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81.  search サーチ 《ネタバレ》 こうゆうアイデア1本勝負な映画、けっこう好きです。FaceTimeつけっぱなしにしとく感じとか今風だし、各種ネットサービスやSNSが総出演でちょっとした文明批評っぽさもありますが、頭でっかちにならず、あくまでエンタメに徹しているのがいい。途中から、監視カメラ映像やらテレビ映像やらも(PC画面上で再生しているという想定とはいえ)出てきてルールがややルーズになる感じとか少し残念。あと、PC画面上での設定だとリアルタイムと録画再生が混在して時間軸が複雑になるので、このあたりのギャップを使ったトリックなんかがくるかなあと思っていたのですが、思った以上に話はストレートで二転三転しても複雑さを感じることはほとんどなく、ラストの結末には少々物足りなさを感じたり。でも、この作品の推しは、やっぱりサスペンスのプロットというよりは、PC画面という制約を生かした表現。それゆえの緊張感もあるし、チャットでの「入力中」のサークルがぐるぐるするやつとか、いったん書いたものを書き直す感じとか、この設定だからこそできる感情やコミュニケーションの表現は新鮮です。過大な期待は禁物ですが十二分に楽しめる1本。ぜひ、PC画面で見て下さい。[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 6点(2019-02-28 14:59:22)(良:1票)

82.  ハート・ロッカー なぜか劇中、主人公に振り回される同僚サンボーンの気持ちになって見てました。こういう狂気スレスレの主人公というのは戦場ではたいへん優秀だったりするわけですが、これまでの戦争映画にありがちだったヒロイズムを徹底して廃した映像から、この主人公が戦場においても極めて迷惑な存在であることが伝わってきます。そんな主人公がヒーロー化しかける後半の展開がお見事。ヒーロー化したって結局は迷惑度倍増で部下に罵られる始末です。このあたりから、僕はひたすらサンボーンの無事の帰還を祈ってました。そんな私は、この作品の「真意」をつかみ損ねていると思いますが、映画的にちゃんと見せ場を作って盛り上げつつ、同じようなテーマを描いていた『地獄の黙示録』やら『プラトーン』のほうが断然よかったんじゃないかなと思いました。[DVD(字幕)] 6点(2011-01-16 00:45:52)(良:1票)

83.  バクマン。 《ネタバレ》 原作未読。内容的には「好きなものは好き!」というど真ん中の青春映画だけれど、大根監督らしい一筋縄ではいかない映像表現や役者さん達の好演もあって楽しめた。とくにプロジェクトマッピングのようにマンガの絵が映り込む執筆シーンは出色。こうゆう工夫で、「マンガを書く」という行為が躍動感にあふれててとても魅力的だった。あと、小松菜奈さんがまさに「少年マンガのヒロイン」的魅力全開で、大根監督が「モテキ」でも見せた演出力がうまく働いていたと思う。ただ、少年ジャンプ的な「友情、努力、勝利」をあくまで大肯定するストーリーには乗り切れず。その「犠牲者」となったおじさんと同じことをしようとする主人公にはちょっとがっかりした。もちろん、おじさんとの違いは「仲間がいた」ってことなんだろうけど、命を危険にさらしてもマンガを書き続けることを、「狂気」としてではなく「友情、努力、勝利」の美しい象徴として描いてしまうのは、やっぱり恐ろしいセンスだと思ってしまう。せっかく「少年ジャンプ文化」のメタ批評にもなりうる題材だったのに、結局はベタな賞賛としてまとめてしまったのはちょっと残念。エンドロールが、「少年ジャンプ文化」に対するとっても優れたオマージュでもあったことは、自分もジャンプ最盛期に夢中で読んでた世代なのでよくわかる。だけど、この物語が描く「少年ジャンプ」的なものを「懐かしい」の一言で表現できない程度には、自分はつまんねー大人になってしまっということなのだろう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-01-25 16:54:00)(良:1票)

84.  ワンダーウーマン 1984 《ネタバレ》 前作は難点もあるけれど、ガル・ガドットが動いて戦うだけで魅力的な映画だった。近年にはない新しい女性ヒーローものとして、主演女優の素材をこれ以上ないほど活かしきった一作でした。そして、監督も俳優陣も続投で期待の続編、結果的には前作の悪かったところが増幅し、ガル・ガドットの魅力すら霞んでしまうような出来だった。前作でも気になったテンポの悪さ、ストーリーテリングのまずさ。最近のヒーローもの(とくにマーベル)は話運びが効率的で上手いものが多いので、パティ・ジェンキンス監督の手腕に大きな疑問符が付いてしまう。アクションシーンも少なめで、だいたい予告編で見た以上のものはでてこない。前作のような暗がりばかりではなくなったものの、CGによるキャラの動きのぎこちなさは、ここ数年で格段に進化・深化したアクション演出と比べるとその鈍重さが際立つ(シャーリーズ・セロンが別格なのかもしれないが、「女性アクションだから」という言い訳はこの作品自体の意義に関わる問題だ)。そして、1980年代描写の中途半端さ。前大統領を思わせるマックスのキャラ設定やスティーヴの着替えシーンくらいでしか物語的には絡んでこない。この点では、ニューオーダーの「Blue Mondey」をフィーチャーした予告編が最高だっただけに、期待外れもいいところだった。もしかしたら、ストーリーやアクションの緩さも含めての80年代モチーフだったのかもとも思いましたが、だとしてもNetflixの『ストレンジャー・シングス』があれだけ面白かったんだから、この作品の不出来を1980年代のせいにするのはアンフェアだ。そして、最悪だと思ったのは、「取り消し」できてしまうという設定。この作品には「責任」という概念はないのか。間違った選択をしてしまっても「取り消し」できない、というのが人生なのに。「真実」も大事だけど「責任」だって大事だよ。核戦争寸前までいったのに「取り消し」たので元の世界にもどりました・・・って夢オチよりも酷いんじゃないか。新作の娯楽大作映画に飢えていた状態だったので、デジタル配信が始まってすぐに見たものの、とにかく残念の一言でした。[インターネット(字幕)] 3点(2021-03-06 00:27:35)(良:1票)

85.  ヴィレッジ(2023) 《ネタバレ》 多くの人が抱くであろう「思ってたのと違う」という感想は、M・ナイト・シャマランの作品と同タイトルであることから仕方がないのでしょう。しかもあっちは、閉鎖的な共同体を奇抜な方法ながらも真正面から描いていたので、同じようなモチーフを藤井監督がどう描くのか、そんな期待で見始めた人も少なくないはず。ただ、結果としては新しさも深さも感じない、表面的な描写に終始した一作でした。思わせぶりな能のシーンや祭りはあるものの、本編にうまく絡んでいるともいえず、結局は「ボス一家と搾取される若者たち」という都会のヤクザものでも描かれるような人間関係のほうに焦点は当たってしまう。終わってみれば「村」は主役というよりは舞台設定に過ぎず、そこで先が簡単に読めてしまう安直なドロドロ劇が展開しているだけの映画でした。ゴミ処理場が「SDGs時代の人気観光地」っぽくなったり、朴訥と解説するだけのイケメンがローカルヒーローになる展開は、「習俗」「伝奇」的な共同体ものというよりは、某民放番組の「ダーツの旅」が描くような「素朴で明るい」田舎観といったほうがいいのかも。でもその表層性を批判的に掘り下げるわけでもなく、物語上「ありえた未来」のように描かれてしまうのもいかがなものか。藤井道人監督作品、毎回興味深い題材を選んでくる眼は確かだと思うのですが、人間関係観(とくに男女観・家族観)もメディア観も微妙に古く、テーマも上っ面を走るのみで脚本が練り上げられてるように思えないのが残念。人気監督となって企画も満載で忙しいのだと思いますが、ここらでじっくり取り組んだ一作を観てみたいと思ってしまいます。[インターネット(邦画)] 4点(2023-06-18 09:00:10)(良:1票)

86.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 70年代懐メロとSFアクションの融合という技法は新鮮でとにかく楽しい! ダメキャラ5人(?)組が団結し、強敵に立ち向かうという物語の骨格はシンプルだからこそ、随所に散りばめられたチャレンジ精神が光る。コメディとドラマのバランスもよく、うまくハズしつつもきちんと伏線を回収し、物語の流れを損なわない演出技術は確か。正直、今回使用された70年代の「名(迷)曲」はよく知らない曲ばかりでしたが、それでも物語にしっかりハマってちゃんとこっちの気分を上げてくれるのだから見事です。むしろ、自分もよく知らない曲ばっかだった分、「Vol.2テープ」からのラストの(みんな知ってるアノ)2曲でガツ~ん! こういう憎い演出が随所に光ってて、まさに新感覚のSFファンタジーとして新しい流れを作るかもしれない。もちろん、物語的な突っ込みどころの多さ、物語がサクサク展開しすぎて「タメ」がない、5人があんまり極悪人に見えない、ハワード・ザ・ダック(苦笑)・・・などケチをつける箇所もあるけど、「ダークナイト」以降、リアル路線一辺倒だったアメコミ系大作の流れを変える可能性を秘めた快作。本国では興行的にも成功したみたいなので、次作では、ジェームス・ガン監督のカラーをもっと押し出して、これぞ新世代スペースオペラだ、というのがもっと見たい![映画館(字幕)] 8点(2014-10-10 06:13:43)(良:1票)

87.  メッセージ 《ネタバレ》 テッド・チャンの「あなたの人生の物語」は既読。あれを映画に!?ってどうなるのやらと思ったけど、予想以上にそのエッセンスは活かされていたように思います。元々は「言語」が世界を作り出すという20世紀後半の現代思想の流れ(言語論的転回)があって、それをSFとして見事に表現した作品だったと思うのですが、「言語を学ぶことは新しい世界の見方を獲得すること」を主人公のパーソナルな体験として映像として見せることには、それなりに成功していたのではないでしょうか。とはいえ、このテーマをブロックバスター映画でやる、というのには、やはり無理があった部分も否めません。たとえば、ヘプタポッドの言語解析の革新性が伝わりにくい。この映画だと漢字のような「表意文字」として解析しておしまい、な感じもあったのですが、その言語自体が、時空間の解釈を変えてしまう「コミュニケーション手段」だということがちょっとわからない。だから、ラストの怒濤の展開の唐突感が増してしまう。そして、もう一つの蛇足が、あまりに単純化された国際政治的要素。原作にはない話ですが、物語のサスペンスを盛り上げるためにも、この国際政治の要素も加えたこと自体はよい判断だと思います。ただ、米国の言語学者だけが「正しい理解」をしていて、「誤解」した各国が暴走しちゃう・・という流れはちょっといただけない。この点では、もっと他国の側にも、ヘプタポッドの言語の本質に迫る発見をさせるような流れがあったほうが、最終的に「アガる」展開にもできたんじゃないかなと思ってしまいます。まあ、『ブレードランナー』同様、どうやっても失敗する未来しか見えないプロジェクトだったとは思うので、そこにチャレンジしたヴィルヌーヴ監督にはリスペクト!ですし、『ブレラン』と同じく、ちゃんと一つの魅力的な作品として仕上げてくる力量には素直に感心しています。[インターネット(字幕)] 7点(2021-02-20 10:14:36)(良:1票)

88.  マトリックス レザレクションズ 《ネタバレ》 第1作目のころ、「いま生きている世界は偽りの世界だ。覚醒せよ」という話にいまいち乗れなかった。というか90年代映画って某スリラーや某暴力系まで「見えている世界と本当の世界は違う」的なモチーフがあふれてたような気がして、そのなかでは本作はあまりに「中二病」的でダサくみえてしまったのでした。そこから20年あまり経って、正直いまのほうが本作にとっては難しい時代なはず。なぜって、このモチーフはまるまる「陰謀論」の世界観でもあって、それが現実の政治やら生活にも影響を及ぼしている昨今、本作が描く「覚醒」や「革命」も文字通りに感情移入するのは難しくなってしまったから。ただ、そんな難しい時代にあえて本作を問うことに、ラナ・ウォシャウシキー監督自身がどういう意図をもってるのか、軽い興味はあった。 で、見た結論としては、残念な結果に落ち着いてました。それは、物語上は「覚醒」を求めながらも、どこかで「なんちゃって」というメタ視点を留保し続けることで「本気になるなよ、これは作り話だよ」という構造にしてしまったことです。世界観への没頭力やら物語の推進力は大幅に後退し、2時間半を持たせるのはかなり辛かった。序盤のグダグダした展開はコミカルにテンポよくすることができたと思うし、モーフィアスとスミスというオリジナル・キャストの変更は、物語上の理由付けも中途半端で製作上の理由だろうというのが見え見えだった。前作以降のアクション描写、スペクタクル描写の進展についていけておらず、あまりに「進歩」がないのはあえてのレトロ趣味かと思えてしまうほど。いろいろ足りない部分を謎かけっぽい会話でなんとか補っても、物語に没入できないメタ構造がそれを邪魔する・・・。 ただ、それでもある意味、元祖陰謀論のような本作シリーズに自ら落とし前を付けた部分はあったと思うし、そうするしかなかったんじゃないのかな、という風にも思います。決して無意味な商業映画ではなく、トランプやコロナを経験したあとの2020年代という時代を象徴した一作だったのかもしれない、というふうに思います。それが「いい映画」だったかどうかは別として。[インターネット(字幕)] 5点(2022-10-16 09:03:44)(良:1票) 《改行有》

89.  ダーリンは外国人 《ネタバレ》 原作シリーズは妻が好きなので既読。映画にする以上、仕方がないのだとは思うが、日本語ネタよりもラブストーリーのほうをメインにしてしまったので中途半端な作品になってしまった。前半は、トニーの変人ぶりを描くかわりにどうやって2人が「つきあう」ようになったのかは省略されてしまっている。で、語学ネタ、トニーネタ中心で行くのかなと思っていたら、一転して後半は、ただの安いラブコメになってしまい、そこに無理矢理に埋め込んだ語学ネタも空振り気味。夫婦の日常を描いた原作を、結婚前のカップルによるラブコメに改変したのは、おそらく主演女優が「若い」からなのだと思うが、そういう外部的な要素をうまく1本の映画に昇華させるだけの力量も熱意も、本作のスタッフに欠けていたのだと思う。[DVD(邦画)] 4点(2010-09-05 06:57:44)(良:1票)

90.  ここは退屈迎えに来て 《ネタバレ》 原作未読。自分は地方出身で東京在住経験もあるので、橋本愛や村上淳あたりの立ち位置は妙によくわかる。なので、車中のサツキと「私」のやりとりは、いつ2人が正面衝突するのかとヒヤヒヤする緊張感があった。時間軸をいじり、登場人物も多いので、オムニバス的にそれぞれの「田舎と都会」や「人気者とフォロワー」の関係性が見えてきて、飽きさせない工夫もあった。そして、登場する若手俳優たちがいちいち上手い。いつもながらの変幻自在門脇麦、ノリの良さゆえに(皆に)軽んじられる柳ゆり菜、田舎社会の「元スター」成田稜のビフォア/アフター、そして実質的な主役といっていい渡辺大知あたりの演技に支えられている。とくにラスト近くの柳ゆり菜のアップのシーンにはこんな顔もできるのかと新鮮な驚きがありました。あえて言えば一番合ってなかったのは橋本愛だったかも。彼女もうまいのだが「東京からの出戻り感」がもう少し欲しかった。一方の演出面では不満もたくさん。中途半端に挿入されるモノローグ。アップの多用し過ぎ。終盤は、演者への嫌がらせかと思うくらい、間の長いアップが多い。俳優の技量でそれぞれちゃんと見られるシーンになっていたけど、全体の配分が考えられておらず、アップの大安売りの感は否めない。あと、音楽の使い方。とくに、自転車でゲーセンへ行く田舎道のシーンの恥ずかしい感じは何だろう。そして、ラストの歌をつなぐシーン。オムニバス的なシーンを一つに結びつけるポール・トーマス・アンダーソン監督『マグノリア』の「wise up」をやりたかったんだと思うけど、この映画では明らかに逆効果。その前の成田稜の「名前なんだっけ?」でそれぞれの物語がやっぱりバラバラだったことが見えた後に、歌のリレーで「妙に気持ちがつながった感」を演出してどうしたいのか、さっぱりわからなくなった。[インターネット(字幕)] 5点(2021-04-02 08:24:32)(良:1票)

91.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 EP3単体では、十分楽しめた。アナキン炎上はショックだったし、ラストは、いよいよ終わっちゃうんだなあと感無量な気持ちにもなった。けれど、そうであるがゆえに、EP1&EP2の失敗が残念。特に、どうしても、アナキンとパドメが共和国の運命を左右するような「運命の恋人」には見えなかった。だいたい高校生(いや、中学生か)くらいの時に、「たまたま近くにいた人とくっついて、それが『運命』だと勘違いしてしまう」ことがあっても、大人になるにつれていろいろ複雑なことを学ぶものなんだろけど、アナキンとパドメは、そういう面の成長が皆無で、勘違いのまま突っ走った迷惑なカップルにしか見えない・・。それを「純粋」と呼ぶこともできるんだろうけど・・・。物語の肝になるだけに、このへんの描写に納得いかなかったのが残念。[映画館(字幕)] 7点(2005-08-09 09:26:29)(笑:1票)

92.  何者 《ネタバレ》 原作既読。なので、最後のオチもわかってたし、拓人の常にケータイいじってる動きを気にしながらの鑑賞で、これは原作読んでないほうが楽しめたかな、とは思った。ただ、それでも楽しませてくれたのは実力派が揃った俳優さんの力。90分という短い上映時間ながら、全員「見ていられない」ヒリヒリした緊張感に溢れていて、就活中の4人が部屋に集まったところで「もうやめておけ」感満載だった(ほめています)。菅田くん演じるコータローの無自覚に人の劣等感を煽る感じとか、二階堂さんの演じるリカちゃんのとにかくイタくて残念なところとか、有村さんのミズキさんの過剰なまでの「フツーさ」「凡庸さ」とか、一見美男美女揃いの「リア充」面々なのに、その背後にある「悪意」をそのまま形にしたようで凄い。岡田くんの何事にも中途半端すぎる痛さもいい。それと比べると、佐藤くんの拓人は難しい役どころだったと思うけど、佐藤くんの「受け身」な演技でなんとか応えていたと思うし、ラストの少し前に進む感じは素晴らしかった(そこで流れる主題歌もいい)。ただ、登場人物全員に「これは自分だ」と思わせる要素がある一方、それぞれの内面を丁寧に描くというよりは類型的に突き放した表現(とくに学生演劇の場面の多用)のおかげ(?)で、そこまで感情移入するわけでもなかった。むしろ、見ている側の感情が宙ぶらりんになって行き場を失ってしまう感じは、三浦大輔監督の手法なのかなとは思うけど、個人的にはもう少しじっくり見たかったかなと思う。もう少し違う表現方法で、120分の少し長めの映画でも見てみたいなと思った。[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-03-05 13:35:24)(良:1票)

93.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》 120年の宇宙旅行中に冷凍睡眠状態からなぜか覚醒してしまった男女、という設定は絶妙。その裏にある「秘密」は、まあ想像どおりではあったけれど、ジェニファー・ローレンス&クリス・プラットの主演俳優2人の圧倒的なスターパワーで押し切った感じ。とくにジェニファー・ローレンスは、旬の女優が放つセクシーなオーラだけでなく、「秘密」を知って豹変する表情など演技も絶品。熱愛ピークからの居心地最悪の地獄絵図状況に、こちらまで居たたまれない気持ちになりました。ただ物語の雲行きは、後半のローレンス・フィッシュバーンの登場あたりから怪しく・・・。彼の登場と退場は物語的に都合よすぎる(あの何でもできる腕輪を渡すため、だけのように見える)。不具合の真相は、それぐらい想定しておけ、としか言いようがないことだし。アクション演出自体もしょぼい。ラストの選択は、無理矢理眠らせる方向にしないと、彼が「やったこと」の責任は宙ぶらりんになってしまう。だいたい「孤独」の厳しさ・恐ろしさを知ってるジムだからこそ、自分が死んで彼女を1人でも生存させること以外の選択肢をなんとしても探ってほしかった。せっかくの秀逸な設定で描かれる「愛」の表現が、一回命かけて守った、その後は二人でイチャイチャするってところだったのが残念。もっと違うかたちの描き方あったんじゃないかなと思いつつ、まあ美男美女の幸せそうな画でなんかごまかされた気分。あと、邦題。なぜ単数にしたんだろう。まったく意味がわからない。[インターネット(字幕)] 5点(2019-11-30 22:13:55)(良:1票)

94.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 悪を通してヒーロー(正義)を描くというノーラン監督のねらいは見事に成し遂げられた。いわゆる「悪が勝つ」的な絶望系映画は他にもいろいろある。でも、この映画ですばらしいと思ったのは、ラストで既に幻想と化した「正義」を、それでも守るという選択である。たしかに「真の正義」なんていうものは存在しないかもしれない。けれども、「正義」の幻想が人を動かし、秩序をつくり出すということもちゃんと描かれている。もしかしたら、ゴッサム・シティの市民だって、そんなことにはとっくに気づいているかもしれない。そうだとしても、共同幻想として守っていこうという意志を映画から感じることができた。そうした人々の意志が、ジョーカーという「悪」によって成し遂げられたとするならば、この映画で描かれているのは、実は「正義の勝利」でもあるのだ。ジョーカーが存在する限り、決して「正義」が滅びることがない。「ダーク」なだけでなく、絶望と希望が表裏一体であることを描いたという意味で傑作と呼ぶにふさわしい。[映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2008-08-11 10:59:28)(良:1票)

95.  テルマエ・ロマエ 前半で笑い、後半で「うーん」。多くの方の感想とまったく同感です。結局のところ、これは「劇場映画」にするべき素材だったのかどうか。前半の個々のエピソードは「濃い」キャスティングの妙もあって本当に楽しく、コミックの映像化としてはかなり成功した部類だと思う。そうすると問題は、後半のように物語を動かし、それなりに盛り上げてて、最後は収束させる必然性だ。今日の商業映画のドラマトゥルギーでいえば、後半のような展開は、素材が「海猿」だろうが「こち亀」だろうが、なぜか必要だということになっている。だけど、この映画に関していえば完全に蛇足になってしまっており、前半の軽快さもどこへやら、中途半端な歴史ドラマになって何だかなあという思いで終幕を迎える羽目になってしまう。そこが、単に制作側の力不足の問題なのか、そういうドラマトゥルギーにこの作品が向いてないということなのか。原作未読なんですが、ぼくは後者だったんじゃないのかなあと感じました。[映画館(邦画)] 5点(2012-09-01 21:55:43)(良:1票)

96.  レ・ミゼラブル(2012) 《ネタバレ》 高校時代に原作を読み、文化祭で無謀にも3時間超の自己満足の極みといえる劇をやりました。ただ、ミュージカルは未見。アメリカ滞在中に座席がすべて寝転がれる巨大カウチという映画館で鑑賞。冒頭から映画ならではの映像美と迫力で引き込まれ、ファンテーヌの悲劇ですっかり物語にはまっていました。ただ、そこからは個人的には下降線。ジャン・バルジャンとジャベールの対決がちょっとあっさりで、もっとジャベールの執拗さとそれゆえのラストの絶望を表現して欲しかった。ラッセル・クロウならできたはずだけど、歌のほうに意識が行き過ぎてたのかなあ。彼の(歌唱力じゃなくて)「演技力」に期待したぶん、ちょっと物足りなかった。また、コゼットの出番が終盤思ったよりも多くなく、むしろエポニーヌに感情移入してしまう始末(いや、そういう人は多いとは思うけど)。というわけで、とくに何をしたわけでもないマリウスとの結婚と大団円にもイマイチ乗り切れず。ラストのファンテーヌとエポニーヌの再登場に一気にテンションあがるものの、やっぱりもう少しいい感じにできたのではないかなあという感はぬぐえずの鑑賞でした。あ、ちなみに巨大ソファに寝っ転がっての2時間半強は快適そのもの。他のお客さんと最後は拍手で(ここはさすが本場)締めました。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2013-03-09 10:39:12)(良:1票)

97.  四月物語 リアルに懐かしい風景(ロケ地の近くに昔住んでいたたもので・・・)とノスタルジックな映像が、個人的には妙にハマった。98年の映画だけど、片思いで大学まで決めちゃうという前時代的な主人公のキャラや大学の風景に、それ以上の古くささ(80年代末~90年代はじめくらい)を感じるのも、そのノスタルジックな雰囲気ゆえなのか。ただ、ぷつりと終わってしまうラストは、東京に来てもどこか周囲と別世界を生きていた主人公が、新しい生活の世界に本当に足を踏み入れた瞬間を描いたという感じがして好きだ。あ、あとお隣さん、ふつうに怖いです。カレー食べてる姿も、どこかホラー調でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-06-30 09:39:07)(笑:1票)

98.  響 HIBIKI 《ネタバレ》 言葉を綴ることが仕事の小説家が、人が相手になると言葉より先に暴力っていう設定自体、「天才」の表現とはいえいかがなものかという気はするが、この映画でそれを言ってはおしまいだと思うので、それはそれとして受け入れれば、地味でドロドロした文学と文学賞の世界をこれだけエンターテインメントで見せてくれれば、ちゃんと面白い映画と言えるのではないか。主人公の響を演じる平手さんにはあまり興味はなく、いつもしんどそうな女の子だなあと思っていたくらいなので、そのパブリック・イメージを活かしつつ、ときどき笑顔を見せてファンを喜ばせるという意味では、なかなかよくできた「アイドル映画」ではあるけど、多くの人は彼女よりも彼女を取り巻く人たちのほうに感情移入して、その振り回されっぷりを楽しむのが楽しい鑑賞法なのだと思う。個人的には、響が小栗旬演じる山本の作品を読んでいる途中で買い物に出かけるシーン(もし山本の作品が受賞するほどのものであれば、響はあんな簡単に途中で読むのをやめないだろう)がとても切なくてよかった。キャラ推し映画のようでいて、そうゆう丁寧な描写が各所にあるのもこの作品の魅力だった。 ただ、自分もいちおう文章を生業の一部としている人間なのでどうしても気になったのは、響と彼女の作品『御伽の庭』を表現する語彙の乏しさ。冒頭の北川景子が表現する部分が唯一、具体的に「どうすごいのか」を説明した部分だと思うのだが、そういう表現だったら今時の作家さんの多くが志している部分だと思うし、自分もそういう作品も多く読んできたように思う。肝心の作品自体を表に見せる必要はないが、もっといろんな人がいろんな言葉で表現することは必要だったんじゃないかなーと思う。たくさんの違った角度、違った顔を持つ作品こそ、「傑作」と呼ぶにふさわしいと思うので。あと、芥川賞と直木賞の基準とかに全く触れないのも、「文学賞」を題材にした作品としてはやっぱり残念。ただ、終わらせ方はとてもよかったと思う。そして続編はないと思うけど、いらないと思います。[インターネット(邦画)] 6点(2021-08-09 08:42:38)(良:1票) 《改行有》

99.  コンテイジョン 《ネタバレ》 ただいま新型コロナウィルスによる自粛期間中です。先月くらいからNetflixがやたら推してくるのに根負けして鑑賞。この、重大な事態を乾いた淡々とした演出で描いていく感じは、『オーシャンズ』シリーズではなく『トラフィック』のほうのソダーバーグ節! 現実とあまりにもオーバーラップし過ぎな展開。とくに、清掃業者が活動できなくなって、ゴミだらけになってしまう住宅街の姿のすさまじいリアリティ。これが9年前の作品だということを考えれば、その考証の確かさの証明でもある。それでも(致死率が違うとはいえ)暴動や略奪はあそこまで酷くないところに、ちょっと現実の人間への「信頼」を取り戻す一方で、どっちかといえば状況を悪化させるほうに作用している現実世界のポピュリスト政治家に絶望的な気分になったり、現実世界でもワクチン開発後の世界がちょっと恐ろしくなったり。それにしても、あの香港レストランでのグウィネス・パルトロウの行動の「何がいけないか」まで、今や観客には手に取るようにわかってしまうのはちょっと苦笑。次々と豪華スターが登場しては、あっさりと退場してしまう展開も豪華というか、ソダーバーグならではという感じで楽しめます。今だからこそ、この冷めた演出が、現実世界のリアリティと響き合って独特な世界を構築しています。あまり期待していなかったけど、やっぱり今見るべき作品。家ごもりのGWにどうぞ。[インターネット(字幕)] 7点(2020-05-03 17:40:02)(良:1票)

100.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 いやあ、なんだろう、不思議な映画。主人公があれだけの執念を見せつけてるのに、どこか実在感がない。与えられた情報は「マヤ」という名前だけ。なぜ彼女が抜擢されたのか、何が彼女をそこまでさせるのかよくわからない。ラストで「名字は聞いてない」と言われ、一人だけで空っぽの輸送機に乗るときの空虚さ。まるで彼女自身が9.11以降のアメリカが陥った「狂気」を体現しているかのよう。テロから数年たって、国民の関心は薄れ、戦争や拷問への批判が巻き起こり、行き場を失いつつあった「狂気」は、ビンラディン追討への執念として生き延びた。この映画では、あの死体が本当にビンラディンだったのかどうかもわからない。そういうことにしなければならない空気だけは理解できた。そして少なくとも、あの時代の「狂気」をなかったことにはできない。そういうことは十分に伝わった。[DVD(字幕)] 7点(2014-07-24 16:19:21)(良:1票)


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