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プロフィール
コメント数 2388
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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81.  赤い風車 《ネタバレ》 残念だったのは鑑賞したTV放映版が異様に劣化した映像だったことで、本作の名を高めている鮮やかなカラー映像が台無しになってしまいました。そういう事情ではありますが、この映画の『赤』を使った映像の素晴らしさは伝わってきます。画家志望でもあった監督ジョン・ヒューストンにはロートレックの無頼の生涯は映画化したかった題材だったに違いないでしょう。ホセ・ファラーの演技は素晴らしいのですが、自分のイメージからはちょっと上品すぎてロートレックの持つ猥雑感が薄いかなという印象です。足に障害があったロートレックの姿を膝を曲げた姿勢でトリックなしで演じてくれますが、後年『ムーラン・ルージュ!』でジョン・レグイザモが同じ手法を使ってロートレックを演じています(そう言えば、『カジノ・ロワイヤル』でピーター・セラーズもロートレックのコスプレを見せていますね)。面白いのがホセ・ファラーはロートレックと父親の二役を演じていて二人が同じシーンに登場もしますが、さすが元祖カメレオン役者と言われるだけあって全然違和感がないのが凄いです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-17 23:17:59)

82.  愛と哀しみの果て 《ネタバレ》 実は私は邦題が「愛と~」とつく映画にアレルギーがあって、70~80年代に撮られたこれらの作品をリアルタイムで観たことがありませんでした。この映画も今回初めて観ましたが、さすがシドニー・ポラック監督らしく王道中の王道を行くロマンスで、想像していたよりはるかに楽しめました。自分の琴線に響いたのはブロア男爵役のクラウス・マリア・ブランダウアーの演技で、ロバート・レッドフォードの死をメリル・ストリープに告げに来るシーンに、怠け者で遊び人なのに彼が不思議とすごく男らしく感じてちょっとホロりとさせられました。ジョン・バリーの音楽がまた美しくてこの作品の印象を良くしています。あの素晴らしいアフリカの空撮は、やはり劇場のスクリーンで観ないといけませんね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-15 21:12:19)

83.  愛と追憶の日々 《ネタバレ》 この映画はコメディタッチで始って、最後はいわゆる「難病もの」で終わるのですが、全編通して穏やかな雰囲気で演出しているところが良かったです。デブラ・ウィンガーのご臨終場面など、今まで見た映画のなかで最もあっさりした主役の死亡演出でした。「えっ、これで死んじゃったの」っていう感じですが、こういうのもいいなあと思います。日本の映画監督やTV演出家たちよ少しは見習ってください。俳優の演技がじっくり見れる映画です。[DVD(字幕)] 7点(2009-01-08 20:52:37)

84.  アルプススタンドのはしの方 《ネタバレ》 甲子園出場の地方大会に義務的に動員された生徒たち、本気で熱くなっている応援席から離れたアルプス席に逃げ込んだJK二人と野球部を途中脱落した男子生徒の会話が面白い。野球のルールが全く判らない二人の会話に元野球部が突っ込みを入れるところが延々と続くが、これがグラウンドを全く見せないから試合の進行を観客に説明する仕組みにもなっている。私らの世代と違って最近の子供たちの野球離れが話題になったりしているので、野球に興味がなく基本的なことも知らないJKがいてもちっとも不思議じゃない世の中になってるんですねえ。 良くも悪くも高校演劇部には相応しいストーリーだったかなと思います。でも色んな意味でしらけた高校生活を送っていた四人が、高校野球の応援を通じていつの間にか熱くなってゆくところには、素直に共感できました。イマイチ感情移入できなかった自分ではありますが、青春映画としては良作だと思います。ただ「人生は送りバントだ」みたいな陳腐なことをドヤ顔で言うあの鬱陶しい教師の存在と、どう考えてもいらん付け足しだったと思うエピローグのせいで、マイナス一点![CS・衛星(邦画)] 6点(2024-04-21 23:00:59)

85.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 これは誰もが認めるところでしょうが、冒頭の大和撃沈のシークエンスはまさに“和製プライベート・ライアン”的な壮絶な映像。攻撃する米軍機もとうぜんCGながらもそのマーキングや機動などは実感あふれています。大和自体や後に登場する長門も含めて緻密な再現は山崎貴の本領発揮、まさに“神は細部に宿る”です。 この大和沈没が鮮烈過ぎて出落ち感すらあるストーリー展開ですが、まあこれはフィクションですから良いでしょう。櫂直などフィクショナルなキャラはともかくとして、実在の人物やモデルにされた人物が明らかに判るキャラにはちょっと?となる部分が無きにしも非ずです。舘ひろしの山本五十六は、自分としては歴代五十六の中でもっともイメージが合った良いキャスティングだったと思います。平山造船中将は平賀譲、藤岡造船少将は藤本喜久雄という有名な造船官がモデルなのは明白です。でも実際の大和建造計画策定時には藤本は死去していたのですが、まあここはフィクションなので五月蠅く言わないことにします。でも違和感がどうしても拭えなかったのは(これを言っちゃうと原作コミック自体の否定に成りかねないですが)、超秘密主義だった帝国海軍にいくら山本五十六の後押しがあったといっても、帝大を中退したばかりの民間人を少佐として迎え入れるという設定自体が絶対あり得ない。あと、天才的な数学才能がどうして一晩で造艦設計図面を書き上げる能力に繋がるのかが、理解しにくい。使用鉄量から造艦経費を導き出す方程式を創出するのは確かに数学的才能ですが、設計自体はデザイン的な能力だと思うんですけどねえ、まったく“数学万能”かよ(笑)。 冒頭で大和が建造されることはいわばネタバレしているのでこの広げた大風呂敷をどういう風に閉じるのかと楽しみにしてましたが、櫂と平山のラストの対決はなかなか見応えがありました。けっきょく櫂は平山造船中将に負けたというか説き伏せられた感じですけど、演じているのが田中泯ですからその結末も納得です。やっぱ本作では彼がいちばん光ってましたね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-11-13 22:34:19)

86.  悪の教典 《ネタバレ》 伊藤英明を稀代のサイコキラー・ハスミン役に持ってきたのは、とりあえず正解。彼もいつも演じている偽善が鼻につくヒーローよりも、こういう悪役を選択した方が役者生命を延ばせるというもんです。でもこのハスミンは通常の悪役キャラとは大違いで普段は快活で生徒に信頼されるナイスガイ、まあこのキャラについては普段の演技パターンでこなせるわけですが、鬼畜モードに入ったハスミンを演じるにはちょっと演技力が不足しているようです。それは別に凶暴にふるまう演技を要求しているわけではなく、さりげない所作などに普通じゃないところを盛り込んでほしかったんだけどなんか物足りなかったですね。区別せずに論ずる人が多いけど、いわゆるキチ〇イ(あっちの世界に行っちゃった人)とサイコパスは明確な違いがあるんです。ハスミンは原作者の意図からしてもサイコパス分類のはずで、そうなると彼に話しかける幻聴や幻覚は誤解を招く表現で不要だったとおもいます。 大量に射殺されてゆく高校生たちの阿鼻叫喚はすごい絵面ですが、彼女らに感情移入できなかったのが我ながら不思議でした。これはこの子たちの家庭環境などの個人的な背景がまったく描かれていなかったのが原因かと思いますが、原作から大幅にカットされたのはこの部分らしいです。大部の小説を映画化する場合にはどこを切るかは重要な作業で脚本家の腕の見せどころでもありますが、エピソード自体をばっさりカットして再構築するということも時には必要なはずです、でもこれは原作者との関係もあるので難しい問題かと思います。三池崇史のことですから30分以上にわたる大虐殺シーンには力を入れたかったと思いますし、そうなるとそこに至るまでにあと30分は尺が必要だったんじゃないでしょうか。 “To Be Continued ”がエンドマークでしたが、続編はどうなってるんでしょうか、まあ小説の方がまだ発表されていないので無理ですよね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-06-30 23:16:04)

87.  悪の法則 《ネタバレ》 原作が『ノー・カントリー』のコーマック・マッカーシー、脚色して製作総指揮まで買って出ているので、どうりで雰囲気が似ているわけです、登場人物が妙に哲学的な語りをするとか、ハビエル・バルデムも出てますしね。単純に言うとよくある悪女ものピカレスクなんですが、その悪女キャメロン・ディアスが脱ぎこそないが彼女史上最強のエロっぷりを見せてくれます。ハビエル・バルデムがその魔性にメロメロにされるわけですが、彼の「アレはナマズだった…」は迷セリフでございます。 原作者自身が脚色した映画は迷走するケースが多いものですが、本作もその傾向が濃厚な気がします。進行している事件が判りにくいというのがこのお話しの欠点かもしれません。繰り返される殺しは麻薬カルテルとキャメロン・ディアスが手配した殺し屋が下手人なわけですが、カルテルがなぜマイケル・ファスベンダーを殺さなかったのか理解できないところです。彼はあの絶望のラストの後で殺される運命で、映画ではあえてそこまで描かなかったという解釈もできなくはないですけどね。このような撮り方は今までのリドリー・スコット流とはちょっと逸脱している感じで、これもコーマック・マッカーシーの影響力なのかもしれません。 しかしあの“首チョンパ・ライダー殺し”は観ていてビビりました、バイク乗りの人にはトラウマになるでしょうね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-05-21 22:48:28)

88.  あさひなぐ 《ネタバレ》 アイドル映画としてはかなり上質な出来ではないでしょうか。乃木坂のメンバーは西野七瀬と白石麻衣ぐらいしか顔認識ができない私ですが、調べると主要キャストはほとんど乃木坂のメンバーなんですね。二年生の部長を演じる伊藤万理華って女優がけっこう個性があって上手いなあと思ったら、彼女も撮影当時は在籍していた元メンバーだったんですね(すいません知識がなさ過ぎて)。かなりコメディ色が強い撮り方ですが、演出のテンポが良いので愉しめました。演技力に難があるアイドルを起用する場合は、それをカヴァーするためにカット割りを短くするのがコツですが、こういうアイドルばかり出演する作品になるとそれがストーリーテリングのテンポをよくしてくれる効果があるわけです、これも怪我の功名ですかね。 面白いのは二ツ坂高校という校名で、私はてっきり乃木坂・欅坂の二つのグループ名をもじったシャレなのかと思っていたら、原作コミックの連載開始の方が乃木坂46結成より早かったんですね。現在の坂道グループの隆盛を予言しているみたいで面白いと思います。[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-09-30 21:39:32)

89.  アメリカン・パロディ・シアター 《ネタバレ》 まず原題の『月のアマゾネス軍団』からして、50年代に撮られたZ級サイテーSF『月のキャットウーマン』のパロディです。この『アマゾネス軍団』をぶつ切りに四分割してその間にCMパロディやらショートコントを詰め込んだというのがこの映画の基本的な構成です。でもこの『アマゾネス軍団』は深夜映画枠での放送という体をとっているけど画面がずれたり音が飛んだりフィルムが焼けたり、場末の名画座のスクリーンみたいな状態。つまりあの『グラインド・ハウス』を20年先取りしたアイデア、というかタランティーノがこれをきっちりパクったというところでしょう。詰め込まれたギャグは玉石混淆ですが、出てくる俳優陣がすごい数です。どっちかというとバイ・プレイヤーが多いのですが、その中にB・B・キングやラス・メイヤー、そしてヒューイ・ルイスというマニアが喜びそうな顔ぶれもいます。どっちかというと女優陣の方が豪華で、「なんでミシェル・ファイファーがこんな映画に」と驚くかもしれませんが、監督の一人が当時の旦那ピーター・ホートンなのでこれは納得でしょう。キャリー・フィッシャーやロザンナ・アークエットは割と変な映画に出るのが好きなイメージもありますが、個人的にはシビル・ダニングの月の女王様には感涙でした。 さてそのカオス状態の中でどのコントが良かったかと思い返すと、やはり『透明人間の息子』がいちばんでしょう。次点はヘンリー・シルヴァの『でっち上げか、真実か』ですかね。「切り裂きジャックの真犯人はネッシーだった」のネッシーが犠牲者を路地に連れ込むところの絵面は抱腹絶倒のおかしさです。あと『魂を無くした黒人』も捨て難い。これはCS放送でよく流れているポピュラーソングのコンビレーション・アルバムのCMのパロディになっていますが、これが日本のCMとそっくりなのに気が付きます。たぶんこういうCDは企画そのものからアメリカからの直輸入だったのかなと思います。 『ケンタッキー・フライド・ムーヴィー』ほどのアナーキー感はなかったのはちょっと残念でしたが、それなりにまとまったおバカ映画だと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-09-11 22:08:19)

90.  アイアン・スカイ 《ネタバレ》 フィンランドのオタクがクラウド・ファンディングも使って製作した低予算映画にしては、よく出来ているんじゃないですか。とても750万ユーロ(円換算では10億にもならない)が全予算とは思えない映像、やはりCGの力は偉大です。ナチの宇宙船やメカに漂うレトロ感はよく感じが出てましたが、ナチの逆襲というプロットも含めて既視感が濃厚で目新しさはないです。だけどギャグネタはかなり強烈なインパクトがあったんじゃないでしょうか。黒人を薬品で白人化させる、これは今のハリウッドじゃ絶対に使えないネタです。サラ・ペイリンにクリソツな合衆国大統領、まあこれは笑ってもいいでしょう。でもいちばんインパクトがあったのはこれでもかとカリカチュアライズされた国連の様相で、ヘリウム3なる鉱物を巡って巻き起こる壮絶な乱闘プロレスには爆笑させられました、サラ・ペイリンのピンヒールで殴られたらそりゃ血を見ますよ。そして北朝鮮とフィンランドのネタもね(笑)。 そういや、「続編製作中!」というインフォメーションもあったけど、どうなったんでしょうか?[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-26 22:59:04)(良:1票)

91.  アナコンダ この間インドネシアでアナコンダの腹から人間が出てきたとニュースが流れていましたので、思わず観なおしてしまいました。動物パニックというかモンスター・パニックの王道という内容ですけど、CGが発達したおかげで撮ることができた映画だと言えますね。ちゃんとアマゾン、なのかどうかは判りませんが少なくとも南米の熱帯雨林でロケしているところは好感で、はさまれる壮大な自然のカットはやっぱ美しいです。キャストもムダに豪華ですけど、ジェニファー・ロペスやオーウェン・ウィルソンは今じゃこの手の映画には絶対出ないでしょうね、ジョン・ボイドは喜んでオファー受けるかもしれませんが(笑)。そうなんですよ、劇中のセリフにもありましたけど、アナコンダが完全にジョン・ボイドに喰われてしまってるんですよ。オスカー俳優が受賞後のキャリアでここまでの怪演を見せてくれたことがかつてあったでしょうか、たぶんこれからもないでしょう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-24 23:18:34)(良:1票)

92.  悪魔の追跡 《ネタバレ》 この映画はホラーものというよりもアメリカ映画特有のジャンルでもあるスモールタウンものといった方が正しいんじゃないでしょうか。でもわたくし的には並みのホラーよりスモールタウンものサスペンスの方がはるかに怖い話が多いんです。とくにテキサスの田舎のお話しはね。 四人が旅に出てから出会う人間は全員怪しいという設定は当時としてははかなり奇抜だったんじゃないでしょうか。劇中でケリーだけは出会う人達が不気味に見えてしまうわけで、その時点ではこれは彼女の被害妄想と見えなくもない撮り方ですけど、彼ら四人が出会う人間が男女ともすべて中年以上で若者が一人もいないというところで不自然さが満開です。まあこれはラストで襲ってくる面々を観て答えは出るわけで、かなりストレートな恐怖です。このプロットは70年代の若者世代が年寄り世代のに抱いていた不信感のメタファーになっているのかもしれません。結論としてはアメリカ(特にテキサス)の田舎は恐ろしい、ということでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-14 23:24:52)

93.  青空娘 《ネタバレ》 源氏鶏太が原作の人気ラジオドラマの映画化だそうですが、ストーリーは観ていて恥ずかしくなるほど通俗的でご都合主義です。でも、若き日の若尾文子の魅力を堪能するには、本作はベストに近いと言ってもいいんじゃないかな。妖艶で小悪魔チックな彼女は他の作品に譲って、もお少女漫画も白旗揚げる様なひたすら不幸な境遇にも明るく頑張り抜く彼女の笑顔は癒してくれます、ささくれだった心を。そして、誰が観ても「諸悪の根源はおまえだろ!」と言いたくなるダメな父親に最後に言い放つ口調は柔らかいけどキツイお説教、これは実に爽快でしたね。ここから若尾文子・増村保造の黄金コンビが始まったかと思うと、感無量です。[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-10-26 22:17:10)

94.  暁の7人 《ネタバレ》 ハイドリッヒ暗殺とその後の報復虐殺事件の悲劇をストレートに映像化し、戦争映画史上に残るダウナー映画として名を残しています。本作と『ジョニーは戦場に行った』および『炎628』が私が選ぶ三大ダウナー戦争映画です。ティモシー・ボトムズはこのうち二本で主演しているというのはある意味凄いですね。 暗殺成功した後の報復を恐れる現地レジスタンスと、命令遂行しか眼中にないまるで青春物語のキャラみたいに脳天気な若い潜入組との対比が面白い。だいたい史実通りなんですけど、暗殺隊員たちのグダグダぶりはイライラさせてくれます。でも妻子持ちをメンバーに選ぶおえらいさん方もたいてい間抜けです。そんな杜撰な計画でも暗殺は成功してしまい、その後にメンバーたちとチェコのリディツ村の住民の悲惨な運命を見せられると、実に暗澹たる気分にさせられます。 映画ではハイドリッヒが全欧のナチ占領地の責任者になることを阻止するのが暗殺を急ぐ理由になっていますが、そんな事実はなくこれはウソです。本当は有能なハイドリッヒが飴と鞭の占領政策で労働者階級を味方につけるような情勢になって来たので、チェコ亡命政府が住民を虐殺される危険を承知のうえで決行した作戦でした。この政治感覚は、ヴェトナム戦争のヴェトコンと相通ずるところがあります。冷戦時なのにプラハでロケさせてもらえたぐらいですから、そこら辺の機微に触れる様な部分は改変せざるを得なかったんでしょうね。[映画館(字幕)] 6点(2015-08-13 20:54:12)

95.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 あなたたち、“スカ・ヨハのヌード”というキーワードに期待を膨らましてこの映画を観ると、手痛いしっぺ返しを喰らいますよ(かく言う自分がそうでした)。考えてみれば、『スピーシーズ』の○番煎じみたいな映画にスカ・ヨハが主演してヌードを見せるわけありませんよね。 いきなり『2001年』みたいな映像を見せられたうえもう極端にセリフが少ないときたら、「キューブリックの後継者か?」なんて勘違いするあわて者がいても不思議ないですね。全篇通じてもほとんど音楽が使われず、流されるのはほとんどワン・フレーズだけの不安をかき立てる不協和音みたいなやつだけ。その分映像には凝りまくってて、やたら引きで撮るシーンが多く風景の中で良く観るとスカ・ヨハが動いているという感じです。彼女の正体なども説明は一切なく、バンを運転しては男を物色して声をかけることを単調な繰り返しで見せるだけの展開には恐れ入りましたが、でもヘンな中毒性すら感じました。中盤から現れるバイクに乗って走り回る男、これもいっさい説明がないので?ですけど、どうもスカ・ヨハを探し回っているみたいでしたね。そんな彼女も例のエレファントマンくんに声をかけてからは、鏡に映る自分を意識しだしたりして何かが変化したみたいですが、さすがにあの最中にいきなり鏡で自分の股間を観察し始めたのには思わず笑ってしまいました(お前は小野小町か)。レイプされそうになって森の中を逃げ回るところまで退化(?)するとは意外な展開でした。そしてスカ・ヨハのあの最期、エイリアン映画史上に残るあっけなさでした。 まあ正直人に薦められる作品ではないんですが、どこか麻薬性がある不思議な映画であるのは確かです。[DVD(字幕)] 6点(2015-06-07 22:40:25)

96.  アウトブレイク 《ネタバレ》 この映画が今では山ほど製作されたパンデミック・ジャンルの元祖になるんじゃないでしょうか(いや、元をたどれば傑作『アンドロメダ…』でしょうね)。中盤以降の雑な展開は眼を覆うばかりですけど、TVで放映さてるとついつい観てしまうんですよね。突っ込みどころは満載です、まるで紙製みたいに破ける防護服、笑っちゃうほど簡単に見つかる宿主のおサル、あんな近距離にくっついているのにしくじる射撃がド下手なヘリコのパイロット、とまあ呆れるほどのご都合主義な展開です。それでも小さな町で感染が拡がり軍に封鎖されるまでの怒濤のストーリー・テリングは見応えがあります。これもダスティン・ホフマンを始めとする名優たちを揃えることが出来たからでしょうね、ダメな脚本でも何とかなるものなんです。善悪をあまりに単純に分けているのはいかにもハリウッド映画ですけど、それでもドナルド・サザーランドの邪悪な将軍は適役でした。陰謀をたくらむ悪役をやらしたらこの人の右に出る役者はいません。「お前はぜったい将官にはなれん」といじめられてくさっていた大佐がサザーランドを逮捕するときの嬉しそうな顔には笑ってしまいます。この大佐はデイル・ダイなんですが、軍事アドバイザーから俳優になった人で本人も海兵隊では大尉どまりだったから、なんかセルフ・パロディですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-04-09 20:15:39)

97.  アリス・イン・ワンダーランド 《ネタバレ》 いやはや笑わしていただきましたのは、ティム・バートンによるヘレナ・ボナム=カーターのいじりっぷりです。ふつう惚れた女房をここまでグロテスクに撮りますかね、でもこのデカ頭の女王様が彼女にピッタリのキャラに思えてくるので、そこはさすが一緒に暮らしている旦那さまですね。でも本作のあとバートンの作品に彼女が出てないのは、さすがに怒ってるんじゃないでしょうか(笑)。 お話自体は『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の後日談というかたちで、それをピーター・ジャクソンを意識した様なアクション・ファンタジーに仕上げましたという感じです。まあ可もなく不可もなくというところですが、森の木々の造形などのティム・バートンらしさが良く出てましたね。登場キャラはいろいろアレンジされてましたが、ジャバウォッキーだけは原作のテニエルの挿画に忠実なところには怪獣好きなバートンのこだわりを感じました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-28 22:20:28)

98.  愛のメモリー 《ネタバレ》 デ・パルマ映画の中でも屈指のぶっ飛びストーリーだと私は思います。詳しくは書けませんけど、もうあわや近親相姦になるところですからねえ(笑)。妻子を亡くした男の喪失感を前面に押し出した前半と、強引な急展開へと暴走する後半がかなりアンバランスなのも目を見張るところかもしれません。思うにこれは脚本にポール・シュレイダーが参加しているのが原因かもしれませんね。ヒッチコック大好きデ・パルマですからもろにオマージュと判るシーンも幾つかありますが、誘拐犯たちの意図がイマイチ不明なのに突っ走っちゃうストーリー・テリングも彼らしいところです。でも急展開の後で見せてくれるあのグルグル回るラスト・シーンは、映画史に残ると言う人もいるぐらいでさすがにグッとくるものがあります。これをマネしている映画はいっぱいありますからね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-10 18:29:57)

99.  アルゴ 《ネタバレ》 大使館に群衆が乱入してくるシークエンスは半端じゃない緊張感に圧倒されました。でもその後はあまりに淡々としていて、ラストの脱出劇も大使館乱入に比べると期待していたようなハラハラ・ドキドキが自分には感じられませんでした。なんでかなと考えてみると、ベン・アフレックが演じるキャラがあまりにも表情に乏しいところに原因があるかもしれません。実在のモデルがもともとそういうキャラなのかもしれませんが、やっぱベン・アフレックだからということもあるんでしょうね。この人、監督や脚本の才能はともかくとしても、役者としてはイマイチですからね。またこれも事実なんだから言ったってしょうがないけど、救われた6人がどうも勝手に大使館から脱出したとしか思えないし、大使館にまだ大勢の人質がいるのに彼らだけ救出されたってのはなんか後味悪くないですか。 エンドクレジットでカーター元大統領のインタビューが流されるのを聞いて、この映画はかなり政治的な意図があって製作された様な気がしました。だいたいこの時代のカーター政権の外交は失策続きだったという評価が一般的ですから、極秘作戦で6人の救出自体がカナダ政府の手柄だとされてきたこの事件をカーター元大統領サイドが名誉回復の一環として利用しているんじゃないでしょうか。 まあ私の感想としては、この映画にオスカー作品賞を与えるってのはちょっとどうかなって思います。映画としてはそんなに悪い出来ではないですがね。[DVD(字幕)] 6点(2014-09-09 19:59:03)(良:1票)

100.  アレクサンドル・ネフスキー 《ネタバレ》 チュード湖上の有名な氷上の大合戦は、さすがモブ・シーンが得意なエイゼンシュタインだけあって見応えがあります。ドイツ騎士団の悪逆ぶりも堂に入っていて、子供を次々と火に投げ入れて殺すなぞ、史実かどうかは知らないけれどやってくれます。騎士団の足軽(?)たちが被っているヘルメットがモロに20世紀ドイツ軍のシンボルである石炭バケツ型なのはちょっと露骨です。彼らに付き従うカトリック教会もまるでカルト集団みたいな悪役ぶりで、移動式パイプオルガンには笑ってしまいました。 対するネフスキー公側ですが、公をはじめみんな人間描写が薄っぺらというか無いに等しく、ここら辺はやっぱりプロパガンダ映画だなと感じます。思えば製作された1938年はスターリンの粛清が最高潮だった時期で、ドイツ騎士団の捕虜は解放されるのに内通したロシア人は民衆にリンチされて殺されるシーンなんかとっても意味深。ラストのネフスキー公の演説も、まあスターリンが映画を観ている大衆に説教している様なものでしょう。 この映画の三年後、ネフスキー公が守ったプスコフやノヴゴロドでソ連軍を打ち破って、ヒトラーのドイツ軍がレニングラードまで突進していったというのは実に皮肉なことです。[ビデオ(字幕)] 6点(2013-05-06 20:19:23)

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