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評価順12

21.  万引き家族 《ネタバレ》 個人的に、同監督作品の「誰も知らない」の続きと思って観てしまってたのですが、そう思って観ると終盤の少年の行動は当然そうするでしょう! と共感しました。 あと、是枝監督作品にしてはかなりエンターテインメントしていて(一般的には全くエンタメしてないかのように見えるでしょうが)、話のエンドはともかく、『救い』が多く描かれ、それらを描くために各役者の演技を極限まで引き出す演出、編集がされてて非常に良い出来で、これでパルム・ドール受賞は、それは取るでしょう、という充実した作品だったと思います。 実のところこの話のモチーフって、とても古めかしい、子供を拾ってきて居ついてしまいましたよとか、育ての親と生みの親のどちらが子供にとって良いのか? というコテコテの人情噺で、前世紀だとハッピーエンドで終わって、いい話だったねと終わるところが、今世紀では、それは単純に犯罪になってしまうし、法律によって生みの親に子供を託すのが何だか知らんけど社会的に正しいことだとされている(各種フィクションでそんなことねーよ! と指摘はそこらじゅうでされてますが)という風に、世間の方の価値観が変わってしまってることに対して、今のおまえたちはどう想像するんだこの結末を、と叩きつけるようなエンドになってるのが、視聴者に対する挑戦なのかなあと思ったりなんかしました。 例えば、主人公の親父と少年がわかれて最後に親父が追っかけたところで、映画の中ではカットされた、バスが止まって少年と親父が抱き合う場面が視聴者であるあなたは想像できますか? とか、女の子の最後のベランダの場面は、話の冒頭にあえて戻した演出をしてるんですけど、あそこで、「万引き家族」と言われて主人公の家族は違法とわかってるけれども助けることを選んだ。視聴者であるあなたの目の前に全く同じ状況が映画のエンドで提示される。そこで、あなただったら助けますか? とかいうところです。 この作品で描かれる貧困はリアルなようでありながらわりとファンタジー(そんなに悪い人は出てこない)という認識なんですが、この世間の想像力の欠如に対する訴えかけについて、 「他に教えられる事がなかったんですよ」 と、主人公が金を稼ぐために万引きしか教えられなかったことについて、教育もなく追い詰められて困窮した人だったら、それは仕様がないないよね、ととらえられるか、そんなのあり得ないだろうと拒絶するしかできないか、というようなところも問うてるかなあと思います。ホームレスなどの困窮者が表向き見えるところから排除されたことで(今はむしろ格差拡大で増えてさえしているかもと想像しますが)、そんなもの想像もできなくなってるだろうなあとか、自己責任論とか、あるいは裁判員裁判でそういった想像力の欠如があるので、困窮者でアル中まがいの状況になってる人がそんなつじつまの合ったまともな証言などできないだろう、ということに対して、裁判員に選ばれた人が驚くほど冷酷な反応をするとか、そんな話を伝え聞いたりしてると、こういう話に共感しがたい人も増えてるかなあと思ったりなんかもしました。[映画館(邦画)] 8点(2018-07-22 18:39:58)(良:1票) 《改行有》

22.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 この映画は、ぶっちゃけ映画「セッション」と同じテーマの作品と思うのですが、要するに美しいものを創るためにどこまでヒトデナシになれるかという話。 「セッション」では作り手がヒトデナシであるということを自覚しているので、それなりの因果応報もあって、その上で、素晴らしい芸術を生み出す事実に震撼としたりもしたのですが、この「風立ちぬ」はその辺の倫理観によるリミッターが何もなく、ただただヒトデナシ行為が粛々として続けられていき、それがヒトデナシ行為でないかのようにごまかして描かれ、最後にはあたかも美しい物語であったかのように美化されて終わるという、割とどうしようもない救いがたい自己満足作品かなあと思いました。 相変わらず映像は素晴らしいので、倫理的に誤ったヒトデナシ行為を、あたかも美しい素晴らしいものであるかのように誤認させる極めて悪質極まりない作品という認識で、だから最後に「生きねば」とか、主人公がふざけたことを言い始めますが、くそじじいはとっととしねよ、としか思えませんでした。 あと、時期的に宮崎吾朗氏の「ゲド戦記」への返歌的作品かなと思いつつも観てたのですが、作中には息子どころか子供の話すら一切出てこないありさまで(さすがにあの当時結婚して子供の話が一切出てこないのは異常でしょうと思うのですが)、何もかもすっぱりなかったことにされてて、その辺りも酷さに拍車をかけています。 現在、結局引退すると言ったくせに、また復帰しておりますが、本作のような純文学的な話を描こうとするとどうしてもヒトデナシな話になって勘弁してほしい感じなので、どうせ作るならエンタメ作品を! と思う次第です。[映画館(邦画)] 0点(2018-12-16 07:59:13)(良:1票) 《改行有》

23.  天気の子 《ネタバレ》  元々、新海誠監督の、青臭く、痛々しい、青春恋愛ものは大好きで、今回はベタベタのド直球で、しかも監督の得意な、青い空と、白い雲と、天候の表現に、シンクロ度の上がったRADWINPSの楽曲で、メジャーになって資金も潤沢になればそりゃまあ気持ちの良い映画ができるだろうと、期待したところ、期待を裏切られず、しかも「監督が信じるであろう所のハッピーエンド」にすることに、ためらいがなくなって、実に気持ちの良い、イイ作品と思いました!(5回も観に行ってしまいました……まだ行くかも)  賛否の分かれるエンドについては、演出的に唐突感があるのはさておき(そこまでなるとは想像してなかったよ! という感じ)、このエゴイズムは1周回って、現代的に極めて正しい結末かなあと、私は非常に納得が行ったです。  以下、かなりネタバレしますので、未見の方は注意。 --  個人的にこの話って、ブラック企業の社畜の話かなあと思って見てしまったのですが(そのような演出も多々あるので)、だから、ヒロインが世の中を天気にするために命を投げ出す、というのは、某企業で過酷な業務で自殺したブラック企業の一従業員とかと同じだなあと。  で、今の価値観では、そういうやり方は間違っている、という認識になっており、 「逃げればいいよ」 って言うんですが、それでも自分が逃げると「周りが迷惑する」とかの自己責任の呪いにかかって逃げられない人が現実にはあまりにも多く、この映画ではそれらの問題に対して明確に、 「(大切な)人1人の命の方が大切だ!」 と主張してるのがとても新しい、現代の理想的な「正しさ」に則った結末だなあと思いました。 --  また、エンタメで、ヒーローとか自己犠牲とかを否定しつつ面白い話を作れるか? というジレンマがあるんですけど、この「天気の子」は「ヒーローや自己犠牲などなくても、恋愛ものなら面白いエンタメは作れる!」と言ってるところが革新的作品ではなかろうか? --  主人公の家とかの描写がないので感情移入しがたい、という感想はよく見ますが、幸か不幸か、私は、主人公みたいに逃げて、救われたような経験があるので、なんかよくわかるなあと思いながら観ておりました。最初にヒロインの部屋に主人公が訪れたときに、ヒロインが、 「そっか」 と一言だけ言って、何でもないことのように流してくれたことに主人公がどれほど救われただろうと思いましたし、元のところに戻ればすべて丸く収まるとわかっていても、戻りたくない、というのも、すごくよくわかります。  「不登校」とか割と近い感じと思いますが、戻って学校に通えば周りは丸く収まるのでしょうが「そこに戻ることで私の心が死んでしまうことに対して何ら配慮はされないのでしょうか?」みたいな感じ。  むしろ、最近、事件関係者の個人情報をわざわざ公開するのは非人道的なことではないか? という批判があり、この主人公の背景の話を明らかにするのも同様の下世話な野次馬根性的なところがあるかなーというのもあって、個人的には、あまり明らかにされなくてホッとした、という感じでした(よく見ると、回想エピソードや言葉の端々で結構色々語られてますが)。 --  主人公は恩を受けた人に迷惑をかけまくる~云々については、そもそも健康で文化的な最低限度の生活すら満たされない境遇で恩義とかありえんし、私から見ると、主人公らって、どこからどう見てもガキんちょに過ぎないので、 「これくらいの迷惑くらい、どんと来い」 と言えるような世の中であると良いんだけどなあと思いました。  それよりも「どうしても救わねばならない大切なものは何か?」を知らせて欲しい感じでしょうか(この作品はもちろん恋愛ものなので、それは「愛」になるに決まってるのですが)。 --  この話で、個人的に唯一文句を付けるとしたら「終わりはもっとハッピーエンドにしてくれても良かった」というくらいでしょうか。  東京が、あのような事態になったということは、大企業や官憲の地方移管が進んで地方で莫大な雇用が生まれ、実は、日本全土としては事件後の方が経済的に豊かになってても全然不思議ではない(笑)。  唯一、須賀さんが、立派な事務所を持って職員も何人か雇えるようになって、事件後の方が経済的に豊かになった、悪いことばかりではなかったと、ささやかに主張してるくらいで、恋愛ものっていうものもあって悲壮感をぬぐい切れてないんですけど。  もうちょっと大人というものの狡さやしぶとさを信じて、楽観的に描いてくれると嬉しいなあ、という感じでした。  以上です(長文失礼)。[映画館(邦画)] 10点(2019-08-25 23:17:43)(良:1票) 《改行有》


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