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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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21.  斬~KILL~ 剣にまつわる、四話構成のオムニバス。ストーリー性は希薄でどちらかというとイメージビデオ的なノリの中、唯一、明確なストーリー性を備え(そういう意味ではこのオムニバス作品の中では反則っぽい印象もあるけど)、サイレント映画の体裁を借りてスピーディに物語を展開してみせた、第二話の『こども侍』。これを見ただけで、満足です。カッコいいじゃないの。 最後の四話目の尻すぼみ感(押井守監督作)など、残念な部分もありますけれど、、、とりあえず、深作監督、ありがとう。[インターネット(邦画)] 5点(2022-01-22 10:26:05)《改行有》

22.  キック・アス ジャスティス・フォーエバー 前作がヒットガールと父との物語なら、この続編は、主人公キックアスと父との物語。 であるならば、単なるアタマ数あわせとしか思えない敵味方のマスクマンたちをウジャウジャ登場させるヒマがあったら(本当に単なる増量としか良いようがない)、その分、主人公と父との関係をもう少しちゃんと描いて欲しかった。 「いいヒト」であることはわかるけど、最後までそれ以上にはならない、存在感の薄い父。 前作には間違いなく、「何度でも見たくなる瞬間」というものがあったけど、この第2作の、どのシーンをもう一度見たいと感じればよいのやら。[インターネット(字幕)] 5点(2021-09-04 22:58:42)《改行有》

23.  岸和田少年愚連隊 大河内奈々子だけが東京ことばで、あとは関西弁のオンパレード、こういうのを見てると、逆に「関西在住の関東人」の逞しさ、みたいなものも感じつつ。 実際、彼女以外の出演者の殆どが関西に所縁のある人々で、「ヘンな関西弁」にズッコケる心配はありません。主役の二人を始め、プロの俳優ではない出演者も多いのですが、皆さん芸達者なのでその点も心配ありません。元雨上がり決死隊のアノ人も出てますが、吉本興業がちゃんと制作に関わっているので、闇営業の心配もありません? 私も大阪出身ながら京阪沿線なもんで、岸和田という土地には馴染みがなく、ああ、海があるんだなあ、なんていう地図見りゃ当たり前のことに改めてしみじみしつつ。そこで繰り広げられる、ケンカまたケンカ。ビーバップハイスクールほどは戯画化されておらず、犯罪スレスレ、命懸けの生々しさも。 ひたすら繰り返されるケンカの日々の先には、あのどうしようもない大人「カオルちゃん」がいて、ああいう大人になるのかも知れないし、ならないのかも知れない。そのカオルちゃんだって、昔はこんなどうしようもない中高生の一人だったのかも知れない。脈々と受け継がれるどうしようも無さ、破天荒さ。それがついに伝統にまで昇華したのが、あのだんじり文化。とまで言うと怒られそうですが。 そういや、一瞬、お茶の間のテレビに映る「たよし」のCMが、何とも懐かしい(大久保怜先生の熱唱!はよく聞こえないけど)。[インターネット(邦画)] 7点(2021-09-04 17:26:08)《改行有》

24.  恐竜グワンジ 《ネタバレ》 どうせグワンジ君は映画中盤くらいまで登場しないんだろう、と思ってたら、まあ、その通りなんですけれども、いざ登場したらもう、圧巻です。これでもか、と細かい動きを見せてくれます。 ストーリーはつまるところ、『キング・コング』と大差なく、とっ捕まったグアンジ君が見世物として連れてこられた都会で逃げ出し大暴れ、というもの。しかしやっぱり都会で暴れてナンボですから、これでいいんです。原子怪獣リドサウルスしかり、金星怪獣イーマしかり。などと言ってると、炎に包まれた最期とか、ゾウとの死闘とか、『キング・コング』以外にも色々と焼き直しが入っているような・・・。 しかしコレ、特殊効果の技術はスバラシイです。まさにダイナメーション技術の到達点。人間と恐竜とが直接触れ合うのはさすがに無理だとしても、投げ縄で両者を繋いで見せるなど、俳優とコマ撮り人形とが同一画面上で一緒になってアクションを繰り広げます。スティラコサウルスの腹に槍を突きさすシーンなど、あまりに自然な描写となっていて、ドキリとさせられる程。 グアンジ君はちょっと青みがかった色をしていて、何故かそういう点にも妙に納得してしまう。恐竜ってのは爬虫類、トカゲの親分。え、羽毛恐竜だって? そんなの知りません。グアンジ君は腕の指が三本、だったらきっとアロサウルスだね。アロサウルスは青色、ティラノサウルスは茶色。という私の間違った思い込みを補強してくれる、これは実にいい映画です。 西部劇と恐竜、という相性もバツグンで、それでいて終盤はパニック映画にもなっていて、別に過去の作品の焼き直しだっていいじゃないの、見どころは一通り押さえていて、特殊効果も手抜き無し。何より、これぞ恐竜、という描写がうれしくって。いやあ、いい仕事してます。[インターネット(字幕)] 7点(2021-08-12 17:50:09)(良:1票) 《改行有》

25.  凶弾(1982) 石原良純さん若き日の主演作。「瀬戸内シージャック事件」をモデルに、犯人の少年を精一杯演じており、天気に目をやる余裕も無さそうですな。この役をこれ以上どう演じようもない気はするのでコレでいいのかも知れないけれど、青春一直線、ちょっと感情が前面に出過ぎの感がありやや単調な演技に見えてしまいます。最終的にバラエティ番組方面に行ったのは、ま、よかったのかな、と。 物語はだいぶ実際の事件の経緯に沿っているようですが、事件を起こすまでの部分にもかなりのウェイトが置かれていて、世間に受け入れられない若者の鬱屈なども捉えた一種の青春映画にもなってます。特に、高樹澪の存在は映画のオリジナルなんでしょうかね、物語に幅を持たせております。さらには警察側の人間模様から、狙撃手の苦悩までも作品に滲ませる、という盛り沢山の内容。 クライマックスの客船乗っ取りは、かなり大掛かりな撮影となっていて、見応えがあります。この辺りは奥山プロデューサーの意気込みの表れ、といったところか。早くも大作嗜好のようなものを感じさせます。 それにしてもお爺ちゃん役の加藤嘉さんが泣かせます。これはもう、反則モノ。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-06 18:28:33)《改行有》

26.  キングコングの逆襲 東宝創立35周年記念が、こんな流用企画でいいのか! という、「せっかくなのでキングコングでついでにもう一本」な映画。 いや、でも、気合は確かに感じられて、南極やら南の島やら、果ては東京までも舞台にして、大がかりなミニチュアセットがふんだんに用いられてます。特に終盤は、「身長20m」のコングと東京タワーとの絡みだもんで、セットも巨大なものに。 しかし、今回の目玉、コング型巨大ロボ・メカニコングの、この造形。何とかならな・・・かったんでしょうねえ、きっと。 ロボットなのに、どうして顔までこんなゴリラ顔に作り込まないといけなかったのか。ロボットなのに、こんなデカい鼻の穴が必要なのか。生みの親のドクターフーまで、「うははは、とてもロボットとは思えん」とか口走ってたのが、少し自虐的に聞こえてしまいました。 メカニコングはさておき、キングコングの方は相変わらず雑な面相してます。が、対ゴジラの時よりは改善も見られます。アレは本当にヒドかった。 顔はマズくとも、ゴロサウルスやウミヘビとしっかり死闘を繰り広げ、大活躍。たけど、そのせいか、終盤の東京上陸後が何だか物足りない。メカニコングがいきなり東京タワーに登るもんだから、キングコングも付き合わざるを得ないけど、「東京タワー登ります」ありきの展開で、何故登るのかも、登ってどんなアクションを見せるのかも、はっきりしないまめ、とりあえず登っちゃいます。ただ単に不自由な場所で、不自由に小競り合いをしているだけ。 東京タワーの上ならではの見せ場が、欲しかった。[インターネット(邦画)] 6点(2021-05-24 23:23:29)《改行有》

27.  吸血鬼ゴケミドロ 《ネタバレ》 私がだいぶ小さかった頃だと思うんですが、コレ、テレビでやってて。その時、姉と二人で留守番してたのかな? 何せあの、赤い空を飛ぶ飛行機、という不気味な映像がテレビ画面に映し出された瞬間、怖がりの私はチャンネルを変えることを主張したはず、なんですけれども、すぐにこういうのを見たがる姉に押されてしまい、一体どういう神経してるんだよ、とか思ってたら。 言わんこっちゃない、額がパックリ割れて、ニョロニョロと。もう恐怖は最高潮に。 この辺りで私の記憶は途切れるのですが(笑)。 しかし実際、今見ても途轍もなく不気味な作品で、どういう発想したらこういう作品がうまれるんだか。宇宙人侵略モノでありながら実態は吸血鬼モノ、不時着した飛行機の中と外での攻防戦。しかしあのニョロニョロの存在が、そして額の割れ目が、むやみに得体が知れなく、みやみに気持ち悪い。いや、そんなに強そうには見えないので、本来なら襲われても何とかなりそうなんだけど、そうはいかない。蛇ににらまれたカエルのごとく無力に襲われる犠牲者たち、というのが、いかにも悪夢のようで。 飛行機を脱出しても、そのさらに外では……という二重構造も、うまく活かされていて、不気味さこの上なし。いやはや、また記憶が飛びそうな。[インターネット(邦画)] 8点(2021-03-27 09:55:20)《改行有》

28.  霧の中の風景 《ネタバレ》 幻想性の中に、人間が生きていくツラさ・不安というものをそのまんま投影したような、タマラナイ気持ちにさせられる映画。空はどんよりと曇り、不安、また不安。 物語はシンプルで、ドイツにいるという、まだ見ぬ父(ホントは実在しないのだけど)を探し求めて家を出た姉弟の旅路が描かれます。2時間ちょっとの作品の中で、長回しも用いられ、ショットの数で言うと100弱くらいでしょうか。しかし、これ見よがしな長回しではなく、比較的自然に映画が進行し、決して取っつきにくい印象の作品ではありません。何より、子供たちを主人公にして、彼らの心細く危うい旅を描いていることが、見ている我々の気持ちを否応なく映画へと惹きつけます。 彼らの前には、「巨大なもの」が登場し、彼らを脅かします。工場の巨大な煙突。煙を上げる原子力発電所(なのかな?。ギリシャには原発無かったのでは??)。彼らの前に立ちふさがるように駆動する、巨大な掘削機。そういった「巨大なもの」の前に、彼らの姿は小さく、小さく描かれています。 海中から現れる、巨大な手の石膏像。それが何を意味するのかは作中では明かされていないけれど、巨大なその手の像は、ヘリで吊るされて運ばれていき、遠く小さくなっていくに従って、まるで救いを求める「手」のようにも見えてくる。 作中に印象的に配置された、人間の所作。それは、一つには「泣く」ということであり、もう一つは「抱き合う」ということ。その2つがクロスする、あの街灯にひっそりと照らされた夜道のシーンの、切ないこと。そして、感動的なこと。 生きるツラさ、と言えば、終盤の駅の場面に登場する兵士、彼の背景は全く描かれていないけれど、彼もまた生きづらさを抱えた人物であろうことが、感じられます。 あるいは、飲食店から追い出されるヴァイオリン弾きのオヤジ。それぞれが、いかにも不器用に、何とか生きている。ああ、生きるとは、こんなにツラいことなんだ。決して辿り着くことのない、霧の中の風景。 ラストの銃声は、彼らの死を想起させるけれど、映画は彼らをどことも知れぬ「霧の向こう」へといざない、そこに生えている一本の木と抱き合う小さな姿で、幕を閉じます。微かな慰め。それはあるいは、この苦しくツラい生との決別でしかないのか。[CS・衛星(字幕)] 10点(2021-02-27 15:45:29)《改行有》

29.  キラー・シャーク/殺人鮫 <TVM> キラー・シャーク(邦題)だの、SharkMan(原題)だの、どうして正直に「私は半魚人です」と言えないんですかね、まったく。 サメ並みの知能と人間並みの脆弱な肉体を持つ、恐るべきモンスターが襲ってくる作品です。とりあえず。 冒頭の安っぽい襲撃シーンから、何となくフライングキラーあたりを連想して、そういやこの作品もサメ人間だ、ってんだから、水中でも地上でも襲ってくる恐るべき生物なんだろう、と期待するのだけど(ウソ。期待はしてません。何となくそう思っただけ)、これがよくわからない。そういうシステムなんだろうとは思うけれど、あまり地上では活躍してくれない。というより、サメ人間があまりちゃんと映らず、襲撃シーン自体が何だかよくわからん。 サメ人間に襲われるのは男女3人ずつのご一行様。約一名、少々鬱陶しいジジイがいる、という事はわかるけれど、基本的にキャラクターがちゃんと描き分けられている訳でもないので、正直、見ててもあまりこのご一行に関心が持てない。 いや、もっと問題なのは、その中の一人の男が一応はヒーロー役、らしいのだけど、これが中年太りの短足オヤジ、普通の映画なら真っ先にモンスターの餌食となって画面から消え去ってくれるであろう、雑魚キャラ感あふれる男。こんなヤツがマジメな顔で銃を乱射しているだけで、噴飯モノです。 一方、ヒロイン役みたいなのもいて、何でしょうね、美人かどうかはともかくとして、ノースリーブ姿で逞しい二の腕をこれでもかと見せつけ、何となくサマになってしまっているのが、これまたどうも。戦う相手がサメ人間だし。半魚人だし。 そんな彼らがやってきた無人島、そこではマッド・サイエンティストが(このヒトはそれなりに狂った感を出していて、真っ当です)息子をサメ人間に改造していて、コヤツが襲い掛かってくる。という、サバイバル。 水たまりみたいな沼にハマっただけで、危険だと騒ぐかと思いきや、海には平気で飛び込んだりして、見ている我々も何を恐れていいのやら、よくわからない。水中の危険度合いがよくわらかんぐらいだから、地上の危険度はもっとわからん。 マッド・サイエンティストが一番ヤバい奴だというのは、何となくわかるので、クライマックスでは、囚われのヒロイン危うし!となる訳ですが、このシーンですら、どうにも、おマヌケなんですよねえ。 と、なかなか楽しめる作品でありました。[CS・衛星(字幕)] 2点(2021-02-20 14:29:07)(笑:1票) 《改行有》

30.  恐怖の報酬【オリジナル完全版】 冒頭の断片的なエピソードが、互いに連関することなくただ登場人物を導入するために並列に配置されているだけなのもイマイチ工夫が無いし、ロイ・シャイダーが自動車事故を起こすという、いかにも本編の伏線になりそうなネタがさほど活かされていないのも奇妙だし、何と言っても、あの素晴らしいまでにエゲツない『恐怖の報酬』(1953年)をわざわざリメイクしようってのが、すでに分が悪い。まあ、オリジナルと比べて、ああだこうだ言うのも、無粋かも知れませんけどね(でも比較されるのがイヤなら、そもそもリメイクなんかに手を出さない方が・・・)。 だけどやっぱり、本作にも、圧倒されてしまう。あのつり橋のシーンの、途轍もないシツコさ、そして緊迫感。いやホント、そこまでやるか、と。 ケモノ道みたいな、道なき道を進むクルマ。こんなところまで来てロケして、本当に無事帰れるのか、と、要らぬ心配までしてしまう。 さらには若干、エクソシストっぽいオカルト風味まで感じさせたりもして。確かにここには、このリメイク作ならではの世界が広がっています。これはこれで、スゴい映画。 ところで、最初の方のレストランのシーン、バックに流れているのはモーリス・ラヴェルの弦楽四重奏曲で、実際に店内に流れている音楽なのか、劇伴なのか、判然としないのですが、最後に、劇伴としての不協和音がそこに重なって、独特の効果を上げています。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-24 21:23:03)《改行有》

31.  キングダム(2019) 基本的に、妙に落ち着き払った登場人物が多い中で、山﨑賢人だけが大袈裟な演技をやって、これも一種の対比、ということなんでしょうけれど、物語の進行自体が、彼のオーバーアクションに頼り過ぎな気がして。なので、派手な立ち回りで賑やかしはすれども、どうも単調。 ただそれでも、よくこれだけのスケール感を出したな、という点、そこはしっかり楽しませてくれました。大沢たかおのケレン味もあって、悪くない。何なら、もっとハメを外してもよかったかも。[地上波(邦画)] 6点(2020-06-21 20:06:27)《改行有》

32.  キャスパー 《ネタバレ》 この屋敷には、怨念がおんねん。ってヤツなんですけれどね(←ゴメンナサイ!)。「この世に心残りがあるまま死んだら成仏できない」ってのは、洋の東西を問わず共通の考え方なのかな、と思いつつ、それにしてもどうしてこんなに陽気なのやら。恨みつらみとは無縁の世界。まるで、化けて出られるなら死んでもOK、とでも言わんばかりのノリがあって。 というあたりは多少、ブラックな部分もあるのですが、基本は、オバケと少女の交流のオハナシ。 イーストウッドが仮に、他人の映画にカメオ出演するとして、それがどうして、よりにもよってこの作品なのか、という不思議。映画の裏に働く力学ってのは、ワカランもんです。 しかしそういうのも、スピルバーグの人徳がなせる業なのか、どうなのか。例によって例のごとく、世の中にゴマンと存在する「製作総指揮:スピルバーグ」作品の一本、なワケですが、実際、「スピルバーグなら確かにこんな風に撮りそう」ってな感じの、誇張と茶目っ気のあるシーンがテンコ盛り。いや勿論スピルバーグ自身が撮影する訳もないんでしょうけど、要するに、いかにもスピルバーグ・ファミリーの映画だなあ、というテイストが溢れています。バカバカしくても、憎めない。 ラスト近く、キャスパー君が人間の姿になって階段を下りてくる場面の、印象的なこと。これはもはや、タイタニックにおけるレオ様のお姿にも匹敵するといっていいんじゃ、なかろうか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-04-30 21:19:11)《改行有》

33.  寄生獣 完結編 私、ほとんどマンガ読まないんですけど、この「寄生獣」は大学時代の研究室に先輩が買ったのが転がってて、夢中で読みました。コミック最終巻の発売は先輩の卒業後だったので私が買って寄贈してきましたが。 で、当時は「まるでターミネーター2みたいだけど、コッチの方が面白いんじゃない?」ってな会話を周囲としていた程度だったんですが、私が認識していなかったのは、実は「ターミネーター2の公開より、寄生獣の連載開始の方が、ずっと先だった」ってことなんですね。この映画化にあたって、後藤さんとの対決シーンの舞台を紅蓮の炎の中に設定したのも、何やら意味ありげ、まるで「マンガ」と「ハリウッド」を両方、ここに取り込もうとしているかのような。こういうアレンジは賛否両論あるとは思いますが、劇的な盛り上がりとなっていて私は結構、好きです。映画化にあたっては、2本分の尺を使いつつ、取捨選択しつつも、全体としてはやや原作に引きずられ過ぎ、盛り込み過ぎで、少し消化不良な感じもあるんですけれど、でも、1作目もこの完結編も、ここぞという場面では大胆にアレンジを加えて、映画ならではの見せ場になってます。 ただ本作、ちと後藤さんに冷たくないですかね。もうちょっと活躍させてあげて欲しかった(笑)。三木さんの挙動不審が印象的なのは、これはどうやらホントにヤクをやっていたみたいなので、とても太刀打ちできませんけれどね。でも、作品自体の関心が、我らがヒーロー・後藤さんよりもむしろ、しがない親父・倉森の方に向かっているようなところがあって。「倉森vs田宮」が、一番のクライマックスでした。[DVD(邦画)] 7点(2020-04-04 14:31:57)《改行有》

34.  危険な情事 《ネタバレ》 蝶々夫人が自刃するも死にきれず、自分を捨てたピンカートンにストーカーのごとく付き纏う、ってな感じのオハナシ。 マイケル・ダグラス演じる主人公、「蝶々夫人」のクライマックスに涙したとか何とか言いながら、自分は自分で妻子のいない間にチャッカリ浮気して、相手とさっさとオサラバしよう、ってんだから、虫がいいにも程がある。どう考えても主人公の方が悪い訳です。 アメリカの恐怖映画というと、無関係の事態に巻き込まれるとか、得体の知れないモンスターみたいなヤツに襲われるとか、そういう理不尽さがベースとなっている印象があるのですが、本作はそうではなく、他人からの「恨み」というものが恐怖の源泉にあって。どっちかというと、日本の「うらめしや」系のコワさですね。でも暗がりにボンヤリ現れるだけ(?)の日本の幽霊とは違って、本作のグレン・クローズはアフロな髪型をなびかせ、積極的にワイルドに、迫ってきます。でもただただ迫ってくるだけではなく、押したと思えば引いてみたり、この辺りの匙加減が本作の上手いところです。 クライマックスの舞台が風呂場になってて、これが妙に生々しくてコワいんですね。風呂場というのがそもそも、人間が最も無防備になる場所で、なのに硬そうなモノが色々とあり、争うには最もヤな場所なんですけれども、それに加え、本作では「水」のイメージがまたヤな感じを醸し出してます。二人が親密になるキッカケとなった雨の場面とか、彼女が自殺未遂を企てる中盤の場面とか。とにかく、妙に生々しいんです。ヤな感じです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-01 16:02:11)《改行有》

35.  キリング・フィールド この映画、初めて見たのは、ゴールデン洋画劇場で放送されてた時でして、解説は勿論、いつもニコニコ顔で無難なコメントを述べるだけの高島忠夫さん。あのドレミファドンやウルトラクイズ同様の笑顔でいつも映画解説役を無難にこなしている高島忠夫さんが、この映画の後、「私はこの映画に対し、2つ、言いたいことがある」とぶち上げたのが、いまだに印象に残ってます(って言っても古い話なのでどこまで確かな記憶かは保障しません、ゴメンナサイ)。曰く、1つ目、あのラストにおける再会のシーン、ここはただ抱き合うだけでいいじゃないか、セリフは不必要でしょう、とのこと。そして2つ目、なぜアカデミー「助演」男優賞なのか。これは「主演」でしょう、と。 まあ、少なくとも、本田勝一がこの映画について書いていること(「貧困なる精神」参照)に比べれば、一億倍くらいイイ事言ってる気はします。 それはともかく、本作。ベトナム戦争が飛び火したカンボジア内戦から、ポル・ポト派(いわゆるクメール・ルージュ)による弾圧と虐殺、そしてその中をかろうじて生き延びた現地ジャーナリストの姿が、描かれており、内戦下の緊迫感や、粛清の恐怖といったものが、作品に満ち満ちています。 後半、国に帰ったシャンバーグ記者と、現地に残され苦難を味わうディス・プランの関係は、「逃げた者の罪悪感」も含め、ちょっと「南極物語」みたいな図式ですけれども、受ける印象は(当然ながら)大きく異なります。この映画の後半は、ディス・プランの独白など一部のセリフが英語ですが、それ以外は字幕なしの現地語であり、プランは勿論それを理解するだろうけれど、見ている我々にはそれが、理不尽な弾圧を象徴する「理解を超えた恐怖」として迫ってくる(その意味では、このシーン、カンボジア語を理解する人とは印象を大きく異にするでしょう)。 一方で、退却を進めるアメリカ軍のヘリコプターの、メカニックな姿。また一方では、文明を拒否するポル・ポト派が推し進める、恐怖に裏打ちされた原始社会。どちらも非人間的であり、それと同時に、この物語の中心にいるジャーナリストたちの姿もまた、無力であるばかりではなく打算とのスレスレに位置している点、はたして人間的と言えるのかどうか紙一重のところもあって。 決して綺麗ごとだけでは描かれていない、だけどそれでも、希望を描かずにはいられない、そこが作品の感動となっているように感じます。 しかし、惜しむらくは、音楽が一部、作品とまるでマッチしていないんですよね~~~(イマジンとかアルハンブラのことじゃ、ないですよ)[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-02-22 04:54:45)《改行有》

36.  祇園の暗殺者 近衛十四郎というヒトは、いつも暑苦しい程に自信マンマンの表情を浮かべている印象があるのですけど(表情というより、もはや「自信」が顔の一部になっているかのような…)、別にいつもいつもそういう訳ではない、というのがこの映画。 時は幕末、京の街では彼を始めとする浪士たちが、血も涙もない人斬りを繰り返している。で、今日も首尾よく(?)、ターゲットの家に乗り込み、見事仕留めたはいいけれど、押し入れの中に不穏な空気、戸を開けてみるとそこには、恐怖と驚きに顔を引きつらせた子供の姿が。で、この映画、何がポイントかといいますと、このシーンの子供の顔が、完全に「呪怨顔」なんですね。バッチリ時代を先取りしてます。この呪怨顔を見てしまったら、さすがの十四郎フェイスも曇ろうというもの。以降、主人公は罪の意識に捉われたか、ときに殺人の幻影に悩まされ、何かと調子が出なくなっていく。そして彼に訪れる暗い運命。 終盤の、狭く入り組んだ京の路地を舞台に繰り広げられる追跡劇が見どころで、ついには鴨川べりと思しき水辺に追い詰められるのだけど、それは作品の中盤でも描かれた暗殺パターン。因果はめぐる、といいますか。 人斬りがテーマながら必ずしもチャンバラに重きを置かず、代わりに呪怨テイストを絡めてきたのが、ちょっと異色な時代劇でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-02-22 03:41:41)《改行有》

37.  キャリー(2013) という訳で、2013年版のクライマックスは、少々物足りなかったデ・パルマ版よりも派手に、『超能力学園Z』よりもナンボか派手になっております。が、残念ながら、バタバタするばかりで見せ方があまり上手くないもんで、何をどう見せたいのかイマイチよくわからん、ってのが正直なところ。「画面分割」という違和感が、本作では無くなって、それはそれで結構なんですけれども、しかし見せ方がちと雑なのでは・・・。 それにしてもキャリー役は、やっぱりシシー・スペイセクにはどうやったって敵いませんわなあ。何というか、あの、内側から滲み出てくるような、筋金入りの不器用さとブサイクさ。役作りなのかホントにこんなヒトなのか、もはや判別不能。それに比べると本作におけるクロレッツちゃんは(←そんな略し方があるのか?)、どうしても「今、頑張ってオドオドした演技をしてますよ」という風に見えてしまう、これは本人のせいなのか監督の演出のせいなのか、判別不能。 と、いろいろ反省点もあるので、これを踏まえてあともう一回くらい、リメイクできそうですね!![CS・衛星(字幕)] 4点(2019-05-05 11:57:19)(笑:1票) 《改行有》

38.  キャノンボール コレ、子どもの頃は、マッドマックスなどと並んで「子供は見ちゃいけないハードなバイオレンス作品」みたいに信じ込んでおり、級友が「キャノンボール観に行ってきた」などと言うのを聞いて、それはそれは尊敬の眼差しで彼を見つめたもんでした。で、彼に訊きたかった点は、予告編にも登場するあの、飛行機からバイクで飛び降りる衝撃のシーン。一体どういうストーリー展開の必然性の中に、あのような絶体絶命の「悲壮感溢れる」シーンが生まれるのか、そして飛び降りた男の運命いやいかに。しかしその私の質問に対する級友の回答は、「いや、単に飛び降りただけ。あの後パラシュートが開いて、バイクだけ落ちていくねん」。私の頭の中に「?」が溢れかえる、これは一体どういうことなんだ、コイツ一体何を言ってるんだ? その後、TVの洋画劇場で本作を観て、彼の言っていたことが正しかったことを知ったワケですが。 というか、ここまで必然性の欠落したスタントシーンが存在することに、あらためて驚愕を覚えたのでした。 そんなワケで、もうホントにテキトーな、思い付き以下のネタが羅列されただけの、怪作ですね。2作目はもうちょっとオチまで考えてた部分もあると思うのですが(オランウータン君!とか)、1作目は殆どオチをまともに考えた形跡も見られない、ホントにただの羅列。これはある意味、スゴイことだと思います、ハイ。ラストもふざけたまま投げ出すように終わっちゃう、この潔さ。いや~実に天晴れ、ただし正気とは思えん。 それにしても2作通じて最大のインパクトを残す、ジャック・イーラム。俳優が普通に登場するだけでオドロオドロしいBGMが流れてしまう、まさに稀有の存在ですな。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-03-23 04:29:44)(良:1票) 《改行有》

39.  ギャラクシー・クエスト 凶悪宇宙人の侵略を受けた宇宙人が、傍受したSFテレビシリーズの放送を真に受けて地球に救いを求めてくる。まー、実にナンセンスで、しかしSF的には「うん、こういうことって、ホントに起こりそうだよね」という秀逸な設定が、作品の魅力。久しぶりに観ましたが、やっぱり面白い。 人気の低迷した役者たちがなんとなく騒動に巻き込まれていく展開だけに、いささかオフビートな部分もありますが、徐々にテンポを上げていき、特殊効果もしっかりしていて好感が持てます。何より、救いを求めてきた宇宙人の嘘くさい笑顔、バカ正直ぶり、徹底した純朴さが、胸を打ちます。 ただ、特に「何で俺がこんなことを」感の強い役に、そのまんまいかにも向いて無さそうなアラン・リックマンを起用したのは、ホントに「そのまんま」過ぎて、あまりよろしくなかった気も。コメディにはコメディのやり方があると思うんですけどね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-06 17:08:23)《改行有》

40.  キャリー(1976) 《ネタバレ》 一応、デ・パルマの出世作、という位置づけなんでしょうけれど、どうも本作以降、どんなに異なるジャンルに手を出しても全部おんなじような作品に仕上げてしまう傾向があるような・・・。 本作、肝心のクライマックスであるプロム会場のパニックシーンが、『超能力学園Z』並みってところに、どうも限界を感じてしまうのですが、本作の方がオリジナルなワケですから、比較するのも酷かと。いやそうではなくて、ああいう作品と比較可能なレベルであることが、そもそも物足りなさの原因なんですけどね。とにかく、いよいよこれからか、というところでアッサリとパニックシーンを切り上げてしまう。やはりデ・パルマは、クライマックスシーンよりも、そこに至るまでのバケツの描写を「知りすぎていた男」風に撮ってやろうとか、ラストで一発カマしてやろうとか、そちらにしか興味が無かったんですかね。 とりあえずクライマックスでも、画面分割という禁じ手のサービスを施してくれてはいるんですけども、さて、これにいかほどの効果があるのやら。何やら急に画面構成がヘンテコになったので、物語の中でも今とてもヘンテコなことが起こったらしい、ってな感じは、伝わってこなくはないですけどね。あとこれがもし、シシー・スペイセクの血濡れメイクの顔を(めんどくさいので)まとめてアップで撮ってしまおう、という手抜きに依るものなんだとしたら、それなりに意義があるような気がしないでもなく・・・。 他にも、画面手前の人物と奥の人物にはフォーカスが合ってるけどそれ以外の人物はピンボケしてる(インチキ・パンフォーカスとでも言いますか)とか、ダンス会場の長回し(クレーンの俯瞰で二人の姿を長々と追いかけ、場に怖気たシシー・スペイセクが帰ろうとした瞬間に下からのカメラに切り替わると今度はカメラが人物の周りをグルグル回り出す)とか、色々と演出で遊んでいて。そういうのが個別には面白く感じられる場合もあるんですけど、総じて物語に貢献してないというか、やっぱり作品自体がカタルシスに欠けるように感じられてしょうがないです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-12-30 06:08:07)《改行有》

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