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1.  カラスの親指 《ネタバレ》 ショージさんの演技を観てみたいなぁというそれだけの興味でレンタルしたのですが、予想以上に面白かったです。映画をいろいろ見慣れてると、読めてしまう展開は多いもので、この映画でも多くは予想したとおりの展開はいっぱいありました。けれどクライマックスではハラハラドキドキさせられましたし「え、え、どういう展開? これ芝居? マジ?」みたいに不安にさせられ、ついには「ま、マジかよ…!」と思わされてしまいました。いい感じに話は収束し、心地よく皆別れて「うーん、イイ話だったね」と家族と言い合っていたら、どっこいまだ終わっていませんでした! 軽いエピローグのオマケで締めくくるのかと思いきや、新しい謎が浮上。いやぁ、スゴく楽しめました‼︎ それから、ショージさん出演の映画をもっと観たいなと思いました。キャスティングした人ブラボーです! 姉の彼氏のキャラも良かったです。[DVD(邦画)] 9点(2014-08-05 21:52:40)

2.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 僕はどうも香川さんという役者が苦手だッたんですが、この映画での彼は良かったです! これまでもう見飽きるようなブラックでワンパターンな演技ばかり見せられていた上に、『ゴールデン・スランバー』でも『半生直樹』でも堺雅人と対峙する役をやってきたので「また…?」みたいな気持ちもあったのですが、映画見てみたら、これまでとは違う香川さんを見られて「イイ役貰ったね~‼︎」と嬉しくなるほど良かったです。この作品は堺さん主演というより香川さんのために出来た映画と思えます。話は面白いし笑いもあり、これは友人知人に薦めたくなります。[DVD(邦画)] 9点(2013-09-21 20:52:42)(良:1票)

3.  華氏911 《ネタバレ》 『ボーリング・・・』それなりに良かったと思いつつも「ムーアのドキュメンタリーはもういいや」と食指が伸びることなく時が過ぎ、この度ようやく鑑賞。ブラックなユーモアにイヒヒと笑いながら観ていたけれど、兵器を扱う爽快感を述べる若い兵士たちの姿が紹介されてから、その恐ろしく哀れな馬鹿さ加減に涙が込み上げてきた。それから、一般民も兵士も含め戦争の犠牲になった人々やその家族が取り上げられていき、また胸がつまった。僕は政治のことや世論などにあまり関心がない。新聞もTV(NHK含む)も常に真実を伝えているわけじゃないことを、直接的に関わった自分自身の経験から知っているし、メディアが真実を曲げた(あるいは編集した)時の影響の怖さも知っている。そんなメディアからの情報でしか把握しようのない政治や世論や流行や人気に、全く興味が持てない。つまるところ、この『華氏911』という作品も「メディア」であって「真実」が語られているかどうかについては「?」がつきまとってしまうというのが困ったところ。とくに、この作品がある方向へ向かってメッセージ性を持とうとする意図がある以上、善かれ悪しかれ「情報の与え方は絶対に作られている」のだから。でも、どっちにしたって僕ら一般民に『正真正銘の事実』なんて知りようも確かめようもない。で、この作品を見て「偏っている」とか思ったりするのも簡単なんだけど、ではそう思う人の全てが、普段の生活で目や耳にする新聞やTVのニュースに対して同じように思うかって言うと、そこが疑問でコワイ。この映画みたいな形態だと「作者の主張」あって然りなだけに、その主張の方向へ偏ることは疑われやすいけど、NHKで流れるニュースだとかには「作者の主張」なんてないから「単なる事実を伝えているだけ」と思われがち。けれど、そういうふうに淡々と事実報道をしているだけに見えるニュースだって、「あれは流すけど、これは流さない」といった『思惑』は盛れるのだから。そう、日本国内のニュースを見たって知りようのないことが、この映画の中に見られたことは確か!! 僕に真実なんかは分からなくても、この作品の主張する方向には共感するし、力強い。[DVD(吹替)] 9点(2010-12-12 06:06:18)

4.  カラーパープル(1985) 今のところスピルバーグ監督作品では最も好きな作品です! というか同監督作品ではダントツに好きな作品です! これ以降のスピルバーグ作品はどうでもいい感じしかしないけど、この作品だけはもう・・・感情が正常に反応できて心が揺さぶられます。常人では到底真似できない、反吐が出るほどの良い子ちゃんの話しでもなければ、冷徹すぎる悪人の醜行を淡々と映すよな、感情が擦り切れた感じもなく、わざとらしくギャーギャーわめくだけのバカ生意気ガキが終始進行をぐちゃぐちゃにすることもありません。人間の愚かさや温かさの描き方が適切なレベルを保っている感じです。要するにこの頃はまだ監督が映画ファンをナメ切っていなかったと思えます。この映画が全くオスカーを穫れなかったことがアカデミー賞の七不思議と言われたのもうなづけます。本作は原作者の熱い勧めでウーピーがデビューを飾った作品ですが、僕個人はテレビ番組の司会者オプラ・ウィンフリーのソフィア役の演技も強く印象に残しています。またジョン・ウィリアムズが音楽を担当しなかったスピルバーグ映画というのも珍しく、クインシー・ジョーンズの音楽もなかなかでした。とくにカミソリのシーンの音楽と妹の手紙のシーンの音楽は強く印象に残ってます。 【追記】オスカー狙いだとかよく言われるみたいですが、どこかで読んだ情報では、監督はこの作品を作ることにかなり躊躇していたそうです。それまで自分がSFやファンタジーの路線で走ってきた人間であることを十分承知していて、そんな自分が全く毛色の違うこの話を監督できるのか戸惑いもあったとか。音楽を担当することになるクインシー・ジョーンズが監督の背中を押したそうですよ。スピルバーグ今は嫌いですが、これを作った後の言われようだけは、監督を可哀想に思います。レズビアンたちからもかなりバッシングされたとか。この作品を周囲がまともに評価してたら、監督はもっとマシな大物になってくれたのではと思って仕方ないです。彼はきっとこれ以来感情を擦り切らしたのだと思います。自分だったら、ふてくされるだろうし、作品作りが怖くなるだろうと思う。それを乗り越えて「どうせ好き勝手しか言わないんだから、そいつらからテキトーに金出させりゃ良いんだ」となってしまった気がしてなりません。[映画館(字幕)] 9点(2009-12-26 06:27:11)(良:1票)

5.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 「月に帰る」とは「自殺」の暗喩なのか? と、この作品を観てはじめて考えました。この世界にいたくない=この世を去る。あの世には思い出も持って行けないでしょうしね。日本最古の物語で、しかも日本最古のSFで、もし本当に自殺の物語だったら、その比喩表現の感性があの時代にあったというのは凄いことだなと思う。考えてみればオチは『コクーン』に近いのかも。[DVD(邦画)] 8点(2016-01-29 17:20:53)(良:1票)

6.  紙の月 《ネタバレ》 原作小説は読んでおらず、原田知世主演のテレビドラマ版は観てました。映画版は予告編を観た時から大島優子の演技にタダならぬ期待を感じて楽しみにしてました。やっぱり大島優子の演技イイです。そして作品の出来は十分な時間をとっているテレビドラマより数倍面白く出来上がっていて、その出来の違いは脚本について学んでみたくなる気分でした。主人公があの学生と付き合うに至る流れは不自然で、しかもテレビドラマ版に比べて学生の外見が見劣りするうえに子供っぽいので、そこはちょっと不満でしたが、映画を作ると言っていたテレビ版青年より浮ついた感じのない地味に真面目な青年になっていたのは好感持てました。三谷幸喜の嫁さんだった小林聡美は、役どころが好感持てない感じで正しいことをしてるけどキツイという雰囲気。とくに主人公と食事した時に「怒ればいいのに」と言われて返した反応に「ホントくそまじめでつまらない女」と思っちゃうんですが、その後、主人公がにっちもさっちも行かなくなったクライマックスの社内の部屋での宮沢りえとの対話にはグッと引き込まれました。これは小林さんをキャスティングしたのって凄くいい雰囲気出せたんじゃないかって思いました。こんなシーン、テレビドラマ版にはなかった。スゴくいいシーンです。小林に「あなたが行けるのはここまで」と言われた後の宮沢りえの行動は解放感に満ちてました。原作はどういう感じなのか分かりませんが、主人公は単なる犯罪者ではなく、バブル崩壊以前にリタイアした世代の中でもヤーな感じのオヤジが元で一線越えてしまった「善」の部分がある女性です。何もかも救いのないテレビ版より、この映画の締め方は非常に好きになれました。金を与えても、学生は学校を辞め年相応の女の子と付き合うようになり、国外で苦しむ貧しい子供も天災で多分死んでしまった…「結局他人に与えたところで無駄じゃん」みたいな虚しさに飲み込まれそうなところに、生き伸びて大人になり娘を持っている国外少年の姿を見つけて、自分が与えたことが決して無駄ではなかったと救われるあのシーンは清々しいです。ただ「盗み」って言えば明らかに悪ですけど「誰のどんな質の時間のための金を、どこのどんな人のために移動させたのか?」という見方をすれば主人公は女鼠小僧みたいなイイ奴とも言えますから。「横領とか悪いことすると必ず捕まるんだからね」みたいなテレビ版オチより、世の理不尽や不条理に反旗を揚げるようなこの映画の後味の方が好きです。[DVD(邦画)] 8点(2015-10-10 01:39:45)

7.  崖っぷちの男 当たりでした! 適度に笑いあり、ハラハラなサスペンス演出も出来がいいです。エンディングの映像と音楽も軽快で、気持ちのいい映画でした。[DVD(吹替)] 8点(2013-04-22 00:15:00)

8.  怪盗グルーの月泥棒 《ネタバレ》 『アイスエイジ』のスタッフということで品質的に不安はなかったものの「まぁ、それなりなんだろうね」くらいにしか思ってませんでした。ところが観てみると、意外とキャラたちの造形とか表情とかに好感持ちました。特別ハンサムだったり可愛かったり不細工だったりするわけでもなく、際立った特徴が光る見栄えのキャラはないのに、なんかすごく魅せられました。とくに3人の女の子は動いてるところを観ると、静止画で知った時の「可もなく不可もなく」と感じていたものがどんどん剥がれていく感じで、かわいさが強く印象に焼き付きました。そして、最近の多くの映画で、見終わった後に「ま、それなりに楽しかったな」程度の乾いた満足しかできないなか、この作品ではお決まりのエンディングへ向かってるはずなのに、見飽きたワンパターンに収まらず、かといってスゴく奇をてらったヒネリ方をするわけでもなく、上品な味付けでラストをグッと良質にまとめてくれたと思います。主人公が3人姉妹にキスするラストは「ほら、きたきた」と想定内なのに、ここで3人の使い方が巧かった。思わず泣きそうでしたよ! また、中盤ときおり挟まれる黄色いチビ集団ミニオンのギャグが予想外の大ウケで家族全員で大笑いしました。こんなに楽しい作品なのに、静止ビジュアルとしてはそれほど惹きを感じないことがスゴく勿体なく思います。子供と一緒なので吹き替えで観ましたが、とても残念なのは鶴瓶さんの声がグルーのキャラと合って感じないこと。上手だとは思いますが、鶴瓶さんの顔姿が思い出されるのはグルーのイメージとしてはマイナスに感じます。冷淡で美男でもないかわりにファッションや居住空間のデザインはそれなりに気を使ってるグルーのイメージにそぐわないし、関西弁というのがどうも違和感バリバリでした。シュレックと同じ扱いで考えるのは無理があります。もっと適役の声優さん選んだら9点以上つけられたかもです。[DVD(吹替)] 8点(2011-06-25 19:58:04)(良:1票)

9.  帰らない日々 《ネタバレ》 冒頭、事故の加害者と被害者となるそれぞれが淡々と交互に映される。よくあるオーソドックスな表現だけど、それぞれの些細な言動の何が事故を誘発するのかハラハラした。ひき逃げ事件の犯人と被害者ともなれば、被害者を応援する気持ちになって観てしまいそうなものだけど、この映画はどちらの立場にも感情移入した。被害者が加害者の事務所に訪れた時、自分が犯人の感情になっているのに気づいて、珍しいタイプの映画だなと感じた。社会派か人間ドラマの類と思いながら観ていたけれど、徐々に「もしかして復讐劇???」と思わせるようなサスペンス風味が顔を出し「期待はずれか・・・」と微かに思い始めたら、それもいいスパイスになって心情的にすんなり受け入れられる余韻の深いエンディングを観られた。決して「めでたしめでたし」のハッピーエンドではないけれど、被害者が思いの丈を犯人にぶつけ、加害者が真っ当に懺悔し彼なりの苦しみを吐き出すことで、一応の気持ちの締めくくりが出来ることが、ある意味心地よかった。そのクライマックスはそれぞれの気持ちが痛くて涙が出た。犯人に怒りをぶちまけることができた父は、ようやく息子のいない日々の自分の感情にシフトできるようになり妻の胸で思い切り泣く。決して苦しみから解放されたわけじゃないと伝わるショットだけど、ああやって手放しに泣けるのは「心が一区切りできた」からこそ。そこの感情のあり方は『ラブリー・ボーン』なんかと大違いで、やはりある種の心地よさがある。残された加害者側の少年のラストショットは切ないけれど、ひき逃げしたまま卑怯に暮らしている男の息子でいるよりも、起きてしまった事故に対して最後は正しい選択をとった父を誇りに思える日が来ると思いたい。この映画がひき逃げ犯の気持ちにもなって観れるのは、彼がそれほど無謀運転をしていたと思えない点が大きいのかもしれない。自分の場合「あれは仕方ないよね」と同情する(そのまま逃走したことは別だが)。少し違えば彼らが死んでいたかもしれない、そんな危険を回避した結果の出来事だ。つまり間違えば、ラストで悲しい背中を見せた少年が死んでいたかもしれないのだから、その彼が生きているだけメッケもんだ。カーブを大きく張り出してきた対向車の運転手は、自分のせいで2つの家族が苦しんでることなど何も知らずへらへらと暮らしてるんだろうなと思うと、それが一番許せない。[DVD(吹替)] 8点(2011-06-07 06:03:07)

10.  回転 《ネタバレ》 公開当時、物議を醸すことにならなかったのか、当時の人々の反応を知りたくなりました。オカルト版「名探偵コナン」て感じがしました。イノセントがなんで回転てタイトルになっちゃうんだろう? 意味がわからない。無邪気な者たちという原タイトルはピッタリ不気味なのに。子供をこんな不気味に思えた映画は初めてです。どうやら子供二人には、当時の世相としてはアブノーマルで常軌を逸した性愛に飲み込まれた大人二人が取り憑いている模様で、しかも具体的に描写されないけれど子供が口にするものではないようなスンゴイ卑猥な言葉が発せられたりしているらしい。取り憑かれる以前は、生きていたその大人のすることを目の当たりにしながら生活していたらしい子供たち。男の子は脚本をどこまで理解できていたか知らないけど、あの年であの「中身大人」演技は上手い。「おやすみのキス」と無邪気を装いながらのキスも印象的に不気味。現代となっては映画そのもののつかみやテンポやノリはいまいちなんだけれど、気味悪さは充分味わえました。ラスト、デボラ・カーの責任どうなっちゃうんでしょう? そこもコワイ。デボラ・カーの独り妄想という解釈の方もいるようですが、その場合、彼女が妄想して叱責したら死んじゃったって話? デボラの殺傷能力すご過ぎ。あっ、子供をぐるぐる振り回して殺したのか? だから『回転』なのか?[DVD(字幕)] 7点(2016-02-16 00:59:14)

11.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 僕はタランティーノ作品に関心がなく見ないので、オープニングやアニメ挿入や暴力シーンでの工夫など、それほど「⚪︎⚪︎監督作品ぽい」という既視感を持たずに普通に楽しめました。『告白』の時に思ったのは「まともな大人の男が一人もいない世界だな」ということでしたが、今回は大人の男が何人も出てくるのに、やっぱりまともな奴がいないって感じでした。役所さんの荒っぽい演技は初めて見ました。我が子を知っているつもりで何も分かっていない親と、大人の期待に上っ面応えるのが上手でその裏に深い暗黒世界を隠し持つ娘のお話…劇中で何度か出てくる「親の責任」がこの物語のキーワードだと思って観ていたのですが、娘が誰の手によってどうなったか分かってからの主人公藤島の言動には微塵の共感も持てなくなり、急激に失速して行きました。「愛しているから殺したい」とか、憎しみは愛情の裏返しみたいなこと言い出すのでドッと冷めてしまいました。『告白』と同様に、思ったことは「子ども作ったら世間に迷惑かけないようちゃんと育てろ!」というだけで、それに加えて大人世界がいびつ過ぎて問題有り過ぎなので、スッキリしませんでした。[DVD(邦画)] 7点(2015-03-10 08:07:01)

12.  鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 『ニュー・シネマ・パラダイス』に感動し『海の上のピアニスト』でガックリした僕だったので「期待半分」で観ました。で、面白かったです! ただ、ラストシーンのお店にいく前にもうワンクッション話があって欲しかったですね。いいラストではありますが唐突でした。この物語は、言ってみれば「シールド」に関する話だなと思いました。誰しも、いくぶんは「誰にも侵害されない一人の場所」みたいなものがあると思います。場所でなくても「墓場まで持っていく秘密」だとか、セキュリティソフトやファイアーウォールで護っているパソコンの中身だとか。そういう「自分以外の誰も寄せ付けない場所」を護っているシールドについての話だったと、僕はそう思いました。そういうシールドで護っている何かと「愛」はどっちが価値があるのか、失った時にたまらないのはどっちなのか、そういうことを問われたな~と…僕には初めての問いでした。 トロイの木馬でしたね~。 「ガーン、かわいそうじゃん」と思えたりしますが、主人公はさんざんズルして貴重な芸術を閉じ込めて独り占めしてたんだし、愛した人の家からコッソリ物を持ち出していたんだから、そのツケを払ったと思えば、そう残酷な話でもないと思います。[DVD(字幕)] 7点(2014-11-05 19:22:44)

13.  GANTZ:PERFECT ANSWER 《ネタバレ》 テレビ放送を録画してまとめて観たので、うまく2作品に分けてレビューできる記憶が無いため、まとめてこちらの方に書きます。邦画にしてはかなり出来が良いと思いました。ネギ星人や田中星人(原作は田中星児をモデルにして笑いもあり何体も出て来るんだそうですね)もよく出来ていたと思います。マンガを読まないので原作のことも知りませんでしたが、この原作を読んでみたくなりました。映画の後半はシッチャカメッチャカな感じはありましたが、手のひらサイズの黒いボールという展開は『LOST』なみに引き込まれる新展開でした。理由も分からないまま他者を殺戮するゲームに投じられ、気がつけば自分たちが自己の利益(解放)のみにとらわれて理由無き殺人(?)をしていて、復讐に転じられるという展開は「あ、そうだよね!」と思わされました。誰かのためにともっともらしい「愛」の理由で、あるいは誰のためでもなく自分自身のために、他者を傷つけ点数を稼いでいく殺伐としたシステムで人を縛り付けながら「新しい朝が来た希望の朝だ」とラジオ体操の歌が流れる皮肉は『バトルロワイアル』原作の皮肉と共通する小気味よさで、それと同時に『2001年宇宙の旅』のモノリスのように、閑散とした小さな部屋に佇む黒い球体の無機質な不気味さが印象的でした。球体の中で眠る人間は一体なんなのか、あっと驚くほどのひねりでは無いけれど、良い落とし所だと思います(原作の落ちも気になります)。人間なんて「自分を犠牲にしても愛する者のために」などと言ってみても、多くの人が共通に理解できることでありながら、それは自分の日々の暮らしの実に小さな世界の中での極限られた存在に対して思うことで、それ以外の人間に対してまでは思いを巡らさない。人を愛したことのある人間なら「あるある」で世界中の人々が共感し合えることであっても、実際のところそれが世界をひとつにまとめてくれるわけではなく、冷たい無機質な「システム」は人間のそういう身近な対象だけへの「愛」を利用しながら、新たな搾取と淘汰の競争を強いて、システムを維持していく・・・そういう話かなと解釈しました。仏像との対決や電車内の格闘などは飽きが来る感じもありましたが、全体的なストーリーは素直に楽しめました。[地上波(邦画)] 7点(2012-06-18 00:09:57)

14.  カリフォルニア・ダウン 《ネタバレ》 ロック主演という段で既に内容に真面目に付き合う気はなく『映画』ではない『3Dアトラクション』として入場しました。なので満足満足。ここでいろんな方のレビューを読んでましたので、どれだけ身勝手自己中な主人公なのかと思ってましたが…盗難車はそのまま盗人に使わせてたら金目の物盗み放題だし、銃で人脅すような奴だったし、緊急に生命に関わる問題のために動いてたんじゃなく迷惑な暴徒ですやん。主人公を責める必要なしと思いました。飛行機乗り捨ては海岸端ですからおそらく墜落点は海、そうじゃなくても「人が死ぬかもしれないから自分と妻は助かろうとしませんわ」というおバカはいないでしょうし、どうしたって燃料切れで滑走路になる場もなく落ちるんですから、いいですやんと思いました。それから、こういう職業の人って実際はどういう誓約させられてんでしょう? 大きな部隊を率いる重要リーダーなら「家族一人のために」というのはできないかもしれないけど、もともとが緊急の少人数をレスキューしてるような人が、救うべき1人がたまたま家族であるという時「家族を救うのはダメ、他の人助けてあげて」と言われるべきなのかなぁ? そうなると人命救助を仕事にする人の家族は可哀想ですね。こういう災害時にどういう役割を義務付けられている主人公なのか分からないし、上から許可降りてたんだから、まぁいいじゃないですかと…ただのアトラクションムービーです。まずこんな映画にリアリティー求めてたら、次から次の大惨事に生き残り続けること自体「ウソやろ」でしょう。この映画で『アビス』見るとは思ってませんでした。このシーンの救出劇で主人公がロック様であることに説得力が出ました。アントマン観た後だと全体的にユーモアのセンスがもっとあって欲しかったなと思いますが、現実の被災など思うといろいろ難しいかもですね。完全に壊れた街を見て「また作る」良いと思います。どういう人がこの映画を観るのかというところ考えると不毛かもしれませんが、このラストの言葉に助けられる人はいると思います!(天災被災者に限らず)。 これを言わせる力強いシンボルとしてロックを起用したのは良かったかも。[映画館(字幕)] 6点(2015-10-01 21:09:07)

15.  神さまの言うとおり 《ネタバレ》 原作漫画を知らないので新鮮に楽しめました。『桐島 部活やめるってよ』で覚えた神木隆之介の存在感が良かったです。髪型ひとつでこんなにも人のイメージって変わるんだなと思いましたが、それだけじゃなく神木さんの演技の幅を感じて感心しました。最初のゲームのダルマさんはインパクトありました。血がビーズってのもビジュアルとして面白いしグロくなりすぎないし「こういうやり方もあるかぁ」と感心(原作漫画もそうなのかな?)。ダルマさんの声はトミーズ雅さんと知ってまた感心。あんな豊かに声の表現できる方とは思ってませんでした。ダルマさんのシークエンスでは「この俳優さんは大丈夫」という安心感が持てないことを見せられもして、ちょっとした驚きでした。こけしのシークエンスでは「バカが駆逐されていくのがたまらない」と言った俳優のその瞬間の表情が上手いと思いました。シロクマのシークエンスは、茶目っ気のある声が山崎勉というのにもビックリ。「心の黒い人は大嫌い」と言ってる本人が実は黒々という皮肉も良かったです。「私は高畑瞬くんのことが好き Yes or No」にハッキリ「No」と答えられて「意外とヘコむんだけど」と反応したかと思うと、あまりよく思ってない存在に「Yes」と答えられ複雑な心境になったり、「で、自分はどうなん?」と聞かれるところは、とっても印象に残りました。真実など分からぬまま(というか正直だったのに)魔女狩り的に誰かを犯人にしてやり過ごす流れも印象的でした。「好き」を素直に表せない女の子という表現がベタ過ぎて残念でしたが、シロクマのシークエンスは風刺が効いていたと思います。この物語は世の中の理不尽に対して「神様なんていない」という声に、最終的に「神様はいるよ」と主張しているわけですが、主人公は退屈な日常を壊せと願ったり退屈な日常を返せと願ったりして、神様はどちらも叶えてくれたわけです。「神に選ばれた」という変なやつもいる。結局、神が何をするかは、人間が神に何を期待するかで変わるのかも。「神様の言う通り」の前にあるのは「どれにしようかな」で、人生は常に選択の運の連続。「ほう」と唸るところもあるから、引き籠りオタクの伝わらない中途半端な描写が台無しにして凄く残念。『ブルース・オールマイティ』と同じ神の正体も勿体無い。『CUBE』『バトル・ロワイヤル』『GANTZ』などの既視感はありますし、話のオチの流れがコケてしまったりですが、全体的なトーンとして、観て損はなく楽しめました。[DVD(邦画)] 6点(2015-08-30 14:16:20)

16.  画家と庭師とカンパーニュ 《ネタバレ》 自分には一回見たらもういい感じですし、他人にオススメするには面白みに欠けていると思いますが、ラストは不意に涙が出ました。他人に頼まれて描く絵に「何も感じない」と言っていたシーンや、「野菜を描くなんてベジタリアンのレストランにしか飾れない」みたいに言ったシーンがあるから、グッときました。思えば庭の作物は庭師の作品なわけで、でも主人公は自分の絵のことばかりで庭のことにはあまり関心を示していなかった。庭を指して「自分の人生だ」と言う庭師に対し、主人公は自分の絵を指して同じ思いがあるのかどうか…そんな彼が最後に作物に水をやるシーンと展覧会の絵が良かったです。それと、バイクと犬のシーンはずっと焼き付いて離れない気がします。[DVD(吹替)] 6点(2013-05-14 09:57:12)

17.  完全なる報復 《ネタバレ》 ジェラルド・バトラーの映画で初めて「面白い」と思える作品でした。ただ、なんだか惜しいなと思うのは、ジェイミー・フォックスの人物設定。「裁判で負ければ無罪放免で釈放されてたかもしれなんだぞ」という立場は、あそこまで執拗に追い込むほど憎むべき対象として見れない。だから主人公のやり過ぎに見えるし、ラストも「それでいいんじゃない・・・」な浅い気持ちで観終わってしまう。いっそ、ジェイミーをもっと悪いやつにして、主人公が完全なる報復を遂げる話にしてほしかった。そうでないなら、もっとジェイミーを応援したくなるような話の流れを作るべきではなかろうか? そして対決終了後のジェイミーはもっと心に重いものを引きずるような描写が必要だと思う。娘の発表会をちゃんと見に行くようになったというエピローグだけじゃ軽すぎる。原題は、不本意ながらも自らの持論により自らを裁く結果となった主人公への皮肉が利いているのに、変えられた邦題は『不完全なる報復』ではないか! 邦題考える奴、最近低能化著しい。[DVD(吹替)] 6点(2012-01-04 03:32:59)(良:1票)

18.  カプリコン・1 《ネタバレ》 ストーリーが知れてNASAの協力が得られなくなったという作品。ソ連てものがあった冷戦時代の技術競争や緊張を知らない人は動機に乗れない人もいるかもしれませんね。ソ連に対する優位を保つために有人火星宇宙船を無人で飛ばし、宇宙飛行士たちは秘密のスタジオで火星到着の演技。しかし、地球へ帰還した宇宙船は大気圏突入時に事故で焼失。お芝居をさせられていた宇宙飛行士たちは生きていてはならないことに・・・その展開が面白かったです。当時だとこのごまかしもアリに思えなくもないですが、今ほど技術や知識が一般に広まる時代となると、これでごまかし通すのはかなり無理がありますね。もっと面白くリメイクして欲しい作品なんですが、騙しの技術背景の問題でかなりリメイク難しそうなのが残念です。[映画館(字幕)] 5点(2012-03-18 20:35:33)

19.  風の谷のナウシカ この作品を初めて観たとき、とても印象に残ったのは音楽でした。これが製作された頃はまだアニメは「子供のもの」あるいは「オタクのもの」といったイメージが強かった気がします。そうした雰囲気は当時のアニメでは音楽の雰囲気にもよく現れていたように思うんですが、この作品のタイトル曲の落ち着いた大人っぽい響きは当時としては「おっ」と思うものでした。『未来少年コナン』のテレビ版と劇場版は音楽が違うのですが、これを見比べると映像作品における音楽がどれほど重要か分かります。宮崎駿作品について詳しくはないですが、おそらく『風の谷のナウシカ』は宮崎監督が良き作曲家(久石譲)と出会えた記念すべき作品なのでは。本作は、赤い服に着替えたはずのナウシカがいつの間に青い服に戻ったのか、それを知るために3回見ました(笑) もう、それ以上は見なくていいって感じですが、音楽によってアニメのレベルが小馬鹿にされないものになった作品だと感じています。[ビデオ(邦画)] 5点(2010-01-09 04:26:24)

20.  ガタカ 《ネタバレ》 自分は青暗くて狭ッ苦しい絵が多いとどうも乗れないらしく、それだけで憂鬱で退屈でした。遺伝子で人を選別した世界の選ばれし市民たちがどんだけキラキラ幸せに満ちてるかを全く感じないし、感じない以上そういうシステムで社会を回す価値がまるで感じられない。2人の人間が同じ知能レベル同じ判断力同じ思考回路で、同じタイミングに同じセリフを言っても、周囲は同じ反応はしない。容姿や声質や身振りで全然変わる。じゃ、顔も体つきも声も全部エリートを選ぶ? そういう風になったら、それまで目立ってたタイプの人ももう凡人だよね。時代で人の好みも変わって行ってるけど…それに誰の価値観で優劣決めるんだろう? とにかく、この作り話を「あるかもしれない」と想像したり、嘘話と割り切っていてもその世界観に付き合いたくなるような決定的な魅力がありませんでした。[DVD(字幕)] 4点(2013-07-30 21:37:24)(良:1票)

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