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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 久し振りにこんなに深い映画と出合ってしまいました。アン・リー監督の、自然の猛威と繊細さを抒情的でエキゾチックな映像美で描き出した、一人の少年と一匹のトラとのシンプルなエンタメ冒険物語だと思いきや、最後の最後でやられました。この映画、凄い作品です。一度目の鑑賞での「果たして動物にも人と同じ心がやどるのだろうか」というテーマが、二度目の鑑賞では「人は何処までケダモノになりえるのだろうか」という全く正反対のテーマへと見事なまでに昇華させた、アン・リー監督のこの手腕にはもう諸手を挙げて賞賛せざるをえません。《以下、激しくネタバレ》沈没する船から母親と共に命からがら逃げ出したパイ。ところが凶悪なコックによって目の前で母親を殺されてしまうと、激高して彼を殺害。ボートにたった独り残されたパイは、コックの死体を喰らい、ひたすら自然の猛威と孤独にさらされ、次第に狂気へと捉われケダモノ一歩寸前へと追い込まれてしまう。そんな彼の最後に残った人間としての理性の砦が作り出した別人格である〝パイ〟。自分の獣性に怯えながらもなんとかそれを飼いならそうともがくなか、ようやくトラを殺すチャンスが巡ってきたというのにそれでも殺せなかった〝パイ〟の姿に、人間心理の深淵を垣間見たような気がします。そして〝パイ〟が嵐の中に見つけた美しい神の幻影をトラに見せようとするが、トラは怯えて逃げ惑うばかり。「神よ!どうしてあなたはこんなにトラを怯えさせようとするんですか!」後で思い返してみると、この言葉は狂気の淵に瀕した、人間の極限の理性が発した魂の叫びだったと分かって、めちゃくちゃ鳥肌が立ってしまいました。どうして人の理性が神を必要とするのか(居るか居ないか、ではありません)、そんな全ての宗教の源泉と呼ぶべきものがここにはある。一人の少年の理性と本能がせめぎ合う観念的な世界を圧倒的な映像美で描き出した、アン・リー監督の今のところ最高傑作だと思います。肉食樹の島のメタファーは、まだ僕の力量では推し量ることが出来ません。これから何度も繰り返し観て、いつか解き明かしてみたいと思わせる、素晴らしい作品でありました。[DVD(字幕)] 10点(2013-12-13 18:03:21)(良:6票)

2.  火垂るの墓(1988) 《ネタバレ》 毎年、夏になると全国の小中学生を恐怖のどん底に叩きつける反戦洗脳映画。と、世間では思われている作品だけど、僕はちょっと違う気がします。この作品は単純な反戦映画ではなく、戦争が本当に壊してしまうものを冷徹に見つめた作品だと思います。戦争が本当に壊してしまうもの、それは人間の社会性です。この主人公の少年は、今でいう不良少年なのです。盗んだバイクで走り出す現代の若者となんら変わりない。そんな少年でも、社会性がしっかりしていれば、相応の大人たち(例えば教師や警察や少年院)がちゃんと矯正させて、少なくとも餓死させるということなど絶対にさせない。この世界から戦争がなくなることなど絶対にあり得ないなら、せめてそれが壊してしまうものから目を逸らさず、多くの人たちから残酷で悪趣味だと非難されようとも徹底的に冷徹に描こうというこの監督(および原作者)の勇気には敬服せざるを得ません。そして、今でもアメリカはイラクやアフガンで社会性を壊し続けている。この映画が偽善にまみれた単なる反戦映画と一線を画した普遍性を持っているのは、ますます混迷する現代に通じるテーマを持った作品だからだと思います。[DVD(字幕)] 9点(2013-04-20 19:16:45)(良:4票)

3.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 《ネタバレ》 まさに小学生のころに観てしまってドハマリしてしまいました。もう、小学生男子の心を鷲掴みにするネタが次から次へとジェットコースターのように展開して、もうたまりません!わー、猿の脳味噌食ってるし!ひぇぇ、虫が大群じゃー!おっさん、心臓ほじくり出してるし!!トロッコだ!洪水だ!吊り橋落としちゃってるし!!!ひぃぃ、も、もう止めてー!!!映画の楽しさをこの作品で初めて教えてもらいました。当時、録画したビデオテープが擦り切れるほど何度も観てしまった思い出の一作。[DVD(字幕)] 9点(2013-04-12 13:31:08)(良:3票)

4.  アラジン(2019) 《ネタバレ》 たまたま時間が空いたので何か映画でも観ようと、たまたまやっていた本作を映画館にて鑑賞。元となったアニメもこれまで観たことなく、有名な曲だけちょろっと知ってる程度、別にウィル・スミスのファンでもなんでもない、そんな期待値ほとんどゼロの状態で観たのですが、これが意外や意外、めっちゃくちゃ面白いじゃないですか!!ウィル・スミス演じる魔人ジーニーも最初こそ違和感バリバリだったけど、それも最初だけ、これが彼のベストワークなんじゃないかってくらいもろ嵌まり役!!最初のミュージカル・シーンでのハチャメチャぶりがとにかくサイコーでした。続く、アリ王子の行進曲なんてもうゴージャスでゴージャスでちょっとやり過ぎなくらい(笑)なんだけど、ここまでやられたら自然とテンション上がっちゃいますわ~。トラや魔法の絨毯といった脇役たちもみんなキャラ立ちまくりで誰も彼も魅力的!権謀術数渦巻く政治劇とアラジンと王女のラブストーリー、手にしたものの願いを叶えるという魔法のランプの奪い合い、そして1万年も孤独に過ごしてきたジーニーとの間に芽生える友情――。これらの要素を絶妙のバランス感覚で配合した脚本も完成度が高く、クライマックスなんて普通に手に汗握っちゃいました。ガイ・リッチー監督の良くも悪くも軽ーいノリのエンタメ路線が今回は見事に嵌まったんじゃないでしょうか。今度、オリジナルのアニメも観てみようと思います。うん、上質の素晴らしいエンタメ映画でありました。映画館補正もあるかも知れないけど、8点!![映画館(字幕)] 8点(2019-06-09 23:26:26)(良:3票)

5.  9人の翻訳家 囚われたベストセラー 《ネタバレ》 フランスのとある地方都市に建つ一軒の古い洋館。何処にでもあるようなその大きな建物には、強固なセキュリティに守られた広い地下室が備えられていた。持ち主は、世界的なベストセラーを幾つも手掛けてきた大手出版社のCEO。そこにある日、世界各国から選ばれた九人の男女が集められる。目的はなんと、その出版社が扱う世界的ベストセラー作家の人気シリーズ『テダリュス』の最新刊をこの地下室で約二カ月かけて、集中的に翻訳作業を行うためだった――。事前の情報流出を防ぎつつも世界同時発売を実現するため、期間中彼らは外部との接触は一切禁止、外出することも許されない。作業は一日の初めにちょうど20ページ分の原稿を渡され、翻訳が終わると全て回収される。完璧なシステムのはずだった。だが、翻訳作業が開始された直後、何者かによってネット上にその極秘のはずの原稿の冒頭部が公開されるのだった。しかも犯人はCEOの携帯に直接連絡をよこし、原稿の全文を公開されたくなければ、多額の現金を払えと要求してくる。犯人は確実に、この九人の翻訳家の中の誰か。果たして原稿を盗み、ネット上に公開したのは誰なのか?ベストセラーを翻訳するために集められた、そんな九人の男女に交錯する動揺と疑心暗鬼をスタイリッシュに描いたサスペンス・ミステリー。という、今までありそうでなかった設定に惹かれ、今回鑑賞してみました。なのですが、僕はさっぱり嵌まらなかったですね、これ。とにかく物語の見せ方が恐ろしく稚拙。完全隔離されたこの地下室から誰がどのような方法でこの原稿を流出させたのかというのが物語の焦点となるのですが、ここら辺の詰めが非常に甘く、サスペンスとしていまいち盛り上がらない。もっと脚本を整理してすっきり分かりやすくみせてくださいよ。それに、この九人の翻訳家のキャラの描き分けもイマイチで、誰一人魅力的な人物がいないのも致命傷でした。しかも彼らのうち主人公が誰なのかもかなり曖昧なので、観客が誰に感情移入して観ればいいのか分からないのも難点。唯一盛り上がったのが、中盤の原稿強奪シーン。ここはベタですけど、サスペンスフルでなかなか面白かった。でも、それも最後のオチで全て意味がなかったとする謎の自己破壊(笑)。こうなってくると、この設定を思いついたアイデアのみが唯一の長所かなと思ったら、それもなんとダン・ブラウンのラングドン教授シリーズ出版の際に実際に行われた翻訳手法とのこと。うん、見事に誉めるべきところがなくなっちゃいました(笑)。なんとなく知的でミステリアスな雰囲気に4点。[DVD(字幕)] 4点(2021-02-08 04:11:20)(笑:1票) (良:2票)

6.  塔の上のラプンツェル 《ネタバレ》 勤務先のアルバイトの女子高生が「ラプンツェル、あれ、ヤバかったです!もう最初から最後までキュンキュンきちゃいました!」とべた褒めしていたので、「どれ、じゃあ色んな経験をつんで酸いも甘いも噛み分けた中年オヤジであるわしのハートも果たしてキュンキュンさせられるかいのぉ~」と挑戦するかのような心持ちで鑑賞してみました。は、はは、見事に負けちまった…。ベタですけど、中年オヤジであるわしの薄汚れたハートにもちゃんとキュンときたではないか(笑)。確かに、童心に返りたい女子高生のハートを鷲掴みにするようなネタ(ラプンツェルのキューティクル感MAXな長い金髪、キモ可愛い相棒のカメレオン、最強の武器は何故かフライパン、そしてお調子者の泥棒とのちょっぴり切ない恋愛要素…)がてんこ盛り。ガミガミうるさいお母さんにうんざりしてる反抗期の女の子の心情にも憎いくらいに応えてくれてるしね。最後まで飽きさせない練られたストーリー展開、魅力的なキャラクターたち、適度なユーモア、そしてセンス溢れる美しい映像の数々…。こういう観客の求めているものをしっかりと把握して製作されただろうエンタメ映画も素直に素晴らしいと思います。先入観に捉われず、多くのわしのような中年オヤジの皆様にも是非観て貰いたい完成度の高い作品でありました。ラプンツェルのナイスなお転婆感が可愛いっす! でも、その職場の女子高生に「ありがとう、面白かったよ!」と伝える勇気はないけどね(笑)。[DVD(字幕)] 8点(2013-11-18 11:54:13)(笑:1票) (良:2票)

7.  ザ・フライ 《ネタバレ》 悶絶気色悪映画の古典的名作。もう自分がじわじわと少しずつ蝿になっていく恐怖といったら考えるだに恐ろしい。そんなおぞましい世界を当時のSFX技術の粋を極めて創りあげた、徹底的にグロテスクで気持ち悪い映像はCG全盛のいま見てもなんら見劣りしないから凄い。逆に、こちらのほうが生々しくて迫力があるくらい。あと、主人公を演じたジェフ・ゴールドブラムの顔が濃すぎて人間の段階ですでにちょっと怖いんですけど(笑)。でも、やっぱりこの映画の最大の見所は、最後、もうどうしようもなくなってしまった主人公が恋人に死を願うシーンの哀れさだろう。こんなグロい映画なのに最後はちょっぴり切ないなんて……。人間ドラマとしても胸に残る名作です。[DVD(字幕)] 8点(2013-04-21 17:28:52)(良:2票)

8.  スリーデイズ 《ネタバレ》 これは文句なしに面白い。ずっと社会派映画ばかり撮ってきたハギス監督が、その持ち味を十分に活かしつつ、幾分か娯楽色の強い作品を作って見事に成功している。平凡な大学教授が、無実(?)の妻を救うために悪戦苦闘する前半部分の姿は見てて切なく、それが後半部分のある種開き直った力強い姿が良い好対照をなしている。抑えた丁寧な感情描写、練られた脚本、出演者の力のこもった熱演、どれもが素晴らしい。ただ、もう少し遊びの部分があっても良かったかなとも思うが、最近の映画のなかでは良作。[DVD(字幕)] 7点(2012-06-21 11:41:20)(良:2票)

9.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 ポール・バーホーベンの映画って昔からけっこう好きで、その代表作はたいがい観てきたのだけど(特にスターシップ・トゥルーパーズは傑作!)、僕が個人的にロボットものがあんまり好きじゃなかったせいで、この彼のもっとも有名だろう今作だけはずっと未観賞のまま、いまに到ってました。しかし、最近ゲーリー・オールドマン主演でリメイクされたということもあり、今更ながらこの度鑑賞。うん、さすがバーホーベンのハリウッドデビュー作だけあって、後に開花する彼の才能の萌芽が見事に芽吹いておりました。さすがに特撮や画面の古臭さは仕方ないですけど、それを補って余りある、ドラマティックで深いストーリー展開、過剰なまでの暴力描写、シニカルで乾いた世界観、そして悪ふざけ一歩手前の絶妙なユーモア感覚…。覚醒したヒーローが巨悪へと立ち向かうという、言わずもがななスーパーヒーローものの古典的名作として、のちにCG全盛時代に突入し一大ブームを巻き起こすマーブルやDCコミックスの映画化作品の全てのルーツだと言っても過言ではないでしょうね、これ。特に、記憶を取り戻しつつあるロボコップが、かつて愛する家族と共に過ごした無人のマイホームへと訪れ、過去の幸せだった日々を徐々に甦らせてゆくという切ないシーンは出色の名シーンでした。一転して犯人たちとの激しい銃撃戦シーンでは、要所要所でばっちりきまっちゃうロボコップのキメポーズがいちいち格好良いし(笑)。あと個人的に良かったのが、ときおり差し挟まれるフェイクCM。スターシップでも多用されていた、この遊び心爆発の馬鹿馬鹿しい演出が、僕的にはけっこうツボでした。いやー、今更ですけど、やっぱり面白かったっす!ロボットだからって食わず嫌いは、やっぱ駄目だね![DVD(字幕)] 8点(2014-04-02 19:05:47)(良:2票)

10.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 素晴らしい。この竹取物語という日本人なら誰もが知っている日本最古の物語を現代に甦らせた本作は、アニメのみならずここ10年の間に製作された全ての映画の中でも歴史に残る傑作と言ってもいいくらいの素晴らしい出来栄えだった。高畑勲という日本を代表する映画作家は、この平安期の日本に古色蒼然と埋もれていたかぐや姫という女の子をその見事なまでの芸術的才能によって、千年の時を経た現代の日本に活き活きと生き返らせたのだ。水彩画を思わせる淡いタッチの絵の中で瑞々しく躍動する、このかぐや姫ほど魅力に満ちた主人公を僕は他に知らない。光り輝く竹の中から生まれた小さな女の子であった彼女が心優しき老夫婦の元ですくすくと成長していくさまを自然に見せていく冒頭部分から僕は心を鷲掴みにされた。最初は心優しき翁だった父が都に出てくると、次第にその出世欲と見栄を増大させ、単なる俗物へと変化していくのは、このかぐや姫という物語の本質を象徴している。生きることは、その純粋さを少しずつ穢していくこと――。常日頃からそう思っている僕にはとても共感できるテーマだった。光り輝く魅力に満ちたそんなかぐや姫も都に出たことによって、社会の序列化の波に組み込まれていく。やがて、彼女は男どもの横柄な支配欲――その裏には必ず醜い性欲が潜んでいる――によって、その美しさと純粋さを完全に奪われそうになるのだ。ただ綺麗なだけの着物を脱ぎ捨て、楽しかった生まれ故郷の里山に帰ろうとするかぐや姫(絵のタッチを意図的に荒くして描かれるこのシーンは息を呑むほどに美しかった)だが、男社会の論理はそれを許さない。何とかしてそんな男どもの支配欲に抗おうとするかぐや姫だったが、とうとう帝に見初められることによって追い詰められてしまう。そして、彼女を後ろから抱き締めようとする帝の醜い支配欲…。かぐや姫はその純潔を守るために自らの意志で迎えを呼び、そして“穢れなき”月の世界へと帰ってゆく。だが、そんな俗世にまみれたこの世界でも初恋の思い出や鳥や虫たちの健気に生きる姿、そして父母の情愛という彩りに満ちた素晴らしいものがあると悟り、かぐや姫は涙を流す。不覚にも、僕はこのラストシーンを見ながら涙が止まらなかった。映画でこんなにも泣かされたのは久し振りのことだった。理不尽で醜い現実に満ち充ちたこの世界で、少しずつ穢れていきながら日々の生活を送る僕たち人間の悲哀を象徴的に描いたこのラストシーンは白眉としか言いようがない。そうなのだ。だからこそ、僕たちは物語というものに純粋さ・美しさ・あるいはユートピアを求めていくのだ。それは竹取物語が誕生した千年前も現代を生きる我々でもなんら変わることはない。そんな普遍的なテーマを追求した本作は、近年稀にみる傑作と言っていい。[DVD(邦画)] 9点(2015-08-02 16:41:20)(良:2票)

11.  リンカーン弁護士 《ネタバレ》 刑事事件を専門に扱い、高級車リンカーンをオフィス代わりに超多忙な勝ち組生活を謳歌するエリート弁護士ミック。しかし実体は、犯罪者ばかりを顧客に持ち、金儲けのためならきわどい手法でも躊躇なく使うというダーティーな弁護士だった。ある日、知り合いからの紹介で、ミックはとある金持ちのボンボンが巻き込まれた娼婦暴行事件の弁護を引き受けることに。今回も楽勝で大金が稼げると高をくくっていた彼だったが、裁判が進行していくうちに彼のキャリアを根底から覆すような驚愕の事実が明らかとなってゆく。冒頭こそ、軽佻浮薄な拝金主義者という典型的法匪として観客の前に姿を現すミックだったが、物語の進行とともに、実は彼にもちゃんと弁護士としての譲れない信念があるということが分かってくる。それは「無実の人間は絶対に救うこと」。だからこそ、ミックは弁護士としての職務と人としての正義との狭間で苦悩することになるという展開には見事に惹き込まれました。主人公〝リンカーン弁護士〟の、善人と悪人の両面を併せ持つ一筋縄ではいかない人物造形も見事です。良作。[DVD(字幕)] 7点(2013-11-06 23:35:20)(良:2票)

12.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 貧しい母子家庭に育ったものの、持ち前のバイタリティと人を惹きつけるカリスマ性のみを武器に、金とハッタリと欲望だけがものを言う金融取引の世界でただひたすらのし上がってゆき、いつしかウォール街の狼と呼ばれるようになった男、ジョーダン・ベルフォート。だが、その私生活は酒とドラッグとセックスが渦巻く欲望の海にただひたすら溺れていくかのような破天荒なものだった――。栄光と挫折を味わった実在の金融マンがその半生を赤裸々に綴った自伝を元に、巨匠スコセッシが若き盟友ディカプリオと再びタッグを組んで描き出したエネルギッシュなサクセス・ストーリー。いやー、アメリカってホントに法治国家なんですか(笑)。映画が始まって、ただひたすら3時間、金と女とドラッグが乱れ飛ぶ乱痴気騒ぎが延々と繰り広げられて、もうお腹いっぱいっす!彼らに実際に騙されて資産を失った被害者とかがこれを観たら、もう怒りのあまり血管が切れちゃうかもね。それにしても、もう70を越えているはずのスコセッシ御大がこんなにも猥雑で下品で胡散臭くて、それでも生きるエネルギーに満ち溢れたつわもの共の宴を最後までテンションMAXに描き出すその衰えない手腕はやっぱり賞賛に値すると思います。かつて巨匠と呼ばれた監督たちが、最後はその晩節を汚すような作品を遺して逝ったことを思えば、彼のこの無尽蔵のバイタリティはホント凄いですね。そんなスコセッシの要求に、もはや名実共にハリウッドトップクラスの俳優であるディカプリオが見事な熱演でもって応えていて、最後まで充分見応えのある作品に仕上がっておりました。これまでのスコセッシ&ディカプリオコンビの作品の中でベストワークと言えるほどのクオリティを誇っていたと思います。それにしてもこのベルフォートって男はなんと愚かで馬鹿でイヤらしくて最低のゲス野郎なのに、どうしてこんなにも魅力的なのでしょう。この映画で彼の半生を辿ると、人間ってもっと馬鹿で愚かになってもいいんだと何故だか生きるエネルギーを貰えたように感じます。少なくとも、「情熱と努力と奉仕の精神でこんなにも会社を大きくしました。だから、みんなも希望を捨てずに頑張りましょう」という世の多くの会社社長たちの建前だらけの胡散臭い演説よりは彼の言葉の方が信じられるような気がします。…あれ、もしかして自分もいま、騙されかかってる?(笑)。[DVD(字幕)] 8点(2014-10-30 06:48:13)(良:2票)

13.  ブロークンシティ 《ネタバレ》 「皆さん、私が市長になったとき、ここニューヨークは“壊れた街”だった。そう、完全に壊れていた!それを、私が少しずつ直してきた。ええ、もはや安全に生まれ変わりましたとも!だから次の選挙も私、ホステラーへと投票を!!」――。市長選挙に沸く大都会、ニューヨーク。7年前、レイプ殺人犯を正当な手続きを踏まぬまま射殺したとして警察の職を辞したビリーは、以来街の片隅で私立探偵として細々とした生活を強いられていた。それでも女優の卵である彼女と共にそれなりに充実した毎日を過ごしている。ある日、そんなビリーの元に妻の浮気調査という依頼が舞い込んでくる。依頼主は、なんと現職の市長ホステラーだった。「この時期、スキャンダルだけはなんとしても避けたい。くれぐれも内密に頼む」。多額の報酬に引かれてすぐに彼の妻の身辺調査を開始したビリーだったが、そこには市長選を巡る巨大な陰謀が隠されていたのだった…。マーク・ウォールバーグ&ラッセル・クロウという2大人気俳優競演で魅せる、重厚な政治サスペンス。まあ取り立てて新しい部分はなかったですけど、ツボを押さえたミステリアスなストーリー展開と都会の夜の空気を濃厚に漂わせる映像とでなかなか見応えのある作品に仕上がっていたと思います。主演俳優のみならず、脇を固める何気に豪華な役者陣もそれぞれに味があって良かったです。ただ、不満な点も少々。それはやっぱり、主人公の「彼女」の存在でしょう。“女優の卵である彼女に嫉妬したビリーが何年も禁酒していたのに再び酒を手にしてしまう”というエピソードが、途中からどっかに行っちゃったのが残念でした。最後に市長が取り出してきたビデオ、「きっと、ここに拉致監禁されたあの彼女の姿が映ってて…」みたいな展開を想像した僕としては、その予想外の内容に「え、そっち?」と思わずずっこけそうになっちゃいました。そのまま、彼女の存在は最後までずっとほったらかしのまま…(どこ行ってん?笑)。これなら彼女のエピソードはばっさり切って、ロマンスはあの助手の女の子だけに集中した方が良かったと思うんだけど。とはいえ、映画としてぼちぼち面白かったことは確か。監督には、最後にチェーホフのこの有名な言葉を期待を込めて贈りたいと思います、「物語にピストルが登場したなら、それは発射されなければならない」。[DVD(字幕)] 6点(2015-02-16 19:49:02)(良:2票)

14.  アデル、ブルーは熱い色 《ネタバレ》 「ねえ、エマ。初めて味わったのは何歳のとき?」「何を?」「女の子」「女の子?それは私が女の子といつキスしたかってこと?それとも食べたかってこと?」「キスよ、もちろん…。その先のことは後で教えてもらうわ」「14歳のときよ、アデル」「そう…、エマはやっぱり女の方が好き?」「両方試した、男も女も…。それでもやっぱり女の方が好き。アデル、絶対よ」「エマ、私もあなたとキスしたい」――。17歳の女子高生アデルは何処にでも居るような平凡な女の子。毎日バスで学校に通い、退屈な先生の退屈な授業を受け、休み時間は女友達とのどうでもいい恋バナをして、そして家に帰るといつものように家族揃ってご飯を食べて…、という平穏な日々を遣り過ごしている。そんな毎日に物足りなさを覚えたアデルは他の女友達のように彼氏を作ってデートをし、セックスだってしてみるのだけど、それでも心の空白を埋めることが出来ないでいる。「何かが違う」。そう感じたアデルは、彼氏とも別れ、友達に連れてこられたゲイバーで“彼女”に出逢ってしまうのだった。髪の毛を鮮やかなブルーに染めた彼女の名は、エマ。そう、彼女こそアデルが街中で偶然擦れ違ったとき、自分の心の深い部分に火を点けるような衝撃を与えて去っていった女の子だった。偶然の再会に、何か運命的なものを感じたアデルは、そんなエマと何もかもを捨ててもいいほどの情熱的な恋に堕ちてゆく…。自分の殻を破れないでいる平凡な女の子アデルと芸術家肌の奔放なレズビアンの女の子エマとの数年間にわたるそんな濃厚な愛の日々を詩的な美しい映像で綴るカンヌ映画祭パルムドール受賞作。とにかく、この監督は人の顔をアップで撮るのが好きみたいですね~。3時間という長い上映時間のほとんどがこのアデルとエマの顔のどアップで占められておりました。もう冒頭から、主人公アデルのスパゲッティやらケバブやらをくちゃくちゃ食べるシーンが延々と繰り返されるのですが、普通、そんな挑戦的な演出はものの見事に失敗するのだけど、この監督さんの映像センスは素晴らしいですね。このアデルという何処にでもいる平凡な女の子の等身大の魅力を見事に引き出していたと思います。そんな彼女を虜にしてしまう青い髪のボーイッシュな少女エマとの濃密なベッドシーンも全然下品じゃなく、かといって必要以上に綺麗に美化されている訳でもなく、この絶妙なバランス感覚は凄く良かったです。後半、互いの生活のすれ違いから2人は破綻に至るわけですが、そこで描かれるアデルの心理は女と女という狭い枠組みを超えた普遍的なもの。辛い失恋を経験した男女なら誰もが共感できる、切ないものでした。僕もちょっと過去の色んなことを思い出して思わず泣きそうになっちゃいました(笑)。ただ、いかんせん長い!!このストーリーなんてほとんどあって無きが如しお話に3時間弱はさすがに長すぎます。2時間弱くらいに収めてくれたらもっと完成度の高い傑作になり得ただろうに。そこらへんがちょっぴり惜しかったですが、充分見応えのある納得のカンヌ映画祭パルムドール受賞作でした。[DVD(字幕)] 7点(2015-09-07 02:30:31)(良:2票)

15.  シザーハンズ 《ネタバレ》 思えば、ここからジョニー・デップとティム・バートンの名コンビが始まった記念碑的名作。絵本のようにカラフルな街並みやあり得ないストーリー設定ながら、現実的な社会的弱者への苛烈な差別、そして軋轢を寓意的に描いている。カフカの「変身」のように、両手がハサミという姿をある種の障害と捉えればこの映画は一気に深くなる。そしてそんな不条理な社会に背を向けて、ただ愛する女性のために雪を降らせ続けるエドワードの姿はあまりにも辛く切ない。[DVD(字幕)] 9点(2012-05-07 07:14:59)(良:2票)

16.  トーク・トゥ・ハー 《ネタバレ》 まさに変態純愛映画というジャンルを確立した(?)、ワンアンドオンリーな快作。事故により、意識不明の植物人間と化してしまった若く美しい女性を献身的に介護する孤独な看護師の男が、彼女を愛するがあまり一線を越えてしまう……。女性の人間性を徹底的に排除し、ただひたすら女の肉体のみを愛でるという、この川端康成晩年の傑作「眠れる美女」をも髣髴とさせるこの究極のフェティッシュな愛は、恐らく男にしか理解できない世界(いや理解できる男も少ないかもね)。そんな淫靡な世界を妖艶に美しく描き出している。そして、劇中劇として展開される、これまたまさに究極の変態サイレント映画も強烈だわ~。これは円熟期を迎えたころの、スペインが生んだ天才変態映画作家アルモドバルが創出した傑作だろう。もし、日本が世界に誇る変態大作家・谷崎潤一郎が生きていてこの映画を観たとしたら、是非ともその感想が聞いてみたい(笑)。[DVD(字幕)] 9点(2013-04-26 15:33:39)(良:2票)

17.  耳をすませば(1995) 《ネタバレ》 何でも信念を持って拘り抜いて作品を作りあげれば、傑作になりえるという見本のような作品。はっきり言って宮崎駿をはじめとした髭面のおっさんたちが心血を注いでこの赤面必死な少女マンガの世界を徹底的に映像化したなんて、考えるだけでも恥ずかしい。もし、これがどこかに照れ隠しのように大人な意見を差し挟んでいれば、もう目も当てられないくらい違う意味で恥ずかしい作品に仕上がっていたことだろう。そんなジブリのおっさんたちの勇気に拍手喝采!おっさんになったいまでも好きです、この赤面初恋映画(人に言うにはかなりの勇気を要するけどね笑)。[DVD(字幕)] 8点(2013-05-02 19:30:58)(良:2票)

18.  ブリングリング 《ネタバレ》 「ミーシャ・バートンが飲酒運転で捕まったって」「マジで?」「うん、それにパリス・ヒルトンは今夜、ベガスでパーティー」「ねえ、パリスの自宅って調べられる?」「ちょっと待って…。えーっと、ブライア・サミット・サークル2342番地…」「行こうよ!中に入れたりしたら最高に楽しそうじゃん!」――。おちこぼれて三流高への転校を余儀なくされた高校生、マーク。彼はそこで、自由奔放に生きる女の子レベッカを初めとする不良グループと出会うのだった。退屈な日常から少しでも逃れたい彼女たちは、常にネットでセレブたちの煌びやかな生活をチェックし、夜毎パーティーへと繰り出してはドラッグと酒に手を出す享楽的な日々を過ごしていた。ところがある日、手癖の悪いレベッカの思いつきによって、彼らはパリス・ヒルトンの自宅へと侵入することに成功する。そこで見た大量のブランド品やキュートな靴、眩いばかりの宝飾品の数々に彼女たちのテンションは最高潮に。無事にパリスのものを盗みだせた彼女たちは、「あたしもパリスみたいなセレブ生活を楽しみたい!!」と次第にその行動をエスカレートさせていくのだった…。ハリウッドのセレブたちを標的に数億円規模の金品を盗み出したティーンエイジャーたちによる窃盗事件を基に、ソフィア・コッポラ監督がスタイリッシュに描き出す青春クライム・ムービー。もういかにもソフィア・コッポラらしい、なかなかカッコいいガールズ映画でしたね、これ。彼女たちの行動に当然のように嫌悪感を抱くだろう、自称・良識派の人たちや年配の方には申し訳ないですが、若いってこういうことだと僕は思います。後先のことなんかこれっぽっちも考えず、「取り敢えず楽しそうだからやってみよう!!」という彼女たちの行動原理には、いたく共感出来ました。僕も若いころは酒飲んでいっぱい無茶やりましたもん。皆でゲームして一番負けたもんが女装してコンビニに行くとか、バイト先の倉庫に忍び込んで夜中中麻雀してみたりとか…(あん時、SNSがあれば僕なんか真っ先にお騒がせ画像を投稿しただろうなぁ、おーこわ笑)。そしてソフィア・コッポラの美点って、そんな無軌道な若者たちを描かせても、最後まで上品でお洒落な雰囲気を維持しちゃうその感性にあると思います。もう全編を彩るその映像や音楽の品の良さといったら…。ただ、良くも悪くも薄味なんですよね~。その薄っぺらさが現代社会を象徴していると言えば聞こえはいいのだけど、ちょっぴり物足りなさを感じたのも事実。彼女のセンスとは僕は昔から相性がいいんで本作も普通に楽しめましたけど、そろそろコッポラ監督の新境地みたいなものも観てみたい気もします。とはいえ、若い女性を可愛く撮らせたらやっぱり彼女の右に出る者は居ないですね。出てくる女の子、全員めっちゃキュートで可愛くてえがったっす!あ、あとパリス・ヒルトン、普通にアホ過ぎやろ(笑)。[DVD(字幕)] 7点(2015-05-07 22:48:46)(良:2票)

19.  キック・アス ジャスティス・フォーエバー 《ネタバレ》 当時、若干11歳のクロエ・グレース・モレッツちゃんが演じたヒットガールのポップでキュートな可愛さでもって僕のロリコン魂を完全に燃え上がらせてしまった前作から早や数年――。この度、期待に胸と何処かを高鳴らせながら、ようやく続編である今作を鑑賞してみました。いやー、クロエちゃん、すっかり〝女の子〟から〝女〟へと成長してしまいましたね~。仕方のないこととは言え、一抹の寂しさを感じざるをえない僕なのでありました。こういうのを日本的情緒でもって表現すると〝もののあはれ〟と言うのでしょうか(笑)。さて、そんなすっかり成長してしまったヒットガールちゃんなのですが、やっぱり前作でのその強烈な個性でもって観客に絶大なるインパクトを残したことを思えば、さすがに今回はいたって普通のどこにでもいるような正義のヒーローになっちゃいましたね、これ。前作で爆裂していた彼女の魅力って、社会のくだらない常識やモラルなんかを軽々と踏み越えて退屈な大人たちをぼこぼこにする幼き少女という、他を寄せ付けない爽快なまでにぶっ飛んだキャラクター性にあったと思うのだけど、この「女の子として普通におしゃれしたい!恋だってしたい!なのにヒーローにならなきゃいけないなんて…」というあまりにも凡庸な悩みに揺れ動く今回の彼女って、ちょっと常識的に過ぎて魅力が半減しちゃってますって。やっぱりヒットガールちゃんと言えば、危険な放送禁止用語を連発し常にナイフやマグナムを恋人に、ちっぽけな常識やモラルなんかとは無縁の孤高のロリキャラであってほしかった。と、ここまで書いてきて気付いたけれどこの映画の主役って確かキックアスでしたね(笑)。今回も主役であるはずの彼がいったい何をしていたのか、観終わってすぐだというのにほとんど記憶に残ってません。そんなわけで、「キックアス」ってヒットガールちゃんの魅力だけが最高に素晴らしかったのであって、そんな彼女の魅力が半減しちゃえばあとには5点程度の映画しか残らなかったんだなー、ということを再確認させてもらいました。でも、大きくなったとはいえクロエちゃんはこれはこれで可愛かったので+1点っす![DVD(字幕)] 6点(2014-09-12 18:14:50)(笑:1票) (良:1票)

20.  触手 《ネタバレ》 日本が世界に誇る変態エロジャンル、その名も「触手モノ」。これまで幾つかの映画の中でちょこちょこっと扱われてきた(僕が知る限りでは、ケビン・ベーコン主演の『スーパー!』やポール・バーホーベン監督の『エル』などでフューチャーされてました)、この変態ジャンルが満を持して海外で実写化されることになりました!最初に断っておきますが、僕はちょっと興味があるってだけでそこまで好きではないですよ、念のため。このジャンルは実写化は金がかかるので、これまで主な表現媒体は漫画やアニメと相場が決まってましたが、今回海外の変態がお金を出し合ってCGで触手を再現!「これで今までハリボテのちゃちい触手を使って女優自らがちまちま動かすだけというイタイ実写版触手モノと違う、本物の映像が見られる!!」と今回鑑賞してみました(もう一度言いますが、僕はそこまでこのジャンルは好きではないですからね!笑)。結果は……、98分あるこの映画の中で肝心の触手が暴れまわるシーンがトータル1~2分だけってありえんだろ!!いつになったら触手が大活躍するんだと我慢に我慢を重ねてずっと、このホモ旦那と欲求不満妻のどーーーでもいい不倫話を延々見せられて、結果がこれってもう怒り狂いそうになっちゃいましたわ!!看板倒れもいいところです。もうこれは日本の本家変態に期待するしかないですね。誰かちゃんとお金を集めて、ハイクオリティなCGを駆使した本物の触手映画を誰か真面目に作ってください(笑)。[DVD(字幕)] 3点(2019-07-21 20:32:53)(良:2票)


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