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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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61.  ルパン三世 DEAD OR ALIVE 《ネタバレ》 モンキーパンチ的な作画にちょっと感動した。 ファーストシーズンのような固めの絵に、心躍ったがそれは長く続かない。 ストーリーが年に一回のテレビムービーのようで、全然新しさが無かったからだ。 カリオストロを後にした、泥棒としては焼きが回ってしまった1968年のルパンではない、年を取らないルパンの方にはどうも違和感を感じてしまう。キャラクター原案をしたモンキーパンチは、ルパンのキャラクター造形に一つのこだわりがあるようなのだが、自身が作り出したかつての大泥棒で荒くれだったルパンはここにはいない。 アニメ版のルパンを作るために、ルパンに詳しい漫画家をお招きして、アニメ版の雇われ監督としてそれ以上のことはしてもらわなかった。そういう雰囲気だったのが残念。 作り出したルパンというキャラクターをテレビアニメが育て、育てた者達の手を離れ制御不能になりかけたルパンに、宮崎駿と大塚康生がそっと幕を引いた。育てた彼らは道化や猿回しの猿になっていくルパン達に我慢が出来なかった。 その結末に納得がいかなかったのか、それとも元の、昔のルパンにもう一度会おうとしたのか、モンキーパンチは奮闘したけれどうまくいかなかった。 大人の事情って怖い。[DVD(邦画)] 6点(2012-04-29 08:29:11)(良:1票) 《改行有》

62.  マネキン 今みたらつっこみまくりそうなんですが、15年前子供の頃にみた自分が言っております。 名作であると。 スターシップの主題歌が今でも大好きで時々鼻歌歌ってます。 懐かし補正はこの映画だけ、思い出の映画です。 と思ったけれど、突っ込まない。この映画は突っ込んじゃいけない。 なつかし補正も気にしない。 良いモノは良い。 大事なモノは大事。そうじゃなきゃいけない。[ビデオ(字幕)] 8点(2008-08-17 01:21:57)(良:1票) 《改行有》

63.  バリー・リンドン 意外と面白くない。時代とか世界とか衣装とか、そういうのは目を引くし飽きない。 でも話がつまんない。題材は良いと思うのに、つまんない。 この長さにしなきゃいけない理由もよくわからないし、2時間に収めるのも技術のうちなんだと思うけど、放棄しちゃってないだろうか。時代物の大作というカテゴリーにあぐらをかいちゃってるような気がしてならない。 アカデミックな雰囲気をまとえばどんだけ長くても許されるみたいな雰囲気がこしゃくな感じがして全然感情移入できなかった。 こういう玄人受けを狙った作りであれば、愛好家同士で良作だよねって話し合っていればいいと思う。面白い映画が単純に好きである、と言う人が観て面白いか?オレは全然面白くないと思う。と素直に感じてしまった。 一緒に観ようと言われて、二人で観たわけだがスゲエつまんねえなオイとは言えず「なんか、全然面白くなかったね」とどうでも良いところで気を遣ってしまったのも妙に自分に腹が立った覚えがある。 自分の感性からすると万人受けしないと思うんだけど、なんで平均点が高いんだろう。 画的にはすごいなって思うし、話はわくわく感があるけど脚本になってみるとスッゲーつまんないと思うんだ。 絵に描いたような「意外と面白くない映画」っていう感じだし、絵に描いたように「期待しなければひょっとしたらひょっとするかも知れない映画」だと思う。 でも「ひょっとしてしまった」人の多さに、自分の感性の鈍さと単純さにがっかりしてしまった。 そういえばキューブリック作品であると知ったのはみてから何年か経ってから。平均点にキューブリック補正掛かってるってことは無いだろうか。[DVD(字幕)] 4点(2009-07-26 01:25:32)(良:1票) 《改行有》

64.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 子供の頃に、テレビで流れていたのをみていたく感動したのを思い出して再見。 リカコのあのキャラ。そうそう、クラスのかわいい子ってあんな感じだったか。 中高生くらいの時ってなんで、相手の性格に関係なく顔だけで好きになっちゃうんだろうか(笑) 杜埼の朴訥な感じと松野のああいう友人関係って言うのもなんか良いですね。 ずっと続いていきそうな、だんだん疎遠にもなりそうな感じが。 松野がリカコのことを吹っ切れているかの描写はないんですが、かなりの現実路線であることを考えると、 一番の進学校からイケメンが京都の良いとこの学校に進学してりゃぁ、そりゃしばらくすればあっという間に過去のことになってしまうんでしょう。 一方で終わったことが、いきなり駅で始まりになってしまって、いろんな事情を抱えた美人との恋が始まってしまう杜埼の方に、 エンディングの後のドラマ性を感じたりもしますね。 こういう話は色々な嫌な思い出と良い思い出が色々よみがえるからあんまり見たくはないんですが、 受け手の心情を悪い方に引きずらせない見せ方が上手いですよね。 それからちょっと出てきた成城学園駅のあの角度のあの風景。ギュギュギューって締め付けられるような思いが。 吉祥寺駅のあの風景とか、磁気式の改札機とか、ちょっとした風景でいろんなのがわいてきました。 ま、よく考えて見りゃ良い思い出ばっかりでもないんですが(笑)[DVD(字幕)] 8点(2009-01-04 21:16:42)(良:1票) 《改行有》

65.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 ただただ最高としか言いようがないです。 アクションシーンは対人、カーアクション、スタントすべて満点。 そして今回はパメラとヴォーゼン(だっけ)の攻防が苛烈に描かれていて、その一進一退の口げんかがものすごい。 台詞がアクションに変わってしまう緊迫の探索シーンは必見。 今回最大の見所は、ニッキーが暗殺者に追われるところ。 シリーズ最強の格闘アクションを見ることが出来ます。ところでニッキーが逃げ、暗殺者が追いかけ、ボーンが追いかける。このシーン、どうやって撮ってるんだ?っていう位カメラワークがゴリゴリと食らいつくのです。 ものすごい技術。 この3連作は、ドキュメンタリー的なハンディカム視点が売りなので、吹き替えにすると環境音が消えてしまって映像と音がぎくしゃくしてしまう。吹き替えの(台詞のミュート?)技術が全然進んでいないと言うことに気がついた。 セガールものや刑事物には絶対必須と思えるほどソースにマッチしているけれど、すべての映画に関してそうではないようだ。 ただ、酔ってしまうという方は吹き替えで見てみてはいかがでしょうか。 デメリットよりメリットの方が多いと思います。[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2008-10-04 18:03:34)(良:1票) 《改行有》

66.  ユニバーサル・ソルジャー 《ネタバレ》  僕らが大好きなエメリッヒ大先生の何十年も前の映画だ。それでも既にエメリッヒはエメリッヒしていて、その設定と特殊効果には小躍りしてしまったもんだ。素敵なガジェットやハードな設定、そして存分なアクションがそれらを完全に忘れさせてしまう、というかエメリッヒ様が忘れてしまっているのかもしれない潔いストーリー展開は子供の心を釘付けだ。  この後に作られたスターゲイトなんかも僕らの心を鷲掴み。エメリッヒさんマジ半端ねえよとクラスで話題にもなった最初の作品だった。  人生のいろいろな段階で待ち受けるエメリッヒ作品群。本当に驚異の連続だった。で、様々な変遷を経て現在超災害マエストロへとクラスチェンジを果たすわけだが、この頃の僕らはその事をまだ知らない。  で、ファーストフード店でモスチキンを喰らいながら僕らの話題はいつだって、 「もうメチャクチャだよなリッヒ様」 「ストーリー位覚えてから撮り始めた方が良いんじゃねえか?」 「いや、だからメチャクチャじゃなきゃまずいだろ、エメ閣下は」 「どうでも良いけど何回死んでもおかしくない」  これが毎年繰り広げられるほどのペースだから凄いんだ。ローランドエメリッヒというお方は。[ビデオ(字幕)] 6点(2012-12-03 23:52:58)(笑:1票) 《改行有》

67.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 アレ、おかしい。面白い。凄く面白いし良く出来てる。 伊坂幸太郎っぽさって実はあんまり反映されていなくて、台詞回しとかキャラクタの心理描写なんかが上手く演出されてしまって元の味わいはない。おなじセリフやシーンなのに違う感じがするのは映画というものの性質上仕方が無い。 で、どうかというと結構良い。文字だとどうしても表現のしようが無い部分が簡単に画で迫ってくる。とは言え、迫力と引き替えの緊迫感のトレードオフなんかも生じる訳で、この辺はやっぱり割り切って楽しめる。 話はやはり良い。どうにもならないけど、どうしようもなく存在する恐怖感というのは結構古典的だ。プロット的には一般的な陰謀のど真ん中あたりを想定していて、ありきたりな「こうではないか」を聞いたら「そうですよ」と言われかねないほど画に描いたような暗殺の陰謀だったりするのだろう。つまり誰の手にも負えないリアリティの中に放り込まれたフィクションの人物劇であって、彼が勝ち残れる望みははっきり言って無い。個人や個の集まりなんていうものは社会や世界インフラの中ではその利用客体に過ぎず、主体的な改変をなし得る存在ではない事実が主人公に襲いかかる。それを最後まで完徹して見せて、見えてくるのが本当のテーマ、個の限界性と「とにかく死ぬな」だ。 恐らく打ち破る話というものを期待してしまうとがっかりしてしまうのだと思う。だけど、とにかくどう言う形になったとしても生き残った。殆ど何も持っていないし、生き残った後に元通りの大きさの幸せがある予感も全く無いのだが、それでも生き残って人を気遣う気持ちを残している。 良かった。ほんとにそう思うのだった。[ブルーレイ(邦画)] 8点(2012-03-27 00:15:09)(良:1票) 《改行有》

68.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 良い。もうですね。胸キュンですよ胸キュン。どこかすすけた様なあの町並みと、何となく先が明るくない様な家族や社会っていうのが上手く働いていて、感情移入するポイントポイント一つ一つですごく入り込める。 映画やテレビで見るイギリスって常々あんまり住みたくねぇとこだな、って感じられるんですけどその演出が作中良い方向に作用してるんですよ。巧い。子供たちの世界って言うのがまた懐かしく、二人の世界観が見事なまでに学校生活や家庭とかみ合ってないっていうところの処理が甘いだけにそこが強調されて余計胸キュン。計算してるのかな、してるんだろうなぁ。 最後二人は駅まで逃げていくけど、次の日怒られるんだろうなぁ。全校集会とかになっちゃって大変だろう(笑)夕方までがっつり新婚旅行してきてください。学校から脱走しててデートかぁ、胸キュンだなぁ。 そうそう、この前やってた日本の胸キュンアニメ映画を見ていても思ったことに、すでに回答がここにあった。 「スカートの丈が短すぎたら実写じゃ無理だよね」 すいません、無理じゃありませんでした。もっと短かったです。イギリス人スゴい。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-09-06 18:05:19)(笑:1票) 《改行有》

69.  息子の部屋 ヨーロッパのこの体の映画は国営放送の60分番組でやれば良いんじゃないかといつも思う。言葉が全くわからないのでフランス映画だと思っていたが、そういえばイタリア映画だった。 テーマや設定は良いけれど、娯楽的な映画フォーマットに落とし込まれていないので、それをどうとらえるかということになると思う。ストーリーを放棄してしまっているような映画でドキュメンタリー的に見せることもうまくない。その代わり文芸的側面が高くて難しい映画を見たんだという気になれる。ヨーロッパのこういう雰囲気を理解すること自体が難しく感じる。こういう風に感じても製品として高度に練られている側面もあるから。本物の同人映画は半端ではない。そういう出来不出来で語るレベルではなくきちんと完成しているからスゲーと思う、全然面白くはないんだけれど。 アメリカで高評価。だけどその背景には日本に入ってこない優れたアメリカ映画も年中ガンガン観ている人たちが、一風変わった作品としてヨーロッパ映画を受け入れる余裕を持っているからではないかと思う。たくさんの人が微妙な部分を実にうまく受け取っている。 そもそも彼らは映画というものを芸術という概念で観ていないのではないか。我々が思っているよりもずっと、というか我々よりもずっとアメリカ人は懐が深く理解がある。どのような価値も受け容れて面白いと断ずる能力はたいしたものだと思う。 が、だからといってこの映画全然面白くないよね?そう思っているのは自分だけなのか。謎である。[DVD(字幕)] 4点(2008-08-15 12:40:38)(良:1票) 《改行有》

70.  白い肌の異常な夜 《ネタバレ》 なかなか面白い。テレビ放映の吹き替えが作り出す微妙な雰囲気はまた少し違う異世界に連れて行ってくれる。 イーストウッドのイーストウッド像が、いつもの格好良さとは違う憎らしさをまとっている。浅ましさや汚さが文字通りの穢れのような物を象徴する本作では、主人公の主人公然としない行動に説得力を持たせている。この不快感がたまらなく良い。 女たちの嫉妬心を描写するそのイメージが、いちいち固定的観念的で良い。そこに薄汚く歯車を合わせていく主人公が破綻無くスムースに破綻を招くというプロットは愉快ですらあるが、やはり不快なのだ。そこにこの映画の核があるのか。ほんとのところこの映画のどのあたりがどのように面白いのかというのは具体的には言いにくいが、やはり画面上に表れないが存在する感情という部分に惹かれるのだろうと思う。 それとやはりテレビ東京の昼の時間帯に微妙な音質の吹き替えで、くすんだ映像が放送される効果の大きさか。本来この映画の中に存在しなかった、変な実在感が浮き出てくるのである。[地上波(吹替)] 7点(2010-04-03 20:01:28)(良:1票) 《改行有》

71.  ぼくのエリ 200歳の少女 《ネタバレ》 うげぇ。これしか出てこない。 意図的にハーフスピードで区切られているとおぼしき間は、この映画の映像と様式を人間の世界にない美しさに昇華させて、そこに置き去りにしてしまった。 いや、違うな。置き去りにされたのはむしろ私の方で、この映画が一人で高い遠いところに行ってしまったんだと、見終わってから気づく。美しい情景に、凄惨な殺害が重なっているその場面に視線を保っていられなかったのは私。酷い有様になった死体が引きずられていく時だって、対比もせずに美しい世界は美しい世界のまま死体が引きずられていく。 この世界に嫌悪感と恐怖感を覚え、そこに近づくことが出来なかった。 美しい少年と少女の愛情は、何世代にもわたって何人にも引き継がれ続けていくのだろうか。それとも社会の高度化とともに彼女と彼女が愛した人間の居場所は消滅してしまうのだろうか。その寂しさをかみ砕けないまま、エンドロールが始まり私は黙りこくってお茶を口にすることしかしなかった。 だからホラー耐性、スプラッター耐性が低いとこう言う映画は全く楽しめなくて損をする。うわぁ気持ち悪い。[DVD(吹替)] 4点(2012-05-01 02:28:13)(良:1票) 《改行有》

72.  刑事ジョー/ママにお手あげ 《ネタバレ》 ヤベェ、そこそこオモシレェ。いや、スゲェオモシレェ。 ここまでやるか。ラスト・アクション・ヒーロー以上の壊れぶりだ。なんかどこかわからない典型的な風景なんだけど、それすらぶっ壊すなこのおばちゃん。 こういう、今までハードな役柄で固定していた主役級俳優が壊れる映画って言うのはいつも楽しませてくれるけど、これってやばいなぁ。どのくらいまで壊すかっていうのは重要なさじ加減なんだと思うけど、これは壊しすぎたか。本人のキャリアに深刻な後遺症を残してしまったようだ。その分ツボにはまってしまい、人に勧めると必ず芳しくない感想を聞かされる。 この中途半端な脚本と、いかにもC級な舞台設定に本格的なキャラ破壊を乗っけるから、このものすごい微妙な味わいが出てくるんじゃないか。と、説明してわかってもらえたことがない。 この頃までは確か人気があったと思うんだけど、コップランドを最後に落ち目になっていったように記憶している。そういう、墜ちていったかつてのアクションスターの墓標のようなものだって言う認識はわかる。わかるけどさ、違うじゃん。これ違うじゃん。 ちゃんとおもしろいんだってば。このどうしようもないラストとか、ちゃんとしてない展開とか、狙ってるんだからさ、たぶん意図的なんだってば。証拠はない。でもたぶんきっと、ちゃんと狙ってるんだって。 万が一そうだとしてもつまらないよね?と言われてつらい。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-19 20:53:15)(良:1票) 《改行有》

73.  平成狸合戦ぽんぽこ 《ネタバレ》 正直、説教臭さとか説明臭さとか、嫌いじゃ無い。と言うかむしろ好き。ナウシカのように美少女が生物や環境を護る説法や、物の怪のように旧世界の叡智や驚異を尊重する話、千と千尋のように礼や職業の大切さを気付かせようとする話、こう言う物をアニメで見せられてさえ説教臭いと切り捨ててしまう方が違和感を感じる。現実に即した主題であればそのような方向に収束するのは当然、というかそう収束しなければ落としにくい。  平成狸合戦ぽんぽこの場合はどうだろうか。バブルを反省するかのような出来事に、狸たちが立ち向かう。何かの団体を狸に置き換えた所にソフトさを見て取れるが、実際はいったん人間で作ったプロットを一つ一つ狸に置き換えて再構築したようなリアリティが匂う。  主人公である狸たちにどうしても観客は感情移入しなければと思うが、彼らの性急で頑なな考えには賛同しかねてしまうところが本当の言いたいところだったのだろう。  そうするとどうだろう。  せっかくジブリが制作したアニメが、狸の皮を被って思想劇を始めてしまう。フォーマットは至って子供向けなのだが、そのままの形で重厚な異質を描いてしまう事が大人にも子供にも、説教好きにもそうでない人にも白々しい空気を吸わせてしまったのでは無いか。  簡単に言えば、ジブリのスタッフを使った時事ネタで実験した程度の話だろうか。当事者は使命感に燃えてやったのだろうけど、アニメ映画の役割がそう言う物だろうかと考えるとどうしても、 「それは子供向けアニメで主張する類のテーマじゃ無い」  と言いたくなる、本当はそうでなくても。だけれど大きな違和感がそう言いたくさせる。組み合わせて良いものとそうで無い物の境界線を越えているからなんだろう。  その内再評価されるかもしれないが、当分先だと思う。[ビデオ(邦画)] 6点(2012-12-06 15:48:55)(良:1票) 《改行有》

74.  ジャーヘッド 《ネタバレ》 面白かった。良作。 はっきりと分かるのは、アメリカ人にとって戦争とは朝鮮戦争以降のことだろう。朝鮮戦争やベトナム戦争にしても、クラシックな戦争で今現在の戦争というイメージではないと思う。 そういう意味では、やはり第二次世界大戦というものはさらに古典戦争の世界で、歴史の教科書に出てくるテスト対策のような話なのかもしれない。日本人が第二次大戦中の話をみて涙し、これを風化させまいという話を一生懸命作り続けているのとは違い、アメリカでは常に変わり続ける戦争の意味を賢明に現実とすりあわせようとしているかのようだ。 アメリカ人にとって、戦争はずっと続いている(お祭り的な意味ではない)イベントの一つなのだろう。そこでは常に日本人が幻想を抱く第二次大戦中の悲劇と同種かそれ以上の苦しみが現存し、それを放置し国益や自国民の生命を損なうことすら無かったことにする、他の西欧圏諸国とは違う現実主義が横たわる。 アメリカの身勝手、のように豊かな地域のアジア圏ではねじ曲げられて良いように紹介される戦争は、常にアメリカだけではなく中東との共存を描く西欧圏全体の秩序を乱す組織的な悪の存在が根源となっている。中東だろうがアジアだろうが、ビジネスの場であり生活の場でもある、単なる地球上という場所をテロリスト的な集団(いろいろな規模を包括して)が思想と暴力で蹂躙しようとする。その集団の主張をなぜかテレビや雑誌が拾って真剣な顔でアメリカ批判をする状況は少し異様ではないだろうか。 そういった批判は少なからずアメリカ国内にもあるようだが、そんな中戦地に赴いた主人公達の任務は、戦闘と呼べない相手側の脆弱性に耐えることだった。古典戦争の世界にあった闘争はそこにはなく、はっきりと異質になった現代戦争の有様は、気持ちの悪い、国家ではない思想的な何かを相手にした、それに対する準備を強いられる毎日だけだった。 武力と恣意の危険な思想集団は今もその脆弱性や攻撃誘発性を巧みに操り、同情を引き相手方の主張をぶれさせ同化しようと奔走している。それはこの映画に具体的には描かれていないが、すでに共通認識としての下敷きとしては明らかに存在する。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-11-23 15:20:46)(良:1票) 《改行有》

75.  スーパーマン(1978) 《ネタバレ》  全身タイツの男が悪と戦う。今これをやるならば、大変な困難を伴うのは明白なのだが昔であったり、受け手に幼さを残す感受性があるならその難題は強力な武器になって物語は勢いをつけて走り始める。  クラークケントの人間性を美しく描写してのけたこの作品は、現代には得がたい産物となってヒーロー像の再定義をした。  とか何とか言って、ビュンビュン飛び回るスーパーマンとロイスレインのロマンスにあこがれて何度も何度も繰り返して見た。間違いなくおもしろい。[ビデオ(吹替)] 8点(2013-08-13 23:05:38)(良:1票) 《改行有》

76.  紀元前1万年 《ネタバレ》  街でヘンテコな健康器具を売っているのを見かけた。どう考えても理にかなっていないんだけど、自信満々でその販売員はヘンテコな実演をしていた。お年寄りをターゲットにしている様子だが、そのお年寄りがあらあら大変ねなどとかなり上空からの視点でねぎらいの言葉を掛けて立ち去って行くのだった。その後あれは売れていったのだろうか、翌週興味半分でその売り場に行ってみたらもう彼らはいなかった。  この映画ももはやそういうものなのかもしれない。自信満々でそう言うものですよと繰り出す謎の古代。そうなんだ、一万二千年の昔はこう言う世界だったのだ。そうだそうだ。そうやって上手に欺されてあげて、自己洗脳して初めてエメリッヒの映画は楽しめるんだよな。  ならば、難しく考えなくたって良い。胡散臭いヘンテコな健康器具を騙されて買っていく老人はきっと高度な自己洗脳と、思いやりでそうしているのだ。これを面白いと思っている僕らはエメリッヒが大好きなんだ。胡散臭い時代考証を受け止めて、思いやりの心を持って紀元前一万年を鑑賞しようではないか。  ゴールデンタイムの歴史ドラマで25歳の女優が7歳児を演じた日本において、この程度の考証で動じてはならぬのである。[地上波(吹替)] 6点(2012-05-31 04:09:10)(良:1票) 《改行有》

77.  スター・ウォーズ/帝国の逆襲 《ネタバレ》 傑作。最高に盛り上がる。  4の黒沢みたいなそれっぽい雰囲気は無くなったが、その代わりに「絶望感」や「出口が見えない閉塞感」というこの手の話には欠かせない感覚が埋め込まれている。 一つ一つのエピソードが重圧を持っていながら、それぞれに解決が施されているため、受け手に耐えきれないほどのストレスを与えない気配りをしながらも、共和国(共和国というものを善の終着点と定義していたのか?謎)が追い詰められていく物語の方向性は、巧妙かつ計画的だ。旧シリーズがここで推進力を得て、日和ったとしか思えない方向に行っても、残った力でうまいところまで飛ばしてしまわせることに成功している。 一方で、6があんな風に終わってしまうからこそ、こんなにも何もかもうまくいかない5が重圧を掛けてきても発散を求めて耐えることが出来るのかもしれないし、30年前のシリーズものとして早すぎたがために現代に見ても、良く出来すぎた昔の映画ということになるのかもしれない。[地上波(吹替)] 9点(2009-11-15 20:19:05)(良:1票) 《改行有》

78.  大脱走 わかりやすいということがいかに楽しいか、ということを剛速球で体現する。 高尚であろうとする映画もアリだと思うし、面白いもの。 それでも映画というものは大量に売られる基本2時間の動画であることを考えると、絵画や彫刻とか、それ自体芸術として成立するものとはちょっと違う。 そこに対する挑戦心のようなものが芸術的な映画が生み出される原動力になっている要因の一つだと思う。 でも、芸術家として評価されようという動機ばかりが強く、芸術としても映画としてもそれほどうまく機能していない映画も多い。 そういう作品ばかり見て、自分まで高尚になった気でいられる時間よりも、大脱走をみていつまでもおもしろさの余韻に浸っていられる時間の方が遙かに建設的だし、何よりも長い。 もういつみたか覚えていないほど昔にみたのに、シーン一つ一つがすぐ思い出せる。 その記憶がまた楽しい。 こういう剛速球型の映画を観ると、いかに映画が楽しい媒体なのかがよくわかる。[地上波(字幕)] 9点(2009-05-01 13:52:36)(良:1票) 《改行有》

79.  テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》  前半こそ日本文化を絡めたコメディだが、後半急に 「垢すり」を始める。他にも「オンドル」である。他の言語で説明するとKorean floor heaterである。ジーニアス英和辞書にも明鏡国語辞書にものっている正真正銘の韓国文化だ。  地面にむしろを敷いて寝転がるサウナ。韓国のチムジルバンを想像させるための言葉をわざわざ選んだのだろう。このあたりの意図がテレビ的で、映画や本では絶対にやらないというかやってはいけないところではないかと思うのだが、どうだろうか。  よもやWikipedia程度の取材もしなかったのではないだろうかとは思わない。多様な「湯治」など、首都圏に住んでいれば箱根だの鬼怒川だのにあり、小一時間でいけることを数千万人が知っているのだから。    当たり前の、常識以前の日常に反旗を翻して、映画にこう言う仕掛けを施すのはいかがなものか。日本の文化と韓国の紹介をしたいのであればそのシーンは普通に韓国文化にも驚くローマ人でも良かったのでは無いだろうか?  日本の文化に韓国の名称を使ったり、韓国の道具を堂々と出してみたり。話もそれに合わせて突然印象が変わるなど、放送事業者の大人の事情があるのだろうがあまりにもそれが支配的で卑屈ささえ漂う。  たかが温泉じゃん。別にどっちだって良いよ。確かにその通りで、私自身温泉にも湯治にも全く興味がない。ただ、この映画の表現するところが、アメリカの食べ物がフィッシュアンドチップスで彼らがとても聞き取りづらい英語を話しながらパブに通い、フランス人が女王陛下に敬意を払って紅茶をたしなみ、ジャーマンポテトをビールで流し込む様を戦国武将がのぞき見する類いの、現実とのズレに創作のおもしろさを狙ったものではないだろうという事に居心地の悪さを感じる。[地上波(邦画)] 5点(2013-04-24 20:47:19)(笑:1票) 《改行有》

80.  ナチョ・リブレ/覆面の神様 《ネタバレ》 割と面白かったと思う。 何も持たない人が、自分の中に僅かに残る憧れというか力というか、そう言うモノに何となく強く突き進んでしまうプロットは悪くないと思った。 登場人物らに疑念が無く、見ているこっちもあんなに綺麗なシスターがくっつくわけ無いじゃんと言う邪念を払ってみさせるバランスはなかなかにウマいんじゃなかろうか。 毎日がスッと過ぎていく人間には、この画面の中にすぎていく時間のゆっくりさにはなんというか憧れのような感覚が沸くのではないかと思う。そういう見せ方も何となくいいなぁって思った。 最後の決戦なんかも、素直に応援できた。何でだろう。 純粋な気持ちで見た方がどうやら面白いようだ。ジャックブラックが好きなので余計面白く観ることが出来た。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-04-25 19:33:20)(良:1票) 《改行有》


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