|
プロフィール |
コメント数 |
38 |
性別 |
男性 |
年齢 |
61歳 |
自己紹介 |
基本、好きな作品、気になる作品のみコメントします。批判的なコメントを書くとしたら、怒りを覚える映画です。だからそうそうありません。 |
|
1. アメリカン・グラフィティ2
《ネタバレ》 自宅で1作目を友人と観る機会があり、その勢いで2作目も観賞。
公開時には酷評が目立っていたが、しっかりと前作の内容を引き継いでおり、空気感は異なるものの、正統派の続編と言える。
エピソードによって画面サイズが変わるのも、時代を感じさせる上手い演出だった。
カートだけは登場せず、セリフでしか名前が出て来ないのが、残念な点。
物語は4つのエピソードを年を重ねながら進められる。
①ジョンのエピソードは、田舎町のレーサーとしての英雄譚。
時代もまだ明るい空気が漂っており、前作のイメージを一番残している。
レースでの結果は、町の連中がジョンを助けて、盛り上げて、一緒に勝ち取ったもの。
この田舎町ではジョンミルナーは人気者なのだ。
北欧から来た美人の留学生とのエピソードも、ジョンらしく一筋縄ではいかないが、レース後の会話が何しろ微笑ましい。
それだけにラスト、波打つ坂道で黄色いデュースクーペが見えなくなるシーンは、胸が締め付けられる。
②最も印象深いのは、戦場でのテリー。
リアルな戦場シーンにも正直驚いた。
1作目のおっちょこちょいで、臆病だったテリーの面影はなりを潜めて、仲間の命を救ったり、
壮絶な(友軍の)攻撃から、飄々と生還したりと、一人前の男として頼もしく成長している。
理不尽な上官に逆らったり、戦場離脱を企てたりという行動は、臆病風に吹かれた訳ではない。
彼の理想が戦場に無かっただけだ。
痛快にも部隊を脱した彼が、その後行方不明になってしまう件は、作品の中では直接描かれてはいない。
彼の前向きな行動と、力強い生命力。
決して死ぬんじゃないぞと、祈らずにはいられない。
③デビーのエピソードは、最もお気楽。
時代背景はとても退廃的でありながら、彼女の持つ素直さや、ポジティブさが、コメディパートとして息抜きとなる。
ただ「大晦日は嫌い。とても良い友人が二人も死んだ日だから」というセリフには悲しくなる。
破天荒だが、いい仲間との出会いがあり、飛び切りの笑顔が見られた、一番のハッピーエンド。
④夫婦となったスティーブとローリーの喧嘩は相変わらず、それどころか激しさは増す一方。
しかし、「いちご白書」を彷彿とさせる、学生と警官隊の激突に巻き込まれる事によって、
1作目同様、結局信頼関係を強めていく、ある意味進歩していない二人に、何故かホッとする。
4年にわたる大晦日、それぞれの「蛍の光」の歌唱で締めくくられるラストは、明らかに前作より悲しい。
混沌とした時代に突入してしまったアメリカが、1962年の様に輝きが感じられないのは、この時代の日本も同様。
再上映や、テレビでの放映がほとんどない本作、確かに、前作のような爽やかさはない。
しかし時代の厳しさに翻弄されながらも、前に進む事を選んだ彼らに再会できたのは、やはり嬉しい事であった。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-01-28 08:48:31)《改行有》
2. 明日に向って撃て!
中学2年生の頃(37年前)、名画座で観た「駅馬車」にはまって西部劇ファンになった。コテコテのアメリカンクラッシクフィルム。
その頃はテレビでも頻繁に西部劇が放映されていたから、名匠ジョン・フォード監督の作品なんかは、それでほとんど見ることができた。NHKの教育テレビなんて、白黒映画の宝庫だった。マカロニウエスタンの様な残酷で血みどろの映画も当時流行っていたが、ジョン・ウェインのポスター(雑誌「スクリーン」の付録)を眺めながら、頑なに「西部劇は昔ながらの勧善懲悪ものが良いんだ」なんて、中坊がいっぱしに語っていた。
そんな折、アメリカの西部劇ってジャンルだけで、予備知識無しで観たのが「明日に向かって撃て!」。
おそらく、多くの古典西部劇が好きだった人達が受けたのと同じであろうショックが全身を貫いた。こんなので良いのか、これが西部劇なのかと。
でもそれは、映画の新しい魅力を、世間知らずの中坊に教えてくれた。
この映画の出会いは人生の中でも重要な瞬間だった。目の前が急に開けた、自分にとっての黒船のような映画だった。
新たな試みが時代や習慣を変化させていく。そんなアメリカの過渡期に生まれた傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2009-04-22 13:05:48)《改行有》
3. アメリカン・グラフィティ
《ネタバレ》 ラスト近く、R.ドレイファスが飛行機の窓から下界を見ると、一晩中街で探し回っても出会えなかった白いTバードが、あっけなく見つかる。だが、彼は機上の人。手の届かない距離感に、苦笑するしかない。熱病のような一夜の感情は、それでも案外苦笑だけで収まってしまう。
その画面に主要登場人物のその後が、白黒のフリップで浮かび上がる。過酷な未来を、それも結構突き放した感じで。そして、ビーチボーイズの「オールサマーロング」が軽快に流れてエンドロール。
未来への辛い予感を漂わせながらも、永遠に彼らの脳裏に刻み込まれたであろう一晩の出来事を見事に演出しきった、若き日のルーカスのセンスに脱帽。[DVD(字幕)] 9点(2009-04-22 08:50:02)《改行有》
0 | 0 | 0.00% |
|
1 | 0 | 0.00% |
|
2 | 0 | 0.00% |
|
3 | 0 | 0.00% |
|
4 | 0 | 0.00% |
|
5 | 2 | 5.26% |
|
6 | 0 | 0.00% |
|
7 | 10 | 26.32% |
|
8 | 8 | 21.05% |
|
9 | 13 | 34.21% |
|
10 | 5 | 13.16% |
|
|
|