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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 海外特派員 《ネタバレ》 ヒッチコックアメリカ渡米後の第二作目。西部劇の主演が多いJ・マクリ―が演じた主人公は、当初ゲイリー・クーパーにオファーしたけれど断られたとのこと。後にクーパーはオファーを受けておけば良かったと悔しがったというエピソードが。でも、この作品に限って言えば、逆に断られて良かったのではないかな、と。クーパーがこの役を引き受けていたら、いかにもヒーロー然として構えて、次から次へ起こるつるべ落ちの危機にも割と冷静に対処し、作品全体の緊迫感が薄まったんじゃないかと思われます。のちの「北北西に進路を取れ」(9点)に連なる、場所から場所への移動サスペンス。流石にラストの航空機海中墜落シークエンスは、屋根の上に更に軒を連ねたような憾みが無きにもあらず。しかしこの時期のヒッチコックの、「観客をハラハラさせるためにとにかく何でもやってみよう」的ショーマンシップサービス精神には、ほとほと感心させられます。[DVD(字幕)] 7点(2021-02-25 10:16:44) 2. ガス燈(1944) この映画、戦後直後の初公開時の批評で「あんな長身ガッシリ堂々とした体型(=バーグマンの事)の女性が怖れおののくのは可笑しい」っていうのがあったようです。それを聞くまで私自身気にも止めなかったんですが、なるほど、確かに言われて見るとこの映画のバーグマンって、同時期の「誰が為に鐘は鳴る」、ヒッチコックの「汚名」「白い恐怖」と比べ格段にガタイが良く見える(笑)おそらく相手役シャルル・ボワイエとの2ショットバランスに格段気を配っていないせいじゃないだろうか?お二人が並ぶとずっとバーグマンのが強靭で怖いもの知らずの女性に見えちゃうんですよ。相手役が長身クーパーやケーリー・グラント、グレゴリー・ペックだと全く気にならないバーグマンの身体的ハンディキャップイコールこの映画の弱い部分じゃないですかねえ・・・?勿論古き良き時代の雰囲気醸成は素晴らしいし、バーグマンならではの繊細細やかな演技は堪能出来るので決してつまらなくはないんですが。女優を美しく撮る事については他の追随を許さなかった、ジョージ・キューカー監督は男優側の身長コンプレックスに関しては意外と無頓着だったのかなあ、と(笑)[ビデオ(字幕)] 7点(2009-04-12 10:38:10) 3. 飾窓の女 《ネタバレ》 元祖「○○チ映画」として映画史的に著名なサスペンス映画。こういうのはやはり最初にやったモン勝ちといった気もします。ジョーン・ベネット扮する謎めいた曰くありげな「飾窓の女」ヒロイン、てっきり同年製作ビリー・ワイルダー監督『深夜の告白』バーバラ・スタンウィックばりの悪女登場か!?とドキドキワクワクしていたんですが・・・。何しろ自分「悪女映画」(但し美女に限る)大好きなもんで・・・(汗)なんか中途半端に悪い女なんだか良い女なんだかわからない、最終的には善い女枠に収まってしまったのがちょっと物足りなかったです。どうせ○○チにするのなら、徹底的に男を利用にしてたぶらかす「悪女」に仕立ててもらいたかった。彼女のキャラクターの「ぶれ」具合が少々気になりました。でも当時のアメリカ映画の中での女性の描き方としては、この程度が精一杯だったのかな?エドワード・G・ロビンソンって、顔の造作とか日本の二代目中村鴈治郎氏とそっくりですね~。いまや全世界的にも絶滅寸前の、因業爺さん的迫力満点のご立派なお顔と言うか。適度にユーモラスな味わいも滲ませ、巧い役者さんなんだなあと思いました。[DVD(字幕)] 7点(2008-08-18 15:40:43) 4. 悲しき口笛 美空ひばり映画の最高作という世評と、あるインタビューで津島恵子さんが「女優開眼した作品」と発言されていたので前から観たかった作品。戦後初期の黒澤映画と同じく、ここにはまぎれもない「戦後の焼け跡風景」の記録がフィルムにきちんと残されていました。まず内容云々より、そちらの方ばかりに目が行ってしまいます。後々の美空ひばり映画は、彼女が歌うシーンをただのんべんだらりんと映しているものも多いけれど、ここでは演出が一工夫されていたのに感心しましたね。特にクライマックス、有名な燕尾服で主題歌を歌うシーンとか特に。戦後すぐの日本映画って生き別れた肉親を探すという内容がホントに多いなあ・・・。美空ひばりという人は、こしゃまっくれのガキからいきなり貫禄有る姐御的キャラに成長してしまったっていう印象ですね。なんだかんだ文句言いながらも、結構彼女の映画観てる自分・・・。[DVD(邦画)] 6点(2008-06-29 13:01:42) 5. カサブランカ この映画で一番感動的な部分は、めでたく友情成立ラストシーンでも、顔デカボギーのキザったらしい科白でも、バーグマンの憂いに満ちた画面からこぼれ落ちそうな大きな瞳でもない。「ラ・マルセイエーズ」のイントロが流れた瞬間、ドイツ将校にしなだれかかっていた自堕落フランス女や、豊満な流しのギター弾きの女性ほか、酒場にいた連中が誇らしげな表情で歌声を張り上げるシーンだと思います。甘っちょろいメロメロドラマには弱い自分ですが、この映画についてはまあ悪くはないけど、神格化されるほどの名作にはどうしても思えません。[地上波(字幕)] 7点(2006-08-27 17:22:03)
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