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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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41.  ぼくらの七日間戦争(1988) 《ネタバレ》 そこそこ楽しいと思う。 子供の主張ももっともだ。というか、この映画に出てくる大人の駄目人間ぶりをみていると、大人が駄目なんじゃなくてこの映画に出てくるようなおかしな成人日本人が駄目なんですよ、と劇中の子供たちに教えてあげたくなってきてイライラする。 そういう風に作らないと子供が反撃するお話って作れないのはわかるんだけど、わかるけどやきもきするんですよね。 でも最近、作家が頭の中で想像したかのような「思考回路が分散的にしか搭載されてない大人」が昔より増えているような気がする。 今みるとつまらないだろうし、リメイクを作る技術体系が邦画には存在しないようなのできちんと作られることはないだろうけど、今この原作をベースにきちんとプロの作家である原作者と綿密に作り上げた上で、いい加減で乱暴に作ったクライマックスに逃げないリメイクを今やったらわたしは映画館で観る。 だけど、そうすると社会派ドラマシリーズのダイジェスト版みたいな陳腐で旬も逃がしてる映画になるんだと思う。 結局は自分の願望と発想がそういうレベルだってことにがっかりする。[地上波(邦画)] 6点(2009-05-01 14:17:37)(良:1票) 《改行有》

42.  マルコヴィッチの穴 《ネタバレ》 これはこれで、うん。 着想とか滑り出しはかなりスムースに異次元に運んでくれるんだけど、異次元に行った後。そこからが辛い。ついてけないんだ。尻すぼみにすら感じてしまう。 もうね、マルコビッチすぎんの。もうお腹いっぱい。マルコビッチ味すぎてマルコビッチ食、そんなに食えないんです。でもね、マルコビッチをこんなにいやって言うほど食えるのもこの映画だけだし、無理して食っといた。そんな気持ち。 このね、マルコビッチなとこが良い訳ですよ。マルコビッチなとこ。これがチャーリー・シーンで、友情出演のジョンだったらダメ。それはただのコメディ。そうじゃない、チャック・ノリスでもコメディ。フォレスト・ウィッテカーだと可哀想になっちゃうし、ゲイリー・オールドマンだと黒すぎる。この、マルコビッチが良いんだマルコビッチが。 しかし思う。果たしてついて行かれることでどこか考えもしなかった遠いところまで行かれるんだろか。そういうところもマルコビッチだよなあ、なんか怪優マルコビッチに失礼じゃないかって気がしてきた。 マルコビッチと連呼したかった、今は反省している。[ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-07 22:49:28)(笑:1票) 《改行有》

43.  コマンドー 《ネタバレ》 昨年、ちょっとした大事件があった。 コマンドーの日曜洋画劇場版吹き替えバージョン(玄田哲章版)収録盤DVDが発売された。それはコマンドー伝説が地上に現れ、4半世紀を経て神話として結実した瞬間であり、コマンドーを心の中どこかに置き忘れたすべての人にある種、警告として権現した瞬間であった。 だが忘れてはいけない。伝説は神話となったが、それを収める聖典は不完全なものだ。完全なHDソースと日本語吹き替えを収録したBD盤がリリースされることで我々はすべてを備えたそれを手にすることができる。2010年現在、売られているBDはDVD盤に劣る模造品であり、文明的な価値は薄い。 しかし、やがて地上に現れるであろうそれを購入したとしてもテレビ放映を高ビットレートで録画しながら、リアルタイムで見てしまうのだろう。[地上波(吹替)] 7点(2010-04-04 18:45:29)(笑:1票) 《改行有》

44.  ライムライト 子供の頃、NHKでやっていた(とおもう)のを観て泣いてしまった。 泣いても泣いても止まらない程度に泣いてしまった。 そういうのが初めてだった映画。 人物描写が深いんですよね、特に映画慣れしてない子供には濃すぎた。 この時代にこういう表現が白黒でできるっていうのがやっぱりものすごい映画だと思う。 それから、よく覚えていないけどこれをおそらく子供が一人で観ることができる時間に放映したNHKは非常にいい仕事をした。 テレビを観て子供がヒーヒー泣いてるのを親に見られるのは恥ずかしいじゃないか。[地上波(吹替)] 10点(2009-05-01 14:32:13)(笑:1票) 《改行有》

45.  エイリアン2 《ネタバレ》 キャメロンは2本しか2を撮っていない。にもかかわらず、1がどんなスタイルでもキャメロン味にしてしまうというイメージがある。T2とエイリアン2の2本でそういうイメージを作ってしまったのだから凄い。キャメロンがキャメロン味であるという宣言をした最初の映画であり、これ以降がより高度なキャメロン味であることは全然おかしなことではない。 基本的にこの監督の映画は、出てくる人物は表面的には悩まない。設定の穴を追い込まない。特殊効果に妥協しない。この3本の柱がびくともしない。悩まない様に見える人物は、巧妙に悩みがあると言うことを明示しており、設定の穴をわかりやすく残すが、それを伏線ともトリックともつかない方法で鑑賞中に気づかせない技法が確立している。さらに特殊効果。本作でも半端ではない。金をかけただけではダメよというメッセージがズビズビ伝わってくる。 こういうことができるのはやはりアメリカだからだろうが、これだけの金が関わる仕事とは、その責任の大きさかどれくらいのものになるのだろうか。想像もつかない。だけど、この映画に登場するキャストからスタッフまで、おそらくは妥協のだの字も無かったのであろう完成度にはうんざりするほど手に汗握る。 欧米亜問わず多くの文芸作品は、はっきり言って逃げている。さも文芸作品であれば、人が悩んで人生がうまくいかなければ、困難な恋愛であれば、ハリウッド資本の特殊効果映画よりも魂が上級であるとでも言わんばかりのものを量産し続けている ところが、この映画の様に徹底的に作り込んで楽しませて、感激する様な作品はどれだけあるだろう。単に悲惨なカタログに落ち着いちゃっているのを文学青年にちやほやされてるだけのクオリティの映画がどれほど多いかを考えると、仮に文芸がアクションより上だとしても、関わっている多くの職業人が職業人として上だとは思えない。[地上波(吹替)] 9点(2009-09-21 23:58:03)(良:1票) 《改行有》

46.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 《ネタバレ》  14年前にエヴァンゲリオンに夢中だったあの時、友人と観に行った劇場版には非常に不愉快な気分にさせられた。ストーリーやオチはまだしも、未完成なんでゆるしてくださいというあのスタンスには憤りすら覚えた。  今年になって、この作品にある程度の結末というか収束を与えられたのを観て少々の安堵を得た。あの時詰め切れなかった結末に、更に続きを与えて新しい物を作り出したことには驚きを禁じ得ず感動をしてしまった。完璧に憶えたテレビ放映版や劇場版の、その再現を期待していた従来のフリークに対しての決別を図ったかのようなストーリーは、細かいプロットを置き去りにしてでも強引で魅力的な推進をした。 「巧く弾けるようになるまで、綺麗な音色を奏でられるまで、反復練習すれば良い」  簡単に止めないで欲しい。と言う強い意志のような物を感じた。壊れてしまった世界、これはまさに現世であるこの世界そのものであって、もう戻ってこない物への決別だった。  旧版を観ていたときに強く願った、不可逆的な変異を世界が被ってしまうしまう事への回避願望が今はもう無い。なぜなら、当時はあった壊れていない世界が今は無いからだ。様々な事を様々に繰り返して、望む世界への参画を自分自身が強行しなければならない現実を受け容れる。そうやってこの中身の無い物語に無理をして中身を詰め込む作業から卒業するんだろう。  そうであれば、14年前、色々な物を忘れてきたあの場所に立ち返ってもう一度自分自身を再構築しなければいけないのだろう。反復と覚悟だけが自分に出来ることと念じながら、あの時劇場版を一緒に観た友人のことも忘れなければならないのかもしれない。あの頃の記憶がもう一度現実になる事は無いのかもしれないけれど、それだからこそ彼女との記憶は綺麗なまま仕舞っていておけるのだと思う。[映画館(邦画)] 8点(2012-11-20 05:21:31)(良:1票) 《改行有》

47.  赤い風船 《ネタバレ》 ものすごく良い映画だと思う。 手を離すと飛んでいってしまう風船が、自分から離れずにいつも一緒にいてくれる。それだけでも胸がいっぱいになる。意地悪だったり優しかったりする赤い風船は、友達だったり彼女未満の大事なガールフレンドみたいな存在になってずっと心に残るかもしれない。 映像のきれいさとか、風景のきれいさはもちろん、生活が垣間見られるたくさん出てくる子供のかわいらしさ小憎らしさとかには、特に隠された意味って無いように感じる。そこを排除して純粋に少年に感情移入することができるからこの映画の良さって引き立つのではないかと思う。 こういう純粋な短編に、簡単に比喩や寓意を乗せてしまうのはあまり上手ではないと思う。だから作り手がくれた世界に素直に甘えて、描写から方々に意味や結論を引き出すよりは風船に乗ってパリの上を飛んでいくという幻想を純粋に楽しむのも大いにありだと思う。[DVD(字幕)] 9点(2009-12-20 23:38:50)(良:1票) 《改行有》

48.  食堂かたつむり 《ネタバレ》 たしかに、年に一度あるかないかの外れ映画。 もしかして、これって海外で受賞することだけを狙った映画なんじゃないかな。結構高度なマーケティングで作られているような気がしないでもない。 不気味な音楽にアジア言語が乗っている。それを終始掛け続ける。 意味不明なキャラ設定。 変な色彩。 異文化丸出しな食事。 そして不可解なストーリー。 オリエンタル補正が掛かってなぜか西ヨーロッパで評価されるタイプのアジア作品の典型ではないか。もしかしたら、とImdbを見てみるとやっぱ堂々の7点。 とはいえ、とはいえです。これを日本人が見て、言葉を理解した上で面白いと思うのか。おそらく、欧米人にとってこの映画は日本人はこういう種族だと理解して、何も疑問を持たないんだろう、そして迎合できる。我々がハリウッドの肉食な主人公達をアメリカ人そのものだと思って酷い点をつけたりするがごとく。 そもそも、「何で」の連続で、ストーリーはあるのか無いのか解らないし設定自体が15分ごとに微妙にさっきと違う。こう言うのって頭が混乱するけど、異国の映画って確かに良く感じる。昔のフランスとかイタリアの映画みたいなもんなら。 ただ、単に不出来な物がエキゾチックな魅力を帯びてしまう映画と決定的に違う。それを狙って作り込んできていると言うところに邪悪さを感じる。こう言うのってなんか不愉快だ。 内容でも許容しがたい部分がある。終盤に、なんでペットの豚を食べなければならないのか。母親が死ななければならないのか。インパクトを狙った原作を機械的な脚本家達が工業製品のように作り上げたんだろうが、そういうやり方が気にくわない。 それから、いちいち食を高尚な物に祭り上げようとするのも不快。お金が無くて本当に食べられなくて、そんなときおいしいと思った食べ物が塩を掛けたパスタだとか、それも食べられなくて飛び出した親元に土下座して戻っておかずがあるしみったれた夕ご飯を食べるとかいう体験をしろとか、それが偉いとか言う意味ではない。でも、単にお金を払ってプロの料理人に作らせた明らかにおいしい食べ物を食べる瞬間が本当の幸せなのだろうか?人間の根本は食、みたいな哲学が本当に嫌いだ。[DVD(邦画)] 2点(2012-03-17 03:11:47)(良:1票) 《改行有》

49.  スコーピオン・キング 《ネタバレ》  危うく史実と勘違いするところだったのは、この映画が良く出来ているという訳ではなくて私がオッチョコチョイだからだ。あぶねえ、気をつけたい。  意外と面白かったのもきっと私がオッチョコチョイだからなんだろう。[DVD(吹替)] 7点(2012-11-02 04:16:25)(笑:1票) 《改行有》

50.  マディソン郡の橋 《ネタバレ》 大昔、これが公開された当時スゴい反響だったらしいことは何となく記憶のものすごく奥の方にある。ちょっと昔これをDVDで見たときにそんなことを思い出した。 主人公とフランチェスカの微妙な関係を首をかしげながら観る一方で、なんかいい話かもと思う気がしないでもなかった。年を取って、いろいろなものが生活に不可分に確固として存在するなか。こんなことの一つでも起こったのなら、きっとその想いにも逡巡しながら、その後を、それまでと少しだけ違う考えをもってる自分に気づいて生きていくんだろうな、と思わされる。 黙っていればきっとそれくらいは悪いことじゃないのかもしれないが、本能的になんか許せない気も。そういう塩梅が実に巧妙。実は原作小説を翻訳で読んでしまったため、その表現の異様さに思わずなんなんだこの教科書ガイドみたいな小説は。と、感じてもいたのだがイーストウッドの作った映画は文章とは関係のない美しさと、受け手にゆだねる倫理観の揺れがハリウッド映画との異質感を伴って作り込まれていた。 冒頭と最後の彼女の家族の挿入が現実感へ引き戻してくれる。やっぱりこの絵空事のようなお話は絵空事なんだ。そりゃそうだ、良いわけがない。そんな気もするけど、やっぱりあの年齢になったときに日常に蔓延する寂しさを少しだけ忘れられたらという願いを持ってしまった人を責めることも出来ないかな。なんて言う気持ちにもさせる。 肉親を捨てて願望を取ったがため、罪にまみれるか。願望を取らなかったがためにむなしさに囚われるか。この映画の良さは、そこで受け手を惑わせなかったところ。前者であれば普通の主婦が最後の時を冷静には過ごせない。家族にそっと遺灰をまいてもらえた選択を出来たことは正解だったのだろう。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-05-22 14:58:45)(良:1票) 《改行有》

51.  ファイナル・デスティネーション 《ネタバレ》 そこそこおもしろかった。 加害主体が誰なのか、何なのか解らないところが良さなんだろう。 スプラッターな感じの話はあまり好きじゃないのだけど、結構楽しめた。 それにしても家の中の角とか尖ったものが恐ろしくなる。机の角とかガクブル。[DVD(吹替)] 6点(2012-04-14 20:43:58)(笑:1票) 《改行有》

52.  沈黙の戦艦 《ネタバレ》 セガールのリアル合気道を見れる初期作品としてはかなりアクションの完成度が高いです。 日本人の演舞以上にびっくりするほど美しく技が決まる様は見ていて爽快そのもの。 あ、内容の方はテレ東の昼間にやってそうな80年代アクションそのもの。 まったくひねりがありませんが、そこになんだか他の作品からワープして来ちゃったパワーバランスが崩壊する主人公降臨みたいな感じなんですよ。 初期の作品群だとこういう味わいになるなんて作ってる側も気づいていなかったんじゃないでしょうか(笑) アクションありきの映画ですが、楽しめます。セガールファンにはマストアイテムでしょう(笑)[DVD(吹替)] 7点(2008-10-04 14:48:37)(良:1票) 《改行有》

53.  スーパーサイズ・ミー 《ネタバレ》 実験というより、一つの方法による実証っていう感じがするけどがかなり引き込まれた。 そもそも有名ファーストフード店の栄養成分て公表されているので、結末に向かっていくに従い誰もが言いたかったことを代弁していくことになっている感じ。 栄養成分を見れば、肥満の原因が内容ではなく量にあるということがわかるのだが、そういうことをすっ飛ばして食べ物を買ってしまうことはよくあり、意外と批難的でもないように感じてくる。カロリーの想定が大きすぎる、とにかく3食食べ続ける、運動しないなど、なにを証明したいのかよくわからないところが、これが逆に一方的にマックを否定しようとしていないという態度表明にも思える。 この映画を観て、アメリカ人が皆大げさで極端で頭がよくないというイメージ通りであったという感想を持つ人も多いかと思うが、実際はこんなに極端で大げさな人間を演じるアメリカ人はアカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートしてしまうほどまれであり、事実ではない。 裁判を起こした肥満の姉妹であっても、一方的にマクドナルドに責任をかぶせて裁判まで起こしたあげく国際的に知られ、ドキュメンタリー映画まで作られてしまう例はごくまれであることは考えなくてもすぐわかる。 この映画の終盤でも何となく表現されているように、ファーストフードが毒物を売っているわけではなく「便利なものの食い過ぎがいけないんだろ」ということと、それがわからない一部の人間にも「簡単に過剰供給してしまう態度」が問題である。このことは現地人に日本人以上に繊細にレビューされている。 イメージや敵意が先行した結果としてこの映画の結論的な部分を誤って受け止めてしまわないように気をつけたい。そういえば日本的健康愛好者的視点も気分の良いものではないように思うが、アメリカに茶化されないのは日本の存在感の低さだろうか。キャッチーなくらい気持ち悪いのに。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-05-10 16:19:19)(良:1票) 《改行有》

54.  ペット・セメタリー(1989) 《ネタバレ》 死んだ者にはもう逢えないという、当たり前の事実に抗おうとしてしまう狂気に切なさと悲しさと恐ろしさが同居する。ところまでは良かったけど、やっぱキングなんだよなぁ。 それを察知して自宅へ急ぐ母親が、殺される意味が分からない。この辺がキングならではで、わざわざ殺されに行って、わざわざ墓地に埋められるというあたりが凄くらしい。前半あれだけキング映画らしからぬクオリティで映し出される名作のにおいに、正直こんなはずじゃないだろ?キングの話はこんなもんじゃないというフラストレーションを打ち砕くに十分なへんてこな味わいを後半見事に表現。 私は一切脳内補正を掛けずにキング映画を見るのが大好きなわけだが、この映画の微妙なキング味には相当満足している。主要キャラが堂々と伏線を台詞で張り、全然無関係な人物が霊的な存在になり主要キャラを導くと思ったら全然意味なかったり。ただただ暗かったり。 キング映画としてのクオリティは最も高い作品だ。映画としてのクオリティと全く関係が無いところがミソだ。[DVD(字幕)] 6点(2010-05-04 16:28:37)(良:1票) 《改行有》

55.  暴走特急 《ネタバレ》 とにかくすごい。 とんでもなく美しい動きで悪人がばったばったとボコられていくさまは爽快そのもの。セガール様の演舞もすさまじいですが、演舞以上に美しくテロリストがボッッキャンボッキャン往かされます。 終盤の追撃シーンでは、不意を突かれたセガールが床に倒され馬乗りされますが、そのシークエンスがすごすぎます。 倒されながらガードポジションをとり、相手が自分の顔にふれることが出来ないようにクビを抱え込んで、肘と足で相手に痛みを与えながら反撃、体を入れ替えてあとはセガール拳。 95年にこういう攻防を、映画の中でやってます。セガール様はマニアックな方です。当時の客には、「馬乗りされても無敵なだけ」と、まったく伝わってなかったと思います(笑) 動きも鮮やかですし、やっぱり初期セガールは良いですね。内容はそこそこ面白いですよ。ライバックが乗っていると聞いただけで心が折れてしまう敵軍団は必見。冗談かと思うくらい彼らのやる気がグダグダになります。映画でこれをやる豪腕が凄い。[DVD(吹替)] 9点(2008-10-04 14:59:26)(良:1票) 《改行有》

56.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 うん、10っ点。これは面白いもん。 テレビ版から観ていて、アホかと思うくらい中身がないけど器は大きく大変しっかりしているこの話にいつか中身を入れてやればいいのに。と思っていたら軽やかにやってくれました。 これまではどうもえげつないやり口で物語を支離滅裂にパラレルで展開していったあげくちゃんと完結してない(というかどうも収束へのプロットそのものを考えていない)という状態には閉口した。 今回ちゃんとした客が求めてるものを理解したのか新版では急に作りがプロっぽい。 これまでの、異常者のような大人が異常な大人になり始めた子供と傷をなめあう様は、グロテスクな戦闘描写と相まってサブカルチャー的なおもしろさを爆発させていた。とはいえひたすら見た人の未成熟さにつけ込む。観てる子供をキャラの台詞や攻撃性に共感させるだけでなく、空設定を理解している気にさせて引き込む技を繰り返して、中毒症状を起こさせる技術でしかない作りにはかなりイライラさせられた。 今作ではちゃんとした「話」としてちゃんと「造り」にきてる。嘘くさい狂ったような気持ちの悪さはちゃんと考え直されている。人の気持ち悪さは理由付けがあるPTSDのようなものに置き換えられて、世界観の嘘くさい気持ち悪さは妙なリアリティを造って抜けられなさという絶望感をきちんと造ってきている。これにより嘘くさい人間描写に煩わされずストーリーに集中できる。 相当練り込んであり、同じロボットアニメでも戦争中の口げんかでそうかもと思わせる技法に頼り切りのガンダムとは明らかにジャンルが違う。比べたら失礼か。出発点はほとんど同じだったはずだけど、「作品」であることを捨てて関係者を食わせ続ける道から外れないという責任を選んでいるガンダム業に対し、エヴァンゲリオンは映画という媒体で作品という形で自己完結することができそうだ。 でも一つ気になるのは性描写というかサービスカット。ものすごい勢いでパンツや胸がバンバン出てくるんだけど、子供が観るのは良くないような気がする。大人が観る分には全然かまわないしもっとやっていただいてもかまわない様な気もする。でも子供の裸は微妙に罪悪感のようなものもあったりする。[映画館(邦画)] 10点(2009-07-20 04:04:24)(良:1票) 《改行有》

57.  バタリアン 《ネタバレ》 テレビ放映の映画の良さが一杯まで引き出されていた。 親戚とか友人と何度も録画を楽しんだ思い出がある。 原語のユーモア以上に、明らかに笑ってしまう台詞作りとその表現は最高クラスではないかと思う。 「バタリアン 吹き替え」で検索をかけると金曜ロードショウ版の吹き替えだったようで、確かにこれのような気がする。 テレビ版の吹き替えが入った映画もたくさん出ていると思うけど、これもおそらく出れば購入してしまうだろう。 どうやらかなりの数の吹き替え要望があるようだけど、発売元に全然その気がないようだ。 なぜ人気があるのか全然わかってないな。と思う。 しかも最新版は値上げまでされているようで、廉価版と同一内容。 発売に関わった人間が客を馬鹿にしてるのが生々しく伝わってしまい不愉快。 原語版は秀作、吹き替えは傑作、字幕は吹き替え準拠で元の雰囲気がメッタメタという変な映画。 吹き替え音声を是非入れてほしい。[地上波(吹替)] 8点(2009-05-18 03:58:59)(良:1票) 《改行有》

58.  ポルターガイスト(1982) 《ネタバレ》 そこそこ。 ストーリーは良くできているが、やり方がいかにも80年代。 品質自体は高くも低くもないというところではないかと思う。 スピルバーグっぽい流れと、あくまでも家族で観て親が怖がる子供を見守る風景というか、そういう優しさがあふれているところが私は好き。良い映画か悪い映画かというと、良い映画だと思う。 小さいときこの映画を観ていた私は、怖くなって振り向くと両親が笑いを返してくれて、何度も安心した。そう言う作品を作れるのがハリウッドの優しさだろう。物語に大切なことっていうのは大仰さや高みばかりではない。志って言うのはどんな方向を示していてもまっすぐなことが大事なんだと思う。[地上波(吹替)] 6点(2011-10-08 03:22:38)(良:1票) 《改行有》

59.  Kids Return キッズ・リターン その男の次にちゃんとしてると思う。 そんなにつまらなくないと思うし、雰囲気もあるけれど、雰囲気とか映像とかそう言う事で絶賛されるのってなんか違うように思う。 大昔の前衛的な作家が、メチャクチャな作風で変な世界観を作り出した小説群があるけれど、それを文芸界が内輪受けしているような雰囲気。 そう言う、普通の人にあまり伝わらない部分がなぜか普通の人に浸透している奇妙さが心配。 北野映画は普通の人の映画観を浸食しているような気がする。 だけど、浸食されている間はなぜか心地良いから困ったものだ。[地上波(邦画)] 6点(2009-01-04 02:39:32)(良:1票) 《改行有》

60.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 良い邦画。 とにかくCGの使い方が巧妙。なんかギトギトしていてゲームのムービーみたいなんだが、それがアニメのような効果を生んでいる。たぶん意図していないんだろうけど結果オーライ的な良さ。 それが不思議な架空の昭和時代に誘ってくれる。寅さんとか石原裕次郎や黒澤映画に漂う、じっとりした空気感ではなく、清潔で現代から文明が飛び出した部分を切り落としただけのような不思議な街。お年寄りに言わせるとこれが良いらしい。本当の当時っていうのは暑くて寒くて汚くて不便なだけだったとか身も蓋もない事を言ってしまいつつ、「でも生活の中にいろんな事があった」とこの映画の美しい昭和に自分の思い出を合体させて懐かしむ。 このもくろみは大成功だったといえるんだろう。どの年代が見ても楽しめて、思い思いの昭和をかみしめる的な。 この世界の中で普遍的な感動劇を様々なキャラが演じるとなれば、もう泣くしかないでしょ?いい話だった。見終わった後、全編通じて学生時代だった90年代を振り返った。昭和を生きた人たちと自分の年代、不便の度合いは違うけど自分の子供時代を同じように振り返るんだろう、きっと。この後の年代の人もずっと延々とそうだろう。 特別な時代だけど普遍的。そういうテーマって優しくて良いものだ。[地上波(邦画)] 8点(2012-05-17 17:07:00)(良:1票) 《改行有》


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