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1. 菊次郎の夏
《ネタバレ》 夏の想い出を呼び覚ます。ただその一点においてこの映画が好きだ。
私とたけし監督とは世代も出身も性格も生活も家庭環境も人間関係も全く違うだろうに
等しく「夏」を共有させる。これって何気にスゴいことだと思う。
正男を通して菊次郎が夏休みに帰ったように視聴者もまた菊次郎を通して帰っていく。
たまーに己と向き合う機会ってのは重要で、それをさらっと与えてくれる作品は得難い。
感じるポイントは人それぞれだろうが、皆どこかしらのシーンに各々の夏を見出せるんじゃないかな。いや、知らんけど。
もっとも、たけし一流の悪ふざけや内輪ネタは好きじゃないし、子役にもいろいろアレだ、思う所はある。
それでもあの、天使の鈴をぶんどるシーンの、トンネルを抜けて青いタイルの公衆トイレに腰掛ける一瞬。
あれを見たくて私はまたこの映画を観ると思う。[DVD(邦画)] 9点(2012-12-05 01:59:14)(良:1票) 《改行有》
2. アイアンマン2
《ネタバレ》 いろいろハデなことしてる割に退屈だった。敵が魅力ないのもそうだが、
どうも個々のエピソードがトニー社長の魅力を引き出していない。
心臓のタイムリミットに怯える姿など似合わんし、その解決法もただご都合主義なだけで
前作の「ミサイル作ってたはずがパワードスーツだぜ!」みたいなバカっぷりが足りない。
何より納得いかんのが、プレイボーイの社長が謎の美女を前に、しかもあれだけアプローチしながら
ラブシーンはおろかサービスひとつ無いことだ。
しかも敵ですらなく中途半端に共闘して無難な立ち位置に収まって去っていったぞ。
あ~~ん? 私、原作知らんので滅多なことは言えないけど、続編はラブるべきだ。
そして明るくお調子者の社長を見たい。
あと不可解な点が1つ。ライバル社がスピーチしたら会場が白けたんだけど、正直トニーのジョークと差があるとは思えん。
なんか可哀想だった。[地上波(吹替)] 5点(2012-12-07 01:37:32)(笑:1票) 《改行有》
3. アイアンマン
《ネタバレ》 主人公がハナから金も才能も腐るほど持っていてフル活用しヒーローになる。
しかも動機は自分とこの武器で自分がエラい目にあったからだ。
これが実に良い。意外なほど展開が自然で、妙な説得力がある。
トニー社長のキャラが効いている。生還して何をするかと思えば
めっちゃ羨ましい万能AIと二人三脚でスーツ開発にウキウキだ。
カラーリングを赤にしようとか言ってるとこ、こっちもテレビの前で赤イイ!とシンクロしてしまった。
前向きでやり手で、そのくせヒョッコリしたオッサン。
このキャラ付けが「武器商人が正義に目覚める」というクサい設定でありながら幼稚も偽善も臭わせない。
といって使命なんて関係ねえとスカすわけでもなく、ちゃんと理想に燃えている。
バランスがいいのだ。私のような陰険な視聴者がいわゆる変身ヒーローに抱くウザさに対して。
そんなわけでスーツ完成までは面白かったが、戦闘がイマイチ。
アイアンマンならではのアクションが無いってのは痛いな。
[地上波(吹替)] 7点(2012-12-07 01:15:36)(良:1票) 《改行有》
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