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コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  網走番外地 悪への挑戦 《ネタバレ》 高倉健が主演で、アラカンの鬼寅さんも出てくるもんで、確かに一応はコレ、「網走番外地」には違いないんでしょうけれど、それにしてもまた随分極端な路線変更。今回はほとんど、スクールウォーズです。熱血健さんと、尖ったナイフのごとき、若き谷隊長(@たけし城)との、心の交流。 さすがにストーリー上、さいぶ無理があるなあ、と思いながら見るのもまたオツなものですが、それにしてもちょっと無理が。変に義兄弟になったりするもんだから、あーたぶん谷隊長、この後どっかで殺されるんだろうなーと誰しも思うのですが、こんなあっけなく殺されるとは。映画途中からやや影が薄くなってしまってたので、死んでもあまりインパクトが。 スクールウォーズ路線から、ハードボイルド風味を漂わせつつ、ラストはしっかり任侠路線になって、かなりノリノリにドスを振り回す健さん。無理はあるけれど、イロイロ楽しめたから、まあ、いいかな、と。[インターネット(邦画)] 6点(2023-04-16 17:04:41)《改行有》

2.  網走番外地 決斗零下30度 《ネタバレ》 網走番外地シリーズってのは、続きモノだとすると相当に無理があるので、一種のパラレルワールドものなんだろうと思ってたのですが、この作品の冒頭に回想シーンがあるのを見るとどうやら、続きモノだったようですね。いや、回想を含めてのパラレルワールドかもしれませんが。 もしも続きモノであるなら、邦衛さん演じる大槻とは、今回でお別れ・・・今回もお別れ? いややっぱりこれ、どういうシステムなんでしょうか。 それはともかく、今回は「決斗零下30度」ですから、シリーズ屈指の寒そうなタイトル。実際は、見ててそこまで寒そうには見えませんが、でも充分に雪景色が広がっています。そこそこ、寒そう。 冒頭、健さんがマセガキ、じゃなかった、少女と知り合って、さらには胡散臭い手品師とも知り合って、何かとユーモラスですが、例によって、たどり着いた地にはびこる悪へ立ち向かい、クライマックスは雪原での銃撃戦。雪中に展開される西部劇です。音楽もそんな感じ。マカロニ風味。 当然のように都合よく現れるアラカンは、今回は「八人殺し」というよりは、どこからどうみても普通に地元の老マタギ。ただし残念ながら銃を構えるともうひとつ、サマになってません。それもまた、味と言えば味。武器を投げ渡すのに、いくら何でも抜き身の刀を投げ渡す人がありますか。それもまた一種の味わい深さ。 撮影のために馬が本当に棒で殴られてたのか、気になる・・・。[インターネット(邦画)] 7点(2023-03-18 10:13:57)《改行有》

3.  網走番外地 大雪原の対決 前作の「南国の対決」から、帰ってきました北海道。雪また雪の真っ白な世界、ロケ撮影も大変でしょう。雪に足が取られたのか、カメラが猛烈にガタつく場面もあって、さすがに今の撮影は失敗じゃないの、と思ったりもするけれど、そういう作品の傷のような荒々しさも含めて、これぞ大雪原の対決だなあ、と。 冒頭の刑務所の場面から始まって、あれやこれやと行き当たりばったり、適当なストーリーのようでありながら、意外なまとまりを見せて、ちゃんと内田良平との対決に始まり対決に終わる、脚本の妙。そこに、ニセ鬼寅親分のエピソードも加わって、今回はアラカン大活躍です。クライマックスは、銃撃戦を繰り広げつつドスも振り回し、西部劇と任侠映画が同時に楽しめる親切設計。 油井に組まれた櫓が一気に燃え上がる場面なども、壮観でした。ダイナミックな作品です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-02-19 12:30:12)《改行有》

4.  網走番外地 荒野の対決 《ネタバレ》 刑務所内のシーンで映画は幕を開けますが、刑務所から外に出て射撃大会の場面になると、背景にやたら雄大な山々が見渡されて、露骨に西部劇チック。 その後の展開も、西部劇を意識してるんでしょうけど、どういうわけだか、これが不思議なくらい、西部劇っぽくないんだなあ。 これはやっぱり、北海道。そしてやっぱり、網走番外地。素晴らしきはムショ仲間たち。 悪徳牧場の様々なイヤガラセが、これでも繰り返された挙げ句、最後は殴り込み、などという展開、西部劇どころか完全に任侠映画。 と思ったら、意外な復讐譚に結びつく、というのが、意表をついた展開。意外に現代的なオハナシだったのでした。いや、意外。 大原麗子の熱演が、見どころ。[インターネット(邦画)] 7点(2022-06-13 22:19:46)《改行有》

5.  網走番外地 南国の対決 「網走」に「南国」というミスマッチ感覚、これは要するに「行け!!南国アイスホッケー部」みたいなもんですかね。違うか。 今回の舞台は南国も南国、沖縄。北から南までを股にかけ、世間は狭いというか何というか。 だいぶギャング映画のテイストが入ってますが、日本刀振り回す任侠映画テイストもあり、さらには少年との交流、母子愛。これがまたエエ話なんです。 つまり、何でもアリのごった煮の世界。一種の治外法権。当時の沖縄が置かれた状況。とは何の関係もないと思うけど。 とにかくエエ話なんだから仕方がない。結構、シンミリさせられます。 と思ったら、終盤近く、例によってあのレジェンドが登場して爆笑を誘い(マジで笑った)、気持ちよくすべてをブチ壊しにしてくれます。素晴らしい。[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-09 00:12:36)《改行有》

6.  アルフィー(1966) 《ネタバレ》 若き日のマイケル・ケインが色男の女たらしを演じていて、大丈夫なのかな彼につとまるのかな、と少し心配になりますが、他の男性出演者の容姿レベルを落とすことで何とかサマになってるような(?)。 恋愛観だか何だかをカメラの向こうの我々にしきりと語って聴かせ、とりあえず彼なりのコダワリはあるようなのですが、見ている限り、節操なく片っ端から女性に手を出してるようにも見えて、まるでその後の彼の俳優人生における役選びそのもの、と言ったところ。 好き勝手やってるようでも、実はシガラミに縛られてる訳で、何せ男女のこと故、「妊娠」ってのがそこに絡んでくる。子供が生まれてみりゃ、これもイイもんだ、と思ったり、はたまた堕胎の現実を目の当たりにしてショックを受けたり(その前触れのような、窓の外の雨)。 最後はドン・ジョヴァンニに地獄に堕ちちまえ、ってなもんですが、この程度では人間、なかなか地獄には墜ちないみたいですな。しかし歳とともに、上手くいかないことも増えてきて、何となく寂しい気持ちにもなって、反省する気はさらさらないけど、徐々に生活も変わっていく。さて、こんなヒトもいずれは、いいお爺ちゃんに、なるんですかねえ。[インターネット(字幕)] 7点(2021-09-05 13:07:56)《改行有》

7.  アルジェの戦い アルジェリア独立を目指しテロ行為を繰り返す活動家たちと、手段を選ばずそれを押さえ込もうとするフランス当局との戦い。 物語の軸には、一人の青年が組織に入り、やがて幹部となって、ついにフランス軍に追い詰められる(冒頭シーン)までの姿、というのがあるのですが、映画の多くを占めるのは、凄まじい爆破テロ、市街地での銃撃戦、フランス当局による拷問。そして何よりも、アルジェリアの名も無き民衆の表情、視線、があります。 フランス側が手段を選ばない一方で、テロリスト側も平気で騙し討ちを行い、泥沼のような戦いが繰り広げられます。その綺麗事ではない闘争模様が、作品の迫力となって、見る者に迫ってきます。[インターネット(字幕)] 9点(2021-06-06 13:37:54)《改行有》

8.  アラスカ魂 ジョン・ウェインと言えば、西部劇におけるヒーローの中のヒーロー、というイメージがあるのですが、しかし実際に映画に登場する彼から受けるのは、剽軽でお茶目なオヤジ、という印象。ある作品を「おおらかな西部劇」と言った時、そのおおらかさの半分は、彼に起因するものではないか、とすら思えてきます。 その彼が、ここでは文句なくコミカルなドタバタをやってます。何かといえば大騒ぎ、乱闘、殴り合い。何かといえばおごってくれる気前の良さ。 男女が意地を張り合う凸凹恋愛劇、という基本ストーリーは、これは50歳を過ぎたオヤジには似合わぬキツイものが、若干無いでは無いけれど、こういうアホらしいオハナシをえらく手間をかけて大々的に撮影し、乱闘ドタバタのみならず、こんな作品には誰も期待しない銃撃戦まで織り込んでみせたりして。相棒ジョージ(スチュワート・グレンジャー)の人懐っこい表情も忘れ難い。実に「おおらかな」作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-31 09:21:39)《改行有》

9.  あゝひめゆりの塔 映画開始早々の運動会シーンで、登場人物たちの顔立ちも話し言葉も、その他何もかもが「こりゃ沖縄じゃないよなあ」という感じなのですが、製作は1968年、まだ沖縄が返還される前ですから、仕方ないっちゃあ、仕方ない。というよりも、女子学生の運動会に何とか忍び込みたい男子学生たち、それをたしなめる吉永小百合、なんていう日活青春テイストが、映画を観る人々と登場人物たちとの距離感を縮めるのには確かに必要なのかも知れませぬ。だから、冒頭の渡哲也にわざわざ釘を刺されるまでも無いだろう、とは思うのですが。 という、まず馴染み深い日常があって、戦火が近づきつつあることをナレーションが解説しつつもその実感はなかなか湧かないのですが、次第に不穏な空気が流れるようになり、やがて日常は、過酷な戦場へと変化していくことに。米軍による攻撃の描写が、いろいろ違和感を感じさせる部分も多いのですが、少なくとも、「日活青春路線の映画がここまでやるか」と思わせるだけのものはある、激しい描写になっています。一方で、吉永小百合は清純派でなければならず、清純派は演技がクサくなくてはならぬ、みたいなこの感じは、ちょっとどうなんでしょうね。むしろ「表に出さずに堪える」ことが感情表現につながる場合もあると思うのですが。 最初の方で、男子学生の列と女子学生の列が、それぞれ別の歌を歌いながらすれ違う場面、異なる歌が重なりつつ、さらにそこにセリフまで重なって、映画的なポリフォニーになっているのですが、その後も、卒業式の場面で「仰げば尊し」の歌声と砲声が重なったりとか、切断された手足が砲撃で飛び散った中に花が咲いているとかいった対比が織り込まれており、「平和vs戦争」という対立軸を強調しています。そういう意味では、戦争映画と青春映画とが本作の中で必ずしもうまく混ざっていないこと自体が、作品の欠点もありながら、一方では本作の独自性にもなっているように思われます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-03-08 12:42:23)《改行有》

10.  暁の用心棒 映画最初の方で炸裂する機関銃の迫力の無さに、斃される兵士たちの倒れ方にもやる気が感じられず、ヤな予感がしてくるのですが、こんなこと書くと「オマエはそうやって、マカロニの冒頭シーン観るたびに、いつもヤな予感ばかりしてるんじゃないのか」と言われそうで、いや、決してそんなコトないんですけどね。でも殊更に否定もしませんけれど。 主人公のガンマンが、例のトニー・アンソニーという人で、悪者どもと戦うのかと思いきや、彼らに擦り寄り、一緒に金貨を奪う算段を取り付ける。で、首尾よく金貨を奪ったはいいけれど、分け前に与りそびれたもんで、金貨欲しさに、悪者ども一行にイヤらしくつきまとう始末。いや、コレ、金貨が欲しいなんてのは口実で、実は一味の仲間に入れて欲しくってイヤガラセまがいのちょっかいをかけているようにも見えてくる。そう見えちゃうのは、主演トニー・アンソニーの風貌がどうにも貧相だからでして。悪者どもに囲まれると、貫録負けすること夥しい・・・さてここで、邦題が「暁の用心棒」なのですが、この主人公のどこが用心棒なんだ、と思ってると、中盤でしっかりリンチにあってタコ殴りされる場面があり、ああこれは確かに『用心棒』の流れを微かに汲んだ作品ではあるわい、と。ま、所詮マカロニの邦題ですから気にする必要もありませんが。 で、頼りない主人公も、このリンチで多少は懲りただろ、と思ってる間に、いともたやすく危機を脱出してしまい、えーそんなんでいいのかよー。ってか、敵が妙にアッサリ絶命する場面が多い気がするんですけどねー。 ↓やましんさんがおっしゃってるように、この映画、セリフがかなり少なくって、冒頭シーンなども無言が続くし、主人公と彼が助ける女性との間にも殆ど会話が交わされない。それが、ちょっとシュールな趣きすら感じさせて、独特の雰囲気を出しているし、クライマックスで背景に虫の音が聞こえ続けるのも、ちょっと不思議な気分になってきます。 ただ、何かというと流れ始めてしまうBGMが、どえらく安っぽい単調な音楽で、このせいもあって、BGMがようやくやむと背景の音につい意識が向かうのかもしれませんけれども。 それにしても、なぜか道のド真ん中に敷かれたトロッコのレール。こんな短い距離で、何のために敷かれたのか。普請もやたらテキトーだし。 というあたりも、イヤでも強い印象を残してしまうのでした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-02-23 14:10:07)《改行有》

11.  網走番外地 北海篇 冒頭、刑務所内のやたらと濃い人間関係が描かれる中、千葉チャンからおつかいをたのまれて仮出所する健さん。なんやかんやでトラック野郎をあいつとめることになり、なんやかんやでこのトラックに様々な人物たちが乗り込んでくる。脈絡なく登場人物たちが集まってきて、脈絡なくさまざまな事件が発生し、でも最後には何となく収まるべきところに収まった気がしてくる、摩訶不思議。自分がコレにどう納得できているのか、まだ自分でも説明できませんが(笑)。 とにかく、雑多な登場人物をトラックに乗り込ませ、雑多な事件が起こりつつ(トラックの暴走シーン!とか)なんとなくそれぞれにドラマがあって、何となく皆、この旅を通じて何らかの感情を動かされ、成長したような感じがあるのですが(そんな結構なもんでもないか)、主人公の健さんと敵役の安部徹は別。この二人は何にも変わりゃしない。なので、こういう二人は最後は対決するしかないですね。雪の中の対決! ここで登場する、意外な人物。意外というより、ほとんど意味不明なんですが、しかしこれもどういう訳だか、ここで登場するならこの人しかいないでしょ、これが正解でしょ、という気になってしまう。意味合いは全然違うけれど、注文の多い料理店の最後に思わぬ助っ人が現れる、あの意表をつかれつつも感じる納得感に通じるものが。 それにしても、娑婆は娑婆で、こうやってさまざまな人間模様がある訳で、刑務所内はいわばその縮図なんだろう、そうそう、オカマだって一生懸命生きてるんだ、と、しみじみ・・・。[DVD(邦画)] 8点(2018-05-06 13:51:30)《改行有》

12.  赤ひげ どちらかというと私は以前からこの作品、やや苦手・・・。 3時間、やっぱり長いのです。そりゃあ気合いの入った、入りまくった作品ですけれども、ちょっと入り過ぎかと。ワンカットで撮影されたであろうシーンの、役者さんの異常なテンションの高さ。ついていくのがちょいと大変ですが、それで我々を引っ張るには、この(原作がそうだからとは言え)「連作短編集」のような構成は、不釣り合いでやや弱いような気が。同じく黒澤作品の『夢』ではワンカット10分を超えてしまいましたが(演技をいったん止めてフィルム交換したらしい。ってこれでワンカットの意味あるんだろうか?)、一方でハイビジョン使ったりと、作品自体に実験色があって、構成も完全にオムニバス形式で割り切ってましたよね。この『赤ひげ』の方は、もっと普遍的なヒューマニズムに裏打ちされた(されるべきであろう)作品にしては、ちょっと形式じみててギクシャクしてしまってる感じがします。山崎努のエピソードなど、延々と回想が語られるだけでなく、一部「回想の回想」まで入ってきて、この末期の緊張感の中、そんな演出までしなくても、と。 で、3時間、長い。長いのですが、一方でこれは意味のある長さでもあるのでしょう。反発していた若大将がいとも簡単に赤ひげになびいても嘘くさいし、なびかせんがために赤ひげが無駄にしゃべったり「いい人ぶり」を見せまくってもつまらない。エピソードを連ねるうちに徐々に心変わりしていく、それを自然に描くためには、この長さも一役を買ってるだろうし、そこを違和感なく見せたからこそ、終盤が近づくにつれての盛り上がりにもつながってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-04-02 22:31:29)《改行有》

13.  赤穂浪士 東映10周年記念、あまりにもオールスター過ぎる豪華時代劇。オープンセットでの群衆シーンに、壮麗なスタジオセット、そこに次から次に出てくるスターたち。いやまあ冒頭で配役がクレジットされてはいるのですが、誰が何の役か到底覚えきれない人数なので、いつ誰がどんな形で出てくるか、という楽しみがあります。ただ、人数集めすぎて、もはや役の方が足りないような・・・(って、そんな訳はないのですが)。 というくらい、色々と人物が登場して、大友柳太朗が重要な役かと思いきや中途半端な脇役に回ってしまったり、十四郎サマがその好敵手かと思いきやさらに影が薄くなってしまったり、錦之助の役なんていっそ登場しなくてもよかったんじゃないかと思うくらいなんですが。でもこういう必要なのか不必要なのかわからん登場人物がウヨウヨ出てきてストーリーの節々に絡んでくるのが、オールスター映画の楽しいところ。それにしても錦之助&賀津雄兄弟、似すぎ。 最初の1時間ほどは、そういうよくわからんキャラクターを登場させつつも、橋蔵演じる「出木なさ杉クン」こと浅野内匠頭の刃傷沙汰から切腹までが描かれます。そこからは、右太衛門や千恵蔵が気合いの演技をみせまくる、おっさんタイム。気合いが入れば入るほど、セリフが聞き取りにくくなっていき、何言ってるのかよくわからん千恵蔵を囲んで藩士たちが号泣しているのを見てると、ちょっと取り残された気分にもなりますが、いいんです、あくまで雰囲気、雰囲気。 さて、「赤穂浪士」という割には、大石親子以外の人たちの出番が妙に少なく、せいぜい目立つのは片岡源五右衛門くらい、というのがちょっと珍しいですかね。堀部安兵衛ももっともらしく出てきた割に活躍しない。東千代之介より山形勲、というわけです。 ということで、個々の浪士のこれというエピソードもないまま、浪士以外の登場人物が入れ代わり立ち代わり物語に絡みながら、気がついたら討ち入り、となりますが、若手(あくまで当時)とベテランのスターが散りばめられる楽しみに、豪華なセット、松の廊下などでカメラが横方向に動くとちょっと舞台の雰囲気なんかもあったりして。討ち入りの日の雪の描写なんかもいいですね。 ただ、全編を通じ、「泣く」場面が多すぎるかな、という気も。あまり涙を乱発すると、ここぞ、という盛り上がりが弱くなってしまいます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-01-15 09:05:20)(良:1票) 《改行有》

14.  アルバレス・ケリー 《ネタバレ》 南北戦争下、北軍へ牛の群れを届ける男が、アルバレス・ケリー。冒頭の「あ~るばれ~すけ~り~」という陽気な主題歌が耳から離れず困ってしまいます。で、北軍相手の商売がうまくいってるのかと言えば、人の足元をみたように無茶な注文をつけられて、何だか面白くない。そうこう言ってるうちに、ケリーは今度は南軍にとっつかまって、コチラに協力しろと脅される。 南軍側の大佐がR・ウィドマーク。コワモテの顔に眼帯をつけて凄みを利かせ、ケリーの指を撃ち落とすなどの非道をはたらくのですが、映画自体は別に南軍が悪で北軍が善というスタンスでも何でもなく、それは、中盤に登場する、北軍に協力的でない黒人の冷ややかな態度にも表れています。それはケリーとて同じこと、彼はあくまでカウボーイとしての自分に忠実であり、その仕事に意地を持っている。 しかしその主人公を演じてるのがW・ホールデン。どうも特徴が無いといいますか、優等生的であまり頑固者の感じがしない。もうちょっとアクの強い俳優さんの方が良かったかも??? 途中、南軍から逃げようとするエピソードが、中途半端な感じもする一方で、ある意味この優等生顔に似合っているような気もします。 で、クライマックスは、「食い物の恨みは恐ろしい」ならぬ「食い物が暴れたら恐ろしい」という、牛の群れを暴走させて北軍を蹴散らすダイナミックなアクション。ここで主人公の意地もピークに達し、南軍、北軍にも肩を並べる第3の勢力とも言うべき立ち位置に。そして主人公と南軍大佐との関係もピークへと達して、何かと盛り上がるのでありました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-21 08:27:46)《改行有》

15.  網走番外地 吹雪の斗争 これは人権蹂躙だ~ などと、こういう作品を観て怒る人もさすがにいないでしょうけれど、劣悪この上ない刑務所の中に放り込まれた、42号こと健さん。やがて脱獄するも、道中、妙な連中に出くわし、彼らのダイヤ強奪計画に巻き込まれていく。とは言っても、健さんには健さんなりの、ある目的があり、前半の刑務所のエピソードがちゃんと後半に繋がっていくんですけれども、いやそれはよくわかるんですけれども、それでもなーんか、気持ちの上で前半と後半がつながらないんです、あの前半に対して後半どうしてこうなっちゃうの、と。それを言い出すと、さらに終盤の雪原における逃走劇、これこそどうしてこうなっちゃうのか。西部劇のごとく、疾走する馬、銃撃戦、果てはダイナマイトまで持ち出し、爆発でバラバラになっちゃうヤツまで出る始末(しかもこういう場面がフツーの出来事であるかのようにサラッと描かれるのが・・・)。突拍子もなくって、もーついていけません。この堂々たる暴走ぶりが、スバラシイんですね。いちいち真面目にとらえていては、それこそ「頭がもつれちゃう(by42号)」。オハナシとしての「つながり」は、映画を暴走させるための手段であり、我々はその暴走に身を任せていれば、ラストの『夕陽のガンマン』を彷彿とさせる対決へと、ちゃんと連れて行ってくれるのだから。 惜しむらくは、タイトルに「吹雪の」とあるのですが・・・撮影期間中にうまく吹雪かなかったんですかね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-13 08:07:35)《改行有》

16.  網走番外地 望郷篇 《ネタバレ》 健さん演じる主人公・橘真一が、長崎に帰ってきた。そこでは、安井組が幅を利かせ、旭組を圧迫しているが、安井組組長は、かつて橘がヒットマンとして襲撃しケガをさせた、因縁の相手。で、旭組を取りまとめることになった橘と、いやがらせを繰り返す安井組との対決、と相成る訳ですが。旭組の元に舞い込んだ、港での荷降ろしのビッグプロジェクト、この仕事をやり遂げるためには何とか人手を集めたいが、安井組の脅迫のため、なかなか人が集まらない。荷降ろしの日は近づいてくる、さてどうするか。→→→ここでまさかの展開、何と、邦衛さんを先頭に、網走仲間のポンコツ軍団アバシリーズ(仮称)が、健さんのために一肌脱ごうと、ここに集結。え~~~、そういう「トホホだけどちょっとエエ話」系の作品だったのか、これは。トホホホホ。な~んか、「大草原の小さな家」あたりで登場しそうなほのぼのとしたエピソードですよねえ、これでポンコツ軍団でさえ無ければ。しかしここで登場する、お祭りを背景にした臨場感たっぷりのシーンが見事で、ヤケに盛り上がったり。で、無事、荷降ろしの仕事をやり遂げるも、安井組の怒りも頂点に達し、その怒りたるや、任侠モノへと映画の路線をさらに変更させてしまう。もう何でもあり。だけど、冒頭から引っ張ってきたハーフの少女(途中まで少年だと思ってたぞ)との関係をここで絡めたり、クライマックスの殴り込みも、斬りまくりの大殺戮ではなく、ライバルの殺し屋(変です)との関係に絞って行ったり、映画は意外な纏まりを見せて、やっぱりコレ、なかなかよく出来た作品だったりしちゃうのでした。 なお、あの変な殺し屋の末裔が、カウリスマキの『コントラクト・キラー』なのではないかと。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-06-09 23:14:15)

17.  網走番外地(1965) これぞまさしく男泣き。破れかぶれになりそうな健さんを、丹波が、そしてアラカンが、何とか食い止める。しかしその歯止めをついに突破してしまった時、男はどこまでも破れかぶれになる。そうならざるを、得ない。その破れかぶれ具合が、暴走するトロッコとして、あるいは迫りくる機関車として、執拗に描かれる。そしてその先のどうしようもなくなった最後の最後に、自暴自棄になりかけた男を食い止める、究極の一言。いやあ、みんな、孤独なんだ。寂しいんだあ。[CS・衛星(邦画)] 10点(2014-06-04 22:43:52)

18.  悪名(1961) 《ネタバレ》 シリーズ第1作、朝吉が“悪名”をとどろかす前のオハナシ。まだまだ駆け出しのチンピラで、ブラブラしては女性に手を出す、まさに若気の至り。女性に手が早いという点を除くと、喧嘩がやたら強いとか酒が飲めないとか、何だか「じゃりン子チエ」のテツみたいですが、そういう目で見ると、“シルクハットの親分”って、ちょっと地獄組のボスを連想させますな。いや似てる訳じゃないんですけれど、この妖怪的なキャラが、「じゃりン子チエ」の世界と繋がっていて、その白眉が、2000人の部下を引き連れているという女親分イト。演じるは浪花千栄子さんですから、『宮本武蔵』のオババ並みにコワイ。という訳で、狭い世界に生きてきた朝吉青年の成長譚であり冒険譚、モートルの貞という舎弟ができ、誘拐された遊女の救出のため妖怪キャラが闊歩する因島へと乗り込む。そして、(後の作品ならクライマックスで相手を殴るのは朝吉の役目なのだけれど)因島の女親分にタコ殴りにされるという痛い洗礼を受ける。というのは要するにアレですな、“ナントカ族の成人式”でバンジージャンプしたりするのと同じ、一種の通過儀礼ですな。そういうホロ苦い、お話。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-01-21 23:58:44)

19.  赤い夕陽の渡り鳥 例によって素晴らしいロケーションの中を馬に乗って行く小林旭、例によって宍戸錠との遭遇があり、例によって地上げ屋みたいな連中に困らされている人々がおり。背景はとにかく絶景、やっぱり渡り鳥シリーズ最高。と言いたいところですが、小林旭演じるところの主人公・滝伸次、冒頭の子供を救出する場面での大ジャンプはカッコよかったものの、イマイチ見せ場が少ない。誰かが危機に陥るたびに都合よく馬に乗って助けに現れるのが、何だか判で押したような感じがして、もう少し変化をつけられないものかと。その分、宍戸錠が頑張る(オーバーアクションな演技は観てて若干疲れるけど)。無精ヒゲ生やしてると、気味が悪いほど宍戸開に似てますな。さらに盛り上げるのは、殺し屋のジミー。これ以上無いくらいに殺し屋っぽいイデタチをしておりますが、仕事に差し支えないのでしょうか。という訳で、やや盛り上がりに欠ける(笑)のですが、それでも何でも、とにかくロケが素晴らしいのです。これだけ風光明媚だと、崖を転落する自動車の姿も映えて、実に見事、「中に乗っていた主人公がなぜ無事だったか」なんてこともまるで気になりません(笑)。さあ、景色を楽しみましょう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-11-26 22:56:52)

20.  悪名一番勝負 田宮二郎がモメごと起こして出演できなくなりました~。というこの時点で、この『悪名』シリーズも終わってるのね。だから本作、すでに番外編っぽい印象、ついでに脚本・監督にマキノ雅弘が登場、これは我々への大きなプレゼント。田宮二郎の抜けた穴は、ちゃっかり甥の津川雅彦で補ってしまう。そんでもって、すでに殆ど寅さんと化していた本シリーズを、任侠モノ路線に引き戻し(ラストではドスを振り回す朝吉親分)、ついでに数多くの様々な途上人物の悲哀を盛り込んで、市井モノの一面も。しかし、前作までのまるでファミリー路線のようなホノボノした雰囲気を思うと、本作、急に密度の高いムツカシイお話になったわねえ、と(思えば寅さんシリーズってのは初期の一部を除き同一監督で撮り続けられ、あれはあれで実に幸せなシリーズだったよなあ、と)。本作、趣向が変わったのはいいけれど、朝吉親分の影がやや薄い(敵方の密談ばかりが描かれる印象アリ)のがちと残念。いや、それだけに、ひとり倒れふたり倒れた後についに朝吉親分が敵地へ乗り込むクライマックスが盛り上がるのです……ですが、その直前のおりんとの絡みが、ちょっとアッサリし過ぎかな。一番おいしい役は、どう考えても、田村高廣。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-05 23:18:14)

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