みんなのシネマレビュー |
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41. アイデン&ティティ 《ネタバレ》 何というか、文化系少年の妄想爆発映画という感じで楽しかったです。(麻生久美子演じるヒロインなんてまさに妄想の産物ですから・・・) 特に、獅童が入院した後の峯田のカッコ良さ、もう「ロックを単なるブームとして扱ったバカどもに捧げる~」のシーンは「これこそロック!」という感じで痺れましたね。 まあ、いろいろなミュージシャンもチョイ役で出ていて、それを探すのも楽しい作品です。 [DVD(邦画)] 8点(2007-05-02 16:04:30)《改行有》 42. 明日、君がいない 《ネタバレ》 観終わった後、「やられた・・・」と思いました。恐るべき19歳ですね・・・この監督は。まず、誰かの自殺を思わせる結末を最初に提示することによって、観客である我々はまるで探偵小説の犯人探しをするかのように、自殺者(自殺とは限らないが)探しに最後まで没頭してしまいます。そして、最後に結果が提示されると同時に、まるで営利なナイフのように監督の伝えたいテーマが我々の胸に刺さって来て、これが本当にハッとさせられます。 人間誰しも心の闇を抱えています、特に多感な10代ならば尚更です。その中で、そのプレッシャーに耐え切れず死を選んでしまう人もいる訳ですが、その人は決して特別ではなく「彼(彼女)は○○だから死を選んだ」といった公式は無いというような事をこの作品を観て感じました。 まあ、いろいろ目を塞いでしまいたくなるような生々しい場面もありますが、いろいろと考えさせられる良い映画でした。 [映画館(字幕)] 8点(2007-05-01 16:50:59)《改行有》 43. あおげば尊し 《ネタバレ》 良い映画でした。テリー伊藤と薬師丸ひろ子がまるでドキュメンタリーのように自然な演技を見せていて、作品の世界にすぐ入り込むことが出来ました。 まあ、親の死というものはいずれ必ずやって来る訳で、結構真剣に考えさせられました・・・・・。 ただ、この作品の中で問題視されていた小学生が死体などグロテスクなものに興味を持つ事については、今に限った事ではないですよね。我々が小学生の頃も、インターネットは無かったけれど、ホラー映画やマンガとか流行ってましたからね・・・(みんな残虐であればあるだけ面白がって見ていましたし。)。 実際、学校で「死」について教わることなんて殆どない状況(せいぜい、命を大切にしようと言う位でしょう。)で、子供たちにただ「死体を見ちゃだめだ」といっても、逆に好奇心を煽るだけでしょうから、テリー伊藤が取った方法(実際に死というものを見せる)も有りなんじゃないかと個人的には感じましたね。 しかし、「仰げば尊し」という曲は素晴らしいですね。 [映画館(邦画)] 8点(2007-03-23 18:29:20)《改行有》 44. アンタッチャブル 《ネタバレ》 いやあ、素晴らしい娯楽映画でした。まさに、「男の映画」って感じですね。(ていうか、ほとんど女性が出てこない、まるで宮下あきらの世界です。)とにかく、キャスティングが豪華で尚且つ素晴らしいし、ブライアン・デ・パルマ監督の映像美もとても映画の世界に合ってましたね。 とりあえず、マフィアの殺し屋はどこに行った?と聞かれて、「車の中だ」とケヴィン・コスナーが答えるシーンはシビれました。 [地上波(吹替)] 8点(2007-02-19 19:10:43)《改行有》 45. あゝ声なき友 《ネタバレ》 戦争に翻弄される人たちの姿を、遺書を配達する男を通して描いている作品です。渥美清主演ですが、喜劇では無く非常にシリアスな作品になっています。 何というか、一つ一つのエピソードが非常に物悲しく、そこに小室等の哀愁漂う音楽が上手くマッチしてるんですよね・・・・・・。 声高に反戦メッセージを叫んでいるわけではありませんが、非常に戦争とは何かということを考えさせられる作品でした。 [地上波(邦画)] 8点(2007-01-10 20:59:29)《改行有》 46. アルジェの戦い 《ネタバレ》 アルジェリア独立運動を描いた、セミ・ドキュメンタリー映画です。とにかく、リアルで生々しい描写が続き、まるでニュース映像を見ているかのようです。(もう、テロのシーンなんか見てられません・・・・) いろいろと考えさせられる作品でした。植民地支配からの独立運動のエネルギーに惹き付けられはしましたが、無差別テロに対して恐ろしさや怒りを感じる部分もありました。 しかし、この作品フランス人が見たら怒るでしょうね・・・・・・・。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-31 19:58:06)《改行有》 47. 嵐の中の青春 《ネタバレ》 「キャバレー」は素晴らしい作品で大好きですが、そのベースとなったこの「嵐の中の青春」も中々のものです。 とにかく、ジュリー・ハリス演じるサリーの奔放さがとても魅力的です(身近にいたら疲れそうですが・・・・・)、そして、それに振り回される主人公のクリスのうろたえぶりを軽妙なタッチで描いていて とても楽しい作品でした。(特に病気の治療のシーンのドタバタ振りは見事でした。) ラストシーンも本当に上手く作られていて、観終わった後非常に清々しい気分にさせてもらいました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-25 09:16:10)《改行有》 48. UPRISING アップライジング<TVM> この作品テレビ映画のようですが、中味は映画に勝るとも劣りません。ワルシャワ・ゲットーでのユダヤ人レジスタンスの闘いを迫力ある映像で描いています。 ただ、ドイツ兵の描き方が「いかにも・・・」という感じでしたけど。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-17 23:31:28)《改行有》 49. 或る夜の出来事 初めて見たのに、そんな感じが全くしないのは、この作品に影響を受けた物語がいかに多いかということの証ではないでしょうか?最初は反発しあいながらも、徐々に惹かれあう主人公の2人の軽快なやり取りは見ていてとても楽しかったです。 ラストの展開も「こう来たか!」と思わせるもので、非常に良かったです。 まだ見てない方は、予備知識無しで見てみて下さい。とても楽しめる作品です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-16 11:15:24)《改行有》 50. あの頃ペニー・レインと 《ネタバレ》 この作品は60~70年代ロック好きにはたまらない作品ですね。レッド・ツェッペリン、ザ・フー、デビッド・ボウイ、ブラック・サバス等々の名前が出てくるだけでゾクッときました。1973年はまだ生まれてまもない頃なので、当時の雰囲気を少しではありますが知ることができて良かったです。 まあ、当時のロックアーティスト達のツアーはハチャメチャで数々の伝説が残ってますが(レッド・ツェッペリンが、日本でもホテルで大暴れしてた武勇伝なんかは結構有名ですよね。)、この作品を見るとやはりいろいろ大変だったんだなと思いました。 私自身も、音楽ジャーナリズムに憧れた時期もあったので、この映画で描かれている内幕的なものはとても興味深かったです。(ファンの延長では駄目なんですよね・・・・・・) 最後の方で、レッド・ツェッペリンの「タンジェリン」が流れるシーンがとても印象的でした。(ツェッペリンはⅢが一番好きなんで・・・・) 『トミー』を聴けば、未来が見えてくる…。すごくわかります! とても爽やかな気分にさせてくれる作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-05-01 23:05:44)《改行有》 51. 甘い生活 《ネタバレ》 美しい映画です。映像も、音楽も、出てくる役者さんも全てが退廃的で美しく、約3時間非常に素敵な雰囲気に浸ることができました。(アヌーク・エーメいいですね。) 心の中ではそこから脱け出したいと思いながらも、退廃的・享楽的な生活を送っている主人公の姿には惹かれるものがありました。(マルチェロ・マストロヤンニの演技が素晴らしいです。) [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 21:40:02)《改行有》 52. 明日への遺言 《ネタバレ》 「米軍では、非人道的なことに対する報復が軍法で明確に容認されている。」この事実こそが、この作品を理解する大きな鍵となっています。 公正であるべき裁判が、当事者である戦勝国が敗戦国に対して行う矛盾。そしてその戦勝国では「非人道的」(人道的な戦争というものがあれば教えて欲しい)なことに対する報復が容認されている事実。しかも、戦勝国側の戦争犯罪については裁かれることはない理不尽・・・・・。 日本の戦争中の行為を肯定するつもりは毛頭ありませんが、この「正義の面を被った復讐行為」についても疑問を感じます。 そのような中で、岡田中将やフェザーストン弁護士のような「公正」さを求めた人物が日米両国に存在したことは非常に感銘深いですね。[地上波(邦画)] 7点(2015-05-03 14:03:31)《改行有》 53. あしたのジョー(2010) 《ネタバレ》 残念ながら「あしたのジョー」の世界観を完全に実写化することはできていませんが、このような実現不可能と思われることに敢然と立ち向かう製作陣、キャスト陣のストイックな姿勢こそが「あしたのジョー」が伝えたかった精神そのものなのかもしれません。ドヤ街を初めとする昭和40年代の日本の雰囲気の再現や、キャスト陣の役への入れ込み具合(丹下段平はちょっとやりすぎてコントになってしまってますが)等々かなり頑張っています。 そして、この映画の一番大きな意義は、今の若い人たちに「あしたのジョー」という不朽の名作を提示できたことだと思います。 [地上波(邦画)] 7点(2014-12-30 00:25:13)《改行有》 54. アルゴ 《ネタバレ》 何と言っても「事実に基づいて作られている」ということが、この映画の緊迫感にリアリティを与えていると思います。多少の脚色はあるにしても、イラン革命の雰囲気や当時のアメリカ社会の状況、危機に対する国家の中の人間臭いドラマ等々非常に興味深かったです。イランの人々の描き方については、完全に上から目線で、アメリカという国が持つ世界観を見せてくれていますね(狙ってるのかどうかは知りませんが)。 「アルゴ作戦」自体が荒唐無稽で粗く、フィクションであればおそらくコメディタッチで処理するしかないような代物なので、なぜこの作品が成功したのかという裏側を想像するのも一つの楽しみかもしれません(アメリカが大統領選挙の最中であったことだったり、後にイラン・コントラ事件が発覚するなど、いろいろ想像のネタはあります)。 映画の作りも、まるで70年代後半から80年代前半の雰囲気に満ち溢れていて、まるで当時の作品を観ているかのような気になりました。 終盤の展開は当時の解放に対する熱狂とその裏側が描かれていて、「我々が真実だと思っていることは、実は作られた真実なのかもしれない」とちょっと考えさせられましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-02 07:46:43)《改行有》 55. アシッド・ハウス 《ネタバレ》 いかにもメジャーな『トレインスポッティング』よりも、マイナーだけれども味がある佳作です。 この作品は、「トレインスポッティング」のアーヴィン・ウェルシュ作品の映画化で、何かに依存し頼ることによって、日々の閉塞感と退屈をやり過ごしている人々の姿をコミカルに描き出しています。 トレインスポッティングはそこに「未来を選べ!」というメッセージがこめられていて最後は爽快感が残りましたが、この作品は結局何にも変わりはしない現実が映し出されていて非常にシニカルですが、その悲哀こそが人生なのかなとも思いますね。 まあ、1作目のリアルな造型は、大型スクリーンでなくて良かったと思わせるものでした。面白かったですけど。2作目は成瀬 巳喜男の「浮雲」を思わせるというと失礼なくらい言い過ぎですがそんな感じ、3作目はバカバカしいコメディの形で、英国の階級社会の状況を戯画化した作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2013-02-02 09:55:51)《改行有》 56. 圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録 《ネタバレ》 非常に地味で華々しさは全くありませんが、権力というか当時の「大人の世界」の論理に対して戦いを挑む若者の姿にはいろいろと考えさせられました。彼らもまだ20前後で頭でっかちな部分もあるけれども、おかしいと思ったことに対しおかしいと声を上げる姿勢は間違ってはいないと思います。 彼らは闘争では何も変えることはできなかったかもしれませんが、このように映像記録として残り多くの人間に影響を与えたという意味では非常に大きな戦果を得たといえるのではないでしょうか。 [映画館(邦画)] 7点(2012-02-07 23:35:16)《改行有》 57. 愛人のいる生活 よくよく考えるとめちゃくちゃな設定なんですが、話が良く練られていて面白かったです。ザグレブの美しい街の風景もふんだんに映し出されています。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-19 11:24:17)《改行有》 58. あなたは遠いところに 《ネタバレ》 まあ、ストーリーは完全に作り話なのでリアリティを求める方にはあまりお勧めできる作品ではありません。ただ、この作品は戦争というものがいかに力と欲望に操られ、人間性の喪失した獣の世界であるのかを巧く描いています。また、韓国がベトナム戦争参戦という事実を未だに消化しきれていないもどかしさも見え隠れしているように感じました(ベトコン幹部が金を稼ぎに来ただけだという慰問公演団に「朴 正煕の軍隊と一緒だな」と言うシーンが印象的でした)。 スニの平手打ちは夫に対してだけではなくこのような愚かな状況に対するものでもあったのではないでしょうか。 [DVD(吹替)] 7点(2010-07-21 22:23:17)《改行有》 59. 阿賀に生きる 《ネタバレ》 新潟水俣病という公害病がこの作品の背景にはあるのですが、映し出されているのは阿賀野川流域に生きる人たちの普段の生活やのどかな日本の田舎の風景といったありふれた光景が殆どです。そして、出てくる人たちが皆面白く味のある方々ばかりで楽しく観賞することができました。 ただ、そのありふれた光景をひたすら映し出すことによって、われわれが気づかない内にひっそりと忍び寄ってくる公害の恐ろしさを教えられましたね。まあそれだけでなく、公害病と戦う人たちの姿から人間の強さを感じ取ることもできました。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-04-21 00:12:48)《改行有》 60. アフター・ザ・レイン 《ネタバレ》 まあ、結末がわかった状態で観始めたので、前半の明るさが非常に切なかったですね・・・・・。まるでジェットコースターが急降下する前にゆっくりと坂を上昇していく時のような雰囲気でした。 主人公のダークサイドに落ち込んでいく精神状態の描写や音楽の使い方など、監督のこの映画に対する思いが伝わってきました。ただ、いかに作品として良く出来ていたとしても、主人公の選んだ行動に同情は全くできないし不快感しか残りませんでしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-16 18:27:57)《改行有》
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