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41.  バベル 《ネタバレ》 アメリカ、モロッコ、メキシコ、日本の4つの世界が「つながり」を持っているということよりも、そこに存在する「断絶」のほうが印象的でした。アメリカ人夫婦のためには政府が動き、メディアが動き、(多少遅れてブラピが焦ったとしても)ヘリが飛ぶ。日本の女子高生がいくら暴走しても「君は悪くない」と言ってくれる人がいる。でもアメリカの子どもの親代わりを真面目に勤めてきたメキシコ人のメイドは、自分の息子の結婚式に出たかったばっかりに仕事と住む場所を失い、モロッコの子どものちょっとしたいたずら心が、家族の破滅を招く。因果応報とはいいますが、小さな過ちから立ち直るチャンスを与えてもらえるのかどうか、それが私たちが生きる世界の「不平等」なのだと痛感しました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-08-30 15:21:27)(良:2票)

42.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 実は、「クローンを扱った映画だ」ということ以外の予備知識ほぼゼロで見ました(この映画公開されたころって忙しかったんだよなあ・・・)。個性のある俳優たちを配した前半の淡々とした進行から、主人公の逃亡劇になったとたん、別の映画になりました。この映画にカーアクションとか看板落下とか必要なのかなあ。ある意味、思想的なSF映画の伝統に喧嘩売っているとしか思えない設定無視の大アクションでした。でも、とにかく車ぶっとばすんだ、という監督のよくわからない「こだわり」を感じることはできました。倫理的なテーマについて、「映画とは見せ物である」という創生期以来のもう一つの映画の伝統に忠実につくられた迷作。[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-05-12 11:44:45)(良:2票)

43.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 デンジャーゾーンで始まるのであれば、マイティ・ウィングスで終わってほしかった・・・(ラスト・クレジットであのイントロがいつ来るかと身構えたけど、ガガとアンセムだけだった)。空中戦シーンの「リアル」さには感服するしかないのですが、1980年代の映画の続編を2020年代に作ることの意味ってなんだろう、ということも考えてしまったのでした。 60間近になってもやりたいことっていうのが、kawasakiで疾走、若造たちに格の違いを見せつけるドッグファイト、半裸でビーチ・フットボール、美魔女とのラブシーン・・・という1980年代の発想からほとんど抜けていないことにはむしろ驚いてしまいます。匿名性をやたら高めた「敵」の描き方なんて、前作でも批判されていたはずなのに、今作では何の工夫のなく同じことを繰り返すばかりか、アメリカ側の一方的都合による先制攻撃作戦をメインに置くという点では、前作以上に問題がある。そんなことをいうのは野暮だとわかっているけど、もう2020年代なんだし、そのあいだにアメリカが関わった酷い戦争が何度も起きてるわけだし、観客だって大人になってるどころか人生1周しちゃってるわけだし、少なくとも自分としては前作と同じようには喜べないだろ、それ、としか言いようがない。 「アクション・スター」として「挑戦」を続けるトム・クルーズに、そんな歳相応・時代相応を求めるのは大いなる筋違いだとは思う。でも、そう思ってしまった観客もいるよということは記録として残しておこうと思います。[映画館(字幕)] 6点(2022-06-19 08:32:27)(良:2票) 《改行有》

44.  エンド・オブ・キングダム 《ネタバレ》 最近のジェラルド・バトラーの充実っぷりといったスゴいが、なかでも殺戮マシーンがヒーローなこのシリーズはバトラー映画のまさに王道。ヘリが落ちようが、車が大破しようが、痛そうなのは一瞬。数秒後には全速力で走り回る驚異の回復力。万事がこんな感じで前のシーンで起きたことが後につながることは皆無で、すべての伏線が振り切られる。そして、考える時間を一切与えず、質より量の怒濤の展開で押し切り、99分にまとめてしまうという離れ業。必要ないのに何度もナイフで刺しまくるサイコとしか思えない主人公。こんな男が仕事辞めてフツーのパパになるとか絶対無理だろう・・というか、この映画の世界では閻魔様とか因果応報という言葉など存在しないかのように、主人公側(&アメリカ側)の大殺戮をなんの躊躇もなく正当化してしまう。とくにラストのラスト。ひとり善人風だったモーガン・フリーマンが、敵の黒幕ボスに下した仕打ち・・・。「暴力の連鎖」なんて言葉をせせらわらうような展開に絶句するしかない。この世界観でいけば、たぶん数年後には地球は破滅してますよ。なんだか、ジェラルド・バトラーが『デビルマン』に見えてきた。[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-05-20 22:53:48)(笑:2票)

45.  ビフォア・ミッドナイト 前作から9年。そのあいだにジェシーとセリーヌのあいだに双子の娘が生まれ、2人の関係も前2作までとはうって変わって「生活感」と「倦怠感」あふれるものに・・・。前作のセリーヌにもちらりと見えたリアリストな部分と、ジェシーのちょっと無神経な部分がそれぞれ加速して、もう2人の会話はひたすらかみ合わない。言わなきゃいいことを言ってしまい、ちょっとした言葉をひきずってしまって、結局悪い方へ悪いほうへと向かってしまう。ロマンティックな設定だった前2作と比べ、今作は恋愛成就の「その後」を、ひたすら痛い会話劇として描いてしまいます。でも、この映画の本領は、トゲがあるセリーヌの言葉やジェシーの無神経な態度の繰り返しのなかにも、恋愛モードによるオーラ抜きで生身の人間として関係をつくっていくさまが積み重ねられている部分。前作もそうでしたが、「会話」中心の構成でも「言葉」だけで伝わるわけではない人間関係というものを描いた映画として、あいかわらずのクオリティです。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2014-01-13 10:49:45)(良:2票)

46.  横道世之介 《ネタバレ》 原作未読なので、途中まで、どういう映画かよくわからないまま戸惑いながら見てた。ちょっと挙動不審な田舎出身の人のいい大学生の青春物語かなと思ったら、いきなり話は現代に飛んで・・・。ただ、中盤で主人公の末路がわかった時点で、実はこの映画、最初から視点は現代に固定されていたのだと気づいた。みんな「故人」である横道世之介を偲んでる。世之介の「人のよさ」とか「憎めなさ」も実際は「思い出補正」なのかもしれない。BGMで流れるのが、レベッカと石井明美っていうベタ過ぎる選択も、そう考えればよくわかる。世之介の(そして祥子さんとの)その後が全く描かれていないのもそのためだろう。けれど、この映画の魅力は、「補正だからウソとか虚構」でも「あの日に帰りたい」でもなく、そうやって「思い出す」ことが人生を豊かにするっていうことをきっちりと描いている点だ(その自覚が「三丁目の夕日」とは明らかに違う!)。それは、祥子さんがハンバーガーを二度食べるシーンに、これ以上ないくらい美しく描かれている。まあ、それは、登場人物たちよりは年下だけど十分おっさんになった自分が見るからそう思うのかもしれないけど。普通に青春物語としても美しいし、世之介と祥子さんの映画史上最強レベルの大ボケカップルは必見の価値あり。[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-03-05 13:57:48)(良:2票)

47.  タクシー運転手 約束は海を越えて 《ネタバレ》 ソン・ガンホは相変わらず素晴らしい。彼の英雄的とは言い難い、娘想いの1人の中年男の目線から、少しずつ光州で起きている事態が明らかになっていく序盤〜中盤がすばらしい。だからこそ、終盤のあの交差点での彼の迷いに誰もが共感できるし、その決断が感動的なものになる。でも、それ以上に印象的だったのは、主人公の周りの庶民キャラのみなさん。タクシー仲間から光州の学生まで、揃いも揃って、水木しげるの漫画から出てきたような「庶民」顔。対する軍側にはもうちょっと整った顔立ちの方々が目立つなど、このキャスティングはたぶん狙ってやっている。そういうフツーの庶民キャラのおかげで、自国民に銃を向けるという行為が、いかに異様で恐ろしいことなのかが伝わってくる。悲劇のあいだに挟まれるコメディタッチのやりとりも効果的。エンターテインメントの教科書のような展開だった。難点は、教科書どおり過ぎる展開(とくにミュージシャン志望の学生の顛末)と(他の方も挙げている)ラストのアクション。ラストのチェイスは、絵としては盛り上がるわけだけれど、若い兵士のなかにも疑問視する人がいたというかたちで結んだほうが、庶民のヒロイズムを描いた本作にはふさわしかったはずなのに、本当にもったいない。まあ、でもあそこでサービスしちゃうのが、韓国映画らしいのかもしれない。軍事独裁時代の話とはいえ、自国の負の歴史をエンタメ風味できっちり描く韓国映画界にも敬意を表して。[インターネット(字幕)] 7点(2019-11-03 05:56:32)(良:2票)

48.  42~世界を変えた男~ クセのある映画の脚本に関わってきたヘルゲランド監督・脚本ということで期待したけど、内容はストレートな正統派伝記映画でした。差別にひたすら耐え続けるロビンソンの戦いは、周りの人たちの意識を変え、黒人たちにメジャースポーツへの門戸を開きます。そういう意味では、まさに「世界を変えた男」の物語。ただ、なぜ、いまこの映画なのかなあ。アフリカ系の大統領が登場し、MLBはもはや黒人ではなくドミニカなどのカリブ海出身者が多数を占める時代。スポーツの門戸は開いたけど、黒人の若者が直面する問題は依然として深刻で貧困・犯罪・暴力に晒され続けてる。そういう時代の側面に切り込まないと、「今」ロビンソンの映画を作る意味はあまりないように思う。ノスタルジックな偉人伝の域を出るものではないのが残念。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2013-12-08 03:02:01)(良:2票) 《改行有》

49.  デッドマン・ウォーキング 難しいテーマなだけに下手に感情を煽ろうとせず、ドキュメンタリー・タッチに徹したふうの作風は好感がもてた。ティム・ロビンスやショーン・ペンの政治的な立場はあるんだろうけど、そこまで押しつけがましくはなかったように思う。強い信念(というか信仰か)を持ちつつも、被害者と加害者のあいだを行ったりきたりして揺れ動くスーザン・サランドンの姿は印象的でした。八方美人という見方もあるんだろうけど、それぞれの立場の人々の「痛み」を知ろうとする誠実さが伝わる、いい映画でした。8点(2004-12-12 14:27:04)(良:2票)

50.  ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 ほぼ期待ゼロで見たせいか、思ったより楽しかった(という人、多いですね)。フツーに冒険映画として映像的見所も多く、騙しダマされな後半もそれなりに楽しい。ただ、『スターウォーズ』のサイドストーリーとしての魅力・・といわれると大いに肩すかし。そもそも主人公がハン・ソロには見えないし、キャラもあまり立っていない。ヒロインのエミリア・クラークは影があってよかったけど『ゲーム・オブ・スローンズ』のイメージを引きずっているだけのようにも思える。『ローグワン』でも気になったドロイドの「狙いすぎ」なキャラ設定は私は否定派。前半はあちこち金かかっていたのに、後半地味で単調なアクションに終始しちゃったのはスケジュールの関係? そして、ラストのあいつ。アニメのことなんて知らないよ。一瞬これって「エピソード1」の前日譚だっけ、でもだったら「エピソード4」のハン・ソロって何歳?などと余計な混乱で頭を抱えての終幕。ついでにいえば、あそこって『クローンウォーズ』見てた人にとっては「キターーーー!」ってアがるところなのか聞いてみたい。最後に、ロン・ハワードに監督させるんだったら、もう少し時間あげようよ(クリスマス公開でよかったのに)。『レゴ・ムービー』コンビの「やり過ぎ」路線を軌道修正するためだけにロン・ハワードを連れてくるっていうのは贅沢過ぎるけど、彼のキャリアに対する敬意が足りん(「レゴ」コンビに対しても!)。ディズニー版SWは経営陣なのかプロデューサーなのか、マネジメント面の問題が目立ち過ぎで、その雑音のせいで素直に楽しめないのも本当に本当にマイナス。[映画館(字幕)] 4点(2018-08-16 17:18:33)(良:2票)

51.  キューティ・ブロンド/ハッピーMAX イヤな予感がして、ずっと手を出せなかったパート2ですが、イヤな予感は的中してしまったようです。前作とほぼ同じ95分の上映時間なのに、やたら長く感じた。イヤミにならないエルのキャラ、驚異的なテンポの良さ、あり得ない法廷劇もほほえましく感じた前作が、いかに奇跡的なバランスの上に成立してきたかを実感しました。ヴィヴィアンやエル父などの魅力的な脇役の不在も痛い。もともとアメリカのなかでの文化の違い(東海岸と西海岸、エリート/成金/トレーラーハウスで生活するような人々)を笑いのネタにしてきたこのシリーズの魅力も、超保守政治家スタンのキャラクター設定ぐらいでしか活かされていない。それに、エルに「アメリカ」を語らせるなんてベタなことは絶対にしてほしくなかった。前作よりよかったことといえば、「ハッピーMAX」というわけのわからない邦題が妙にマッチしてしまったことぐらいか・・・。[DVD(字幕)] 3点(2005-08-11 06:25:08)(笑:1票) (良:1票)

52.  殺人の追憶 《ネタバレ》 驚いたのは、80年代軍政下の韓国の農村社会がかかえていた閉塞感を、郷愁とユーモアを込めて見事に描いていたこと。おそらく韓国の人々は、この映画を、ここ数十年の社会や自分の生活の変化と照らし合わせながら、複雑な気持ちで見たのだろうなあと想像できた。それでいて、なんとなく、戦後直後の日本の田舎もこんな感じだったんじゃないかなと思わせる普遍性もあるところがすごい(アメリカ西部の田舎だってこんなんかもしれない)。ある時代と場所を、断罪あるいは賞賛ではなく、ありのままに(しかし愛情をもって)描きだすことで生まれる普遍性とでもいうべきだろうか。だから、この映画にでてくる(あまりに無能な)刑事たちにも、どこか人間味のようなものを感じることができるのだろう。(ごく一瞬を除いて)肝心の犯人が登場しないのにこれだけ引き込まれる犯罪映画というのも珍しいし、最後の少女の「ふつうの顔」という一言が、いっそう物語に深みを与えたと思う。減点分は、「ゲ○吐き」シーンに代表される韓国映画の描写の「濃さ」がちょっと苦手なので、という個人的な事情。9点(2004-10-29 13:00:25)(良:2票)

53.  ナイトクローラー 《ネタバレ》 最初のうちは薄っぺらいことを妙に得意げに語りつつ、やってることはハチャメチャな主人公に戸惑うのだけど、「そういう人物」だと分かってくるとこの映画の底意地の悪さがたまらなくなってくる。あの薄っぺらさは、「最短距離で結果を出す」現代の効率性への意地悪な風刺でもあり、こんな風に戯画化されれば「引く」けれど、日常を生きていれば周りに必ずこうゆうタイプっているし、自分のなかにも少なからずこんな感じっていうのはある。だからこそ、「他人の気持ち」とか推し量ることなく、「最短距離で結果を出す」道を突っ走る主人公の醜悪な痛快さに、何とも言えない力で引き寄せられているのに気づいてしまう。何よりもエンディングに主人公の周りに集まってくる3人の「インターン」の雰囲気が秀逸。あの、いかにも「不器用ながら真面目に「成功」を目指す若者」っぽい感じ。彼らの今後を思うと、気の毒な気持ちしかないのだけれど、自己啓発セミナーにせよ、新興宗教にせよ、マルチなんとかにせよ、現代の建前と本音の狭間で人々を引きつける「何か」を描いた怪作。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-12-10 20:28:50)(良:2票)

54.  ボーン・レガシー 《ネタバレ》 そういえば見てなかったジェイソン・ボーンシリーズの番外編。新しい主役のジェレミー・レナーはがんばっていたと思う。本来は落第組であったはずがトップエージェントの訓練を受ける羽目になったという、マット・デイモンとは違った主人公像を説得力込みで演じていたと思う。ただ、よかったのはそれくらいか。難点は、ストーリーの把握の難しさ。とくに序盤の展開はさっぱりわからず、自分が悪いのかと思ったけど、途中で演出がまずいのだということに気づいた。結局は、物語は、研究所の銃乱射シーンあたりから急展開して、終わってみれば序盤がわかってなくてもノープロブレムな内容だったのも余計腹立たしい。主人公はエドワード・ノートンなど豪華キャストのCIA組と対決することがないのも(続編を作ってそれを描くつもりだったのかもしれないが・・・)、スパイもののカタルシスのなんたるかをわかっていない。別に直接対決する必要はないが、主人公が一矢報いるような工夫は必要だった。そして、みなさんが強調するラストの敵のしょぼさ。本作制作陣の「アジア人暗殺者」への想像力の貧困は救いがたい。タイに本拠地を置く暗殺者を描くといっても、この製作陣はタイ映画にどれだけ高度なアクション映画があるかを知らないまま、自分たちの思い込みだけで作ったんだろう。その傲慢さが、この映画を心底つまらないものにしてしまった。この傲慢さは、ラストにMobyの『Extreme Ways』を流してしまう浅はかさにも共通する。あのイントロは、ジェイソン・ボーンのものだ。背景だけ共有しつつも全くの別モノの本作のラストにあれを流してしまうことで、どれだけ多くのものが失われたか、わかってるんだろうか。豪華キャストは誰も手を抜いていない。それぞれの役をしっかりこなしていたと思うが、残念な製作陣の作り込みの浅さが、せっかくの新しいフランチャイズのチャンスをふいにしてしまった。[インターネット(字幕)] 3点(2021-05-27 23:21:24)(良:2票)

55.  ゴーストバスターズ(2016) 《ネタバレ》 オリジナル作品ははじめて映画館で見た洋画という個人的な思い入れもあったこの作品だけど、勝手にオリジナル版の「続編」(前作の事件があった後の世界を舞台にしている)だと思っていたので、前作の話はなかったものとしての1からのリブートだったことにちょっと戸惑った。4人の主要キャラはどれも個人的には好感度高いけど(個人的にはエリンが面白かった。ホルツマンは期待しすぎた)、それぞれの絡み合いが今ひとつ楽しくないのが残念。あと、前作キャストのカメオ出演もリブート作品としてはペースが乱れるだけで、あまり意味がなかったような。マシュマロマンの中途半端な登場やら、変にオリジナルを意識させるのに、話自体は関係ないというのは、なんというかちょっとしたストレスだった。最新技術で再現されたゴーストが、完全に現代風CGではなく、かつての「SFX風味」を残していたのはプラス。ただ、そのせいもあって新味はなく、オリジナルなファンにとっても、新しい観客にとっても、総じて「誰得?」な状態だったのが本当に残念。[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 4点(2017-01-04 23:45:39)(良:2票)

56.  マネーボール 《ネタバレ》 本作自体が、劇中で実践されるマネーボール理論の産物のようにも見える。チームの絆とか、精神力とか、スター性とかではなく、「データ」で野球を変えた弱小チームの物語。だから映画としても、徹底したアンチドラマ、アンチクライマックスの作りで、主人公が自分の気持ちを叫んだり、誰かと熱く抱擁したり、チームが一致団結して困難に立ち向かう、的な描写は皆無です。主人公は、野球をちゃんと見ることはできないし、もう大丈夫かと思って球場にいったら11点差を追いつかれるという「もう、野球と関わるのやめたら?」と思ってしまう経験もして、チームと団結することもないし、監督(フィリップ・シーモア・ホフマン!)とも和解しないし、結局はチームの誰からも(さらにファンからも)感謝されない。唯一評価したのは、金満球団の1つレッドソックスという皮肉。ラストの「パパはおバカ」「本当に自分は野球を楽しんでるのか?」と娘の歌ににじむ涙は、GMという仕事の本質にこだわった男の誇り(だからレッドソックスのオファーは断るわけだし)と、それでも感じてしまう虚しさの両方を描いた名シーンだと思います。そのあたりは、人間の二面性・両義性を描く名人監督ベネット・ミラー&脚本アーロン・ソーキンだからこそできた名人芸でした。そして、本作最大のパラドクスは、この映画の主演・プロデュースが大スター俳優ブラッド・ピットであること。その矛盾をブラピ自身も理解していて、だからこその抑えた名演技だったと思います。この作品で注目されたジョナ・ヒルやクリス・プラットのその後の活躍を見れば、この作品が、ブラピという巨大な矛盾を抱えながらも、出塁率の高い才能あふれる俳優たちで作られた優れたアンサンブルであったこともわかります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-19 12:20:17)(良:2票)

57.  アナと雪の女王2 《ネタバレ》 公開直後のカナダの映画館で子どもと鑑賞。前作は楽曲、とくにLet It Goのインパクトは凄まじかったものの(日本公開前に現地で予備知識ゼロで観たので)、物語としてはガチャガチャとして落ち着かない印象でしたが、続編はストーリーもそれなりに練られていたように思えたし、キャラも無駄に増やさず広げなかったのもよかったと思う。音楽もミュージカルとしては各曲のクォリティも高く、また配分もバランスがいい(前作は明らかに前半に曲が偏っていたし)。映像も6年分の技術の進化に対応して見応え十分だった。それでも、終幕後の感想としては「いまいち盛り上がらず」な感じなのはなぜなんだろう。やっぱり前作の魅力は、あのアンバランスさにあったように思う。あのLet It Goを大画面・音響で観るためだけに映画館に行っていいんじゃないかと思ったのに対し、今作はバランスは取れた良作感はあったものの、何度も観たいかといわれれば微妙な感じ。前作以後のディズニーの流れに乗って、「社会正義」の側へと振ったストーリーも歓迎だけれど、この映画で観たいのは「そこ」ではなかったような気が。最初にダムが出てきたところで、落としどころが見えてしまったのもマイナスだったのかもしれない。後半は暗い画面が連続するのも、ちょっともったいない。子どもが歌える感じの歌でもない。クリストフの80年代ラブソング風のシーンは、自分は直撃世代だと思うけど、あまりにもターゲットが狭い。そもそも今作のターゲットの今の子どもの親層もピンとこないのではないか。劇場では明らかに白けた雰囲気になっていた。オラフの前作ストーリー紹介で爆笑して会場が暖まっていただけに、その冷却効果はかなり大きかったような・・・。というわけで、全体的にまとまりはあったけど、前作のような爆発力は感じられず。前作の成功体験ゆえの縛りも感じるし(とくにエルサの歌や変身あたりで・・)、気候正義とか自然との共生というテーマだったら「アナ雪」でやる必要なかった気がする。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2019-11-26 03:11:32)(良:1票)

58.  フロントランナー 《ネタバレ》 個人的に贔屓なジェイソン・ライトマン監督作品でしかも政治劇ということで期待して鑑賞。大統領予備選挙での最有力候補(フロントランナー)がスキャンダルで転落、という大筋から考えると、政治的な陰謀ドラマ、とくに『ハウス・オブ・カード』的なものを期待してしまいますが、そこはライトマン監督、政治スリラーというよりは、個人の信条が徐々に時代とかみ合わなくなる悲哀の物語として、とてもパーソナルな政治映画という趣でまとめていました。都会的・知的かつセックスアピールもある有力政治家ゲイリー・ハート役にぴったりなヒュー・ジャックマン。信念を持つ政治家としての魅力と男性としてのちょっとした隙の共存が、こんなに似合う俳優もいないかと。そして、その信念ゆえに、彼は自分が陥った苦境を理解できず、記者会見で深みにはまっていく様子の空回り感、無力感も見事でした。自分の「正しさ」を確信するがゆえに、少しずつ変化する時代の空気を感じられない彼の姿にゾッとする男性観客も少なくないのでは? 政治家としての彼を信じながらも、少しずつ溝ができていく記者たちやスタッフとの関係の描き方も丁寧でした。ただ、ダイナミックな政治劇を期待するとちょっと肩すかしかも。なんでもないシーンでの視線や言葉の交わし方、表情とか細かいところに、映画の魅力が詰まっているタイプの作品だと思いました。 [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2019-06-04 22:38:23)(良:1票)

59.  ヒート どうしてかわかりませんが、何度見ても寝てしまって、全部通して見た事がありません。パチーノとデニーロのかっこよさだけでは、睡魔に勝てないようです。この映画に3時間も必要なんでしょうか? ちなみに同じマン監督&パチーノの「男」系映画『インサイダー』は大好きな作品です。だからこそ、なぜこの映画はダメなのか不思議。3点(2004-03-08 17:44:55)(良:1票)

60.  ボーン・アルティメイタム 3部作も通して描かれる「謎」の真相は、実際にはたいしたことはない。まあ、少なくとも「非アメリカ人」の観客からすれば、「へー、それで?」っていうような内容。でも、この映画の真髄も、やっぱりそんなところではなくて、「プロフェッショナリズム」に徹して描かれるアクション・シーン。今回の見せ場も、CIAのハイテク追跡網を、あくまでローテクを駆使して見事にかわしつづけるボーンの姿にあるのでしょう。その集大成がラストシーン! 思わず拍手喝采したくなる、見事なエンディングでした。グリーングラス監督に変更してからの手ぶれ映像の多用には賛否両論あると思いますが、大作化していく続編にありがちな妙な色気を出さずに、3部作を通して地味ながらも見事なクオリティを保ちつづけたことは、賞賛に値すると思います。[DVD(字幕)] 7点(2010-09-04 18:00:10)(良:1票)


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