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1. 悪人
《ネタバレ》 一言で言うと演歌です。
いわゆる悲恋物の定番なストーリーですが、加害者、被害者の家族のエピソードを
絡めることでちょっと奥行きを出してみた感じでしょうか。
殺された佳乃は観客に祐一に対する同情を抱かせるために電波系に描かれていますが、
被害者側の家族を描くことによって、単純に祐一に感情移入させないようにうまくバランスは取れています。これがこの映画が奥が深いように見せかけている仕掛けでもあるのですが・・・。
しかし、父:江本明、母:宮崎美子の家庭に育った娘としてはギャップがありすぎて逆に不自然に思えてしまった。
役者の演技が総じてレベルが高いので深い内容があるような錯覚に陥りますが、
結局のところ、寂しい男と寂しい女の傷の舐めあいと逃避行という定番の域からは抜けていない印象。これで最終的に心中で終わったら、ある意味完璧でした。
まあ、逆にあまりにド定番なストーリーなので日本人の心情にはよくマッチするんでしょう。ということでド演歌の世界です。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2010-09-18 10:47:07)《改行有》
2. アバター(2009)
《ネタバレ》 映像は確かに凄い。CGの質も素晴らしいし、風景の圧倒的なビジュアルも驚嘆に値する。
でも、鑑賞し終わったあと一番最初に思ったのは「これ何てもののけ姫?」だ。
環境問題と人類の関わりというテーマについては他のレビュアーの方も
触れていらっしゃる様に、プロットがよく似ている。
だが、こちらの方がステレオタイプで底が浅い。そう考えると宮崎駿監督は
ジェームズ・キャメロンより凄いのかな?とも思ってしまった。
もうひとつ、開拓者と原住民の対立というテーマでは新大陸にやってきたヨーロッパ人が
資源を搾取し、原住民を虐殺していった歴史物語を仮想の世界で描いてみたともいえる。
現実では、神の救済は無く、現地の文明はヨーロッパの文明に淘汰されてしまった。
だがこの映画では一応、原住民が勝利を収めて幕切れとなる。
アバターはハッピーエンドで良い。こうでないと後味が悪すぎる。
しかし、そうなっていない現実を思うとなんともやりきれない気持ちになった。
主人公の成長についてはあまり共感できなかった。
異民族との交流によって赤ちゃんから大人へと成長する物語だよということを
実際に言葉を使って説明してしまっているのが最悪だ。
ネイティリはしきりに「赤ん坊みたい」を連発しているが、
3ヵ月後には成人の儀式である。
なんだかどっかのTV番組でやっている、世界の僻地の原住民と
1週間くらい生活し、なんだかわかった様な気になって涙でさよならするみたいな
薄っぺらいドラマだ。他のテーマに比べると非常に出来が悪い。
しかし、それらを補って余りあるほどの映像と演出で最後まで観れてしまう力があるのは間違いない。お勧めかお勧めでないかと問われれば、間違いなくお勧めである。
よって採点表にしたがって7点献上です。
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-07 01:02:22)(良:1票) 《改行有》
3. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 うーん。地球最後の一人って設定をもうちょっとうまく使えないのかなぁ。
ウィルス感染による・・・っていうのもやり尽くした感があるので、
何か新しいものが観たかったなぁ。
一番感心したのは犬の演技!!
この犬にはとっても感情移入できるのだが、ウィル・スミスに関しては
シリアスな場面で変なギャグを入れるのが興ざめだった。
人のいないNYの映像も、28日後で初めて見た
人のいないロンドンの方がインパクトが有った気がする。
生存者の女が途中で「神のお告げを聞いた」とか言い出すし、
スティーブン・キングの「ザ・スタンド」か?
オチも自爆で終了って、キリスト教では自殺は御法度なのでは?
犬の演技とCGに4点です。[映画館(字幕)] 4点(2007-12-18 01:38:11)《改行有》
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