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1. かぐや姫の物語
《ネタバレ》 竹取物語のストーリーはうろ覚えだがもちろん知っている。何をいまさらアニメにするのかと、半信半疑で観た。観終わって、私が知っている古典のほうは、こんなにも生きることと死ぬことに肉薄した内容だっただろうか、と驚いた。近年ない感動だった。風立ちぬ本編の前に流れたこの作品の予告編で不覚にもぼろぼろ泣いてしまったが、それがなければおそらく観に行かなかったかと思う。近くに座っていたうるさい子供も「かぐや姫の死」(と私は捉えた)にはさすがに黙った。すべての人の心に訴えかける、そういう映画なのだと思う。[映画館(邦画)] 9点(2014-01-23 18:01:09)
2. 隠された記憶
《ネタバレ》 DVDで観ていて良かった作品。というか、ラストシーン、あれはどう考えても劇場向きではないと思う。こういう「衝撃のラストシーン!!」という触れ込みが先行した作品は、観る人もその謎解き部分に期待して観るのは当然のことで、それなりに納得のいく答えを提示して欲しいもの。その点やはり(もちろん悪い意味で)裏切られたような気分になった。真相をあえてぼかしたというより、単なる怠慢のように思えてしまう。「ピアニスト」といい、ハネケ監督の映像の質感は結構好き。ただ、どちらもストーリーがなんかもどかしいのが難点。[DVD(字幕)] 6点(2009-06-27 23:02:41)
3. 風立ちぬ(2013)
私は昔から何となく宮崎駿が好きじゃなく、自分でもその理由をうまく説明できなかったのだが、この映画のおかげでどこが嫌なのかわかった。私はたぶん、彼の女性観が気にいらないのだと思う。ネットなどでよく見かける処女崇拝を極めたような、ある種の男にとって理想的なヒロイン像を嬉々として作り出しているイメージで。この映画のヒロインはまさしく男にとって都合のいい女であり、なんら共感もできず、とても渇いた気持ちで観てしまった。宮崎駿はたとえば子どもの無邪気さ可愛さを描くことに関しては、本当にすばらしい作者だと思う。本作のように大人の男女が中心人物で色恋がからむような話は、そもそも合わないんじゃなかろうか。二郎も二郎でとらえどころがなかったしなあ…。[映画館(邦画)] 5点(2015-05-03 14:33:10)
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