27)《改行有》
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