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1. アマデウス
《ネタバレ》 クラシックにもモーツァルトにも中世文化にも大した知識も興味もない。そんな私が見てもこの作品は優れていると感じる。人によって色々な角度から見てしまう多様性を有した映画だと思うが、1000年に一人の天才vs10年に一人の秀才の、嫉妬と欲望渦巻く心理スリラーとして滅法面白い。と私は見た。
スケールは違えど、誰もがこういう無邪気で純粋な圧倒的実力者に翻弄されたことがあるのではないか。私も元同級生の○○君とか、元同僚の○○氏とかを思い出した。本人に悪意はない。しかし受け手にとっては嘲笑としか思えない態度、その反面努力もしてない(ように見える)くせに絶対追いつけないような能力…暗い過去が甦る…まあ、私の実力をサリエリに例えたらあの世から殴られそうだ。
多分史実をかなりデフォルメして娯楽にしてるのだろうし、ラストなどは迫力ある一方で、狙い過ぎの感もあった。しかし主人公二人の名演及び怪演と、美術の豪華さ、当然に音楽の凄み等、独自の雰囲気に持って行かれながら2時間余り吸引されたままの鑑賞となれば、「自分が死ぬまでずっと内容を記憶してる映画~しかも好意的な方向で~」の一席は占めますよね。[DVD(字幕)] 9点(2015-01-18 22:20:31)《改行有》
2. あなただけ今晩は
《ネタバレ》 もともと、コメディにリアリティを求めるタイプではない。現実と乖離していても、面白ければいいというスタンスである。しかし、見る者にストーリーを納得させるだけの説得力は必要だと思っている。
そこへ行くと、この映画はやや弱いと感じざるを得ない。平たく言うと「ごまかせねーだろ、これは」である。一人二役に、イルマがわざと騙されたふりをしているのかと思っていたがどうやらそうでもないらしいし、そこで白けてしまうともう映画に入っていけなくなる。名手ワイルダーにしては、話作りが雑かなと思っていしまうのだった。
私は「アパートの鍵貸します」は洋画でトップというくらいに好きなので、それとの比較になると厳しめになってしまう。主演二人共にやや演技過剰か。というかマクレーンに娼婦は合わない(偏見)。
笑えるポイントもあるし、小味なラストも嫌いじゃないし、猥雑な街並みもある意味で美しい。かように見どころも少なくないが、骨格の作りがもう一つという印象。[DVD(字幕)] 6点(2014-05-04 20:52:51)《改行有》
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