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プロフィール
コメント数 2390
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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41.  グリフターズ/詐欺師たち 《ネタバレ》 ジョン・キューザックのイカサマ手口のせこいことには笑わせていただきました。あんな細かい商いしてて額縁の裏がいっぱいになるほどカネがたまるもんでしょうかね。そう、この邦題は間違ってますね、正しくは『イカサマ師たち』でしょう。アネット・ベニングにいたっては、もうあれはイカサマでもありません、単に肉体を使って稼いでいるだけじゃないですか。彼女が昔ばなしする詐欺話(これが『スティング』と同じ仕掛けというところからして怪しい)にしたって、もう嘘八百であるのはミエミエですからね。 というせこい三人のドロドロの人間模様なんですが、もうアンジェリカ・ヒューストンの鬼婆ぶりが突出してます。彼女の芸歴の中でもこれはベスト・アクトじゃないでしょうか。とは言え、決して後味が良い映画じゃないことは確かです。音楽はエルマー・バーンスタイン、けっこう良い仕事してます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-24 20:56:25)

42.  黒いジャガー 《ネタバレ》 有名な映画ですけど、観てみるとこれがなかなかのおバカ映画なんです。リチャード・ラウンドツリーはスチル写真なんかじゃカッコ良いのに、実際にはちょっと太めであまり強そうでもなく、これならこれならリメイク版のサミュエル・L・ジャクソンの方がはるかに様になっています。シャフトと言えば女にモテまくると言うのがお約束ですが、そっちの方だってどう見てもサミュエルに負けてますしね。敵ボスの行動も何を考えているのかイマイチ判りづらいし、肝心のシャフトまであっさり撃たれてダウンするときたら(もっとサブマシンガンで弾を浴びせられてあの程度の傷で済むのも凄いけど)、ちょっと脱力してしまいます。これもお約束ですけど白人刑事たちがあまりに無能でお人よしばかり、シャフトの無茶苦茶な行動ギャング戦争状態になった街を押しつけられて警察もちょっと可哀想になります。 でも何度聴いても『シャフトのテーマ』は鳥肌が立つほどカッコ良いし、『燃えよドラゴン』がアジア系ヒーローをハリウッドに誕生させたのと同様な功績を残した偉大なオリジナルのひとつであることは確かです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-14 22:35:19)

43.  狂えるメサイア 《ネタバレ》 故双葉十三郎氏の『外国映画ぼくのベストテン50年』という500本の映画を紹介している本の中で、唯一リストアップされているケン・ラッセル映画が本作です。ケンちゃん映画から一本となって、『Tommy/トミー』や『恋人たちの曲/悲愴』ではなくて本作を選ぶという双葉さんのセンスにはびっくりです、この映画のどこが気に入ったんでしょうかね? 音楽家の伝記映画には拘りを持っているケンちゃんですがこの映画ではアンリ・ゴーティエというフランス人の彫刻家を取り上げています。作品が評価される直前に若くして第一次世界大戦で戦死してしまった彼の、20歳も年上のポーランド人女性との破天荒な恋愛生活と創作活動を描いています。この女性を演じるのがドロシー・テューティンで、たしか『クロムウエル』でヘンリエッタ王妃だった人ですが、そこそこ美形だったはずなのに醜女好きのケンちゃんに徹底的にブスにメイクをされてちょっと可哀想でした。ケン・ラッセル映画のヒロインにしては珍しいことに彼女は脱ぎません、その代わりにチョイ役出演のヘレン・ミレンが全裸演技で気を吐いています。当時20代半ばなのに、17年も後で撮られた『コックと泥棒、その妻と愛人』で見せたヌードとほぼ一緒の体型と言うのが、また凄い。若いころからムチムチ豊満だったんですね。はっきり言って本作では必然性の全くないシーンでヌードになっておりもうムダ脱ぎとしか言いようがないんですが、けっこう本人も脱ぐのが好きなんじゃないでしょうか。 デレク・ジャーマンが手掛けたナイト・クラブの頽廃的なセットと踊りなんかはケンちゃんらしさが良く出ていました。ふつうの感覚ではちょっと(大いに?)変ですが、まあこれは彼なりの純愛物語なんだと思いました。[ビデオ(字幕)] 6点(2013-12-20 20:45:07)

44.  クライシス・オブ・アメリカ 《ネタバレ》 J・フランケンハイマーの『影無き狙撃者』のリメイクだそうで、原題は同じです。直訳すると“満州人の候補者”という感じで、オリジナルでL・ハーヴェイが中共軍に洗脳されるところからきています。そこを大胆に再構築して“Manchurian”を黒幕のコングロマリット企業の社名にし、邪悪な企業が米国を乗っ取ろうとするかなり陰謀論に軸足を置いたストーリーにしちゃいました。D・ワシントンがラストにあんな活躍(?)をするところがオリジナルのF・シナトラとは大いに違うところですが、洗脳のシーンはオリジナルに負けない不気味さを保っています。でも洗脳中に何で部下二人が殺されなければいけなかったのかが判りにくいし、その殺しの回想場面が二度ありますが同じ兵士が最初はビニールを被せられて窒息死、次では首を絞められて死ぬという明らかな違いがあるのはどうも理解不能です。 この映画の見どころはなんと言ってもM・ストリープとL・シュレイバーの不気味な超マザコン母子関係に尽きるでしょう。近親相姦まで匂わせるおぞましさ、やはりメリルが演じるとどんなキャラも生々しくなりますね。上院議員としての演技も迫力満点で、さすがM・サッチャーまで演じちゃう女優だけあります。 でもあんなリスクと手間をかけて息子を大統領にするよりも、まっとうに自分が予備選に出馬した方が手っ取り早くないですかね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-09 17:42:04)

45.  グレート・レイド 史上最大の作戦 《ネタバレ》 太平洋戦争中、フィリピンのカバナトゥアン捕虜収容所から処刑寸前だった500人を150人のアメリカレンジャー部隊が救出した実話の映画化です。原作である『ゴースト・ソルジャー』の訳者あとがきには、「現在スピルバーグ監督トム・クルーズ主演で映画化が進行中」となっていましたが、ずいぶんとスケール・ダウンしてしまったみたいです(笑)。まあ題材からして日本未公開だったのはしょうがないですが、確かにこの映画の悪役帝国陸軍は非道の限りを尽くしています。たとえれば『007/ダイ・アナザー・デイ』の北朝鮮兵、『ランボー/最後の戦場』のミャンマー政府軍みたいなもので、とくに憲兵隊長の役者さんは顔が怖すぎ。映画自体は正統的な演出でまあまあ盛り上がるのですけど、やはりそれには鬼畜日本軍の悪役ぶりが寄与しているのは確かです。マニラで抵抗運動のフィリピン人が病院で銃殺されるところなんか、ロッセリーニの『無防備都市』を彷彿とさせます。日本側の視点で描かれるシーンは無いですが、悪役ぶりを際立たせるためか史実より日本軍の装備や物量が大げさになっているのは気になりました。 それにしてもこの太平洋戦争での捕虜虐待は紛れもない事実だし、言い逃れは出来ないでしょう。日露戦争や第一次世界大戦での模範的な捕虜待遇を考えると、20年あまりでなんでこんなに帝国陸海軍は堕落してしまったのか情けない限りです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-01 17:53:51)

46.  駆逐艦ベッドフォード作戦 《ネタバレ》 このフィンランダー艦長は、会社にも良くいるパワハラ上司タイプの軍人ですが、異常性格な人間ではないと思います。その点がこの映画の弱点で、緊張感が限界を超えたことは確かですが、部下たちが艦長の要求について行けなくなったのがラストに起こる悲劇の原因みたいな印象になってしまいました。若い少尉がとんでもないミスを犯してしまうシーンは、不仲な両親の喧嘩におびえる子供みたいで面白かったですが。本作は『米ソ一触即発の危険を描くポリティカル・フィクション』的な映画ではなく、『眼下の敵』の様な潜水艦映画のパターンを踏襲しているので、製作者が訴えたかった『冷戦の恐怖』というテーマが散漫になってしまいました。また、なぜ艦長が執拗にソ連潜水艦を追いかけるのかは、ちょっと理解しがたいですね。そこら辺が『白鯨』的なところだと言われる所以でしょうか。元ドイツUボートの艦長で現在は西ドイツ海軍の准将という設定の人物が登場しているのは効果的でした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-12-12 11:23:27)

47.  クロムウェル 《ネタバレ》 クロムウェルは英国でも歴史的評価が分かれる人物で、彼が主人公の映画は珍しい(本作の他に“To Kill a King”というティム・ロスがクロムウェルを演じた作品があるそうです)。彼は護国卿在任中に病死していますが、王政復古後に墓を暴かれて斬首されその首は25年(!) もさらしものにされたというのだから凄い話です。本作では清教徒革命の細かい部分はオミットされて、クロムウェルとチャールズ一世の確執に焦点を合わせたストーリーになっています。クロムウェルはやたら宗教がかった人で、彼の火の出るような演説はリチャード・ハリスの熱演でだんだん暑苦しく感じてくるほどです。対するチャールズ一世もアレック・ギネスが威厳に満ちた堂々たる演技で、どうしても王の方に感情移入させられてしまいます。クロムウェルが護国卿になるところでお話が終わっちゃうというのが中途半端な印象ですが、『ネーズビーの戦い』などの合戦シーンでは両軍のきらびやかなコスチュームに魅了されました。それにしても、虐殺を伴う大弾圧をアイルランドに加えたクロムウェルをアイルランド人のリチャード・ハリスが演じるとは皮肉です。[ビデオ(字幕)] 6点(2009-11-27 23:35:14)

48.  クリミナル 《ネタバレ》 意外と面白いなと思ったら、「あの映画」へのオマージュでした。証券を売りつける相手の名前を聞いて、なんか聞いたことある役名だなあと思いました。そのことについてはこれ以上書けません(笑)。しかし、ジョン・C・ライリーの小悪党ぶりが傑作です。インタフォン使っていい年した大人が「オレオレ詐欺」なんかやるなよ、と私は言いたい。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-04-10 18:58:18)

49.  偶然の旅行者 《ネタバレ》 何回も観れば味が出てくる映画のようですが、私にはイマイチでした。確かにウィリアム・ハートは優柔不断ですが、キャスリーン・ターナーが演じる別居中の妻が自分勝手すぎるように思えます。そんな妻なのに、よりを戻そうと言われてウィリアム・ハートがぐらつくところが、彼の優柔不断さを際立たせる演出なのかもしれませんが。観てておかしかったのは、ウィリアム・ハートの兄弟たちの変人ぶりで、ジーナ・デイビスよりよっぽど変ってると思いましたよ。[DVD(字幕)] 6点(2009-03-03 21:54:11)(笑:1票)

50.  クレオパトラ(1963) 《ネタバレ》 “映画史上空前の失敗作“としてその名も高い本作、でも意外なことに世界中で大ヒットしてその年のNo.1の興行収入をあげていますが、20世紀フォックスは製作費の半分も回収できなくて社運が傾いて撮影所を売却する羽目にまで陥ります。当時の日本円で143億も製作費が掛かってたら(現在の貨幣価値では幾らになるんだろう…)、そりゃあ利益が出るわけないですよ、ここまで来ると不条理の世界です。金が掛かった原因は監督の交代から始まってエリザベス・テイラーとリチャード・バートンの不倫スキャンダル諸々で撮影期間が四年近くになったこと、ゴタゴタが続いて苦労して完成させた映画は報われない、というジンクス通りになっちゃったわけです。やはりこの映画で「カネかかってるなー」と唸らせてくれるのは、クレオパトラのローマ入城とクレオパトラが船でアントニウスを訪ねて来るシークエンスでしょうな。入城シーンはあまりの壮大さにバカバカしくなってしまうほど、船なんて巨大なガレー船を建造して撮影しているぐらい、もっとも遠景に映るのはどう見ても撮影当時の地中海沿岸の街並みでしたけどね(笑)。クレオパトラの衣装も豪華絢爛の極み、でもなんか現代風のオスカー受賞式で観られるようなドレスが多かった気がします。そう言えば宮殿内の机やソファーなどのインテリアも妙にモダンな感じだったのも違和感があり、考証的には他にも首を傾げるところがありました。 四時間の長尺ですけど、開幕から一時間余りがカエサルとクレオパトラ編、残りがアントニウスとクレオパトラのストーリーという感じで、リチャード・バートンは前半にはまったく登場しません。そういう面ではカエサル編とアントニウス編ではまったく違う映画の様な印象さえ与えかねないところですが、当初の構想ではカエサル編とアントニウス編は別々の映画として合わせて六時間という企画だったのを一本に纏めたそうです。正直なところカエサル=レックス・ハリソンの実に堂々とした演技が光り、肝心のアントニウス編になると単なるメロドラマというテンションになってしまいます。あとクレオパトラの子供がカエサリオンだけでアントニウスとの間に設けた子供が存在しないかのような描き方は、史実とは大幅に相違しています。バートンはアレキサンダー大王を演じているのを観たときも感じましたが、史劇になると妙に大芝居をするようになって持ち味を殺してしまうんじゃないかな。 とは言え歴代クレオパトラ女優の中でもやはりエリザベス・テイラーは別格、まさにクレオパトラのアイコンに相応しいと思います。当時彼女は31歳の女盛り、脱ぐわけじゃないですがあの豊満な乳には視線が釘付けにされてしまいます。パスカルには「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら…」という有名な言葉がありますが、テイラー=クレオパトラを観ていると「クレオパトラがもし貧乳だったら、歴史が変わっていただろう」と言いたくなりました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-01-04 22:24:39)

51.  空気の無くなる日 《ネタバレ》 1910年(明治43年)に20世紀最初のハレー彗星接近がありましたが、日本では明治維新後初のハレー彗星との出会いだったわけです。約75年周期で地球に接近するわけですから現代人の感覚では生涯で一回もしくは二回は出会うことがあるイベントですけど、昔の日本人の平均寿命はまだ短かかったので、一度もハレー彗星を見ることなく墓に入る人が多かったと思います。当時は半端に科学知識が広まっていた時代にはなっていましたので、あやふやな情報が元になったパニックが日本でも一部の地方であったそうです。そんな史実をもとにした児童文学を映画化したのが本作です。 舞台は山奥の集落、平和に農業や牧畜を営む地区にハレー彗星接近の知らせとともにある情報が伝わります。彗星がもっとも地球に接近する七日後の4月20日正午、地球の大気が5分間消失するという驚天動地の新聞記事。なんでも彗星の長い尾が地球を包むのがその5分間なんだそうで、大気がその間彗星に吸い取られちゃうという説明だが、なんでまた大気が元に戻るのかはさっぱり謎。つまり5分間呼吸を止めていれば助かるという理屈なんだけど、校長先生や児童たちは一生懸命に洗面器の水に顔を突っ込んで挑戦するけど、そんなことできるはずがない。すると空気がつまった自転車のチューブを使えば5分間を耐えられるというアイデアが広まるが、チューブや浮袋みたいなものは全て地主が買い占めてしまう。かくして地主一族以外の村民は、地球最後の日を粛々と迎えることになります。 プロレタリア作家である岩倉政治が書いた原作は子供向け寓話の形をとっていますが、痛烈な資本主義批判が込められています。貧しい生活だが清らかに生きる農家の一家と対照されるのが、チューブを買い占めて一族だけで独占して生き残ろうとする冷酷な地主階級というわけです。この原作は戯曲化され、昭和の日教組全盛時代には各地の小中学校で児童生徒を使って上演されていました。実は小学校高学年のときに小生のクラスでも学芸会の演目にされ、校長先生の役で生涯ただ一度(今のところ)の舞台に立ったのは懐かしい思い出です。ウン十年ぶり映像作品として再会を果たしたわけですが、小品ながら映画としても結構良く撮れています。冒頭でハレー彗星の接近が特撮アニメーションで解説されるわけですが、東宝のスタッフやまだ駆け出しのうしおそうじが関わっているのも興味深い。左翼臭もそれほど露骨ではなく、地球最後の日を迎えるように死を受け入れて彗星接近の瞬間を待つ村人たちの様子もしっとりと描かれていましたね。フィクションとはいえ、海外の映画ではこういう人類滅亡の危機では暴動や略奪が起こる(まあ現実でもそうなるでしょうね)のが定番ですけど、死に向かって悟りきったように対処するところも日本人的なリアルさかもしれません。もちろん結末はハッピーエンドですけどね。[CS・衛星(邦画)] 5点(2023-10-03 22:20:22)

52.  グレイテスト・ショーマン P・T・バーナムという人の実像からはあまりにかけ離れている、と米国の批評家からは酷評されたそうですが、自分にはそれはどうでも良いとしか思えないです。調べてみるとたしかにこの映画は相当派手に脚色されているみたいです。 “バーナム効果”という心理学用語があるぐらいで、確かにペテン師的な印象が強いみたいですね。でも山あり谷ありと言ってもこれだけポジティブな人物だと、観ていて愉しくさせてもらえることは確かでしょう。テンポも良くてサクサクとストーリーが展開しますが、サーカスの芸人たちやビジネスパートナーそして家族とのエピソードが薄っぺらすぎて自分としても低評価になっちゃいます。サーカス公演のミュージカル場面もそこそこに豪華絢爛ですけどなんか中途半端で、どうせならバズ・ラーマンの『ムーラン・ルージュ』ぐらい弾けて欲しかったところです。まあこの映画は、気分が落ち込んでいるときにはいい薬になるかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-11-22 23:22:38)

53.  グランド・イリュージョン 《ネタバレ》 これはもう皆さんご指摘の通り、マジックを題材にする映画の居心地の悪さがドンと立ちはだかって結局それを乗り越えられなかったということにつきます。言ってみれば映画自体が壮大なイリュージョンみたいなものですからねえ。というわけで軽いタッチのストーリーテリングなので、展開自体もどんどん『ミッション・インポッシブル』シリーズみたいな感じになって行きました。どうせなら『プレステージ』みたいな怪奇趣味に走ったほうがなんとかなったかもしれません。 この映画の最大の弱点は“アイ”などと呼ばれるフリーメーソンみたいな秘密結社のことを脚本上うまく活かせなかったところで、四人のマジシャンたちの活動が“アイ”とどういう関係があるのかが全然わからない。インターポールの捜査官メラニー・ロランとFBI捜査官マーク・ラファロの絡みが並行して描かれているが、これではこの映画のストーリーテリングが四人のマジシャンと二人の捜査官に分裂してしまって緊迫感がそがれてしまいます。メラニー・ロランの正体ははたして?というサスペンスを強調する手もありますが、そうするとオチがあれですから突っ込みどころがさらに巨大化するだけになりそうです。 とまあケチをつけだしたらキリがないわけですけど、マイケル・ケインにモーガン・フリーマンも顔を見せていることだし、深く考えなければいい暇つぶしにはなるでしょう。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-09-29 22:00:32)(良:1票)

54.  黒線地帯 新東宝のいわゆるライン・シリーズの中では、『黄線地帯』ほどのインパクトはないけどそれでもかなりテンポも良くて一般受けしただろうなと思います。考えてみると、三原葉子は天知茂と組むといい味が出るんですよね。これは石井輝男の脚本の功績であるのは間違いないです。この映画でも、天知茂が演じるトップ屋の軽妙で歯切れの啖呵は、聞いていて実に愉しいです。でも所々で急に天知の喋りが畏まった説明セリフになるところがあり、そこら辺は石井だけじゃなくて宮川一郎も脚本に参加していたからなのでしょうか。中盤にあるバーのシークエンスでは、言葉が喋れないホステスやモロにオカマと判るホステスが出てくるという不思議な空間で、いかにも石井輝男ワールドといった感じがして面白かったです。またカメラにもけっこう力が入っていて、新東宝にしては珍しく陰影のはっきりした画で登場人物のアップを撮っていて、石井輝男という人はけっこう画作りに拘った面も有ったんだなと再認識させられました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-26 22:11:00)

55.  唇からナイフ 《ネタバレ》 ヘンな映画だとは聞いていましたが、確かに噂に違わぬ珍作でした。もしなんの事前情報も持たずに本作を観せられて監督は誰だと思うか聞かれたら、ジョセフ・ロージーが監督だと答えられる人は皆無でしょう。社会派で硬派なロージーがなんでこの映画を撮ったのかは大いなる謎ですけど、きっと生活のためだったんでしょうね。 だけど峰不二子チックなヒロインであるモニカ・ヴィッティの奇抜なファッションと色っぽさはもう絶品で、あの太もものサソリ・タトゥーはイイ目の保養になりました。敵ボスのダーク・ボカードは銀髪なこと以外はいつものボガードなんですが、この人のホモチックなキャラは訳のイマイチ判らない悪の組織の首領には良く合っていたと思います。 と、ここまでは一応褒めましたが、突っ込みだしたらキリがありません(笑)。①モニカ・ヴィッティ、テレンス・スタンプの脇が甘過ぎ、行動がバカ過ぎ②ボガードの悪の組織も運営方針が判らな過ぎ(側近が帳簿係で経費をかけずに悪事を働くことに腐心しているのは理解できました)③ラスト、モニカとアラブの王様にダイヤを横取りされたのに、なぜ「作戦成功」と英国情報部はご満悦なの? でもこの映画のカラフル&サイケデリックな美術は観てお得感満点で、明らかにピーター・セラーズの『カジノロワイヤル』に影響を与えているし、『オースティン・パワーズ』のセットも本作をパロってます。 ひょっとして、ただのおバカ映画ではないのかも…[DVD(字幕)] 5点(2013-12-05 21:56:49)

56.  黒い狼 《ネタバレ》 フェリーニの『悪魔の首飾り』の主人公テレンス・スタンプは“世界初のカトリック西部劇”に主演するためにローマに来ます。“カトリック西部劇”なんて奇妙な代物が実は本当にあったんですね、驚きました。主演がジョン・ミルズとダーク・ボガードという二大英国名優、舞台がメキシコ、しかも時代が現代(1950年代?)、とまあここまでくせ球を投げてくるとはさすが英国映画です。“無法者が支配する町に新任保安官が赴任してくる”という西部劇では一般的なプロットで、保安官が神父であるところが違いだと言うことです。本作のボガードは、『荒野の七人』のユル・ブリンナーみたいな黒づくめコスチュームで登場してきて実にカッコ良い。当然、“善”のミルズ神父と“悪”のボガードの対決という図式で物語は進むわけですが、ボガードを単純な悪ではなく権力や教会に不信感を持った屈折した男なのがなかなか良い。そこに地主の娘ミレーヌ・ドモンジョ(当たり前だけど、若い!)が絡んでくるのですが、神父に恋してしまい三人の三角関係がラストの悲劇に繋がってゆくところは思ったより重厚な展開です。また、どうもボガードも神父にホモ的な愛情を持っているみたいな雰囲気もあり、そういう類の演技をさせたらボガードはピカ一ですね。この映画の最大の問題は、別に西部劇みたいな設定にする必然がないということでしょう。 原題は「歌手が大事なんだ、歌じゃない」という意味ですが、これはカトリック教会に対するけっこうきつい批判でもあります。余談ですが、字幕が「神父」と「牧師」を混同しているのが気になりました。「牧師」はプロテスタントですよ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-02 23:58:30)

57.  軍用列車 《ネタバレ》 アリステア・マクリーンがこんな西部劇を書いていて、しかも映画脚色までしていたとは知らなんだ。 南北戦争後、西部の辺境の砦でパンデミックが起こったので救援のために医薬品と交代の兵士を運ぶ軍用列車が舞台。ウエスタンと言っても延々と雪が積もった大地を列車は進むわけで、あまり西部劇らしくないとも言える。正直なところ登場人物や設定にかなりのムリがある。ぶっちゃけネタバレすると、途中の駅から捕まった指名手配犯のチャールズ・ブロンソンが同乗するわけだが、実は連邦政府の秘密情報員で略奪されたライフルとダイナマイトを追跡してわざと捕まったという設定、FBIすらなかった19世紀にアメリカにCIAみたいな組織が存在したというのはお笑い種ですがね。列車には兵士たちはもちろん保安官やなぜか知事まで乗り込んでいるが、停車中の仕草を見てるとなんかみんな怪しそうである。実は知事や保安官たちはみなグルで、医薬品と偽っている武器は砦を占拠している原住民と無法者たちに横流しする計画で、オリエント急行よろしく無関係な同乗者である医師や牧師を次々に殺害してゆく。逃げ場のない列車内での密室殺人なのに、ブロンソンと将校以外は誰もショックを受けていない、そりゃあほとんどがグルで共犯なんだから当然ですよね(笑)。リチャード・クレンナやベン・ジョンソンなどの顔ぶれの中で、それまでの出演作ではワルがパブリックイメージであるエド・ローターが実は善玉だったというのはちょっと捻っていますね。密室殺人のミステリーも盛り上がらないし、後半はスーパーエージェント・ブロンソンの大活躍でいつの間にか終幕といった感じ。ブロンソンの愛妻ジル・アイアランドもお約束の様に顔見世していますけど、彼女のキャラってほとんど見せ場のない不必要な存在だったんじゃないかな。 違和感があったのは、この蒸気機関車が石炭じゃなくて薪を燃やして走ってるんです。なんでわざわざ薪にしたのか不思議でしたが、これはある伏線のために石炭が使えなかったというウラが途中で判ります。まあ色々と苦労してたわけですね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-05-12 22:33:27)
《新規》


58.  グランド・イリュージョン 見破られたトリック 《ネタバレ》 監督を中国系に変えて(この後に『クレイジー・リッチ!』を撮った人)チャイナマネーを呼び込み、シリーズ化させる気は満々とお見受けいたします。内容もますます『ミッション・インポッシブル』風味が強まり、いやというか『キングスマン』シリーズを意識してきたというのが正解かも。この四人のマジシャンと元FBI捜査官はここまで来ると完全に謎の組織のエージェントですね。今回は風呂敷を広げ過ぎたおかげで前作どころじゃないツッコミどころの多さで、ここに寛大な心で臨めるかどうかがこの映画を愉しめるかのカギとなります。私は思ったより自分が広い心を持ってなかったと反省する次第です(笑)。その中であえてひとつ言わせていただければ、「催眠術、最強かよ!」というところでしょうか。いやはや、ここまでくればまさに魔法、いやほとんど超能力といった感じです。ほんとアントニオ猪木じゃないけど「催眠術があれば何でも出来る~1・2・3、ダァー!」と叫びたくなりました(笑)。 昨今のSNS全盛ご時世、YouTuberとして人気を呼べれば犯罪者も義賊になれそうという流れを皮肉るのがこのシリーズ脚本の隠れた意図かとも思いましたが、そんな深いこと考えてるわけないですね(笑)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-09-30 22:41:04)

59.  雲霧仁左衛門 《ネタバレ》 何とも豪華というかムダに絢爛なキャストでしょうか! 八代目と九代目、松本幸四郎の親子共演なんて映画じゃ滅多に観れないもんですよ。でもこんだけ脇役にまで大物俳優が出ていると、かえって目移りはするしお話しが散漫になるので副作用が強いんだと良く判りました。女優の扱いがまた露骨で、岩下志麻(ミエミエのボディダブル・ヌード)、倍賞美津子(手拭いで胸を隠して入浴シーン)、宮下順子(ロマンポルノの人だからと言っても、初登場シーンはあまりにムダ脱ぎ)と監督の脳内での女優格付け順が露骨に判って失笑ものです。と言うことは、ただ一人エロに無縁な役だった松坂慶子がいちばんの大物女優だってことなんですかね(笑)。 せっかく“大江戸版ワイルド・バンチ”な食材なのに、下手な料理人のおかげで恐ろしく不味い料理が出来ちゃったと言うしかありません。チープな音楽に安直な脚本、この監督は撮り方がTV時代劇と基本的に変わっていないのが良く判ります。池波正太郎もさぞやご立腹だったんじゃないでしょうかね。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-12-23 20:13:56)(笑:1票)

60.  クリビアにおまかせ! 60年代にオランダで大人気TV番組のミュージカル化だそうで、さしずめ日本で言うと『サザエさん』を実写ミュージカル映画にした様なもんでしょうか。タイトル・バックはバスビー・バークレー風で、ここは必見しょう。主役のクリビアというキャラを演じているルス・ルカという人はオランダでは有名な女優だそうですが、あの顔、どっかでみたことある様な気がするんですけど思いだせない、そう、日本の女優で似た人がいたのかな? なるほどアルバトロスは『アメリ』の二匹目のドジョウを狙ったんでしょうが、ちょっとこれじゃあ無理でしたね(笑)。ミュージカル・ナンバー自体は決して悪くなかったですよ。[DVD(字幕)] 4点(2011-05-05 23:36:01)

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