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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  片腕必殺剣 《ネタバレ》 スタジオでの撮影のシーンが多く、こぢんまりした印象は拭えないものの、一方ではセット撮影ならではの趣きのようなものもあって(香港版「時代劇」らしさ、とでも言いますか)、必ずしもマイナス要素ばかりではありません。雪が降る描写など、実にいい雰囲気。スタジオに作られた川に二羽の白鳥が泳いでたりして、なかなか手が込んでます。 片腕必殺剣、な訳ですから、主人公が片腕になってしまうのですが、他の方も書いておられるようにその経緯があまりにもあんまりなもんで、正直、爆笑してしまうのですが、それでも何でも作品の雰囲気がしっかりしていてブレないもんで、見ながら爆笑しつつも物語をしっかり受け止めてる自分がいる。これが最後まで持続するので(逆に一部のヘンテコなシーンが絶妙なスパイスとなって?)、作品に対する満足感に繋がります。ラストシーンは屋外ロケで、もうちょっと良さそうな撮影場所は無かったのか、とか思っちゃうけれど、中盤の祭りのシーン、特に主人公が因縁ある兄弟弟子たちの様子を茶店から伺うシーンなんてのは、サスペンスもあって実にいい。 主演はもちろん、ジミー・ウォング。彼の出世作ということで、まだ20代前半、若い! 端正な顔立ちにスラリとした体格、スターの片鱗を感じさせます。ただし、無精ヒゲが生えてるとやたらビンボー臭く見えてしまう。。。 『必殺「剣」』とあるように、主に剣劇、ですね。正直、スピーディでアクロバットなアクションが堪能できる映画、という訳にはいかず、発展途上感はあるものの、その点は日本のチャンバラ映画だって大差無く、要は、剣を振り回す動きがもたらす迫力。見応えとしては充分でしょう。殺陣が始まると場違いな音楽が流れ(おもに「春の祭典」、一部「展覧会の絵」)、ああ、香港映画だなあ、と。 右腕を失った悲運の若者、彼の師匠の身に迫る魔の手。敵は妙な形の武器を持ってて、なかなかにセコい攻撃を仕掛けてきます。実にセコい。で、どう考えても片腕のない主人公には最も対処が難しそうな敵のこの攻撃を、主人公はやたらアッサリ破ってしまう。片腕であることのハンデをどう克服して敵の攻撃を打ち破っているのか、神業過ぎてイマイチ判然としませんが、どうやら、敵の攻撃のセコさを事前に知っていさえすれば、打ち破るのは大して難しくないのでは?という気もいたします。ここに、伝説の片腕剣士、いや、ジミー・ウォングの片腕商法は、生まれたのであった・・・。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-14 07:46:49)《改行有》

2.  ガンファイターの最後 《ネタバレ》 これは、「アラン・スミシー監督」の実質的なデビュー作、と言っていいんですかね。ダメか。 リチャード・ウィドマーク演じる主人公の保安官が、とにかく周りから嫌われまくってて、もうほとんど笑っちゃうくらいに嫌われてるんですが、なにせこんな怖い顔だから、それも仕方がないのです。また、多少の誤解もあるとは言え、もちろん本人も悪い。やたら短気だし。顔は怖いし。 という嫌われ者なもんで、映画が始まって間もなく、襲撃を受けてしまう。この夜の馬小屋の場面、二階の暗闇から襲撃者の声だけが聞こえてくる不気味さが印象的です。 はたまた、若造の襲撃に始まりクライマックスへと繋がっていく終盤の一連の流れ。ドア越しの銃撃がバイオレンスを感じさせ、さらにクライマックスの追跡などは、ダーティ・ハリーの執念なども思い起こさせます。ダーティ・ハリーと本作との間に何か関係があるのかどうかはさておき。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-28 08:37:33)《改行有》

3.  海底軍艦 ムウ帝国ってのがどれだけ高度な文明を持ってるのかと思ったら、ほとんど南洋の未開の島、みたいな感じで、原住民たちが儀式めいた踊りを、踊り狂ってるワケですが(まあ、一種の「あるある」です)、しかしこのシーンにここまで大勢のエキストラを投入するか、と思うと、なかなか圧巻でもあります。 その過去の超古代文明たるムウが、現在の地上文明に攻撃を仕掛けてくる。映画が始まってからだいぶ待たされるものの、この破壊シーンは見応えあり。 立ち向かう、海底軍艦・轟天号。これも、活躍するまでさらに待たされますが、さすがの強さ、カッコ良さ・・・と言いたいけれど、うーん、コレ、ホントにカッコいいのかなあ。先頭にドリルが付いて、大変ワカリヤスイ外見ではありますけど。だから、イイっちゃあ、イイんですけど。でも、軍艦にしちゃあ、ズングリムックリなのよねえ。。。 囚われの身となった高島忠夫たちが「マンダの生贄にする」と脅されて、「マンダとは一体何なのか?」という謎でもう少し物語を引っ張っても良さそうなところを、早速マンダを登場させてしまうのは演出としてちょっと勿体ない気もしましたが、あくまで窓からその姿を部分的に見せる、というのは、悪くなかったですね。[インターネット(邦画)] 6点(2022-07-12 22:50:33)(良:1票) 《改行有》

4.  海底大戦争 ●●大戦争、というタイトルの映画もいくつかあって、何となくスケール感を期待できないものがあるのですが。  これもそんな一本。だけど出演者の殆どが外国人というところに、微妙なゴージャス感(恐らく当時としては)があります。 この外国人俳優たち、有名なのか無名なのかは知りませんけれども・・・と言ってる時点で、有名ではないような気がする。 で、物語はと言うと、海底にマッドサイエンティストの作った基地があり、そこでは人間を改造して半魚人を作っている、というオソロしいオハナシ。原作は御大・福島正実となってるんですけど、大丈夫なんですかねー。半魚人をサイボーグと呼ぶあたりにSFらしいコダワリが感じられるような気もしますが、気のせいかもしれません。 で、この半魚人なんですけど、これ、キグルミって言って、いいんですかねえ。ゴムか何かで作ってくれりゃいいんですけど、どうみても単なる半魚人風の「服」、なんですよねえ。ダブダブで、皮膚感、全く無し。あまり暴れたら裾を踏んで転んじゃいそうな。 で、とにかくこの基地に、千葉真一演じる主人公、他1名が、とっ捕まってしまう!哀れ、二人はこのまま半魚人に改造されてしまうのであろうか!?(・・・はい)。 という訳で、色々とショボい面はあるのですが、海中での魚雷攻撃のミニチュア撮影などはなかなかよく出来ているし、決して多くはないけど千葉チャンのアクションもちょっと楽しめるし、SFらしさもそこそこ感じられるし、「●●大戦争」モノにしては、上出来なんじゃないですか? そうでもない?[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-13 13:24:20)《改行有》

5.  帰ってきたドラキュラ 1年前にドラキュラを倒したはずなのに、再び惨劇が繰り返され、司教がドラキュラ城に出向いて封印の儀式を施す。しかし結局は司教一行が足を運んだが為に、ドラキュラが蘇っちゃう皮肉。 じゃあ、ドラキュラがまだ復活してなかったんだったら、あの冒頭の犠牲者は何だったんだよ。とか言うことはこの際、どうでもよくって。この後、映画の半分くらい、何も起きずにズルズルとオハナシが進んでしまうことの方が、問題。 しかし、色彩的な映像が目を引いて、何も起きないながらも結構、惹きつけられます。いよいよドラキュラが暗躍し始めても、これまたやることいちいち、スローモーなのですが、それがドラキュラらしさでもあって。じわじわと迫ってこられて、なぜか逃げられない、という恐怖。いや、所詮はクリストファー・リーのジジ臭い顔なので大してコワくはないけれど、あの「血走り過ぎた目」の描写などで、映画の色彩が活きてます。 家々の屋根を舞台にしたシーンなども、何となく現実離れした感覚があって、なかなか悪くありません。 音楽も映像にピタリと合わせていて、キマってるし。 最期はちと、おマヌケでしたけれども。[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-28 23:07:06)(良:1票) 《改行有》

6.  関東テキヤ一家 「仇の一家へ殴り込みをかける主人公、その歩く姿の背景に流れるのは、主演俳優のヘタクソな演歌」というクライマックスシーンは、もう既視感バリバリなんですが、その主人公が高倉健ではなく菅原文太というのがミソ。 そんなんどっちだって大差無いわい、などと言うなかれ。いやここだけ見たら大差無いかもしれないけれど、やはりそこは菅原文太。そして監督が鈴木則文。血飛沫飛び交う殴り込みの激しさがある一方で、全体的にはユーモアが溢れてます。まず、ヤクザ映画でありながらも、あくまで「テキ屋」なもんで、少し寅さん路線も入ってます。寅さんよりガラが悪く、そして寅さんよりも、ヤセ我慢の世界。 興行のハナシが出てくるのは題材からしてもごもっとも、ではあるけれど、そこで全女が登場する、というのがなかなか貴重。かつて全女が不渡り出して倒産した時には「現存する日本最古のプロレス団体が倒産」とニュースで騒がれたけど、そう、何せこの映画の頃にはまだ新日も全日も無かったんだもんね。 アラカンの親分は、やっぱり見ててヘンなんですが、他の人では出せない味があります。そして桜町弘子姐さんの、こちらは掛け値なしのカッコ良さ。その他、例によって例のごとく多彩な登場人物たちが収まるべきところにピタリと収まって。お見事。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-14 23:04:27)《改行有》

7.  火線地帯 ラインシリーズ最終作、という以前に、旧・新東宝ほぼ末期の作品で、石井輝男がいなくなって助監督が代理で監督を務めたような形になってます。が、作品を見る限り、貧すれば鈍す、と言うこともなく、なかなかトンガった演出でハードボイルドアクションの世界を作り上げてます。 チンピラ二人組が良からぬ事をしでかしてヤクザ組織に追われるも、ライバル組に拾われて、ある「ブツ」の強奪に関わることになる。 一方で何やら怪しげな雰囲気を漂わせつつ、彼らの周りで暗躍する謎の男・天知茂。 謎の部分をすべて天知茂のキャラに押し込んでしまったのが正解だったのかどうなのか、全体的に物語が伸びず、こぢんまりした印象は拭えませんが、青春映画の要素を絡めつつもこうやってギャング映画みたいなことを大真面目にやっているのは、今となっては貴重です。 天知茂は、普通のライターも持っていたのであった。[インターネット(邦画)] 6点(2021-06-06 12:21:47)《改行有》

8.  関東流れ者(1965) 本作の新規登録依頼を「日本大侠客」と一緒に出させていただきましたが、どちらの作品も、明治時代を舞台に鶴田浩二が、大木実を子分に従え、藤純子とは微妙な関係にあり、内田朝雄に立ち向かう、要するに殆ど同じようなことをやってるもんで、チョット混乱してきてしまいます。私自身はコチラの方を先に見たにも関わらず、両者を比べると何となくコチラの方にパクリ感を感じてしまい、でもコチラの方が先に作られた映画なのです。本作の方が、やることなすこと、いちいち極端なんですよね。面白いからいいけど。 何が極端と言って、ダイナマイトを手に獅子奮迅の活躍をする大木実もそうだけど、とにかく村田英雄の眼力のスゴさ。ほぼ人間離れしていて、これぞ極端中の極端といってよいでしょう。顔は鶴田浩二より若いようにしか見えないけれど、描きに描きまくったような眉毛の下で眼力を飛ばしまくり、鶴田浩二に「オヤブン」と呼ばれて本人も完全にその気になって、ひとり、異次元に突入してしまっています。まさに摩訶不思議な村田ワールド。 後半には若き日の北島サブちゃんも登場。正直、こちらはサルにしか見えない。ごめんなさい。いやホントごめんなさい。でも風呂に入ってはイイ声を披露し、終盤には泥にまみれて壮絶な最期を遂げてみせる、さすがサルちゃん、じゃなかった、サブちゃん。 ちょっと冷たい感じの小山明子と、鶴田・大木との哀しき関係。さらにはどこのイモ姉ちゃんかと思ったら洋装の藤純子。工事請負に関し不正を働く、内田朝雄・遠藤辰雄率いる悪徳業者の横暴ぶり。ついに彼らが一線を越えたとき、男の怒りが炸裂する。 やってることはいちいち極端だけど、ストーリーの盛り上がりに対してすべてがちゃんと収まるところに収まっていて、さすが、と思わせるオモシロ映画になってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-31 06:56:08)《改行有》

9.  片目のジャック かつてマーロン・ブランドとカール・マルデンが銀行強盗を働き、マーロン・ブランドのみが取っ捕まって、カール・マルデンは彼を見捨てて逃亡した。数年後、マーロン・ブランドは脱獄するが、向かった先で出会ったカール・マルデンは、保安官となっており、妻と義理の娘との3人で幸せに暮らしていました、というオハナシ。 だったらそれでいいやんか、何で結局モメてしまうのか、いまいちよくワカランような気もするけれど、よくワカランから面白い、ような気もします。 で、さらにマルデンの義理の娘とマーロン・ブランドが恋仲になってしまう、というドラマ展開。なんだかこうなってくると、西部劇というより、古代ローマとかを舞台にした史劇でも見ているような気分になってくる(ついでに「ムチ打ちの刑」なんてのが出てくるから、さらにその気分に輪をかける)。 この物語の題材が、西部劇に向いているのか、どうなのか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-03 17:00:47)《改行有》

10.  解散式 経済ヤクザ隆盛の時代に、一人、着流し姿の鶴田浩二。その頑なで時代遅れの感じが、「滅びゆく任侠映画」というにはまだ早い67年の作品ではありますが、やくざ映画の行く末を予告しているようでもあります。 ライバル格として丹波哲郎が登場するものの、クライマックスで対決する訳でもなければ、共闘する訳でもなし。作品のテイストはあくまで、後の実録路線のそれではなく、当時の任侠映画に則ったものだとは思うのですが、ひとり巨悪に立ち向かおうとする鶴田浩二の存在は、巨大コンビナートを前にひたすら小さく、寂しさを伴った余韻を残す作品となっています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-10-26 10:31:04)《改行有》

11.  ガンマン無頼 正直、前半は、冴えないというか掴みどころがないというか要領を得ないというかツマラないというかイマイチよくわからんというか、正直、どうでもよくなってきちゃうんですが。 フランコ・ネロが保安官で、でも賞金稼ぎみたいなこともやってて、そういうオハナシなのかと思っていたら、どうやら目標の金額をゲットしたらしくあっさり保安官を辞めてしまう。で、唐突に旅に出てしまう。どうやら亡き父の復讐の旅に出るらしいのだけど、いや、そんな展開を唐突に語られても。 彼にはどこからどうみても押しも押されもせぬ若造、というタイプの弟がいて、この弟も復讐の旅についてきちゃう。 道中、悪徳市長(?)の残虐行為を目撃。 うーむ、こう書いてきて、やっぱり要領を得ないオハナシだわい、と改めて思うのですが、後半、俄然テンションが上がってきます。何と、△△△と××とは、実は□□だったのだ、という驚きの事実が明らかにされるのだから。いや、そう思うと、中盤でちょっとした伏線もあったんですよね、あの主人公と弟が敵に囲まれて墓穴を掘らされる場面。 というワケで、あの悪徳市長と主人公の戦いでも描かれるのかと思ってたら後半はちょっと意外な方向に物語を走らせて、ちょっと意外に盛り上がっちゃったりもして、それなら前半ももうちょっと上手く見せられなかったものか、とも思っちゃうのですけれども。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-10-22 07:49:15)《改行有》

12.  風の無法者 リー・ヴァン・クリーフを筆頭とした悪党3人組。とある若造から、まんまと彼の輸送していた大金をせしめるのですが、どういうわけかその若造と意気投合した挙句、次回の輸送を警護することに。味方だと思わせて次も楽勝で強奪するぜ、ってなところなのですが、そこにホンモノの盗賊団がやってきて・・・というオハナシ。 どこかユーモラスな3人組に、コミカルな音楽が被さって、基本的に明るい内容なのですが、一方で、盗賊団とのガンファイトはなかなかの見もの。 で、ここでふと、疑問になるのが、この主人公は、スゴ腕なのかどうなのか。なにせ演じているのがリー・ヴァン・クリーフなので、もうイメージとして、このヒトはスゴ腕に違いない、と見てる側は思っちゃう。これでスゴ腕じゃなかったら、単なるヘンな顔をオッサンだもんね。しかし作中ではあまりスゴ腕を見せてくれる機会がなかなかない。実は今回の役どころは単なるケチなチンピラなのか?  いやスゴ腕なんです。なにせリー・ヴァン・クリーフ。という訳で、俳優のもつイメージって、重要ですね。むしろ我々の方から、俳優を通じて、映画に対しある種のイメージを投影してしまいますね。 という訳で、「実は主人公よりも若造の方がずっと腕が立つんじゃなかろうか」という気がなんとなくしつつも、主人公の活躍を堪能し、最後も明るく大団円。。。と思いきや、ちょっと意外な展開が待っており、ここは好みが分かれるところかも知れませんが、やっぱりこれぞリー・ヴァン・クリーフだなあ、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-01 14:26:13)《改行有》

13.  影の軍隊(1969) 《ネタバレ》 フランスのレジスタンスを描いた作品ですが、地味系スパイ映画、といった感じ、そして何ともやり切れない虚しさ。 『史上最大の作戦』なんかを観てるとレジスタンス大活躍、なんですが、本作はまだそこに至らないホントの地下活動。リノ・ヴァンチュラが収容所で脱走とレジスタンスへの参加を持ちかけられるところから始まるけれど、劇中で最初に描かれるレジスタンス活動が、密告者である仲間の粛清である、ってのがまずやり切れない。これが現実。 そんな中で、シモーヌ・シニョレ演じる女性活動家の存在が、レジスタンス仲間にとって、また観てる我々にとっても、希望となるのですが、彼女にもどうにもならないことだってある。 彼女が最期にみせる曖昧な表情が、安易な納得感を拒絶し、誰もが等しく消耗品とならざるを得ない現実の厳しさと矛盾を、我々に突きつけます。 曇天の下、ひたすら閉塞感がたちこめて、そのまま終わってしまう。レジスタンス活動が最後にどう報われたか、なんて、テロップですらも示さないんです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-07 08:50:53)《改行有》

14.  怪談(1964) 観てる人をビビらせるための「ホラー映画」とは一線を画していて、でもまるっきりコワい要素ゼロと言ってしまっては言い過ぎなので、0.5線くらいを画している、とでも言いますか。画面の中で、隅の方が薄暗いとなんだかヤな感じが出るところですが、この映画では全体的にわりと明るいんですね。見通しがいい。 その代わりと言っちゃなんですが、観てると「え~これもスタジオやんか、どれだけ大規模なセット作りまくってるのよ」と、その大判振る舞いぶりが、ちょっとコワくなってくる。おかげで、にんじんくらぶ、潰れたんでしたっけ。それはともかく。 残酷版うらしまたろうみたいな第一話から、おなじみの雪女(雪女って走るんですね)、耳無し芳一と来て、最後にデザート替わりの小品がオマケについてくる。いずれも夜中にトイレ行けなくなるような怖さじゃないけれど、どこか「崩壊」の感覚に繋がっていて、はかない夢のような虚しさがある。 それを増幅させる、武満徹のテープ音楽。和楽器の音色を大きくは損なわないように提示しながら、ところどころで思わぬ変調をかけて、独特の世界を作り上げていってます、が、これだけ音楽が個性的でありながら映画にもちゃんとマッチしてる、ってのは、特筆モノでしょう。[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-08-21 21:57:31)《改行有》

15.  仮面/ペルソナ いかにもヘビーな音楽が、「この映画、難解だよ~」って、言ってますね。  何もだからって身構えることはなくって、例えば、「ああ、この映画は、観ながらストーリーを追う必要はないんだな」、とか。  でもやっぱりわかりにくいのは、主に二人の女性しか出てこないんだけど、この二人にあまり特徴的な差がなくって、最初観たとき、ちと混乱しました。ストーリー追わずに画面に集中、とか言いながら、この程度かよ、自分は。ま、髪の長い短いあたりを目印にして、かろうじて区別する。  いや、混乱する理由はもうひとつあって、片方の女性は精神的な病で静養中の患者、もう片方の女性は看護婦、という立場なのに、看護婦の方がしきりに過去を語る。どっちがカウンセリング受けているんやら。  いや、実際、この映画は、この二人を融合するように、いやむしろ一人の人物を分裂させたように描いているみたい。なーんてことは、本作についてもうアチコチにアレコレ書かれているので、そちらを読んでください。私にはよくわかりません。 ただ、ラストが近づくにつれ、二人のやりとりは、血をすするやらシバキ倒すやら、愛憎のイメージそのものと化していきます。んで、終盤はセリフがなくなり、よそよそしい空気の中、二人それぞれの姿が描かれる。 なんだかこれが、「映画の中へ帰っていく」というイメージ。では本作は、映画から飛び出してきた世界だったのか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-04 21:04:00)《改行有》

16.  ガン・ファイター(1961) 片や札付きの流れ者、片や彼を追う保安官。保安官にとっては個人的に恨みを持つ相手でもあり、しかも同じ人妻を狙う恋敵でもあり。しかし困難を切り抜けていく中で、二人の間には友情らしきものが芽生え、三角関係も無事解消し……と事態が良い方向へ向かうかと思いきや、最後に意外で残酷な展開が待っている。西部劇にこういう題材って、反則ですよ、まったくもう(笑)。という訳で、すべてを自らの力で切り開く男の中の男、といった感じの流れ者カーク・ダグラスが、成すすべも無く運命の渦に飲み込まれていくようなラスト、これはもう何とも言えぬ後味を残します。カーク・ダグラスの曲者ぶりに比べると、やっぱりロック・ハドソンは、クセが無いというか、どこかホモっぽいというか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-04 20:49:40)

17.  華麗なる賭け どうです洒落た映画でしょ、スタイリッシュな映像でしょ、的な主張の強い演出にいささか辟易するのですが、まあ、ド変態映画であることは間違いないですね。直接的な描写は無くとも、例えばチェスのシーンの思わせぶりなところなど、相当エゲツないと思います。スティーブ・マックィーンが富豪の役なんて似合わんのにこりゃどういうキャスティングなんだ、思ってたら、これまたエゲツないキスシーン。はい確かに、ミスキャスト以外の方法でこれだけの絵ヅラを作り出すことは不可能です、参りました。この作品では、スリルを楽しむために銀行強盗を計画するお金持ちの男と、彼の犯罪を暴こうと彼に接近する女との、“華麗なる駆け引き”が描かれますが、ストーリー性よりも、二人の間の微妙な空気が作品の中心。二人の所作こそが見どころであり、いわばマックィーンとフェイ・ダナウェイの“舞い”の映画です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-30 15:49:29)

18.  怪獣大戦争 ゴジラの「シェー」でお馴染みの本作(今回久しぶりに観るまで、その点以外はすべて記憶から飛んでました)。本作に続く「~南海の大決戦」では、ゴジラは鼻の横をポリポリ掻いて見せるのだから、これは要するに、「“イヤミ”と“加山雄三”は同レベル」ということを意味してます。すばらしい。さて今回のオハナシはと言いますと、キングギドラ退治のために、地球人に対し「怪獣のレンタル」を依頼してきたX星人。地球側の快諾を受け、ゴジラとラドンを連れ去ってしまうのですが、実はすべて地球征服のための計画だった、てな訳ですが。湖から引き上げられて宇宙船に連れ去られる、丸まったゴジラが結構カワイイんです。で、X星に連れて行かれたゴジラが例の「シェー」をやって見せる、これが全編の白眉(?)。再び地球に戻されたゴジラとラドンは、X星人の手先となり、破壊の限りを尽くすのでありました。とは言っても、暴れてる場所がド田舎で、古民家みたいなのばかりを破壊するのが、何だか弱い者イジメを観ている気がしてきます。そもそも、X星人、これだけの科学力があるのなら、「ゴジラとラドンをコントロール」なんぞというハンパな攻撃方法をとらないでもいいのでは?というのは言いっこなし、ですかね。それにしても、グレン飛行士。失礼かもしれないけど、その顔、なんとかなりませんかねえ、ははは。よく街でみかける、白人男性と日本人オネーチャンのカップル、オネーチャンの方は「私、バイリンギャル(死語)よ」「やっぱり付き合うなら欧米人よね」みたいな顔をしてますが、男の方は大抵、こういうグレン飛行士のような安っぽい顔してますね(笑)。欧米人なら何でもよいのか、と。我々日本男児は、この顔にも劣るのか、と。そういうオマエは一体何を怒ってるんだ、と。いや、怒ってませんけど、グレンの顔が、「シェー」以上のインパクトがあったもんで。そういう意味では(どういう意味?)X星のトーセーカンって、ほんとうに日本人っぽいよね[DVD(邦画)] 5点(2010-05-05 10:31:56)

19.  からっ風野郎 ゴリラ似の素人俳優が主演のやくざ映画。この主演のヒト、何でも、本業は作家なんだってさ。え?みんな知ってるって?どれだけ演技がヘタか確認するために本作を観たって?ふむ、あんたもよっぽどのからっ風野郎ですな。ま、確かにヘタなんですけど(素人俳優によくある通り、他人のセリフの間、次の自分の演技のみに意識が行ってて、目が泳いでしまってる)、大丈夫、見慣れてくると違和感なくなります。タイトルは「からっ風野郎」ですが、この主人公、イマイチ、からっとしていない。どーせ俺バカだから、みたいなノリはいいんだけど、思い切りが足りなく、少々ジメッとしている気がするんですけどね。そこが可愛いと言えば可愛いところ。見た目はゴリラですけど・・・。若尾文子演じるオネーチャンを孕ませてしまった挙句に、何とか堕胎させようとするくだりなど、いかにもヘナチョコ。当の御本人の『金閣寺』などではもっとエグイこと、やってらしたじゃないですか。ま、そういう訳で、どこか青っぽい主人公の活躍を青っぽく演じ切り、やくざ映画でありながら青春映画としても楽しめる、なかなかの快作になっております(実際、オモシロイ)。最大の見どころは何と言っても、「三島由紀夫 in 遊園地」。三島由紀夫、後に割腹自殺を遂げるアノ三島由紀夫が、何と木馬に乗ってデートしている姿! 彼のセリフじゃないけれど、まさに「その手があったか!」と言いたくなるシーンですね。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-29 22:49:21)

20.  怪獣島の決戦 ゴジラの息子 《ネタバレ》 試しにウチの娘に見せてみたら、意外に喜んでた! わが子ながら、見る目がある(いや、無いのかな。笑)。ここは南の島、ゾルゲル島(←島の名前くらい、ちゃんと考えろよなあ。豆乳はゾル、豆腐はゲル。ってか)。そこでは日本の研究チームが、食糧問題を解決すべく、「シャーベット計画」が進められていた(何がしたいのかも、何故こんな辺鄙な場所でやっているのかも、問わないことにする)。しかし実験は失敗、もともと、島には巨大カマキリが生息していたのだが、実験の影響でさらに巨大化、怪獣カマキラスとなってしまう(島中のカマキリが巨大化したら大変なことになりそうだけど、意外に数が少ない)。巨大カマキリどもは、何を思ったか、突然地面を掘り返し始め、すると地中から現れたのは何と巨大なタマゴ。いったい中から何が出てくるのか。ウチの子もワクワクしながら見ていると、何と、中から出てきたのは、ガチャピンを気色悪くしたような顔の、ゴジラの幼虫でしたとさ。このショボさ。うちの子もさすがに呆れるかと思いきや、このあたりから映画にのめりこんでいく。それでいいのか。でも確かに、面白いっちゃあ、面白い。ミニラをカマキラスどもが理不尽にもいじめていると、親ゴジラが来てカマキラスを一喝。その後、親ゴジラの熱血指導により、熱線の吐き方をマスターしたミニラは、カマキラスに仕返しをしようとするのだけど、返り討ちに。とまあ、とにかく人間的で、ほほえましいことこの上ない。さらには、ゾルゲル等に住む巨大クモ:クモンガまでもが目を覚まし、怪獣たちが決戦を繰り広げる展開。このあたり、「宇宙人の侵略」みたいなオソロシゲなものではなく、あくまで地球の怪獣同士のノンビリした対決、安心感もありますし、またカマキラスやクモンガの動きもなかなか見事なもので、伝説のカルト芸人“テント”のネタ「クモの対決」を思い起こさせるものがあります。ウェッウェッ。そしてラストの、雪の中で抱き合うゴジラとミニラの、哀愁漂う姿。巨大なもの同士であるがゆえに、その身を寄せ合う姿は印象的、これは名シーンですね。うん、いい映画じゃないですか。[DVD(邦画)] 7点(2010-02-24 22:47:13)(笑:1票)

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