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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 鬼畜 噂には聞いていましたが、たしかに見ているとだんだん辛くなります。岩下志麻とか緒形拳とかも、さぞかし演じていて辛かったんじゃないかと思います。 特に中盤以降、緒形拳は〝解決〟に向けてある意味で一直線に突っ走るわけですが、他に方法があったんじゃないかと誰もが思うところでしょう。クソマジメな言い方をすると、経済的貧困もさることながら、知識の貧困・情報の貧困も悲劇を招くということで。前者はどうしようもない部分がありますが、後者なら自助があれば共助・公助で救われるはず。そうオトシマエをつけることが、この陰惨な物語を自分なりに浄化する唯一の手段かなと。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-05-24 23:18:01)《改行有》 2. 恐怖の報酬【オリジナル完全版】 他の方も指摘しているとおり、前半はオムニバス形式で落ち着きません。後半からようやく筋が見えてくるわけですが、最後に加わった殺し屋風の男の参加理由は今でもわかりません。セリフをギリギリまで削ぎ落としたようで、このあたりは勝手に想像しろということでしょうか。 しかし運搬が始まってからは、いろいろどうでもよくなります。とにかく生きるか死ぬかの瀬戸際の連続なので。CGでも特撮でもなく、よくこんなシーンを撮れたなと驚くばかり。このあたりは十分に堪能させてもらいました。終盤はなぜかホラー的になったし。 で、最後の最後に出てきたオッサンは何者でしたっけ? ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、見る側の集中力と記憶力を試すような終わり方でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-11-25 01:47:31)《改行有》 3. 君よ憤怒の河を渉れ 「この場面、いくらなんでもおかしくないですか?」とか現場で監督に進言するスタッフや役者はいなかったのでしょうか。原田芳雄のシーンは終始マトモなのに、高倉健が出てくると妙なことをしはじめる。いくらフィクションとはいえ、あまりに現実離れしていて唖然・茫然の連続です。 それに多くの方が指摘しているとおり、音楽も変。下品でうるさくて、センスのカケラも感じられません。この佐藤という監督、自身も呆れるほどの非才ぶりを逆手に取って、西村晃に負けず劣らず高倉健を徹底的に貶めてやろうと画策したんじゃないかと疑いたくなります。[CS・衛星(邦画)] 2点(2015-12-30 03:27:19)《改行有》 4. 金環蝕(1975) どいつもこいつも欲の皮の突っ張った奴ばかり、という設定が実に爽快。なまじ現実離れした「正義の味方」が登場しないだけでも、私的には大満足です。しかも派手なドンパチではなく、徹底的に裏でジメジメコソコソやる姿がいかにも日本的。「金環蝕」とはよく言ったもので、真ん中の漆黒をそっと覗き込むようなゾクゾク感がたまりません。 とりわけ秀逸なのは、やはり宇野重吉でしょう。「ショーチックバイッ」と歌う好々爺のイメージしかなかったのですが、すっかりヤクザな金融屋でした。あのいびつな歯並びも、いかにも昔のアウトローという感じ。それに、仲代達矢のこういう悪役も滅多に見られません。インテリで冷徹な策士を怪演していました。この両者が料亭で対峙する場面は、『椿三十郎』における三船敏郎との対決シーンに匹敵する緊張感を醸していたように思います。ここまで傑作。 ただし、その後の国会小委員会からが長い。たしかに重要なシーンだし、三國連太郎の見せ場ではありますが、見ていて疲れました。これは私の問題ですが。 ラストの締め方からも察せられますが、制作者はこの作品に「怒り」を込めていたのかもしれません。しかし現代から見ると、一級のエンターテイメントに仕上がっています。昔の政治の世界には、良かれ悪しかれ強烈かつ〝重厚〟なキャラがいろいろ揃っていたんだなあと、ある種のノスタルジーさえ覚えます。[CS・衛星(邦画)] 9点(2015-11-15 04:02:22)(良:1票) 《改行有》
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