みんなのシネマレビュー |
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1. カリートの道 《ネタバレ》 公開時、思ったほど評判が芳しくなかったと記憶しているが、なぜなんだ。裏社会を舞台にしつつも、男の根元的な哀愁をいやというほどあぶりだしてくる。それも何も虚飾しない状態でさらけ出されるのだから、観ていて胸がひきちがれんばかりだ。パチーノの最期に映し出されるパチーノ目線の照明に人生のはかなさを痛感させられ、涙がにじむのを我慢することなどできない。9点(2003-11-23 20:41:49) 2. カンバセーション・・・盗聴・・・ サックスが浮き彫りにする静かな狂気。人間の弱さが露呈する後半には、胸がしめつけられる。8点(2003-11-23 21:10:13) 3. カラー・オブ・ハート 環境の変化ほど人間にとってつらいものはない。なにせそれまで培ってきた処世術という武器を奪われてしまうのだから。そうして丸腰になった者は自分の弱さが露呈するのを恐れ、排他的になっていく。新しいものの否定こそが自己存続の鍵となるから。本作では、そのような人間の存在に関わるテーマをビジュアル的にもプロット的にも慎重に重厚を避け、軽やかにおしゃれに表現していて素晴らしい。8点(2003-11-23 20:32:34)(良:1票) 4. 家族ゲーム 森田芳光の才気を再認識できる映画。松田優作の暴力性をうまくコントロールし、静かな恐怖と笑いを生み出している。現場での衝突があったらしいが、やはり森田監督は優作との仕事が楽しかったのだろう。『模倣犯』においてまで、中居に優作を演じさせようとしたのだから。優作の早すぎる死が映画界にとって大きな損失だったことを痛感する。8点(2003-11-23 04:31:59) 5. カンパニー・マン 《ネタバレ》 複雑に構築したプロットに困惑しつつも、中盤からはオチまでが一気にわかる一本道。独特の映像美が鼻につき、途中だれてしまったのも事実。そう考えると決して高い点数を与えられる完成度ではない。にも関わらず、愛する女のために身の危険を冒してまでも闘った主人公を見せられるとパブロフの犬状態で感動してしまう。眼力王さんの例えにのっかると現代版『トータルリコール』か?! 主人公を演じた俳優の豹変ぶりも見物の一つ。7点(2003-11-23 21:05:33) 6. ガメラ 大怪獣空中決戦 ギャオスを生物と捉えた脚本が素晴らしい。特撮マニアではないが、夕陽に映えるギャオスは確かに美しかった。残念なのは、演技が稚拙なキャストが多かったこと。金子修介監督も残念ながらギャオスと違って人間は上手くコントロールできなかったようだ。7点(2003-11-23 05:27:40) 7. 蒲田行進曲 《ネタバレ》 文句なしに面白い快作。男同士の狂おしい愛が涙と笑いを誘う。(「同性愛」という意味ではない・・・念のため)とここまでは満点なのだが・・・個人的にはあのラストはいかがなものか。映画が虚構であることは重々承知しているが、何も監督自ら観客の夢を唐突にさめさせる必要はないだろう。観客にとって映画だけが自ら選択し、自ら覚めることのできる夢なのだから・・・。7点(2003-11-23 05:20:10) 8. カフス! 今観るとどうかは疑問だが、まだ若かった公開当時には、スレイターのはじけっぷりが面白く感じたものだ。それで友人にすすめるとみんながこぞって『カフス!』ファンになったのも懐かしい思い出。T・ゴールドウィンやミラが出ていたが、そちらの印象はあまりない。採点はきっとかなり甘め。7点(2003-11-23 05:10:16) 9. 顔のない天使 ニック・スタールの独特な雰囲気が素晴らしい。これで主演がJ・アイアンズやD・D・ルイスのような深みある俳優であったならばもっとよかっただろう。ラストの抑えた演出といい、監督としてはM・ギブソンは充分合格点。7点(2003-11-23 01:33:38) 10. カイロの紫のバラ 《ネタバレ》 個人的には、このラストが好きなのか嫌いなのかいつもわからなくなるんだなぁ。安易なハッピーエンドよりもすぐれていることは間違いなく、切なく感じるものの、一方で疑問が残る。アレンは、映画を観に来ている観客に現実を突きつけようとしているのかと。う~ん・・・素直に切ない余韻に浸れないのがつらい。7点(2003-11-23 01:20:28) 11. ガタカ A・ニコルは「虚構と現実の狭間」にとりつかれている作家である。その果てにかいま見える「自己」。D・クローネンバーグと同じような題材を扱いつつも、比較的観客を突き放さない現実的なフィールドで上手くさばいていくことができる作家。観客を喜ばす意味では利点であるが、その結果あまりに無難に、しかも結末が甘くなりすぎているのも事実。もう一段深く監督自身が自己探求した上で、次回作に臨んでほしい。真の傑作誕生の日は近いはずだ。 7点(2003-11-21 06:13:31)(良:1票) 12. ガメラ2 レギオン襲来 レギオンの造型になじめず、前作ほどはのめりこむことができなかった。しかし、怪獣を生物として捉えるスタンスはそのままで見応えあるプロットだったと思う。6点(2003-11-23 05:31:41) 13. カナディアン・エクスプレス 定石をはずさない脚本で手堅くまとまっていて楽しめた。しかし・・・今ひとつ弾んでいなかったのも事実で、ハックマンの芝居が少々重厚すぎたように思える。アクションものに徹するか、もっと人間ドラマを重視するか。娯楽作品としては、もっと徹底するべきだったと感じる。6点(2003-11-23 04:57:05) 14. COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉 テレビシリーズの存在すら知らず、現実の事件との関連性で話題になっていたのでついつい観賞。音楽や雰囲気はなかなかかっこいい。展開も決して悪くはないが、やや類型的で、しかも中だるみ。もう少し、話のを整理すればなかなかの佳作になりえたかもしれない。5点(2003-11-23 01:25:18) 15. カル 『セブン』のようなサイコサスペンスを彷彿とさせる雰囲気作りは成功している。しかし、それだけで終わってしまっていいのか? 解けない謎を突きつけられても、こちらはどうしようもない。結局ヒロインは何がしたかったのか? ムードのよさにひきつけられたので、採点は甘め。4点(2003-11-23 20:45:44) 16. ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 山咲千里や手塚真人が絡んでくると話が見えなくなってしまった。ヒロインの造型・演技力は3作の中で一番優れていたにも関わらず、プロットが迷走していくために充分な成果を上げていないのは皮肉なところ。全てがそろうことはないのかな・・・。4点(2003-11-23 05:36:39) 17. 勝手にしやがれ 正直言ってこの映画の良さがわからない。どなたかも指摘されている通り、当時としては斬新なカメラワークでよかったのだろう。映画史に残っていくであろうことも頭では理解できる。しかし、この映画をもとにより洗練された映像に慣れてしまった俺には、資料以上の面白みを見いだせない。4点(2003-11-23 04:38:49) 18. KAFKA/迷宮の悪夢 カフカが好きでJ・アイアンズが好き。この映画を楽しむ資格は充分だと思ったのだが・・・そうか・・・ソダーバーグ苦手だったんだ! 『セックスと嘘とビデオテープ』よりも映像に懲りまくり、写真としてはキレイだが中身のない映像の羅列になってしまっていた。カフカの不条理の世界とただ意味のわからない世界は似て非なるものであることをふまえてほしい。3点(2003-11-23 05:05:31) 19. カットスロート・アイランド パワープレイしか頭にない監督の特徴が悪い方にばかり出てしまっている。ジーナ・デイビス、マシュー・モディンとキャスト的にも大作としては弱いのだから、キャラクター造型に力を入れなければならない。そこを怠るから観客に観たいと思わせられない。冷たいようだが、興業成績が不振だったのは必然といえるだろう。3点(2003-11-23 04:49:34) 20. カジュアリティーズ 力作ではあるが、如何せん主役がミスキャスト。また、脚本的にもマイケルの視点で描きすぎていて、キレイ事という気がしてならない。戦争を肯定するつもりはないが、ただ否定しても仕方がないと思う。戦争はどうして起きるのか。もっと根本的な要因にこそ目を向けなければならない。感傷的なだけの戦争映画はそろそろ卒業するべきでは?。 3点(2003-11-23 04:20:31)《改行有》
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